経験点使用についての考察 ─ シナリオにおける配布経験点から考える適正難易度 ─

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序文

お久しぶりでございます。先日は少し粗相をしましたが、自省も兼ねてGMとして活動できるよう精進しているキツツキでございます。

今回はシナリオにおける経験点配布について考えようと思います。

よく高難易度とされるシナリオでの配布経験点は、20点、50点とみますが、筆者は経験点に基づく難易度基準がよく分からないハーベスト1年生です。何でこの幅しかないの、10点配布がないのはどうして?と、ずぶの素人丸出しなのです。

よって、初期作成による21点分から、10点刻みで、20点追加配布(院生データのみ例外として50点渡された場合の話もします)まで考察を始めていきます。ただし、今回の考察において入れ込む要素はあくまでも「学部生の範囲内でできる成長と院生の成長の比較」、「スタンス以外でやれることの幅」「それぞれの段階における適切なエネミー戦力の分析」のみとし、有料範囲、特に魔導宝具、フュージョンマジックなどは考えないものとします。

R5/06/24 院生データについて考察不足な部分があったため、追記・修正を実施しました。

初期作成の場合

コンストラクションであれば、伸ばせる能力値は5までとキャップはあるが経験点換算で能力値の分は6~8点程度、一般アイテムで3点、特技で15点分。アクションマジックとリアクションマジックをどちらも入れなければならない、という点に目を瞑れば、3~5点分はフルスクラッチよりも余裕があります。しかし、前述の事情もあって、魔法の枠のフル活用や特定の一般アイテム効果の重ねがけなど、特化した戦法にはあまり向かないのが欠点だと思われます。

一方で、フルスクラッチ。こちらは取得できるものはコンストラクションほど余裕を感じられないかもしれないですが、転科による自由な発動体の選択や他学科履修による特技の取得に、発動体の専用化など、特化したビルドを作ることに適しています。よほど低い能力値を伸ばす場合でなければ、5まで伸ばした上で転科か発動体の専用化、そして特技を1~2つ取得することは現実的です。

また、取得する特技を1つに絞れば、9点の専用化も選択肢となるでしょう。魔素集積については支援役にとっては垂涎モノの効果です。ただし、潜在解放は得られる特殊特技「オリジナルジョーカー」のTPのコスト自体がそれなりに重たいです。決まってこの場面で何かをやる、この発動体や一般アイテムを組み合わせて爆発的なアドバンテージを得る、といった決断が求められることになると考えられます。

上述のように、痒いところに手が届くか否かのギリギリ、というのが初期作成です。いくら特化させても、自分ではぎりぎりとどかない、したいけど歯がゆいことがあるものです。逆に言えば、これこそが初期作成での3人でのチームプレイを成立させる妙なのだと思います。

さて、ここまで挙げた利点を下に、ある程度のダイスの出力や、2R以降で出るダメージ、防御力など、戦力を想定していきます。

初期作成で考えられるのは、まずそう手数(この場合さすのは時空転移や大魔法などによるアクションフェイズやリアクションフェイズを取れる回数だけでなく、準備・補助タイミングの回数なども含みます)を増やす手段が多くない、あるいは確定的でない訳です。

まず、支援について。初手から強力なグステ付与魔法(アトラスかミッシャ、ポプラなど)を狙うのは無償環境では難しいものです。よって、2R目以降はともかく、1R目の支援とアタッカー自身の行動で増やせるダイスは平均して2個ほどと思いましょう。2R目以降は、自分のダイスが増えるので、レベル5魔法などで支援が手厚くなります。増やせるダイスの数は4~6個ほどになるのではないでしょうか。

次はアタッカーの火力ですね。まず、学部生においてはレベルxの魔法に対してダイスの必要数をおおよそ2Xである、と見積もっておきます。期待値的な問題ですので、実際発動できるかはその時次第です。1R目にアタッカーが扱うことになるダイスは7個(変身アタッカーなどで増える場合には9個)だと考えられます。この状況で狙えるのは、前者であればレベル3魔法1回とレベル2を2回、後者であればレベル4魔法1回とレベル3以下魔法2回ぐらい。追加効果込で考えて、前者はだいたい12点ぐらい、後者は20点ぐらいだと考えられますね(防御力半減効果とか属性攻撃力とか入る場合はもう少し上がります)。

2R目以降はダイスがもう9個以上と考えられますね。先述したレベル4魔法1回とレベル3以下魔法2回どころか、レベル5魔法とレベル3以下魔法数回、あるいはレベル4魔法3連打なども考えられるわけです。こうなれば火力は20点以上は堅いと思われます。追加効果も含めれば30点相当になることでしょう。

