シナリオを書こう!

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前書き

タイトルまんまの内容。
画像は直近で見たものの中で一番シナリオ書きっぽいキャラの画像。
なんだかんだで結構いろいろなシナリオをこのハーベストというシステムで書いている自負があるので、偉ぶって講釈垂れてみることにした。
むろん、これはこのコラム書いてる人間の考えでしかなく、創作論なんて人の数だけあるはずなので全部真に受ける必要もない。筆者が強い言葉と表現が好きだから無駄にガラの悪いコラムになるだろうし。

シナリオを書く、というと難しく聞こえるが、ハーベストというシステムは色んな側面でシナリオを書きやすいTRPGシステムだと思うので、一度くらいはシナリオライティングにチャレンジしてほしいという願い込み。オリシ、募集かけたら卓に飢えた連中が飛びつくからおすすめです。

前置きはこれくらいにしてさくさくと本編に移る。
自分はシナリオ書くときこういう順番で書きます(連番で記した小題)、書くときはこういうことを気をつけます(EXで記した小題)、の順番で記していく。

①シナリオコンセプトを決める

ともあれここから。シナリオのテーマと言い換えてもいい。
もっとも、そんなに小難しい、というか大それたものでもない。生命の神秘だとか世界の美しさだとか、そんな巨大なバックグラウンドがなくてもシナリオの核はできる。
「こういうNPC書きたい」「こんな設定あったら面白そう」とかそんなんでいい。要はシナリオでどんなことを書きたいかってこと。

ここでやりたいのはシナリオの方向付け。筆者がカードゲーマーなのでカードゲームを例えに使うが、デッキコンセプトが明確でないデッキは弱い。展開の着地点はどこなのか、エースカードはなにか、リーサルの手段はなにか。デッキの中でそれが明確に存在すること、そして回す側がそれを把握していること、この2点がないとデッキじゃなくて紙束になる。

シナリオだって、NPCはどんな感情で動いているのか、黒幕の目的はなんなのか、エンディングはどう着地してほしいのか。この辺は書く前に定めておかないと物語の動かしようがない。
書きながらキャラが勝手に動き出す論は、あるのは理解するものの、最初からそういう勝手に動き出すこと前提でライティングにかかると絶対収拾つかない。せめて動く範囲くらいは制御できるように準備して書こう。

②起承転結

記憶が正しければ小学校で習った概念。物語の基本。
今や起転転転みたいな物語もはびこっているが、やっぱこのテンプレに乗っかるのが一番書きやすい。
ハーベストというシステムなら、

①起=導入
PCとNPCの紹介パート。各々がどういうキャラで、どういう関係なのかをPLに構築させる。
②承=中間戦闘
黒幕というかラスボスに繋がる中ボスをお出しして殴らせる。
③転=最終戦闘前の準備
ラスボスの情報(目的)、それを倒す手段なんかをお見せして戦うための土台を製作。
④結=最終戦闘とエンディング
最終戦闘を行わせて、PCにエンディングを迎えさせる。

おおよそこういう構成で問題ないと思う。
承と転については諸説ある。転が情報収集パートにあたる部分なわけで、ここにPLをびっくりさせるような情報が転がってない限りは「転」と言い張れるだけのインパクトは薄い。そういうときは中ボス登場をインパクトに据え、そのままラスボスに殴りこませるのも手。この構成をするときは承のパートを長めにとって、関係性の構築と戦うモチベの用意を丁寧にやることになる。この辺は後述。

色々書いてはいるものの、このパートでやりたいことはシーンの配分を考えようということ。
分かりやすいから中間戦闘を目安にするのをオススメするが、中間戦闘まででどの程度まで情報を出すか、NPCとはどの程度絡ませたいか、PCどうしはどうか、そういったことを考えてどのシーンで何をやらせるかをざっくり決めておく。中間戦闘後も同様に、黒幕の情報をどうやって渡すか、そいつと戦う動機は何か、その動機をどう意識させるか、といった部分をシーンごとに明確にする。

ハーベストの優しいポイントとして、中ボスについては戦う動機を用意する必要が実はない。突然襲い掛かってきたヤツに正当防衛で殴り返す、が成立する。そこから何故こいつは攻撃してきたのか、裏に何がいるのか、というところに繋げるだけで最終戦闘に至るまでの道筋が完成する。これはハーベストというよりシーン制システムの強み。
起承転結の承に中間戦闘を据えたのはこれが理由。ラスボスを匂わせるための布石として中間戦闘があまりにも便利。転に移行するためにもってこい。

