シナリオ本編
魔法学園RPGハーベスト シナリオ 「もう一度、夢の国で」
推奨人数 3人(院生)※経験点10点を配布する。これは院生に進学するためだけに使える。
推定時間 6~8時間
推奨リベラルアーツ:ステルス ミュート リペア サーチ ルクス 各種属性魔法
シナリオ中大魔法使用想定あり。クライマックス戦闘で一つは残しておくことを推奨。
イメージソング:EVERGREEN[moumoon]
◇今回予告
「それ」は、突然現れた。
「それ」は遊園地。誰もがそこでは笑顔になれる「夢の国」のはずだった。
だが、夢は歪んでしまう。悪意が夢を蝕んでいく。
それでも夢が見たいのならば、思いを決して捨てないことだ。
たとえ命が果てようと―――
魔法学園RPGハーベスト「もう一度、夢の国で」
魔法の時間は、まだ終わらない。
では、夢はいつまで続くのか。
◇シナリオハンドアウト
PC1 コネクション:ドロシー・フロム・オズ 推奨関係 想い人/憧れ
君は魔法学園ハーベスト大学院の学生だ。君は学生の頃からドロシーには何かと気に入られていた。ある日、いつもの如く君が一日中ドロシーに連れまわされた晩、君が自分の寮に帰ろうとすると、寮の前に、傷ついた小鳥が横たわっているのをドロシーと共に見つける。ドロシーに頼まれて、君がこの小鳥を世話することになったのだが……。
PC2 コネクション:マリー・ローランド 推奨関係 後輩/庇護
君は魔法学園ハーベスト大学院の2年目の学生だ。君は1年前「黒き森」で、魔導次元に迷い込みクリーチャーに襲われそうになっていたマリー・ローランドという18歳ぐらいの少女を助けた。その後ハーベストに入学した彼女は君によく絡むようになり、君たちはよく話すようになった。ある日、君が研究の一環で「黒き森」に向かった際、マリーがたった一人で森を歩いているのを見かける。そして、ふと目を離した隙に、彼女の姿はどこかへ消えてしまっていた。
PC3 コネクション:加賀宮 志輝(かがみや しき) 推奨関係 友人/仕事仲間
君は魔法学園ハーベスト大学院の学生だ。君はある日、カース特別対策委員会に所属している同学年の友人、加賀宮志輝に頼まれ、最近ハーベストの周りに現れたという未確認のクリーチャーの調査に共に向かうことになった。しかし、そこには予想外の大量のクリーチャーが現れ、君たちは窮地に陥ってしまう。加賀宮の機転によって君だけはその場から逃れることができたが、彼自身の安否が分からなくなってしまった。
「カナリア」
ある時PC1のもとに現れた謎の小鳥。PCたちを導こうとしているようだ。
「マリー・ローランド」(19歳)
1年前に魔導次元に迷い込み、そこで謎のクリーチャーに襲われているところをPC2に助けられた少女。それをきっかけにハーベストに入学することになる。綺麗な金色の髪を短く切っている。まだ1年生だが高い実力を持ち、周囲から信頼もされている。しかし、どうやら彼女がハーベストに入学したのには、ある目的があるようだ。宝石のあしらわれたペンダントを大事にしている。変身魔導学科で、発動体は「ピクシーパヒューム」。普段戦闘する際には鎧を纏う騎士となり戦う。
「加賀宮 志輝」(23歳)
カース特別対策委員会に所属しているハーベストの院生。PC3とは同学年で、概念魔導研究科で学んでいる。かつて大型のクリーチャーに苦戦をした際PC3に助けられたことがあり、PC3のことはかなり信頼している。発動体は「魔法の玩具」で、ミニチュアの飛行機部隊を操って攻撃する。院生になるだけの実力はあるのだが、どうも自分に自信のない傾向がある。
※これ以降の記述はネタバレです。PLの方には閲覧させないでください。
「クロウ・カーティス」(?歳)
かつて「七つの大罪」に仕えていたクリーチャー。人間に近い姿だが、カラスの羽根と足を持つ。リベラルアーツを扱うことにおいては比類ない才能を持つが戦闘は得意ではなく、カースの生産に至っては一般のクリーチャーにも劣るため、ある時主に見放された。死に瀕しているところをたまたま通りがかったカナリーに助けられ看病される内にカナリーと恋に落ち、クリーチャーと人間の共存について考えるようになった。そしてカナリーの提案により、人々の「笑顔」が見られる場所、「遊園地」を作ろうと思い立つ。しかし、黒幕によって遊園地もカナリーも奪われ、自身も利用されることになる。シナリオ内では極彩色のスーツに身を包み、肩に猿を乗せた遊園地の「施設長」としてPCたちの前に現れるのだが、それは黒幕である肩に乗った猿(正体は後述)に体を操られた状態で、意識はない。
「カナリー・ローランド」(享年25歳)
マリー・ローランドの姉。金色の長髪が特徴で、顔はマリーによく似ている。死に瀕していたクロウの命を救った女性。クロウと恋に落ち、共に遊園地を作ろうとしていた。しかしある日その様子を見つけたピエリに「大切な人と一緒にいたい」というカースに感染させられ、クリーチャーである彼と添い遂げるには自身もクリーチャーになるしかないと思い込まされる。それによりピエリの実験と遊園地の乗っ取りに協力させられてしまい、クリーチャーに姿を変えられる。マリーが付けている首飾りはカナリーにプレゼントされたもの。それはカナリーの院での研究成果「アーツジュエル」を取りつけたものである。アーツジュエルは、リベラルアーツを使用した際にマナを発生させ、魔法を強化させることができる。
「ピエリ・サーキンス」(18歳)
今回の黒幕。かつてトト・フロム・オズに命を救われアマリリスに入り、高い実力を評価されている。しかし実はトトに病的なまでに執着しており、彼女から愛されるクリーチャーのことを毛嫌いしている。そして、トトに愛されるためには自身がクリーチャーになる他ないという結論を得て、クリーチャーと生き物を掛け合わせキメラを作る実験を秘密裏に進めた。ある日クロウとマリーが遊園地を作ろうとしているのをたまたま見つけ、トトとの愛を育むのにふさわしい場所だと思い、カナリーを介して遊園地を乗っ取ってしまう。クロウを操り施設長に仕立て上げ表に立たせることで、全てをクリーチャーの仕業に見せかけ、アマリリスからの目をごまかそうとしている。
◇始まるまでの時系列
4年前
クロウが七つの大罪から見放される
カナリー22歳 傷だらけのクロウと出会う。以来、彼女は院生としてリベラルアーツの研究を進める傍らクロウと秘密裏に交流しており、彼と遊園地を作り上げる計画を立てる
二人はカナリーの研究成果「アーツジュエル」を利用
2年前
カナリー24歳、ピエリ(当時16歳)の手によりカースに感染 遊園地はピエリの手により乗っ取られてしまう
カナリーはピエリの実験によりクリーチャーに変化
1年前
マリー18歳、カナリーを探す末に魔導次元に入る
そこでクリーチャー化し正気を失ったカナリーに襲われたが、PC2に助けられる
カナリーはその際少しだけ正気を取り戻してしまい、妹を殺しかねなかった事実に激しくショックを受けその場を離れ、乗っ取られた遊園地に戻るもそのまま心的なショックが切っ掛けの拒否反応を起こし死亡。
始まり
ピエリの計画が本格化、キメラを学園の周りに配置し生徒をおびき寄せ手駒を作ろうとする
長年アーツジュエルにより強化され、遊園地を保ってきたリベラルアーツが弱まりだし、閉じ込められていた小鳥が遊園地と地上を繋げていた魔法陣から脱出する。そこからかつての思い出を求めてかハーベストに向かうが、野生のクリーチャーに傷つけられてしまう。
(PC1)ドロシーと遊ぶ 謎の小鳥と出会う
(PC2)マリーが不穏な行動 行方知れず
(PC3)加賀宮と謎のクリーチャーを調べに行く。クリーチャーに襲われ、加賀宮が行方不明に
◇本編()内は基本的にGMの方に向けた文章です。ネタバレなどもあるので読み上げないでください。
◆オープニングフェイズ
シーン1 ドロシーとのひと時 PC1
(このシーンの主な目的は、PC1とドロシーの日常を描くことと、ドロシーに「遊園地の夜はイルミネーションとパレード」と言わせることです。そこさえ描写すれば、あとはアドリブで思う存分PC1と遊んでもらって大丈夫です。)
ある日、君はドロシーに連れられ、現実世界にやって来ていた。ドロシーは「素質ある若者を探すことも仕事」と言っていたが、どうやら今回は君と遊ぶことが目的のようだ。
「ねえPC1!次はどこの国の遊園地に行こうか!」
君は、ドロシーと共に、現実世界の遊園地をいくつも回り、ジェットコースター、観覧車、メリーゴーランドなど、実に多くのアトラクションに乗っていた。
「ねえねえPC1!このジェットコースター、もっと速かったら面白いと思わない?」
君はドロシーと日が暮れるまで遊び、いつの間にか閉園時間が迫っていた。君も明日には授業があり、他の院生と一緒にドロシーの授業を手伝う予定もあったため、遅くなる前に帰らなくてはならない。
「うーん、もうこんな時間かー」
「でも、まだまだ終わりじゃないよ!むしろこれからじゃない!」
そう言うと、ドロシーは君と自分の姿を見えないようにして、空に浮かんだ。そして暗かった辺りが煌びやかに彩られたかと思うと、その遊園地のキャラクターたちが楽しげな乗り物の上で賑やかな音楽に合わせて踊りながら、ゆっくりと進んでくるのが見えた。たくさんのダンサーたちも、観客に笑顔を向けながらパフォーマンスを披露している。たくさんの観客たちも、それに合わせ歌ったり踊ったりして、心の底から楽しんでいるように見える。どうやら、パレードの時間のようだ。
「そうそうこれこれ!!やっぱり遊園地の夜はイルミネーションとパレードだよね!」
「よーしPC1!混ざっちゃう?」
君達は閉園時間まで遊園地を満喫し、君はクタクタになって魔導次元に戻ることになる。
シーン2 謎の小鳥 PC1
その日の夜遅く、ドロシーと話しながら寮に戻り、玄関の前を通ろうとした丁度その時、上空から何か小さいものが玄関の傍の茂みに落ちた。
「あれ?なんだろ、今の……」
君がそれを確認するとそこには、傷を負った黄色い小鳥が横たわっていた。どうやらクリーチャーなどではなく、単なる鳥のようだ。かなり衰弱しており、このまま放っておけば朝には死んでしまうだろう。
「カナリア……かな?どうしたんだろ……酷いケガ……。とにかく、助けてあげなきゃね」
そういうと、ドロシーはカナリアを光で包みこみ、見る見る内に傷を癒していく。
(PCが治せそうなキャラならPCに任せてもいいです。)
「……ねえPC1、この子、しばらくの間預かってくれないかな?多分、誰かが飼っていたんだと思うし、その飼い主さんが見つかるまででいいからさ!」
「ありがとう!私もいっぱい手伝うね!」
「それじゃ、今日はお疲れ!また一緒に遊びに行こうね!あと、その子もよろしくね!」
