幻覚とは何のことか
まずは本コラムを覗きに来てくれたことに関して感謝を。このコラムでは筆者が過去にちょっとしたルールミスによって生み出してしまった幻の構築を、今度はルールをちゃあんと守って実現させようと頑張った過程を書き記したコラムだ。少し長い話になるであろうが、良ければ最後まで付き合って欲しい。
なお、本コラムでは有料サプリの内容に多く触れる。所持者にしか伝わらない言葉も多くなるので、注意されたし。
さて、まず先ほどから言っていた幻覚とは何か?それは、ドッペルゲンガーのカースエンハンス、イグジステンスの効果で生み出せるキャラクター:シャドウを、同じくカースエンハンスのフルインストールインビジブルで使用可能になる大魔法【デモンズ・タイム】を使って呪属性マナを生成することで、キャラシャドウを特攻させ倒れる度に再生成するというものだ。イグジステンスに造詣をお持ちの読者は既にどういう話が分かったと思うが、ルールミスというのは「戦闘不能になったキャラシャドウは戦闘空間外に出ることでシーンから退場する」と勘違いしていたのだ。実際には、「戦闘不能になったキャラシャドウは戦闘空間外に移動し、シーンには残留する」というのが正しい処理だ。
この構築を使用した時は同卓者もそのミスに気付かず、終わった後で効果を見返して、何故行けると思ったのかと頭を抱えた。以降そのキャラは封印した。
しかし、この構築は筆者が一時期狂ったようにハーベストをプレイしていた時、別のシステムに帰る直前に作った構築であり、現在は既にその時から1年以上は経過している。新しいサプリメントも追加され、有料サプリもほとんど手にしていて、公式Discordサーバーで学びを得た今ならどうだろう?きっとこの失敗を踏み越えて、今度こそこのコンボを実現できるのではないだろうか?そうして筆者は過去の遺産との戦いを始めたのだ。その過程を、良ければ読んでいって欲しい。
穴を見つけろ
そうして作戦に取りかかるわけだが、そもそもイグジステンスの効果から毎ラウンドのキャラシャドウ生成を果たすことが出来る穴を見つけなくては話にならない。
キャラシャドウは同じキャラシャドウ、つまりは同じデータを参照して生まれたキャラシャドウを同じシーンに共存させられない制限がある。これを抜けることができそうな手段は別データを参照して生成するか、同じシーンに存在しないように召喚することだ。しかし、イグジステンスの効果では自分のデータのコピーしか作れない。魔陣構築の専用化を使えば話は別だか、これはまた違う構築であり、そもそも一度限りだ。同じシーンに存在しないように召喚するというのも、イグジステンスは特殊オブジェクトではなくキャラクターとして生成することが災いしてしまう。そもそもキャラクターは一度シーンに出たならシーン終了まで居続けるものだ。シーンから居なくなる方法などルールには存在しない。
ここでもう一度、効果全文に目を通してみる。
キャラシャドウは発動者と同じデータを持つキャラとして戦闘空間に存在し、戦闘終了か召喚者が戦闘不能になった時に消滅する。
…ん?
んん???
戦闘終了か召喚者が戦闘不能になった時に消滅する。
召喚者が戦闘不能になった時に消滅する。
消滅する。
あったよ!穴が!!!
消滅してしまえば、シーンどころかシナリオから綺麗さっぱり居なくなる。本体が倒れると使えなくなるという弱点を、寧ろ利用してやるのだ。つまるところ、毎ラウンド本体が戦闘不能になり蘇生されれば、毎ラウンドキャラシャドウを生成することが出来るようになる!