次に、盾役の防御力。無償環境初期作成の場合、防御役にまで支援をする、というのは意外と手段が限られています。つまり、盾役は自身の行動で支援を目指す必要がある訳です。となると、レベル2~3の魔法でダイスを増やしながら防御力を高めていくことになります。1R目に関してはダイスはすっぴんの5個、2R目以降も運が悪ければ6~7個の可能性があります。この時点での防御力はぎりぎり二桁になるかならないか程度のか弱さです。

しかし、その反面、盾役がとにかく積め!と言われがちな強力なレベル4以上の魔法は一度発動すれば防御力や回復、マナの発生、グステ付与によりとんでもない耐久性を発揮します。下手すれば盾と同時に支援も始めるものです。軌道に乗らなければ15点程度ですが、30点以上の防御力も夢ではありません。ただし、今回するのはあくまでも平均的な戦力の想定のため、20点前後とします。

ここまでを踏まえ、適切なエネミーの戦力を考えていきます。ミドル戦闘は同じような経験値帯で学生やスパイ、クリーチャーの作成をし、その上でいくつか高レベルの魔法を抜く、あるいは数的な戦力差からそのままお出しすればいいでしょう。

しかし、クライマックス戦闘となればまた話は変わってきます。PC達に、フレーバーに沿った範囲で適切に脅威になってもらわなくてはならないのです。つまり、ダイスの増加幅などはPC側とそう変わらずとも、攻撃力はPC達の防御を少しずつ上回り、5Rぐらいで倒せてしまうような最大火力を狙う。つまり、適正の最大火力は30点、最低火力は10点程度といったところでしょう。(どうせ大魔法でアクションの回数増やしたりダイス増やしたりしますから、初動の安定を優先し、緊迫感を与えられるよう尽力いたしましょう。)

そして必要であればリアクションを取る構成にします。この時、PC達の最大火力よりかは10点ぐらい低くなるように心がけたいです。ですが、コンセプトからマトモにリアクションマジックを取らない場合もあります。この場合には、PC達の最大火力を想定し、1回は透かしたとして、あとは(攻撃役人数+2)回程度を素受けできるHPと防御力を設定しておきましょう。

+10点の場合(学部生の場合)

ここからは実際の成長を考えていきます。セッションで得られた、あるいは与えられた経験点による成長は初期作成によるものではないです。つまり、5を超えた能力値の成長や大学院への進学なども選択肢となる。よって、学部生と院生の2パターンを考えてみる必要があります。

まずはよく見る学部生からいきましょう。こちらについてはもうコンストラクションもフルスクラッチもなく、等しく経験点の成長ルールに従ったものとなります。これには凡そ二つのパターンの成長パターンがあるのではないか、と筆者は考えます。

そのうちの一つは、初期作成の分である程度特技や魔法の構成が完成している場合です。こちらの場合には、非常に素直に、扱うダイスの数を増やしたり、余った経験点を使って発動体の専用化をする、一般アイテムの数を増やすなどが考えられます。使える魔法のレベルが一つ上がったり、打点や防御力が固定値で上がっていく、そういう爽快感がある成長になるでしょう。

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もう一つは、初期作成では魔法や特技の構成が完成していない場合です。両刀型、オブジェクト・地形操作型など、特化したコンセプトであると、明らかに経験点が足りませんでした。+10点の経験点があれば、必要な他学科履修や専用化など、何とか手を伸ばすことができるはずです。

ただし、2つのパターンのどちらにおいても、記憶結合をしてまるごと魔法の枠入れ替えをするには少し経験点が足りませんので、ここではダイスを増やす選択をする方が多いかもしれません

さて、ここから実戦での状況を考えていきましょう。前の項目で述べたような、ダイスと打点、防御力について想定します。

ダイスは1R目には6個、アタッカーは8個、盾役は6個。打点は20点近く、防御力は10点近くになることでしょう。2R目には支援役は8個、アタッカーは13個程度、盾役は8個程度になるでしょうか。最高打点は35点(追加点込で考えれば50点)近く、防御力は30点以上になるでしょう。

また、専用化もあり、より多彩になった魔法もありで、衝突アタッカー、会心アタッカー、焔刃カウンター盾なども見られるようになり、実際はもっと火力や追加効果のダメージソースは増えます。その場合、上がる幅は15点点以上、つまり無償環境でも75点以上が飛んでくるなどありえるかもしれません。