「そうそう!明日の私の授業の手伝いもよろしくねー!頼りになる先輩が来てくれるって皆に言っておいたからね!」
シーン3 マリーとの出会い PC2
(PC2とマリーが出会うシーン。ペンダントの描写を忘れずに。後でPCたちも知りますが、ここで遭遇するクリーチャーはその姉のカナリー。ここでPC2がクリーチャーを殺そうとした場合、なるべくその前に逃がしてください。)
1年前、君は研究の関係で、採集のため(目的は別の何かでもよい)に「黒き森」にいた。クリーチャーが何体か出てきたが、その時すでに院生であった君は、何の問題もなくクリーチャーを倒しながら目的を進めていた。そんな中君は、一人の細身で短い金色の髪を持つ少女が一匹のクリーチャーに迫られているのを目撃する。そのクリーチャーは君が今まで見たことのないもので、体は巨大な虫のように見えるが、金色の毛で覆われた顔や足、尾は紛れもなく獣のそれだった。しかし、それと対峙する少女もまた「妙」だった。彼女は手に何も持っていなかったのだ。首から下げた宝石がついた首飾りも発動体ではないようだし、近くに破壊された発動体があるようにも見えない。どうやら彼女はもともと何も持っていなかったようだ。まともなハーベストの学生であれば、発動体も持たずに一人で「黒き森」に入るなどといった自殺行為はしない。現に、彼女を見つめるクリーチャーは今にも彼女に飛び掛かっていきそうだ。
PCが彼女を助けようとしクリーチャーに何かしらの攻撃をすると、クリーチャーはその場から逃げ出す。彼女は戸惑いながらも、どこか安心した様子で君に話しかける。
「あ……あの、助けて、くれて、ありがとうございました……。え、えーと……」
「こ、ここ……一体、どこなんですか?それに、今のは……」
PCが何か答えると、彼女はまず言葉が通じることに驚く。どうやら、彼女は現実世界から魔導次元に迷い込んだばかりで、マナプロテクトやその言語ろ過効果のことも知らないようだ。彼女に魔導次元のことを説明すると、戸惑いながらも、割にすんなりと受け入れた。
「ま、魔導次元……。そんなのが本当にあったなんて……。それじゃ、もしかして……」
「あ、いえ……なんでもないです。そ、それより、あなたの名前を教えてください!」
「分かりました、PC2さん。本当に助けてくれて本当にありがとうございます」
「私、マリー・ローランドっていいます。えっと……それで、その……お願いがあるんですけど……」
「私を、あなたの学校に連れてってくれませんか?私も、そこの生徒になりたいんです」
シーン4 マリーとのひと時 PC2
(マリーとの日常シーン。ペンダントを忘れていることをしれっと描写してください。)
君がマリーと出会い1年、マリーは変身魔導学科の生徒になっており、ある程度顔が知られるようにもなっていた。それは、彼女にあった魔法の才能もさることながら、彼女自身の性格も大きかった。彼女はもともと活発な性格だったようで、多くの生徒や教員に積極的に話しかけていくことで、かなりの交友関係を広げていたのだ。その中でも、君は彼女に気に入られたのか、関わる機会は多かった。
ある日の昼休み。君は食堂でたまたま居合わせたマリーと一緒に食事をしていた。しかし、マリーは君と話をしながらも、どうも食堂の壁の掲示板が気になっているように見えた。彼女が時々何かを気にしていたり、考え込んだりしているのを君はよく見ていた。君が話しかけると、彼女は慌てた様子で君に答える。
「え……?ああ、すいません。ちょっと……あのポスターが目に入って……」
見ると、そこには『カナリア拾いました。心当たりがあれば学長まで!』という見出しと可愛らしい小鳥の写真が載せられた、無駄に大きく派手なポスターが貼られていた。
「……ちょっと気になったんですよね。誰が飼ってたのかなーなんて……」
「わたしも飼おうかな……小鳥って可愛いですもんね。飼い主さん、見つかるといいんですけど……」
「まあでも難しいですかね。私そそっかしいですし、今日も寝坊しちゃってネックレス付けてくるの忘れちゃったんですよ。もっと起きるのが遅かったら、発動体の香水まで忘れちゃってたかもしれません!」
見ると確かに彼女は、黒き森で君と出会った時にもつけていた首飾りを付けていなかった。君が知っている限りでは、彼女はいつもその首飾りを付けていたので、それがないのは珍しいことだった。
「あ、そうそう!先輩に聞きたかったんですけど、院ってどんなことするんですか?どんな人がいるのかなんてのも知りたいです!」
「えっと、私も院に行ってみようかなーなんて。まだ早いですかねー」
そんな風に話をしていると、いつの間にか次の授業が始まる時間が近づいていた。君は次の時間に行われる学部生たちの授業を手伝うように言われており、そろそろ行かなければならない時間である。
「あれ、もうこんな時間ですか……。私授業なんでそろそろ行かないと!先輩は次の時間授業ありますか?」
「へー、そうなんですね!それだったらご一緒できるかも……」
「それじゃ、もう出ましょうか。ちょっと準備もしときたいですし」
シーン5 手伝いの頼み PC3
(加賀宮登場。自信の無さが伝わればよいです。)
君は昼食も食べ終え、ドロシーに頼まれていた学部生の授業の手伝いに向かうところだった。すると、そんな君の元に一人の男がやってきた。
「いたいた、PC3。お前も学長の授業の手伝い行くんだろ?一緒にいこうぜ」
彼の名前は加賀宮志輝といい、君と同学年の院生だ。彼は院生になってからもカース特別対策委員会として活動しているのだが、一度大型のクリーチャー数体相手に苦戦していたところを、たまたま通りがかった君に助けられたことがあった。それ以来君とちょくちょく話すようになり、たまに彼から仕事の協力を頼まれることもあった。君は彼も授業の手伝いをドロシーから頼まれていると聞いていた。君たちはドロシーに教えられたハーベスト近郊の山に向かっていたのだが、そこで君は彼が何か思い悩んでいるように見える。
「……え?ああ、悪いな、ちょっと考え事しててよ……」
「……あのさ、お前、この授業の後、空いてるか?」
「……いやーその、物は頼みなんだけど……。次の時間の手伝いが終わったら、一緒に『黒き森』に来てくれないか?」
「いや、ちょっと委員会の仕事があるんだけど……どうもいつもとは違うみたいなんだよ」
「なんか、危険な気がしてな……。お前にも協力してもらえないかって思うんだ」
「正直な所、俺一人じゃ不安だし……PC3がいてくれれば、多分大丈夫だと思うんだよ。お前は先生達にだって信頼されてるだろ?」
「頼む!報酬もお前の方が多くもらっていいからさ!」
「よかった……助かるよ!じゃあ、詳しい話はまた授業の後だ。それじゃよろしくな!」
シーン6 院生の手本 PC全員
(合流シーン。マリーは恐らくPC1,3とは初対面。加賀宮はどちらでも。)
君たちはハーベスト近郊の山に集合し、まずドロシーに言われて軽く挨拶を行った(PCどうしは知り合いでも初対面でも可)。その後授業が始まり、ドロシーの後ろで彼女が学部生たちに授業内容を話しているのを見ていた。その学部生の中にはマリーもおり、授業が始まる際にはPC2に小さく手を振ってきた。話の内容はリベラルアーツについてのものであり、魔法の理解に加え、生徒一人一人が使える魔法の内容などを見極める目的があるようだ。ドロシーは一見真面目に話しているように見えたが、5分程で話を切り上げてしまった。
「よーし、それじゃあいよいよ、頼りになる先輩方の出番だよ!皆それぞれに出来ることが違うから、色々参考にしてね!さあ皆!あとはよろしくね!」
ここで、PCたちには自動成功で構わないので、それぞれ違ったリベラルアーツを披露してもらう。加賀宮も、大勢の生徒たちの視線に少し気後れしていたようだが、危なげなくリベラルアーツを披露した。その後は生徒たちの実践段階に入り、君たちはそんな生徒たちを見回ってアドバイスなどを行うことになった。中には戦闘に使える魔法を学びたがり、リベラルアーツを軽視するような態度を見せた生徒もいたが、概ね授業は順調だった。そんな中、マリーはPC2に話しかけてきた。
「あ、先輩!ちょっと見てもらっていいですか?」
見ると、マリーの前には画面のような物が浮かび上がっており、単語やそれについての説明などが映し出されていた。どうやらこれは「サーチ」のリベラルアーツのようだ。
「これって、あの……『サーチ』ですよね。言葉を検索できるっていう……」
「……あの、もしかして、これがあれば……えっと……物とか、人とか、そういうのの場所とかが分かったりするんですかね?」
「…………そうですか……ともかく、色々使ってみることにします!」
彼女は何か考え込んだ後そういうと、彼女は今度は自分の体を浮かせてみせた。「フロート」だ。どうやら、すでに複数のリベラルアーツをある程度使いこなせているようだ。
生徒たちがそんな風にしてそれぞれぎこちないながらもある程度リベラルアーツを使いこなしている様子をみて、加賀宮はPC3にこっそりと話しかけてきた。
「凄いよなー皆、まだハーベストに入ってそんな経ってないはずなのに……」
「この分だと、俺とかすぐに抜かされるかも……なんてな」
そうこうしている内に授業は終わり、生徒たちは解散していった。ドロシーも満足した様子で君たちに話しかけてくる。
「いやーお疲れ!皆のおかげでいい授業になったよ!」
「これで今日のお仕事はおしまい!PC1、カナリアの様子見に行ってもいい?」
「三人も一緒に来ない?もう知ってるかもしれないけど、昨日可愛い小鳥を見つけて……」
しかし、PC3と加賀宮はこの後カント先生の所へ行かなければならない。(PC2はどちらでも可)それを聞くとドロシーは残念そうにいう。
「そっかー……じゃあ仕方ないね。それじゃあまたね!」
そうして、その日は各々解散となった。
シーン7 妙なクリーチャー PC3
君は加賀宮から依頼内容の説明を受けながら、黒き森に向かっていた。彼によると、ここ1年ほど黒き森で確認されたクリーチャーの数が妙に少なかったのだが、最近になって未確認のクリーチャーの目撃が多発しているという。その目撃談もあまり統一されておらず、蛇の体にたてがみと翼が生えていただとか、狼の体に蛙の頭と亀の甲羅がついていただとか、冗談のようなものが殆どだったそうだ。今回の依頼は、その調査だという。
「……いや、悪い。わざわざお前に来てもらったんだけども、ひょっとしたら『何にもありませんでした。』で終わるかもしれねえ……」
「ただな。どうにも不安なんだ。もし本当にそんな奴らがいたら、それこそ未知の敵だ。一応危険だと思ったら撤退しろって指示だが、何がどう転ぶか分かんねえからな……」