そのために必要なものは以下の通りだ。
- 毎ラウンド戦闘不能になる手段
- 毎ラウンド蘇生する手段
- 毎ラウンドイグジステンスを発動する手段
その上で、毎ラウンド戦闘不能になっても問題ないようにしなければならない。次はそれを考えていこう。
灯台もと暗し
毎ラウンド戦闘不能になる手段に関しては、いくらでも手はある。勿論元のHP次第だが、自分の手番内でも移動系レベル2魔法やバーニングバスターなどであっさり達成できるし、敵の攻撃を普通に受けたり、オブジェクトや地形の利用、味方殴り…恐らくどんな構築でも満たせるので、まずは他の要素を考えていくことにする。
毎ラウンド蘇生する手段だが、自己完結する蘇生というのは貴重だ。単純な蘇生魔法などは消して低くないコストを要求されるので、グッドステータス転生を利用するのが相手の動きに対応する手段としても使えるのでこれを使っていきたい。しかし、博識な読者ならご存知の通り、転生を付与する手段は貴重だ。そもそも数えるほどしか無いが、扱いやすくイグジステンスのための地の主体属性とも噛み合う魔法は2つしかない。アクションのリィンカーネーションと、リアクションのエリュシオンだ。
この2つの内、使いやすいのは圧倒的にエリュシオンだ。しかし、この構築が目指すのが火力役であるのに対し、これはリアクションマジックなのが問題だ。壁役の仕事を奪うわけにはいかないし、そもそも攻撃を受けて転生を付ける前に戦闘不能になってしまっては遅い。味方に殴ってもらおうにも、かなり気を遣って貰うし、負担もかける。これは良くない。かといってアクションのリィンカーネーションは、そもそも味方に転生を与える魔法であり、対象に自分を入れるには非常に重たいコストを要求される。
どちらかは妥協してしまうしかないかもしれない。一度これは横に置いて、毎ラウンドイグジステンスを発動する手段について考えよう。そのためには、エンハンス元のドッペルゲンガーを発動する手段と、カースエンハンス用の呪マナを生成する手段が要求される。
ドッペルゲンガーの発動に関しては、聖なる護符を所持することで無理せずに達成できる。そもそもこの構築は血液の発動体が必須であるため、本体もそれを使ってHP調整が出来る。転生を得るまでは効果ダメージに弱くなるが、そこはまあ許容するべきだろう。
問題は呪マナの方だ。これがなければイグジステンスは撃てない。幻覚では大魔法で呪マナを生成し続けていたが、そういったキャラクターに付与される効果は全て戦闘不能になると解除されるため使えない。つまりは、外付けで呪マナを生成し続けてくれる手段が必要になる。となると思い浮かぶのはユグドラシルの存在だろう。これを使えば呪マナを容易に確保できる。しかし、ユグドラシルはリアクションのユグドラシル以外の方法での生成が非常に難しく、また結局リアクションを挟む必要が出る問題点はそのままであるため、なんとかしてリアクションを行ってユグドラシルを発動しなければならない。幸いこれもまた地属性なので習得は余裕で可能であり、魔法変更でオリジンアイリスを両方詰んでおけば聖なる護符で発動自体も可能だ。しかし、やはり自力で安全にリアクションを起こすのは難しい。混乱のバッドステータスを自力獲得出来るのはアマリリスかライトガーディアンくらいのものだ。なんとか、自己完結する方法は無いだろうか…。
ここで筆者に電流走る。
シャドウあるじゃん、と。
まずは血液でHPを調整し、次の手番でカースストーンを使ってイグジステンス(一手遅れてもいいならドッペルゲンガーでも可能)。直後にシャドウが本体を攻撃すればいいのだ。これでリアクションフェイズを自力で発生でき、ユグドラシルを生やせる。更に、これによりリィンカーネーションで自分を簡単に攻撃範囲に含められるようになった。リィンカーネーションの攻撃力は4、ユグドラシルは防御力7であるため、ノーダメージで防げるのもいい。ユグドラシルは聖なる護符重ね掛けで容易に発動でき、リィンカーネーションは端のマナコストを要求される割に非常に撃ちやすいバラけ方をしているのでオリジンと素のダイスでこれまた容易に発動できる。こうすれば、毎ラウンドの蘇生手段とイグジステンス発動の手段の両方を満たせるのだ。後はシャドウにリィンカーネーションを撃ちながら本体を落として貰うか、本体がイグジステンスと同時に移動系レベル2魔法かバーニングバスター辺りを使っていけば、毎ラウンド戦闘不能になれる。