となると、エネミーも多少尖ったコンセプトのものを出した方が面白く、白熱したものになるかと思われます。特に、クライマックスについてはPLの構成を見ながら多少なりとも大魔法の構成を変える、あるいは一つか二つ、グステ消去やバステ解除の手段を持つなど、ある程度のメタを意識した構成が必要になるかと思われます。

+10点(院生の場合)

さて、このコラムを書くにあたって、筆者は院生データ作成はともかく、試運転は未経験です(マジかおい)

なので、経験点の配布と成長、また各クラスのページの記述を参照しながら書いていきます。

まず院へ成長させるとはどういうことか。

◇大学院への進学(上級クラス)

経験点10点で、キャラクターを大学院へ進学させることができます。

その際、上級クラス(AG追加クラス)から1つ選び、クラスを変更します。

大魔法は進学前のクラスと進学後のクラスの中から好きな大魔法を選んでください。

基礎能力値を書き換え(フリーポイントはなし)、上級クラスの特技から新しく1つ取得し、魔法の発動体を1つ選び、キャラクターシートのアイテム欄の上から三番目の箇所にデータを記入します。

また、上級クラスのキャラクターには特殊なルールが適用される場合があるので、詳しくはアドバンスド・グレードのページをご覧ください。

上級クラスから大学院の進学を行うことはできません。

これ、下手すれば今までのビルドが崩れるやつでは?というのは一旦置いておいて。能力値に振ったポイント(ただしコンストラクションによるフリーポイントはリセットされます)はそのままとして、基本の能力値が一新されます。これにより、より大きな能力値になる訳ですね。院生データの基本値はどれも5を超え、特化したものであるなら7から始まります。最初からレベル4魔法が結構手堅くなりますし、追加される院生発動体の効果と自動的に獲得できる強力な特技により、ダイスやマナが一気に増えていきます。経験点10点分以上のパワーがある訳ですね。学部生が+10点するのよりヤバいです。これを踏まえて、調整を考えるには、各研究科の方向性や性質を洗って、想定すべきだと思われます。

以下、簡易的各研究科の特徴まとめ

概念:直接的なダイス数増加やマナ操作への直接的な干渉が特徴的。シンプルに何やってもいい。

禁呪:カースマジック特化。特徴というかフレーバー的にヤバいのが混ざってる。でも3つしか魔法は変更できないし、デバフに振り切った方がいいかも?+10点だと余裕ないけどそれより上なら記憶結合のコスパが良い

第八:魔法コスパお化け。特技もグッドステータスや自分の魔法発動に直接的に作用するヤバイものが多い。魔法の発動コストが実質2割引き近い。高レベル魔法の特売市也!支援もできるけど多分アタッカーか盾やる方が暴力性が出る。データ的ロマンに振りまくってる。

儀式:DSで見るトラップやオブジェクトの設置など、特殊であり、発動体も特化。最も学部生の発動体や特技などに左右されない。ぶっ壊れ発動体もいる。

とりあえず、ひとまとめにしにくい程度には個性的ですが、共通して言えることはどれも前項で挙げた手数を増やす手段に手を伸ばしやすくなったことです。これはつまり、総合的な火力は勿論、グステの増強にもつながります。ダイス数も跳ねることでしょう。

攻撃力がまず固定値でいくらか増え、ダイスが6つスタートで、手数が増えて……、初心者には処理できませんね。できませんで済ませないのがこのコラムの予定ですので、頑張ります。

まず、+10点で院に進む場合には他に使える経験点がありません。正確には、院前提としてキャラシートを組み始めるなら、もう特技を2つとか一般アイテムを積むとか、専用化をするなどしてやりたいだけやりたい放題するのが強くなると思います。先に学部生のデータありきで作り始める場合には、元のデータの方向性を潰してしまわない研究科を選ぶ必要がありますね。

私なりの所見になりますが、概念は何でもできる、禁呪は特殊な支援か王道のバステサブアタッカー、第八はアタッカーか盾、儀式は発動体ごとですね。何でもありが二つほど混ざってますので、そこは趣味で。選んだ先でお好みの特技を取得して、気持ち良くなりましょう。

さて、ここまでで院生の情報をまとめることしか出来ていませんが、ある程度ダイスの数などを考える材料は出来ました。専用化をした場合を除けばある程度の推定ができると思われます。

という訳で、推定を始めます。但し書きとして、院生データでは強力な特技や発動体効果により、魔法に対して支払うマナの実質的なコストが下がるので、その点に注意して書きます。具体的には、レベルXの魔法を使う場合には(2X-2)のマナが必要だと想定しての計算をします。