君は、こういった状況で彼が不安になることはよくあることだということ、そして、その不安は割に当たることも多いということも知っていた。ともあれ君たちはたまに現れる普通のクリーチャーを危なげなく倒しながら、森のある程度奥まで進んだ。しかし目撃されたような妙なクリーチャーは現れないまま、日も暮れかけてきた。
「……暗くなったら危険だ。収穫は無かったけど、とりあえず戻って……」
加賀宮がそう言いかけたその時、君は彼の背後を何かが凄まじい速さで通り過ぎて行ったのが見えた。一瞬だったが、その姿はよくいるようなクリーチャーのどれでもなかった。加賀宮もその物音には気付いたようで、君に問いかける。
「……今の、普通のだったか?」
「……そうか、となると……行くしかねえか」
そうして、君たちは一応周囲にも警戒しながら、影の通り過ぎて行った方向に歩いて行った。そして、いくらか開けた場所に出たかと思うと、君たちはその影の正体を見つけた。それは、目撃談の一つにあった、たてがみと翼の生えた蛇のようなクリーチャーだった。かなり大きなそれが、君達をじっと見つめている。動きはなかったが、その瞳には君達に対する敵意がはっきりと見て取れた。
「……どうする、PC3。一筋縄でいく相手に見えるか……?」
「向こうの出方はわからねえが、一体ならまだ……」
加賀宮が最後まで言い切る前に、君たちが警戒していたはずの背後に、突然いくつもの音が響いた。振り返ると、そこには何体もの、奇妙なクリーチャーたちがいた。翼の蛇や蛙の頭の狼といった目撃談にあったものだけでなく、猿の手をはやした蝙蝠やヤギの頭をした蜘蛛など、ふざけたような見た目の巨大なクリーチャーが、君達をじっと見つめていたのだ。
「なっ……なんだよ、これ!ていうか一体どこから……!空から降ってきたのか……!?」
そんな君たちを嘲笑うかのように、クリーチャー達は君たちに一斉に攻撃を仕掛けてきた。
「……こいつら……!連携が取れてやがる!くっそ……!」
加賀宮は彼の発動体であるミニチュア飛行機の部隊を飛ばし、クリーチャーたちの攻撃の隙間を縫って何とか攻撃をしている。君も戦うがいかんせん数が多く、戦い方も未知のものだ。二人とも限界は近かった。
「……しょうがねえ、逃げるぞ!」
そういうと、加賀宮は飛行機部隊の内一機を自分、もう一機を君に向けて凄まじい速度で飛ばし、そのままそれぞれを乗せ飛んで逃げようとした。しかしクリーチャーの反応も早く、君たちを地面にむりやり引きずり下ろそうとする。幸い、先に飛ばされた君には寸前のところで届かなかったようだが、加賀宮は捕まってしまった。
「いいから逃げろ!逃げて応援を呼んでくれ!俺も、それまで何とかするから……!!」
遠ざかっていく加賀宮の顔は明らかに強がっていた。
(この後この場所に戻ってきても、加賀宮もクリーチャーも見つけることはできない。)
シーン8 黒き森で PC2
君は今、研究のために「黒き森」に来ていた。数日前、ちょうど君がドロシーの授業を手伝った後の時間、授業で一緒にいた加賀宮という院生がPC3と一緒に謎のクリーチャーに襲われ行方不明になったという。そんなことがあったため、森番にはあまり奥に入らないように、そしてなるべく手早く用を済ませて帰るように言われているが、君が院生ということもあり、とりあえずハーベストに近い部分であればある程度研究は進められるようだ。君が用を進めていると、離れたところを誰かが一人で歩いているのが見えた。それは君のよく知っている顔だった。マリー・ローランドが、どこか思いつめたような表情をしながら、君にも気づかない様子で森の奥深くへと進んでいたのだ。君は、以前のドロシーの授業の後、マリーの様子がどこか変わったという噂を耳に入れていたが、それについて確かめるタイミングは無かったのだ。本来、今の状況の「黒き森」に学生がたった一人で入れるはずはないので、どうやってか森番の目をかいくぐって無理に入ってきたのだろう。マリーに声をかけた場合、彼女は慌ててその場から走って逃げる。また、声をかけずにこっそりとついていくこともできる。しかし、どちらにしてもある程度奥まで行ったところで、君は彼女を見失ってしまう。そしてその日、彼女は学園に戻ってはこなかった。
シーン9 招かれざるモノ PC全員
(舞台が空から降ってくる。実は遊園地を飛ばして隠す魔法の強化に使用されていたジュエルが、攫われて抵抗し逃げようとした加賀宮やそこに入ってきたマリーにより壊されたためです。)
マリーが帰ってこなかった翌日。君たちはドロシーと一緒に、カース特別対策委員会の最高責任者であるイマヌエル・カント先生の研究室にいた。加賀宮とマリーが行方不明になった地点が近いことから、二つの事件には何らかの関りがあると見られていた。そのため、PC2やPC3だけでなく、マリーの様子が変わったきっかけだと思われるドロシーの授業に参加していたPC1も呼び出されたのだ。PC2やPC3はすでに何度も証言しているが、新しい情報は出てきそうにないと誰もが思っていた。その時、突然辺りが薄暗くなり、何かが屋根に叩きつけられるような音が次々響く。
「……あれ?今日はいい天気だったのに……。どうしたんだろ」
そう言いドロシーは窓の外に顔を出す。そして空を見上げた瞬間、彼女の表情が変わった。
「カント!生徒たちを守って!」
君たちが窓の外に顔を出し上を見上げると、そこには信じられないものがあった。
それは岩だった。それもただの岩でなく、ハーベストの学舎よりも遙かに大きい、島のような岩。突然辺りが薄暗くなったのは、この岩が日を遮ったからであり、音はこの岩から何か落ちてきたのことによる物だったのだ。これほどの大岩がどこからどのようにして現れたのか、それは分からない。分かっているのは、この岩は現在ハーベストの真上にあり、何かしらの魔法で浮かされているということ、そしてそれは段々と、しかし確実にハーベストに近づいて……つまり、落ちてきているということだ。魔法が完全に切れたわけではないのか落ちる速度はゆっくりだが、このまま放っておけば大惨事になってしまうだろう。異変に気付いた学園の生徒たちの中には既にパニックに陥った者もいるようで、学園は非常に騒がしくなっていた。そんな中、ドロシーは箒に乗って窓を突き破り、島のような岩に飛んでいった。
「アスタリスク!」
ドロシーが大魔法を発動すると、島のような岩は消えた。しかしそのまま消えていたわけではなく、どうやらすぐ近くの黒き森の上部に飛ばされたようだ。窓から、先ほどの岩が黒き森にあるかなりの木々を押し潰して、地面に受け止められるさまが見えた。それで分かったのだが、どうやら下から見ると単なる岩に見えたそれは、上部分に何かしらの施設が建てられているようだ。それは、あの岩が明らかに人為的な手を加えられていることを示していた。そんな中、ドロシーはそのまま箒で研究室内に戻ってきた。
「……ごめんね。もうちょっと遠くに飛ばしたかったんだけど、咄嗟だったし、あんまり大きくて……。一応、誰も人がいない所に飛ばしたはずだけど……」
カント先生は、ドロシーに対して真剣な顔で答える。
「いや、これは仕方ないだろう。生徒たちが無事なんだ。それより大事なことはない。それよりも、あれは一体何なんだ……?」
その時、窓の外を見ていたPC3は、ある意外な物が目に入った。それは、地面に叩きつけられたクリーチャーの死体だった。状況からしてこれはあの大岩から降ってきたものだろうが、問題はその姿だった。それは蛙の頭と亀の甲羅を持つ狼、つまり、君と加賀宮が黒き森で遭遇した、あの妙なクリーチャーの中の一体だったのだ。
そしてPC1も、あるものが視界に映っていた。それは、君が世話をすることになったあのカナリアだった。君はドロシーに鳥籠も渡されていたため、ちゃんとそこに入れていたはずだったのに、どうやったのかその鳥が窓の外にいたのだ。しかもそれだけでなく、カナリアは先ほど落ちたばかりの謎の島のような岩に向かって一直線に飛んで行った。ドロシーもそれに気づいた様子で、驚いた声を出した。
「えっ……あの子、どうして……!?」
シーン10 施設の正体と施設長 PC全員
(クロウの登場シーン。肩の猿の描写は忘れずに入れてください。)
黒き森の大部分が押しつぶされたその日の内に、君たちとドロシーはその原因となった大岩の上の施設に乗り込むため森に入っていた。これは、岩から降ってきたクリーチャーの死体から、一連の事件には何かしらの関わりがあると見られたからである。道中何体もの未確認のクリーチャーが襲ってきたが、院生3人とドロシーの敵ではなかった。かくして、君たちは危うくハーベストの学舎を崩壊させる所だった大岩、その施設の入り口と思われる門に辿り着いた。その門はボロボロになってはいたが、赤や黄色などで賑やかに彩られている。そして門の上には看板が付けられていたのだが、文字はほとんど落ちてしまったのか、読み取れたのは後半の「world」という文字のみだった。また、この門の向こうからは、異様なほどの威圧感と不快感が君達を襲う。
「なんだろうこの門……でもとにかく、入ってみないと!志輝くんやマリーちゃん、それにあの子も探さないといけないしね!」
門をくぐり、威圧感や不快感に耐えながらかつては整備されていたであろう歩道をしばらく歩くと、果たして君たちは大きな広場に出た。そこで、ドロシーは驚いた声を上げる。
「これ……お城?」
そこにあったのは大きな城だった。門と同じくボロボロであり所々には穴も開いているが、かつては真っ白で美しかったことを感じさせる。また、城は花壇に囲まれているが、花は一つも咲いてはいなかった。さらに、その周りにも、およそこの威圧感と不快感には似つかわしくないもの、観覧車やメリーゴーランド、ジェットコースターなどいわゆる「遊具」が、所せましと並べられていたのだ。もっとも、それらは未完成の物がそのまま長く放置された様子で、何かしら手を加えなければ「遊具」としては使えないだろうが。
「ここ……ひょっとして……遊園地?……でも、なんでこんなことに……」
ドロシーがそう呟いた、その時。
「おやおや、お客様でしょうか?」
頭上から、声がした。
見上げると、そこには目に宝石のついた仮面を付け、極彩色のスーツを纏い、肩にはピエロのような恰好をした猿を乗せた、長身の男がいた。ただし、背中には大きな黒い翼が生えており、足も人間のそれではなく、鳥に近いものだった。間違いなく彼はクリーチャーである。それが翼をはためかせながら、君達を上空から見下ろしている。仮面は笑った顔をしており、先ほどの口調も攻撃的なものでは無かったが、その全身から周り全ての空気が重くなるほどの不気味なオーラが漂っており、それは君達を容赦なく威圧する。しかしその中で、君達よりも威圧されたものがいた。ドロシーが、彼が現れた瞬間から全く様子が変わってしまったのだ。その顔は真っ蒼になっており、体も小刻みに震え、立っていることすら厳しいように見えた。君達には、彼女がここまで恐怖する対象として思い当たるものがある。