③NPC

シーンごとの目的を定めたら、NPCの製作に移る。これは敵味方双方のNPCのこと。
②で各シーンでNPCにどう動いてほしいかのざっくりとした部分は定まっているはずなので、「じゃあなんでそんな動きをしたの?」という情動部分を詰めるのがおすすめ。
NPC = Non Player Character ということで、こいつらもキャラである以上は目的とか信念があって動いている。動きから目的も信念も逆算できるはずである。逆に目的や信念を先に定めて動きを決めることもできるが、「コイツは本当にこんなことするか?」という自縄自縛に陥る危険もあるのには注意。しそうにないことをするだけの理由を別途で設けられるなら、それはそれで美味しいキャラにはなるが、めっちゃ難しいので無理に挑む必要もない。

すごく薄情な物言いをすると、NPCは基本的に舞台装置に徹するのが都合がいい。PCに協力してボスまでの道筋を作るキャラ、PCがボスに立ち向かう動機となるキャラ、PCに立ちはだかるボスキャラ。そういう属性を主軸にして、物語上の自然さの都合としてキャラの目的や信念を後付けする。ご都合主義だとかキャラを大事にしてないとか言われそうだが、今回書くのは小説ではなくてTRPGのシナリオである。主役はPCたちであるべきな以上、必要以上にでしゃばるNPCは普通に邪魔である。自戒のためにも舞台装置としての運用に徹するのが無難だと思う。

もちろん、シナリオコンセプトとして「このNPCを見ろ!」とかがあるならある程度のでしゃばりは許容されるだろうが、それをやる場合はそれが許されるだけの格は用意するべき。
「格」というのは単純な戦闘面の強さが分かりやすいが、最重要はそいつがそこまでやらねばならない理由付けだろう。PCや黒幕に思うところがあった、ずっと何かしらの後悔を抱えていた、そういう側面をちゃんとシーンを使って描写していたのなら、PLにもNPC最強演出への納得は生まれるはず。
逆にやっていない場合、極論だが虚空から湧いてきた俺TUEEEキャラがラスボスの配下を全員一撃で葬って「さあ行けPCたち!」ってやって盛り上がるか? という話。もう全部アイツにやらせろよ、となるのではないか。その展開やるにしたって、せめてそいつが戦えない理由くらいはつけてあげてほしい。

④書く

頑張って書いてほしい。
以上。
無常。

ここに関してはホントに言えることがない。
ここまでの内容で何を書くべきか、はまとまっているはずなので、あとはそれを文章にする作業になる。そこが一番難しいやろがい、というのはそうなのだが、執筆作業までは個々によるから管轄外である。
述べることがあるとすれば、地の文の量については配慮してね、というくらい。マスターシーンの量が分かりやすい。
かく言う自分も「あのシナリオはマスターシーン長すぎたな……」という反省がかつてあったりした。マスターシーンって、言い方最悪にするなら、PLの関与しえない部分で進むシナリオ作者の自己満足パートでしかない。いや、必要な描写ではあるんだろうけど。
ゲームでいうムービーパートな以上。必要量を超えてはいけない。クリアプレイ時間10時間の超大作がムービー部分で5時間だったら普通に詐欺広告だろ。映画でやれや。
今回の主題はTRPGシナリオという媒体であって、小説ではない。卓に参加するPLがいる以上は、彼らが参加できない部分は極力減らすのが無難。

最低限、②で定めた各シーンごとにPCやNPCにやらせたいこと、これは言わせておきたいというセリフあるいは情報、これだけまとまっておけばシーンは成立する。心情や情景描写をどこまで書くかは本当に好みの範疇だろう。

⑤ボスデータ

シナリオ本編が書きあがってもエネミーデータは要ります。
PCとエネミー、どっちのデータが用意するの大変かというのは諸説ある。個人的には後者。
もっとも後者が大変と言っているのは、自分が基本的に全公式サプリ使用可能環境という魔境でばっかりデータ組んでるせいなのは自覚している。完封されないように対策しないといけないものが多すぎる。

データ自体は、ぶっちゃけてしまうと好きに組んでいい。シナリオ上で描かれた強さを表現するための最強データでもいいだろうし、フレーバー全振りのオシャレ構築でもいい。大事なのはそのエネミーで何をしたいかが明確なこと。シナリオコンセプトと同じ。
戦闘の着地点は、基本的にはPC側の勝利である。エネミーは負ける定めにあるわけだが、負けるまでの間に何をしたいかは軸に据えること。戦闘不能になる直前の手番で何をしたいかくらいは決めたい。

大魔法とかの1回きりリソースのような必殺技ポジについては、自分はたくさん持っておいていい派閥。使わないなら使わないでもよくて、使えそうなときに使ってね、くらいで用意しておくといいと思う。その辺の調整はシナリオ回すときにPCのデータ見ながらやればいい。もっとも、リソース多すぎるとその管理に苦しむことになるので、最低限の配慮はいる。