まず、支援役が開幕から飛ばせる支援やそのための準備タイミング、発生させるマナの数から増えておりますので、アタッカーに投げられるダイスは3個以上になっていると考えられます。アタッカーが自分で増やせるダイスやマナの数は1R目は2つぐらいと考えても、12個スタートですね。盾役も1~2個はお零れに預かると思います、つまり初っ端からダイス8個以上は現実的です。打点については、レベル5魔法が現実的だと思われますし、お零れでレベル3魔法を2回ぐらいなら狙える範囲内ですので、追加効果抜きで25点近く、色々追加効果とか込みにすると10点ぐらい跳ねるんじゃないでしょうか。盾役の防御点もレベル4魔法の発動が現実的ですので初動から15点以上は確実です。

2R目からは支援がさらに走ると考えて、増やせるダイスが倍以上になると考えましょう。つまり、アタッカーはダイスが20個ぐらい、盾役も軽く15個はダイスやマナがあることでしょう!打点はレベル5魔法を2回とあとレベル4魔法1回かレベル3魔法を2回、って考えて、追加効果も込みにするなら、優に60点は超えてくる、高ければ100点ぐらいにまで伸びるんではないでしょうか?防御も60点や無効化、優秀なグステやバステなどにより大暴れです。

となると、エネミーは……、一応まだ抵抗を考えられます。真面目に火力を盛るのは勿論、リアクション手段と無効化手段をいくらか盛ることを考えるといいかと。火力はリアクション無効を含まないなら70点ぐらいまで目指していいだろうし、含んでも40点ぐらいまで飛ばしていいと思います。リアクションは追加効果による無効化手段を持つか強気に60点ぐらいは盛ってもいいんじゃないでしょうか。

+20点(学部生)

さて、+10点の場合において、だいたいやることは済ませてしまいました。つまり、ここからするのは必要な専用化のレベルを上げるかダイスを増やすこと、あと魔陣構築や潜在解放で好きな魔法を好きな時に使う、強い効果をばらまくなどです。

また+10点のところにも記述しましたが、ここからは記憶結合で魔法枠をフルで活用できるようになります。単純に選択肢が増えるので、できることが少ないという状況には陥りにくいでしょう。

物凄く雑な計算になりますが、元のダイスが7つぐらいがテンプレになると思われます。となると、最終的なアタッカーのダイスが+10点の院生相当になりそうです。火力は多少劣っても、それでも追加効果などにより80点近くの打点が考えられるわけです。防御も無効化やとんでもない硬さが考えられます。50点近くが現実的。

ここまでくるとエネミーのダイス数も最大で12個ぐらいになるようにしていいと思いますし、火力も50点以上を目指していいし、防御やリアクションも遠慮は無用です。毎ターンバステに対応するような行動をするかはエネミー次第ですが、キャラによってはそこまでしてもいいぐらいです。遊ぶにしても順当に強いにしても全力を尽くしていいと思います。

+20点(院生)

院生データでやりたいことがやりきれない、そういう場合に特技の追加とか発動体の専用化のレベルアップとか、したくないですか……?多分そういうレベルの話だと思われます。でもそれでもやれることや手数、ダイス数がさらに跳ねると思われます。何かここまで行くと多分点数よりもグステバステの値にダイス数で殴り合ってそうです。あと学部生で書いた記お(ry

 

だいたい院生でいったところと変わりませんが、ダイスを増やしやすい構築の場合には最終的なダイスの総数が余裕で25個ぐらい行くことが考えられます。ここまでいけば打点が100点も超えるでしょう。無効化手段などをもっと豊富にして殴り合っていいと思います。好きなコンセプトをするために、その妨害だけはメタする、そんな割り切ったやり方を見せても許されるのではないでしょうか。

例外:+50点をした院生

バケモノにはバケモノをぶつける。多分素のダイスが10個以上で許されるしお互いにダイス20個以上投げ合いながら殴り合う環境。火力バカがいるなら無償データでも4桁前後があってそうおかしくないと思いっマス。ありとあらゆるメタを握り合ってる中、多分ラストピリオドが猛威を振るう。考え尽くした果てのナニカだと考えられます。ここまでくると大魔法の枚数増やしても許されそうです。自由を謳歌しながら、フォーク准将りましょう。

結

初心者なりにまとめてみました。まだまだ考えの至らぬ点、気付いていない楽しさ、具体化できるアイデアなどあるかもしれません。それでも色々と気付けた考える楽しさ、PL側に立って考えるシナリオの大事なポイントが見えたと思います。自分も一緒に遊ぶ相手にも色んなことを気付かせ、より楽しめるような、素敵なTRPGerになりたいですね。

またいつか、このように実践的なコラムやシナリオのネタ帳の投下などをしていきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

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