「……ごめん、皆……私……私…………戦え、ない……!」
「あの人、多分……『欠片』を持ってる……!」
彼女が昔戦い、「恐怖」を植え付けられた存在、「七つの大罪」。その欠片を持つものが目の前にいるのだ。こうなってしまえば、ドロシーはこの一連の事件に手を出すことができない。そんな様子を男はしばらく肩の猿を撫でながら黙ってみていたが、やがて口を開いた。
「ああ、これが噂の……ふふ、学長がそんな様子なら、思っていたよりは余裕がありそうですねえ。……ならば、折角来て下さったお客様だ。挨拶ぐらいはしておきましょうか」
「初めまして。魔法学園ハーベストの……おそらく精鋭様方。私、元『七つの大罪』の近侍にして、この遊園地『タイニーワールド』の施設長。クロウ・カーティスと申します」
「さて、皆様に当遊園地のご案内をしたいのは山々ですが、真に申し訳ありません。当遊園地は未来永劫貸し切りでございます。できれば今すぐにお引き取りを」
「それとも……彼らのように感染させ、ここの従業員になっていただきましょうか……?」
そう言うと、クロウと名乗った男は両手を二度ほど叩いた。すると、仮面の目の部分に埋め込まれた石が突然光りだし、空間に突然大きな穴が開いた。その穴の中には何か檻のような部屋が見えた。君たちは、これがリベラルアーツ「ポケット」によるものだと気づくが、それにしては異空間の様子がおかしい。本来、「ポケット」で作れる異空間は大きくても精々車を入れるのが関の山のはずだし、簡易的なものであるのでこのように部屋のような形にするのもできないはずだ。しかし、次の瞬間その空間から出てきた「彼ら」によって、君たちはその疑問をいったん中断せざるを得なかった。その二人は、加賀宮とマリーだったのだ。
シーン11 二人の「欲望」 PC全員
(中間戦闘シーン。二人の台詞が長いですが、二人の内面、特にマリーがそれまで隠してきたハーベストに入学する本当の動機が最も露わになる所なので、しっかり描写してやってください。)
加賀宮とマリーは共に濁った眼をしており、加賀宮は黙ったまま、マリーは首飾りを握りしめ何事かをぶつぶつと呟きながら、一歩一歩君達に近づいてくる。君達が彼らに何か声をかけたとしても、二人は答えない。彼らは明らかにカースに感染している様子だ。そうこうしている内に、クロウが再び話をしだした。
「感動の再開……でしょうか?ま、取り敢えず……」
そういうと、クロウの仮面が再び光りだし、突然君達は何かに凄まじく強い力で、遊園地の外に向けて引っ張られる。君達には、これがリベラルアーツ「フォース」であることが分かるが、それにしても院生の君達が抗えないほどの強い力であり、普通の「フォース」ではない。遂に君たちは遊園地からかなり遠く離れた森に引きずり出されてしまった。そして、その場所にはクロウ達がすでにいた。
「さ、それでは私はこれで失礼しますね。二人とも、彼らの足止めをお願いします。私も暇ではないのでね。何しろ君たちが暴れたお陰で、ハーベストの方々にばれるような事態になってしまい、やることが格段に増えてしまったんですから。特に、勝手に入ってきたそこの……ああいやいや、これはこちらのお話」
「……それよりも、ちゃんと仕事をこなせば、君たちの求めるものだって……ね?」
そういうと、彼は再び仮面の目を光らせ、そこから「テレポート」で消えた。そして次に、今まで黙っていた加賀宮が口を開いた。
「……なあ、PC3。強さってなんだと思う?」
「ハーベストでそれなりに頑張って学んで、カース特別委員会で仕事して……院生になって……それでも、分かんねえまんまだ。俺より強い奴なんていくらでもいるし、あのクリーチャーたちにだって勝てなかった。俺はずっと……ずっと弱いまんまだ」
「分かってるよ。俺は今おかしくなってる。でもそれも全部俺が弱かったからだ。あいつらにここまで無理やり連れてこられて……一回は逃げて……必死に抵抗したがこのざまだ」
「強くなりてえんだ……ダメだってなんとなく思うのに、俺は今、この状態がどうしようもなく心地いいんだ。もうどんなになったっていいから、強くなりてえんだよ……!」
「……は、ははは!今の俺は強い!邪魔はさせねえ……!誰にも邪魔なんか……!」
そう言うと、彼はミニチュアの飛行機部隊を出した。それは黒い煙を撒き散らし彼の上を飛び回る。
次に、先ほどまで俯いて何かを呟き続けてきたマリーが、PC2に向け話しかけてきた。
「……ここに来れば、会えると思ったんです」
「あの人が、どこで何を学んでいるのか、私は知らなかった……でも、言ってくれたんです。私が高校を卒業したら、一緒の学校で学ぼうって……きっと迎えに来るからって……!」
「でも、いつまで待ってても迎えに来てくれなかった……!それでも私はこの世界に来たのに……そこで困ってるとき、助けにも来てくれなかった……!」
そう言いながら、彼女は発動体である「ピクシーパヒューム」を取り出した。しかし自身に吹き付けるのではなく、スプレーヘッドを放り捨て、ぶちまけるようにし頭から香水を被った。強い匂いが君たちの鼻をつくが、彼女は全く気にも留めないらしい。気が付くと、もともと短髪だった彼女の髪が伸び、顔も僅かに雰囲気が変わったようである。また怒りと悲しみがない交ぜになったようなその激しい表情に反して、服はいくらかお淑やかな雰囲気のものになった。普段の彼女の変身後の姿である鎧を纏った騎士とは全く違う姿だ。
「ここに来れば、一緒にあの学校で学べれば……!なれると思ったのに!」
「こんな風に……!お姉ちゃんみたいに、なれると思ったのに!」
「お姉ちゃん、どこにいるのよ……!私が……どれだけ会いたいって……どれだけ……!」
「絶対、探し出すんだから……こんな世界、全部壊したって……探し出すんだから……!」
「そしたらずっと……ずっと一緒に……!」
そして、二人は君たちに襲い掛かってくる。ドロシーは君達を守ろうとするが、まだ先ほどの恐怖が残っており、手出しができないようだ。彼らは、君達が止めるしかない。
【マリー・ローランド、加賀宮志輝との中間戦闘】
戦闘が終わると、発動体の壊れた二人は地に伏せる。
「くそ……結局、俺は…………」
「どうして……助けてよ……お姉ちゃん……」
ひとまず二人をハーベストの医務室へ連れていき、ドロシーも落ち着かせなければならない。今日の所はハーベストに帰らなければならないだろう。
シーン12 情報収集 PC全員
情報1「マリー・ローランド」
マリー・ローランドは「大切な人とずっと一緒にいたい」というカースに感染している。また、彼女が消えた地点には特定の地点までワープできる紋章の痕跡が見つかった。彼女は何らかの方法であの遊園地の存在とその行き方を知ったようだ。そして彼女には「カナリー・ローランド」という、かつてハーベストに在籍していた姉がいたようだが、現在はおらず、何故か彼女についての詳しい情報も学園の理事会に伏せられてしまっている。また、彼女の大事にしている首飾りは、姉からもらったものらしい。この情報を開くと、情報5「カナリー・ローランド」が調べられる。
情報2「加賀宮志輝」
加賀宮志輝は「力が欲しい」というカースに感染している。これは蛇のクリーチャー「ウムガルナ」のカースだと推測されるが、君たちは一連の事件の中ではウムガルナの関わりを確認していない。むしろウムガルナは、ここ最近あまり見られていないクリーチャーに含まれる。この情報を開くと情報4「奇妙なクリーチャーたち」が調べられる。
情報3「クロウ・カーティス」
かつて「七つの大罪」に仕えていた悪魔。リベラルアーツに長けていたが戦闘に不向きで、他のクリーチャーから軽んじられていた面もあったらしい。君達に見せた不自然に強力なリベラルアーツは、仮面の目の部分につけられた宝石が関連しているようだ。
情報4「奇妙なクリーチャーたち」
あのクリーチャーたちは、様々なクリーチャーを無理やり改造して部分部分をつなぎ合わせた、いわゆる合成獣である。PC3と加賀宮が最初に目撃した、翼とたてがみの生えた大蛇も、ウムガルナを素体とした合成獣だったようだ。何のためにこのような改造がなされたのかは未だ不明であるが、感染したままのマリーと加賀宮を治すためには、そしてこれ以上の発生を食い止めるためには、もう一度遊園地に戻らなければならないだろう。
情報5A「カナリー・ローランド」
かつて禁呪魔導研究科に所属していた女性。写真に残っていたその顔は、感染したマリーが変身した時に見せた姿そのままだった。2年前に行方不明となってしまっているようだ。実は彼女はそれ以前から、とあるクリーチャーと何か深い関りを持っているのではないかなどという疑いがかけられていた。理事会が彼女の情報を伏せた理由は、その後行方不明になった際にクリーチャーを強く憎むハーベストの生徒の仕業ではないかという噂が流れたため、混乱と疑念を抑えるためだったようだ。ちなみに、小鳥をペットとしていたらしい。自動的に情報5B「カナリーの研究」が開く。
情報5B「カナリーの研究」
彼女の研究は「カースジュエルの可能性」というもので、基本的に戦闘目的で使われるカースジュエルの力を、リベラルアーツに応用できないかというものだ。そして彼女はその研究成果として、リベラルアーツ用のカースジュエル「アーツジュエル」を開発したらしい。このジュエルを介しリベラルアーツを発動すると、通常とは比較にならない威力を発揮できるそうだ。また、戦闘に使えない代わりに人体への害もないらしい。現在ハーベストにその製造方法を知る者はいないとされ、現物も残っていないらしいが、マリーの首飾りにつけられた宝石が、記録にあるアーツジュエルと特徴が一致した。PCたちが望むなら、医務室にいるマリーにこの宝石についての話を聞きに行ける。
シーン13 マリーの証言 PC2は必須
君たちが医務室に行くと、ベッドでマリーが横になっており、悲痛な面持ちで首飾りを握りしめている。憔悴気味のようだが先ほどに比べ様子は落ち着いており、話は聞けるようだ。ちなみに加賀宮もいるが彼は眠っている。
「……このネックレスは、お姉ちゃんが、私にくれたものだったんです……」
「……どこか……遠い学校で頑張ってるお姉ちゃんが最後に帰ってきた時……私にくれたネックレス……。いつか私がお姉ちゃんと一緒の学校で学べるときが来たら……きっと役に立つからって……」
(なぜあの場所にいたのかと聞いた場合)
「あの授業のあと……寮に戻って……もう一度、使ってみたんです……サーチ……この魔法がうまく使えれば……お姉ちゃんの手がかりだって、掴めるんじゃないかって……」