キャラシャドウを生成し続けるコンボにキャラシャドウを活用するというのは、まさに灯台もと暗しであった。しかも、リィンカーネーションとユグドラシルを採用したことでついでに味方にも利益が出るようになった。
仕上げ
メインコンボは完成したので、あとは安定化を図っていく。ダイスがいくらあってもやはり運が悪いと必要な魔法が発動できないというのは不安が残る。特に今回の構築は一瞬の隙が命取りにもなりうる。そこでDHのメジャーを活用し、ディバイダー専攻を使うことで楽器魔導からワイヤレスマイクの効果を持ってくる。これで魔法発動の安定化は十分と言えるだろう。
続けてメインコンボを使って叩き出す火力だが、本体が毎ラウンドイグジステンスを撃たなければならないのに対して、キャラシャドウは血液による火力増強と護符によるダイス強化ができるため、攻撃は主にキャラシャドウが行うこととなる。現状レベル2枠1つ、レベル3枠2つ、レベル4枠1つ、レベル5枠1つ、魔法変更1つが確定されており、主体属性は地火か地風の二択となっているわけだが、血液を使うタイミングの攻撃なら範囲攻撃の魔法だけ撃てれば問題なく、それ自体はリィンカーネーションでも満たすことができている。そのため護符でダイスを増やしたタイミングで、できればあまり魔法枠に負担をかけずに火力を出す手段が必要となる。となればやはりここはハーベストムーンとエレメンタルクロスを使うのがいいだろう。それだけだと範囲指定ができないので、手軽に広い範囲を取れるブレイクエンドボムも採用する。
これでほとんどの備えは済んだが、ディバイダー専攻を使用することで弱点が一つ増えてしまっている。移動値が0になってしまい、全力移動でしか移動できなくなる。幸いオブジェクトシャドウがなければ準備タイミングは不要なのだが、それに頼りきりは良くない。ので、主体属性を地風にすることで、デモンズサーキットを習得する。これによりグッドステータス俊足で移動値を確保しつつ、エンハンスのサーキットブレイカーで会心を得ることもでき、メインコンボができなかった時のサブプランとして役に立つ。残り1枠のレベル2魔法は、せっかく風属性になったのだからハーベストムーンとのシナジーを考えてタービュランスでも積んでおくのがいいだろう。
残るは経験点の振り分けだが、必須のカースストーンで3点、魔法変更で3点の計6点が既に使われている。残りは基本的に聖なる護符に使うが、3点だけ使ってリベラルを₊2しておくくらいはやっておいた方がいいので、12点使って聖なる護符を4つ持てばこれで完成である。
そうして出来上がったのがこちらのキャラクターシートだ。
最終的に毎ラウンド血液リィンカーネーションによる26点範囲攻撃とエレクロハベムによる27点₊αを打ち込みながらワイヤレスマイクの振り直し、味方への転生付与、ユグドラシルのマナ生成を構えることができるようになった。
転生付与前はともかく、付与後でも効果ダメージを連発されたり、誤ってHPを回復してしまうと動きが止まってしまうため、凶悪さとしてはまだまだだが、それ以外であれば手番の多さや手札の数、魔法選択の余地もあって柔軟な対応ができるようなキャラシに出来上がった。
まとめ
キャラシャドウを生成し続ける、という念願を無事に果たすことができた。ディバイダー専攻が実装されたことで、様々な回数制限系効果を毎ラウンド使用できるようになったので、とても夢が広がる。例えば、特技を習得する余裕があればパラダイムシフトを毎ラウンド使うことができる。…ええんか?これ…。普通に良くないので実際に使う際は気を付けていただきたい。せめてロジックボムくらいに留めておこう。
事実、実現性を加味しながらアタッカーとして組んだ結果が今回のキャラシなので、毎ラウンド転生してイグジステンスを撃つ手段だけなら他にもいくらか考えられる。例えば、純粋なリアクション型でユグドラシルとエリュシオンを使い、ユグドラシル6本で確定イグジステンスを使うなどだ。今までできなかったことを可能にしてくれるので、読者の方々も良識の範囲内でキャラシャドウループを試してみてはいかがだろうか?