データが完成すれば、晴れてシナリオと呼べるものが出来上がります。
お疲れ様でした。

EX1 モチベーション作り

この先、EX番は上述とは別途で設けるシナリオ執筆上の注意点。注意点というか自分がいつも意識していることになる。
最初に最重要と思っているものを持ってきた。すなわち、PCの動機の用意。
何故シナリオに参加するPCは戦うのか、これがシナリオ側に用意されていないことにはPLがロールプレイに困る。シナリオの強制力で戦わせることはできるものの、その戦闘は絶対に盛り上がらない。できたPLは自分でこういうモチベーションをPCに作らせることができるが、いつだってそれを期待するのは身勝手すぎる。

ハーベストだと動機付けとしてカースというとても分かりやすいものがある。身近な誰か、あるいは自分がカースに感染していて、クリーチャーを倒さないと死んでしまう。これを提示するだけで動機が完成する。希死念慮があるPCだから気にしてなくて~、とか言われても知らん。それはそんなPC持ち込むPLが悪い。そんなのを持ち込む以上はわざわざそいつがシナリオに絡む理由を自分で用意してほしい。
話が逸れたが、カースという致死物質があるため、「命の危機」というのはハーベストで一番お手軽な動機付けだろう。そんな感じで、「こいつらは絶対にここで戦って勝たなければならない」という理由付けを最終戦闘までに完成させること。

EX2 NPC強度

上でも書いた内容を改めて。
NPCを作る上で絶対にやってはいけないのは「全部そいつ(そいつら)だけでどうにかなるNPC」という存在を作ってしまうこと。それはPCの存在意義が消える。
「オレが書いた最強無敵のNPCを見て!」をやりたいだけなら媒体をTRPGシナリオ以外にした方がいい。それを踏まえてでもそうしたキャラを出したいなら、そのキャラクターが全部やらない理由を、心情面や状況面で作っておく。
一番分かりやすい例がドロシーだろう。最強の魔法使いなのが分かっているのだから、ハーベストで起きる大体の事件は彼女が出しゃばれば解決するものと思われる。シナリオにドロシーが登場しなかったのなら、今回の事件はドロシーが関わらなかったから知らなかったんだな、となるし、シナリオに登場させるなら、シナリオ側でドロシーがケリをつけない理由を描写した方がいい。黒幕との因縁がPCの方が深かったからそれに配慮した、とか他の危険に対応していた、とかやり方はいろいろある。
大事なのはPLの納得を用意すること。そこさえクリアできるのなら、「ぼくの考えたさいきょうのNPC」を登場させるのは問題ないはず。

EX3 シナリオ内での決着

言いたいことはただ一つ、黒幕はちゃんとぶっ飛ばさせろということ。
キャンペーンシナリオなら例外だが、単発シナリオだというならボスはちゃんとPCに仕留めさせ、相応の報いをちゃんとシナリオ内で描写する。
なんか逃げ延びたりして、「まだまだ策はありますよ……」みたいな無駄な強キャラムーブで終わられても、そんなのPLのフラストレーションにしかならない。第二第三の魔王とかいらない。お前が初代で末代。
これをやらないことには、PL的には「じゃあなんであんな頑張って戦ったの?」という不満ばっかりが募る。そういった点でも、ちゃんとやられてくれないボスはシナリオ作者の自己満足の象徴である。
ボスの格を落としたくないなら、やられ方の方に工夫を入れるべきだろう。最後にPCを認める、最後まで自分の信念に殉ずる、やり方はいくらでもある。
ボスのその後を描くなら、せめて改心するなりして、PCがそいつに与えた影響を記すべき。「君たちは頑張ったけどこいつは何も変わってないよ~ん」するの、普通に趣味が悪い。露悪的どころの話ではない。
個人の考えにはなるが、TRPGとは各々が組み上げたキャラクターをシナリオという舞台で交流させ、そいつらがどう変わったか、あるいは変わらなかったのか、というのを演者かつ観客として観劇する遊びだ。自分が用意したキャラクターが舞台に何の爪痕も残さなかったことを示されても、それは気分が悪いだけだろう。

あとがき

シナリオ製作について思うことをつらつら書いてきた。いかがだったのだ⁉
最初にも書いたが、これはコラム筆者の考えと組み方でしかない。
自分にとっての最適な手法、構築があるならそちらをとった方がいい。
それでもなんか、誰かの参考にでもなればな、と言語化した。好き好きにエッセンスを汲み取ってほしい。

この記事を書いた人

予想以上に沼が深くて入り浸っている人
シナリオたくさん書きたい

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