「そうしたら……部屋においてあったネックレスの宝石が、急に光りだして……。授業の時よりも、ずっと情報が出てきて……これなら、いけるって思ったんです……」
「だから……お姉ちゃんのことを調べて……そうしたら、あの場所のこととか、その行き方とか……そこへ行けば、何か分かるって……」
「でも……お姉ちゃんはいなかった……うう……お姉ちゃん……」
マリーはまた落ち込んだ様子だ。これ以上聞きだすのはよくないだろう。
シーン14 ??? マスターシーン
(黒幕の一人語り。本当はクロウではなくピエリ。シーン内で語っているイベントホライズンは、ピエリがクリーチャーとなったカナリーに無理やり使わせた大魔法。心身共に極めて不安定な状態で使用したために中途半端にしか効果を発揮しませんでした。)
薄暗い部屋。壁一面に誰かの写真が貼られている。そこで一人の男が何か本を読んでいた。
「マリー・ローランド……妹とはいえ、驚くほど似ていた……。まあ、今更どうでもいいが……」
「飛行機の彼も余計だった……彼が暴れてくれたおかげで、もうこの遊園地を隠しなおすだけのジュエルはない……再び学園の人々が襲撃してくるのも時間の問題でしょう……」
「こんなことなら……イベントホライズン、まだ一応ちゃんとしていた時に使わせるべきだった……!いくら隠蔽の大魔法とはいえ、使用者があんな状態では駄目だったのか……!本来であれば、この場所を嗅ぎつけられるはずはなかったのに……!」
「ふ、ふふふ……だが、諦めたりはしません……まだ合成獣などいくらでも作れる……場合によっては、あれを使ったっていい……!」
「奪わせるものか……この場所は、この遊園地は、他の誰にも奪わせない……!」
「全ては、愛する貴方のために……!ふふ、ふふふふふ……!」
男は手の本を引き裂くと、壁に貼られた大量の写真を恍惚として眺め、不気味に笑った。
シーン15 学長の依頼 PC全員
(遊園地に向かうことになるシーン。ドロシーが抱き着くシーンはPLが許せばキスなどでも可。)
君たちが情報を全て得ると、ドロシーが君達のところへやってくる。彼女は沈んだ様子で、いつもの活発な様子は見られなかった。
「……ごめんね、皆。私、力になれなくて……。」
「……本当なら、マリーちゃんや志輝くんを助けるために、私も遊園地に行きたい。でも、私は……」
「それに、今回の事件に関連しているかわからないけど、アマリリスに何か動きがあるみたいで……理事会に、混乱に乗じてハーベストを狙ってくる可能性もあるから他の先生たちも動かせないって言われたの……」
「それでも、私、キミたちになら、できると思ってるの。だから、お願いしてもいい?」
「遊園地に行って、皆を……助けてきてほしい。キミたちにだったら、できると思うの」
君たちが行くというと、ドロシーは「ありがとう」と言って、PC1を強く抱きしめる。
「私、見守ってるから。戻ってきたら、また遊びに行こうね!」
シーン16 再開 PC全員
PCたちは今、再び遊園地の入り口に立っていた。今回は何故か、前回のように合成獣たちが襲ってくることもなくすんなりと入り口まで辿り着くことができた。しかし、門の中からの威圧感と不快感は一層強くなっている。迂闊に立ち入れば前回のように敵にすぐ見つかってしまうだろう。君達がそこに立っていると、そこに空から飛んできたものがいた。それは、あのカナリアだった。あのカナリアが、いくらかふらつきながら飛んできたかと思うと、PC1の肩にとまったのだ。カナリアは口に何かを加えており、それをPC1の手に渡そうとする。それはとても小さな石だが、よく見ると、それが記録にあった「アーツジュエル」だということが分かる。これを使えば、クロウから身を隠して移動できそうだ。
ここで、PC達には何らかのリベラルアーツを使って身を隠して進んでもらう。(ステルス、ミュートなど推奨。アイディア次第。)成功すると、普段のリベラルアーツよりも一層気付かれなくなるだろう。そんな様子をカナリアはじっと見つめていたが、突然そっと飛び立ち城の方へ向かっていった。あの小鳥はどうやら君達を導こうとしているようだ。
シーン17 ある思い出 PC全員
カナリアに導かれ、誰にも気づかれることなく城に入った君たちは今、その一番高い塔の最上階の部屋の前に立っていた。扉は少し開いており、現在中には誰もいないようだ。君達が扉を開けて最初に目に入るのは、正面の壁に貼られていた大量の写真だ。それらは、すべて一人の少女のもので、どうやら隠し撮りされたもののようだ。そして、君たちはその写真の人物の顔をよく知っていた。それは、ドロシーによく似た少女。魔導テロ組織アマリリスのリーダー、トト・フロム・オズの写真だったのだ。しかし、クロウ・カーティスがアマリリスと関りがあったという情報はない。これらの写真は、トトにある程度近い人物、例えばアマリリスのメンバーくらいしか撮れそうにないものだった。だが、もし彼女やアマリリスがこの一連の事件に関わっているとしたら、あの合成獣の存在が不可解になる。クリーチャーの保護を目的としている彼女やその団体があのような動物実験を許すはずはないからだ。困惑する君達をよそに、カナリアは床にとまり、下を向いている。どうやら、床に落ちた紙切れを気にしているようだ。手に取ってみると、ノートか何かの切れ端で、何か書かれていたであろうことが分かる。その紙を直すなら、リベラルアーツを成功させる必要があるだろう。(リペア、サーチ推奨、こちらもアイディア次第。)なお、カナリアにもらったジュエルは欠片であり、あまりマナが込められていなかったので今回は使えない。成功すると、それは日記だったことが分かる。また表紙には「クロウ・カーティス」という名前が書かれていた。読むと、このような内容だった。
「カナリー。君に言われ日記というものを付けてみることにした。君と共に遊園地を作る。そんな私らしからぬ決心をしてからというもの、私がこれまで考えたこともなかった経験ばかりだ。封印された主君が復活を企む中、戦闘において役立たずだったために見捨てられ、あまつさえ野良の悪魔に重症を負わせられ絶望していた私は、君に本当に救われたのだ。これからは、君と共に生き、新しい価値観、私たちと人間が手を取り合えるような世界を模索していきたい。ここは、そのための遊園地だ。なんだか恥ずかしい内容の上に、手紙のような文になってしまったが、まあよいだろう。いつか、遊園地が完成した日に、君と一緒に読めればいいと思う。」
「今日、君にペットを飼うことを勧められた。カナリアの友達が欲しいし、私と一緒に育てられれば楽しいということだそうだ。君はあのカナリアを随分と気にいっているらしい。その声や美しい金色、愛嬌がたまらないというが、私に言わせれば君の方が……やめておこう。さすがに照れ臭い。ともかく、私はペットを飼う気はない。恥ずかしい話だが、私は言葉の通じない獣の類はあまり得意ではないのだ。鳥であれば私でいいではないか。」
「君の妹というのは、恐らく可愛らしい子なのだろう。君の熱心な話しぶりを見ていれば、君がどんなにその子を可愛がっているかが分かる。今通っている学校を卒業したら、自分と同じ学校に通ってほしいと思っているそうだな。この日記を読み返す頃には、その子も一緒にいるかもしれない。その時、私のことも受け入れてもらえるといいが。そういえばその時には、いい加減君が施したというこの宝石への細工とやらも教えてくれるのだろうか。遊園地が完成してからのお楽しみと言っていたが、気になって仕方がないのだ。」
そんな様子の文がしばらく続いていたが、あるページを境に、日記には何も書かれなくなっていた。しばらくめくると、最後のページにだけ、文章が書かれていた。
「カナリー。君は今、一体どこにいるんだ。何故、何も言わずに消えてしまったのか。私に深手を負わせ、何か月も意識を失わせたあの見知らぬ男は、一体誰なんだ。君が、何かを不安に思っていることはいくらか察していた。どうして、もっとちゃんと聞いてやらなかったのだろう。一度か二度はぐらかされたぐらいで、どうして私は言葉を止めてしまったのだろう。君は、こんな私に愛想をつかしたのだろうか。いつだって、この遊園地を支えてくれたのは、光を当ててくれたのは君だったのに。どうして。もはや、返事が帰ってくることのない問いと後悔の言葉を、私は、永劫投げ続けるしかないのか。」
か細い字でそう書かれ、文は終わっていた。
シーン18 笑う男 PC全員
(黒幕の化けの皮がはがれるシーン。またまた台詞が長いですが、狂気たっぷりに演じていただければ作者が喜びます。またこの後の戦闘におけるPLのやる気にも繋がると思うので、ぜひがっつりとヘイトを買わせてください。)
カナリアは君達が日記を読み終わったのを確認すると、城から出る。それを追って君達も城から出ると、突然、旋風が巻き起こり飛んでいたカナリアを切り裂いた。カナリアは深い傷を負い、その場に力なく落ちる。達が空を見上げると、その上空にクロウが立っていた。彼は最初に君達が見たときと同じ格好をしており、肩の猿も君達を見下ろしていた。
「いつのまにか侵入されていたとは……!何故……!ちょっと魔法で身を隠したところで、気付かないはずは……!それもよりにもよって、城に入るなんて……!」
「まさか、まさか……!一番上の部屋に入ったんじゃないですよね……!あの写真に、その汚い指で触れてなんていないですよね……!」
「あれは大事な写真なんですよ……こんな薄汚い遊園地の中で……トト様の写真だけが美しくあったんだ……!あの写真だけが……この僕を支えてくれたんだ……!」
「ねえ、汚したんですか……!僕の大事な写真を……汚したんですか……!」
その口調からは余裕さが消え失せており、今までの印象とは全く違うものだった。しかしそれ以上に異様なのは、途中から話していたのが仮面の男でなく肩の猿に変わったことだ。そのことに気付いたのか、猿は少し黙ると、自嘲気味に笑った。
「……ああ、取り乱してしまった……。折角、今まで『腹話術』してきたのに……」
「……まあ、いいでしょう……そもそもアマリリスの目をごまかすために、このクリーチャーを替え玉にしていただけですし……。まあもうすぐ死ぬでしょうし、放っておきますか」
そういうと、猿はにやりと笑ってその指を鳴らした。すると、先ほどまで空中に立っていたクロウの体は糸が切れたように地上に落ちた。近くで見ると、その体が傷だらけで、ひどい状態なのが分かる。しかし気を失っているだけで、まだ死んではいないようだ。猿は空中に留まったまま、笑って言葉を続けた。
「いいでしょう!ならばもうチェンジアニマも必要ない!ここまで来たあなた方には、僕の本来の姿をお見せしましょうか!」