また、今回はサプリメントの内容をふんだんに使ってキャラメイクしたが、実際のところキャラシャドウループを行うにあたってサプリメントの使用は必須ではない。リィンカーネーションもユグドラシルもイグジステンスもカースストーンも無料の範囲だけで揃っている。先ほど挙げたエリュシオンユグドラシルも無料範囲でキャラシャドウループを行える例の一つだ。あくまで有料サプリを使った方ができることが大幅に触れるだけで、無料範囲でも十分に実現できる。火力支援防御妨害全てで活用の道があるので、構築難易度はかなり高いものの無料範囲でハーベストをプレイしている読者も、自身があるなら試しに構築を作ってみても面白いかもしれない。
仕上げの項で挙げたキャラシは、既に1度セッションを通過しているため、その時の所感も書き残しておく。
まず、最終戦闘でキャラシャドウループを開始することは達成できた。しかし、ボスがちゃんと攻撃を防いでいた上でキャラシャドウループを繰り返したタイミングで戦闘は終了した。血液パンチとエレクロハベム範囲攻撃を耐えられるボスはそうそう居ない、ということだ。
反面、中間戦闘はやや苦しい状況であった。キャラシャドウループに入りかけないと効果ダメージ1発で沈むのはやはり明確な弱点である。それでも転生や俊足会心はできるので、最低限は出来ていると思う。全体を通してワイヤレスマイクを使わないといけないタイミングがあまりなかったので、のちに発動体をアダマスの鎌に変えて隙を失くした。
習得魔法はバーニングバスター以外の全てに出番があった。バーニングバスターも今回たまたま使えなかっただけで、別の舞台なら使うタイミングも訪れるだろう。発生したマナに困らされることも少なかった。全体的にマナコストのバランス良く構築を作れた、ということだろう。
何より、自害することでキャラシャドウを消滅させることでキャラシャドウを再生成できるようにするというコンボは、長くハーベストを遊んでも滅多に見ない異様な絵面もあり、やっていてとても楽しい。やはり苦労して見つけ出して組み上げたコンボを繰り出した瞬間の興奮は得難いものである。
ということで、本コラムではキャラシャドウループの発見から完成までを書かせてもらった。組み合わせ次第で戦闘が酷いことになるので場合によっては同卓者との相談が必要になるだろうが、とても愉快なものが出来上がった。ここまで読んでくれた読者の方々も楽しんでもらえていたのなら幸いだ。キャラシャドウループに関わらず、自分で見つける楽しさは得難い経験であるので、気が向いたらルルブを見返してみて欲しい。このコラムを読んで得た経験で新たな構築を作り出せたのなら筆者として喜ばしいことだ。
おまけ:認めてはいけない類の無限ループ
…ここからは余談だが、前述のリンクで飛べるキャラシャドウループ構築の完成品は、ここに経験点を10点追加すると出禁確定の無限ループが可能になる。
10点で神器覚醒セツナの専用化を施す。これだけで相手どころか味方すら何もさせずに戦闘を終わらせる無限ループが可能になる。
- アダマスの鎌で最速行動すると同時に神器覚醒セツナでサーバント:オベリスクウォーリアを召喚する。
- サーバントオーダーで時空転移を獲得し、オベリスクウォーリアを対象に血液パンチでHP1に。オベリスクウォーリアは不要どころか邪魔なのでもう消してしまっていい。
- 続けて時空転移で行動。イグジステンスを発動。キャラシャドウが召喚後すぐに神器覚醒でテューポーンを召喚。
- キャラシャドウが本体をリィンカーネーションだけで攻撃。リアクションでユグドラシル。
上記行動を全て済ませたらテューポーンのジャストフィニッシュでラウンド終了。
- 次のラウンド、キャラシャドウがアダマスの鎌で最速行動しつつテューポーンでアブソーブブレスを発動、敵にダメージ。
- キャラシャドウの血液リィンカーネーションで本体を戦闘不能、転生蘇生、転生再付与。ついでに要らないオベリスクウォーリアやテューポーンを殴りながらキャラシャドウが消滅。
- 本体がアダマスの鎌で最速行動。ユグドラシルでイグジステンス。ついでに要らないサーバント処理しても可。
- キャラシャドウがテューポーン召喚。ついでにアダマスの鎌で最速行動して要らないサーバント処理しても可。
上記行動を全て済ませたらテューポーンのジャストフィニッシュでラウンド終了。
次のラウンド、キャラシャドウがアダマスの鎌で最速行動しつつテューポーンでアブソーブブレス…。
これがジャストフィニッシュの同じ召喚者が2度発動できない条件をキャラシャドウループで無視することで可能になる無限ループである。見ての通り、相手のアクションもリアクションも挟み込むことができず、一部の大魔法でしか突破できないため、戦闘が始まった瞬間に勝利が決定するといっても過言ではない。実際に使うまでもなく、絶対に使ってはいけないコンボである。
このような理不尽なコンボは、ハーベストの醍醐味である戦闘の楽しさを著しく損なうことに繋がる。良い子の皆は真似しないようにしよう!