そして猿は何かを呟くと、その姿は見る見るうちに小柄な人間の男のそれに変わった。そのどこか幼く見えるその顔立ちを歪め、男は不気味に笑う。
「それでは、改めて名乗らせて頂きましょう!僕はアマリリスのメンバー、ピエリ・サーキンス!この遊園地ではまあ単なる客でしかありません。ただし、たった二人の内の一人ですがね」
「しかし、この姿で話すことになるとは思いませんでしたよ……そもそも、合成獣どもがちゃんと仕事をしていればこんなことには……」
「適当に拾わせてきた手駒候補さえちゃんと扱えず逃がしてしまった上に、落ちた時には大部分が死んでしまった!あれだけ弄繰り回して強くしてやったというのに……!あれだけ!あれだけ!不快感に耐えながら、わざわざ改造して、調教してやったのに……!」
「所詮は獣!本当はずっと嫌いだったんだ!あんな人様に迷惑しかかけない醜い存在で、そのくせトト様のご寵愛を受ける、あの畜生どもが!一匹残らず縊り殺してやりたいと、何度思ったか!!!」
「……ああ失礼、取り乱してしまいましたね。いけないいけない。トト様の隣に立つものとして、例え姿形がどうなろうとも、心だけは優雅でいなくては」
「……ねえ皆さん、僕にはね、場所が必要だったんです。トト様の隣に立つため、トト様に愛されるための、ある計画を誰にも隠れて進められるような場所が」
「そんな時、えっと二年前くらいですね。この作りかけの遊園地を見つけたんです。普段は浮かして隠していたようでしたが、その時はたまたま姿を現していたようで。一目で『いい』と思いました。人とクリーチャーが共に作り上げた施設なんて、いかにもトト様が喜びそうですし、何より『遊園地』といえば、愛し合う男女の逢瀬の場として実に魅力的でしょう?」
「だから『もらう』ことにしたんです。この遊園地を丸ごと。……『これ』を使ってね」
そう言ってピエリは指を鳴らした。すると、彼の周囲の空中に、分厚いガラスの蓋つきの瓶が突然いくつも現れた。そして、その全てには、脈打つ心臓が入っていた。
「どうです、醜いでしょう?あの畜生どもの心臓ですよ。これらはほんの一部ですがね。特殊な処理でカースの生成だけは続け、濃縮させてるんです。これをトト様や他の連中に隠れて集めるのが、どれほど大変だったか……!しかしまあ、人間相手にいうことを聞かせるにはこれが意外と役に立つ。ま、クロウの方は面倒だったので一回黙っててもらいましたが」
「カナリー・ローランド……彼女に使ったカースはたしか『大切な人とずっと一緒にいたい』でしたね。……そういえば、妹もそういうのでしたっけ?まあ、どうでもいいですね」
「無理やり感染させて、こういったんですよ。『人間とクリーチャーでは、いつまでも一緒にはいられませんよ』ってね。そしたら後は簡単です。自分から僕の『研究』に協力してくれるようになりましたよ!愛というのは素晴らしいと感動さえしました!」
「だって……愛のために、自身をクリーチャーにしたんですから!」
「あの合成獣どもはその副産物です。人とクリーチャーが掛け合わせられたので、獣どもはもっと簡単にいくと思ったのでね。嫌悪はしましたが、駒が欲しかったので」
「……ああ、誤解しないでほしいのですが、僕はなにもクロウとカナリーの二人の仲を引き裂くつもりはなかったんですよ?実験が全部終わればちゃんと再会してもらうつもりでしたし、本当の愛ならば、多少姿形が変わろうと問題ないはずですよね?」
「ただ……一年前くらいですかね。突然彼女が外に出て行こうとしたんです。もう人間の意識なんてほぼ残ってなかったはずなのに、なんだかとり憑かれたみたいに」
「大体彼女への実験は終了していたし、ある程度の場所は分かるようにしてたんで放っておいたんですけど、そのあと半日ぐらいで帰ってきたんですよ。その時はとくに何もなかったんですけど、しばらくしたらなんだか分からないままに亡くなってしまったんです」
「ま、実験の結果ってことちゃんと記録は取ってるんで、いいんですけどね。見てみます?」
PCたちが見るというと、ピエリは指を鳴らし、夜空に映像を映し出す。
真っ暗の部屋の中で、一匹のクリーチャーが苦しんでいる。それは、PC2がマリーと会った時、彼女に迫っていたクリーチャーだった。金色の毛で覆われた足を壁にこすりつけ、泣いているような声を上げたかと思うと……突然、彼女の体が内側から破裂した。血が画面に飛び散り、そこで映像は終わっていた。
「どうですか?不思議でしょう。なにかのショックでも受けて、魔法で抑えさせてた拒絶反応が突然暴発したんですかね」
「まあ、いい材料になりましたよ。おかげで、より安全な改造ができるようになりましたし」
「……さて、久しぶりにこの姿で人と話せたので、いささか興が乗ってしまいましたね。そろそろ、話は終わりにしましょうか」
「では、君達も従業員になっていただきましょうか。これはもう、絶対です。もう、あの飛行機の彼の時のようなミスはしない……!全ては一瞬だ!『アスタリスク』!」
その瞬間、君たちの周囲に、先ほど現れたクリーチャーの心臓の入ったガラス瓶が、その何倍もの数で現れた。このまま落ちれば、濃縮したカースが一度にあふれ出し、院生の君達といえどただでは済まないだろう。
シーン19 決戦、そして PC全員
瓶が落ちる寸前、PC1の体が光だし、その心臓の全てがガラス瓶の中で消失し、瓶は地面にそっと落ちた。これは「デウスエクスマキナ」だ。ドロシーがPC1に抱き着いたときに、PC達の身に危険が及んだ際、発動するようにしていたのだ。心臓は、全てが既に破壊されていたことになったのだ。
「なんてことだ……大事な心臓が、全て……!あの女……トト様の偽物が……!」
「……あああ!もういい!もういい!どうせいずれはあの学園も、丸ごと潰すつもりだったんだ!お前たちも全員この場で潰して、あの偽物にさらしてあげましょう!」
「見せてあげましょう!この僕の研究成果を!多大犠牲をものともせずに、トト様のためだけに尽くし続けた、この僕の愛の大きさを!」
「先ほどこの姿は僕の本来の姿と言いましたが……もう、全ては変わったんですよ!」
「『チェンジアザー』、解除!」
その言葉と共にピエリの体が見る見る内に膨れ上がっていったかと思うと、その姿は紛れもないクリーチャーの物になった。それは形だけを見れば、長い体に足を何本も生やした巨大なムカデだ。しかし、その体を形作るパーツが異常だった。猿の顔に蛇の体。さらにその足は熊や蜘蛛や狼、山羊、魚のヒレなど、様々な獣の物で構成されている。また、その顔もただの猿のそれではなく、狼のように突き出た口からは蛇の舌が覗き、頭の部分には鹿のような巨大な角を何本も生やしていた。そして、その蛇の体の大部分は真っ青な毛で覆われており、そこだけ見ればぬいぐるみのようだ。変わり果てたその姿は、まるで子供が動物の写真を切り張りして作ったような悪趣味なものだった。
「ふふふふふ、醜いでしょう!でもトト様なら、この姿を喜んでくれるはずなんだ!そのために、できる限りのクリーチャーを殺して、その要素を取り入れたんだから!これなら、これなら!トト様だって、あんな畜生どもよりも、僕を見てくれるはずなんだ!」
「僕は、トト様に愛されるためならこんな醜い姿になることだって厭わない!これが僕の愛だ!カースに感染してまで妹なんかを気にしていたカナリーとは、真剣さが違うんだよ!」
「邪魔なんだよ!お前たちも!アマリリスもハーベストも!そんなもの全て潰して、僕はトト様と二人で、ここで幸せに暮らすんだあああああああああ!」
狂った口調でわめくと、ピエリは君達に襲い掛かる。
【ピエリ・サーキンスとのクライマックス戦闘】
(大魔法を一つ残すことを推奨してください。)
戦闘が終わると、いつしか辺りは暗くなっていた。ピエリの巨体が、その場に崩れ落ちる。
「あ、あああ……なんで……僕が、僕の愛が……そんなはず……!」
「このまま、終わってたまるものか……!僕は、僕は……!」
ピエリは醜く蠢くと、その巨大な手をPCに叩きつけようとした。すると、突然その手が止まる。「ブリンガー」だ。巨大な魔法の腕が、ピエリの手を止めたのだ。その魔法を発動したのは、倒れたままのクロウ・カーティスだった。
「こ、この魔法は……!畜生、この死にぞこないのクリーチャー風情が……!」
クロウは、地面に伏したままのゆっくりと口を開く。
「解放された後、全て聞いていた……君達には、迷惑をかけてしまったようだな……」
ピエリは、その腕を振り払うと、その体を引きずって離れようとする。
「く、くそ!もう、逃げるしかない!だが、いつかはきっと……!」
その時、ピエリの大量にあった足の内の一本が、突然破裂した。
「……!?……があああ!!!ぼ、僕の体が……!!!!」
ピエリが自分に何が起きたか察する間にも、その体は、端の方から順番に破裂して無くなっていく。痛みに耐えかねのたうち回っても破裂が止まる様子はなく、彼の体はだんだんと消えていく。それはまるで、とてつもなく大きな獣に食い荒らされているようにも見えた。
「くそっ!!くそっ!!!畜生!!!!一体、なんでこんなことに……」
「いやだ、こんな、死にたくない、畜生、なんで……死にたくない……!!!」
「いやだあああああああああ!!!」
壮絶な断末魔とともに、ピエリ・サーキンスの体は、全てが破裂して消えた。それはカナリーと同じような拒絶反応によるものかもしれないし、クリーチャーの命を踏みにじった罪に対しての、「彼女」による無残な粛清なのかもしれない。いずれにせよ後に残されたのは君達と傷を負ったクロウ、そしてカナリアだけだった。立ち上がることもできずに横たわったままのクロウは、既に死に瀕している。
(ここでPLが大魔法を使ってクロウを救おうとする場合はもう少し待たせてください。タイミングとしては、ドロシーが来てパレードが始まったあとくらいが丁度よいと思います。)
「ありがとう……これで、カナリーの無念も、少しは晴れただろう……君達には、感謝してもしきれない……。これで、私も、憂いなく逝けるというものだ……」
「私は、ここで死ぬだろう……もともと、あの男に深手を負わされ死にかけていたのを、大魔法で無理やり生かされていたのだ……あの男が消えた以上、私は……」
「ここで、人々が笑う姿を見たい。その夢は叶わなかったが……今は、君たちが来てくれた。どんな理由であれ、遊園地が未完成であれ、私にとって、それは最期の救いなんだ……」
「……すまないが、最後に、辺りを照らしてはくれないか?私が死ねば、魔法で作ったこの作りかけの遊園地は恐らく全て消えてしまうだろう……。もう、目もよく見えないが……最後に、この遊園地を、ちゃんと見たいんだ……頼む……」
ここで、PC達にはリベラルアーツ「ルクス」を使ってもらう。(PCたちが失敗した場合、アーツジュエルの効果ということにしてダイスを三つ振り足しましょう。)
アーツジュエルが大きな光を放ち、PCが出した光と混ざりあう。そして次の瞬間、その光は無数の色とりどりの光の粒となり、遊園地全体に散ったかと思うと、辺り全てを鮮やかで暖かな光で包んだ。それは、まるでイルミネーションのように。
「……!これは……!そうか、細工……!カナリー……君が、これを……!」
クロウは驚き、静かに涙を流す。君達がその光景を眺めていると、空から飛んで現れた少女がいた。ドロシーだ。
「みんなー!私、全部見てたよ!君たちが、一生懸命戦っているところも、この遊園地の生まれた理由も、全部。みんな。本当にお疲れさま」
「だけどね、まだ帰らないで。もう少しだけ付き合ってほしいの。だって……」
ドロシーはそういうと、大魔法「テスタメント」を使った。すると突然、そこには多数の生徒たちといくつかの煌びやかな乗り物が現れた。
「遊園地の最後は、イルミネーションとパレード、でしょう?」
そうして、賑やかな音楽、多数の笑い声と共に、「タイニーワールド」の開園の夜が始まった。その生徒たちの中には、マリーと加賀宮もいる。過去が変わって心臓がより前に破壊されていたことになったため、回復も早まったのだ。
「ああ……見えているか、カナリー……。こんなに、こんなにも多くの人たちが、私たちの遊園地に……私は、私は……幸せだ……」
「……だが、贅沢だな、私は……今更、これ以上を望むなど……もはや、この体では、何も……」
(適切な大魔法を使った場合、息を引き取る前にクロウを回復させられます。大概の大魔法は許可してください。PC達が希望するならば、ドロシーに助けてもらうこともできるでしょう。)
(回復をさせなかった場合)そうして、クロウは静かに息を引き取る。その様子を、一羽のカナリアがじっと見つめていた。その目からは、涙が流れているように見えた。
(回復させた場合)「……また、助けられてしまったな」
「……私はこれから、この遊園地と共に旅に出ようと思う。ジュエルの作り方は、カナリーから教わった。それさえあれば、また空を飛び必要な材料や情報を集めに行けるだろう。一度は諦めた夢だが、こうしてもらった命だ。もう二度と、諦めたりはしない。それが、カナリーのためでもあるはずだ。」
「だからこの遊園地が……君達に自信を持って見せられるほどになる時……ここが、本物の「夢の国」になる時が来れば……また、きっと戻ってくる。その時は、君達を真っ先に招待しよう」
「出来る限り頑張ってみるさ。もう一度君達と、この夢の国で会えるように」
そう語るクロウの肩にそっとカナリアがとまる。その様子は、これからのクロウの行く道を祝福しているようにも見えた。
シーン20 PC3エンディング
遊園地での加賀宮志輝とのシーン想定
シーン21 PC2エンディング
遊園地でのマリー・ローランドとのシーン想定
(マリーを出す場合、カナリアがマリーにとまり、彼女にすり寄る描写を入れてください。)
シーン22 PC1エンディング
遊園地でのドロシーとのシーン想定
エネミーデータ
●中間戦闘
「マリー・ローランド」主体属性:水・光 クラス:変身 大魔法:なし
能力値「アクション:3」「リアクション:6」「リベラル:4」
特技
「変身!」消費TP2 種別A/Rこのアクションフェイズ及びリアクションフェイズでの発動ダイス数に+1する。
「魂の鳴動」消費TP3 種別R魔法攻撃の範囲に、自分の味方が1人以上居る場合、魔法攻撃の対象を自分1人に変更する
「守りたいもの」消費TP1 種別A 次の自分のアクションフェイズまでの間、味方が魔法攻撃の対象に選ばれたとき、その味方のリアクションフェイズを代わりに自分が行う。
アイテム「ピクシーパヒューム」攻0+1防0+2HP60 TP10 SS3 移動1
オリジン及びアイリスをコスト0で発動することができる。1ラウンド1回まで
「お月様のピアス」 所持している魔法の発動体の防御力が1上昇する。
専用化「魔力強化」効果:攻撃力+1、防御力+1
魔法「アイリス」「カース」「ハーベストムーンR」
A「ホーリーライト」水1光1
攻撃範囲を自分の前後左右1マスに変更し、対象にバッドステータス:盲目レベル1を与える。
+風 ホーリータイフーン
自分から最も離れたマスを1つ選び、対象をそのマスに移動させる。
C 「グリード」呪1光1
攻撃力+3、さらに自分のHPを3点回復する。
C「サイレンス」呪1風1水1
攻撃力+4、さらに対象にバッドステータス:沈黙レベル1を与える。
R「アウトレイジ」火1水1
防御力+1、さらに魔法攻撃の発動者にバッドステータス:衰弱レベル1を与える。
R「フェアリーサークル」風1光1
防御力+2、さらに味方1人のHPを2点回復する。
R 「ナチュラルフォレスト」地2水1
防御力+3、さらに魔法攻撃の発動者のいるマスを地形:森林レベル1に変更する
R 「コキュートス」風1水1闇1
防御力+3、さらに自分のいる縦1列にいる敵全員にバッドステータス:氷結レベル2を与え、自分にグッドステータス:鼓舞レベル1を与える。
R 「シークレットマテリアル」光2闇1
防御力+4、さらに自分以外の味方全員にグッドステータス:不可知レベル1を与える。
R「ポセイドンビロー」水3闇1
防御力+7、さらに好きな横列1つを選び、その横列にいる敵全てにバッドステータス:毒レベル3を与える。また、この魔法の効果によって受けたバッドステータスは、戦闘終了時まで回復されず、レベルの増減も起こらない。
R 「フォルトゥナミステリ」風3光1
防御力+8、さらに自分にグッドステータス:浄化レベル2とグッドステータス:活性レベル2を与える。
R「アクエリアスミトス」水5
防御力+12、さらに魔法攻撃によって味方がバッドステータスを受ける場合、それらを全て回復し、味方全員が受けているバッドステータスを全て回復する。
「加賀宮 志輝」主体属性:火・風 クラス:概念(紋章出身)大魔法:なし
能力値「アクション:6」「リアクション:6」「リベラル:5」
特技
「インデックス」消費TP4 種別A 味方全員の次のアクションフェイズでの発動ダイス数に+1する。
「スクエアブラケット」消費TP1 種別A 敵1人を前後左右いずれか1マス移動させる。
「コスモポリタニズム」消費TP6 種別A 1D6を振り、その値をXとする。味方全員にグッドステータス:興奮レベルXを与える。1シーンに1回使用可能。
アイテム「魔法の玩具」「言葉・意味論」攻3防1HP50 TP25+1 SS8 移動1
「風属性魔法攻撃力+2、耐魔法防御力に+2する。」
「レベル2以上の魔法を発動する度、地・水・火・風のうち好きな属性のマナを1つ生む。1ラウンド4回まで発動可能」
「とんがり帽子」所持している魔法の発動体の最大TPが1上昇する。
魔法「オリジン」「カース」「ハーベストムーンA」
A「イグニッション」火2
攻撃力+4
A 「ファイアボール」火1闇1
攻撃力+2、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル1を与える。
A「タービュランス」風2
地・水・火・風・光・闇の中から好きな属性のマナを1つ発生させる。
R「デモンズナックル」風1闇1
防御力+1、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル1を与える。
A「ブレイクエンドボム」火1風1地1
攻撃力+4、さらに攻撃範囲に2マス前方とその周囲全方位1マスを追加する。
A 「レイフォールゲート」風1光1闇1
攻撃力+3、さらに攻撃範囲内の対象1人の1マス前方または1マス後方に移動する。
A「ジャックポット」風3火1
攻撃力+7、さらに攻撃範囲に戦闘空間の好きなマスを1つ追加し、対象を戦闘空間の好きなマスに移動させる。
A 「エアレイド;abyss」風5
攻撃力+12、さらに戦闘空間のオブジェクトの存在していない好きなマスに移動後、自分の周囲全方位1マスを攻撃範囲に変更する。また、自分にグッドステータス:不可知レベル3と、グッドステータス:神速レベル3を与える。この魔法の効果によって受けたグッドステータスは、戦闘終了時まで消去されず、レベルの増減も起こらない。
C 「アムネシア」呪1風1
呪属性のマナを3つ発生させる。また、この発動タイミングではもうアムネシアは発動できない。
C 「バイオレンス」呪2闇1
攻撃力+7、さらに自分にグッドステータス:暴走レベル1を与える。
C 「アセンション」呪3風1
攻撃力+11、さらに戦闘空間の好きなオブジェクトを好きなだけ自分の周囲全方位1マスの好きなマスに移動させ、攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更する。
●クライマックス戦闘
「ピエリ・サーキンス」主体属性 地・風・闇 クラス:クリーチャー? 大魔法:パニッシュメント、アンブレイカブルフォートレス、チェックメイト
能力値「アクション:8」「リアクション:6」「リベラル:7」
特技
「ドミネイト」消費TP2 R 魔法攻撃の攻撃力を-5する。この特技により攻撃力が0以下になった場合、魔法攻撃を無効化する。
「オーソリティ」消費TP5 A 戦闘空間上の好きな1マスを、溶岩、凍土、剣山の内のいずれかの特殊地形レベル-2に変更する。
「ビーストパーツ」消費TP2 A 一般、もしくは巨大クリーチャーの中から一体選択し、そのクリーチャーが持つ種別Aの特技の中で最も消費TPの少ないものを一つ選んで即座に使用する。(TPはその分追加で払う)同じ特技を二度は選べない。※
「七つの大罪;暴食」消費TP10 A このアクションフェイズで、風属性魔法レベル5「エリアルレイヴ」をコストなしで発動することができる。1シナリオに1回使用可能。
カットインセリフ「だから嫌なんだこの姿は……!どうしようもなく、腹が減る……!」
攻5 防2 HP300 TP100 SS10 移動2 1(横)×3(縦)のオブジェクトである。(PLの方々がデータに慣れていそうでしたら、HPを増やすなどしてかまいません。)
魔法「オリジン」「アイリス」「カース」
A「グランプログレス」地2
攻撃力+2、さらに攻撃範囲に自分の前後左右1マスを追加し、攻撃したマスが地形変化していた場合、その地形レベルに+1する。
A「エアロスプラッシュ」風1水1
攻撃力+1、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更する。
A「ファイアボール」火1闇1
攻撃力+2、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル1を与える。
A「デモンズサーキット」風1闇1
攻撃力+1、さらに自分にグッドステータス:俊足レベル1を与える。
+火サーキットブレイカー
自分にグッドステータス:会心レベル1を与える
C「ラビリンス」呪1地1
攻撃力+3、さらに攻撃範囲のマスを地形:黄泉レベル1に変更する。
A「シグナルスマッシュ」光2地1
攻撃力+3、さらに攻撃範囲を前方3マスに変更し、対象にダメージが入った場合、自分のHP、TPをそれぞれ2点回復する。
+水 コバルトスマッシュ 攻撃範囲を地形:海原レベル2に変更する。
+火 カーマインスマッシュ 攻撃範囲を地形:流砂レベル2に変更する。
+風 ビリジアンスマッシュ 攻撃範囲を地形:森林レベル2に変更する。
A「アイシクルコフィン」水1地1闇1
攻撃力+3、さらに対象のいるマスを地形:凍土レベル2に変更し、対象にバッドステータス:重圧レベル1とバッドステータス:衰弱レベル1を与える。
A 「アクセルブースト」火2風1
攻撃力+4、さらに別のオブジェクトに衝突するまで前方向に移動する。また、この魔法の発動中、自分は衝突によるダメージを受けない。
A 「フォトンストリーム」風1水1光1
攻撃力+3、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更し、対象を1マス好きな方向へ移動させる。また、このアクションフェイズの間、衝突によって敵が受けるダメージを+2する。
A「ブラックロトス」闇2水1
攻撃力+3、さらに自分にグッドステータス:浄化レベル1とグッドステータス:興奮レベル1を与える。
A「インフェルノドライブ」火1水1闇1
攻撃力+4、さらに対象にバッドステータス:火傷レベル2を与え、自分にグッドステータス:興奮レベル2を与える。
C 「カルネージ」呪1風1地1
攻撃力+4、さらに戦闘空間上のオブジェクトを2つまで選び、戦闘空間の好きなマスに移動させる。
C「バイオレンス」呪2闇1
攻撃力+7、さらに自分にグッドステータス:暴走レベル1を与える。
A「ブルースフィア」風3地1
攻撃力+7、さらに攻撃範囲に自分の周囲全方位1マスを追加し、攻撃範囲のマスを好きな地形レベル2に変更する。
A「ブラックホール」風3闇1
攻撃力+7、さらに戦闘空間の好きな1マスを選び、全てのオブジェクトをそのマスに移動させる。また、この魔法の発動中、味方は衝突のダメージを受けない。
A「ミスティックキリング」闇3光1
攻撃力+9、さらに敵全員の受けているグッドステータスを全て消去する。
C 「インフェクト」呪3闇1
攻撃力+11、さらに自分にグッドステータス:時空転移レベル1と、グッドステータス:憎悪レベル1を与える。
A「ビッグバン」地5
攻撃力+12、さらに戦闘空間上のマスを好きなだけ、それぞれ好きなレベル3の特殊地形に変更する。
A「エアリアルスラスト」風5
攻撃力+12、さらに戦闘空間のオブジェクトの存在していない好きなマスに移動後、自分の周囲全方位1マスを攻撃範囲に変更する。
また、3つまで、好きな属性のマナを発生させる。
R「ヒートマイン」火1地1
防御力+1、さらにこのリアクションフェイズ終了後、魔法攻撃の発動者のいるマスを地形:溶岩レベル1に変更する。
R「ポルターガイスト」風1地1
防御力+1、さらに魔法攻撃の範囲にいない敵以外のオブジェクトを前後左右の好きな方向に1マス移動させる。
R「フェアリーサークル」風1光1
防御力+2、さらに味方1人のHPを2点回復する。
R「デモンズナックル」風1闇1
防御力+1、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル1を与える。
R 「ブラックバリア」闇2
防御力+3、また、敵の攻撃に闇属性の魔法が含まれていれば防御力をさらに+1
R「カスマティス」風1水1光1
防御力+4、さらに自分の周囲全方位1マスにいる敵に、バッドステータス:麻痺レベル2を与え、自分にグッドステータス:鼓舞レベル1を与える。
R「テンペストセレナーデ」風1水1地1
防御力+3、さらに自分と自分の周囲全方位1マスにいる味方のレベル2以下のバッドステータスを全て回復する。
R「フィンブルヴィンテル」水1地1闇1
防御力+3、さらに敵全員にバッドステータス:重圧レベル1を与える。
※特技「ビーストパーツ」により使用可能なクリーチャー特技一覧 (2020年1月4日現在)
クリーチャー名:ハルピュイア、ジャイアントラット
「魔陣連携」 消費TP2 A
アクションフェイズダイス数+(戦闘に参加している同一クリーチャー数)
クリーチャー名:ヴァンパイア
「死の吸血」消費TP1 A
このアクションフェイズで与えたダメージ分、HPを回復する。
クリーチャー名:ワイバーン
「竜の鉤爪」 消費TP1 A
このアクションフェイズの自分の攻撃力に+3する。
クリーチャー名:ケット・シー
「猫を統べる者」消費TP2 A
このアクションフェイズの攻撃力+(味方の数×3)。
クリーチャー名:スライム
「吸収」消費TP2 A
自分のレベル2までのバッドステータスを1つ回復する。そうした場合、この戦闘間の自分の攻撃力を+2する。
「流動体」消費TP2 A
自分の能力値を2つ選ぶ。どちらかの能力値をこの戦闘間-1し、残りの能力値をこの戦闘間+1する。
クリーチャー名:アトラク=ナクア
「無限の幽閉」 消費TP3 A
敵全員にバッドステータス:麻痺レベル1とバッドステータス:重圧レベル1を与える。
クリーチャー名:ウムガルナ
「蛇竜の湖」 消費TP5 A
敵全員のいるマスを地形:黄泉レベル2に変更し、敵全員にバッドステータス:麻痺レベル1を与える。1シナリオに1回まで。
「蛇竜の息吹」消費TP5 A
敵全体にバッドステータス:火傷レベル3を与える。
クリーチャー名:アーヴァンク
「水辺の怪物」消費TP2 A
このアクションフェイズにおいて水属性のマナを1つ発生させ、水属性魔法のダメージに+2する。
クリーチャー名:グリフォン
「高貴なる翼」 消費TP4 A
自分にグッドステータス:飛行レベル2を与える。
クリーチャー名:ドラゴン
「咆哮」 消費TP4 A
敵全員は自分の受けているグッドステータスからひとつ選び、そのレベルを1下げる。
クリーチャー名:ゴーレム
「オーバーライド」消費TP2 種別A
このアクションフェイズで敵にバッドステータスを与える場合、そのバッドステータスのレベルを+1する。
クリーチャー名:ベレト
「蒼白の馬」 消費TP3 A
自分にグッドステータス:神速を与え、このラウンドの間、自分が衝突したとき、衝突した敵が受けるダメージに+2する。
▼戦闘方針
クリーチャーを無理やり繋ぎ合わせた体で戦うピエリは体の所々が脆く、特技「ドミネイト」を加味しても耐久力に欠けます。ですので、短期決戦のつもりで遠慮なく高火力で攻めていきましょう。初めのターンに「オーソリティ」を使用し自分のマスを溶岩レベル-2にすれば、アクションダイスを10個振る事ができ攻撃を強化できるのでお勧めです。
また、ここでのピエリの行動理念は「自分(とトト)に都合のいい世界を作り、それを汚す者を排除する」ことであり、そのため地形変化や敵の移動に関する魔法が多いです。PCが「地形を変化させる」「ピエリの変化させた土地を利用する」などの行動をとった際には、そのことに激怒するロールプレイを入れてみても楽しいかもしれません。
大魔法については、「場の支配」の演出も兼ね、まず「チェックメイト」をすぐに使用しましょう。しかし、「アンブレイカブルフォートレス」「パニッシュメント」はピエリにとって忌まわしいクリーチャーやそのカースの力を利用するものなので、追い込まれたときにしか使用しません。もちろん、あまりロールプレイに拘りすぎるとあまりに呆気なく敗れる可能性もあるので、バランスが大切です。
NPCについて余談
「加賀宮志輝」
今回主要NPCでは珍しい純然たる巻き込まれ枠。その割に遊園地の核のジュエルを壊し解決のきっかけを作る隠れた有能。ある意味一番頑張った人かもしれません。その辺のことをPC3に言ってもらえれば、多少は自信がつくでしょう。
名前の由来はかがみやしき→鏡屋敷→ミラーハウス。
「マリー・ローランド」
被害者ではありますが加賀宮とは違い自ら巻き込まれにいった立場。行動力が高い。香水ぶちまけて姉の姿に変身するシーンは個人的に気に入っています。実は、この姉妹は現実世界で両親を失っており祖母の家で過ごしていたという裏設定があります。彼女があれだけカナリーを頼りにしていたのも、祖母と折り合いが悪く基本的には姉妹で生きてきたため。カナリーがどこで学んでいるのかという学園からの説明は祖母にされていましたが、祖母はマリーに説明しなかったので、マリーはそれを知ることが出来なかったのです。シナリオの後全ての事情を知った彼女はこれ以上ないほど悲しむでしょうが、信頼しているPC2のフォローがあればきっと立ち直れるはず。
名前の由来はメリーゴーランド。
「カナリー・ローランド」
今回一番割を食ってしまった人。クロウのこともマリーのことも同じくらい大切に思っていました。たまたま魔導次元に迷い込んだ彼女がしばらく一人でハーベストに通いマリーを誘わずにいたのは、マリーが学校の友達とは楽しそうにしていたことを知っていたためと、現実世界の知識もある程度学んでいてほしいと考えたため。ちなみに、あのカナリアは彼女の生まれ変わりかもしれませんし、ただのペットだったのかもしれません。いずれにせよ、その愛情がPC達を助けることになったのは確かです。
名前の由来はカナリア+メリーゴーランド。
「クロウ・カーティス」
人間と愛を育んだクリーチャー。かつては「魔界の王」サタンに仕え、そのリベラルアーツの才を生かし身の回りの世話などをしていました。シナリオを書いた最初はどうやっても死ぬ想定でしたが、色々考えて生き残ってもらうことに。シナリオ後はカナリアと一緒に旅立つ。定期的にPCたちに手紙を送ってきてもいいかもしれません。
名前の由来はクロウ(鴉)+ゴーカート。大分無理やり。
「ピエリ・サーキンス」
今回の黒幕。このシナリオで最初に出来たのは実はこのキャラです。コンセプトとしては「闇堕ちしたアマリリスシナリオのPC1」。子どもの頃誰にも愛されない辛い日々を過ごし、自殺しようとしていた所をトトに拾われました。動物嫌いだったにも関わらずトトなら自分を愛してくれるかもしれないと考えアマリリスにメンバー入りします。その後はアマリリスとしてそれなりに頑張るのですが、彼女の「特別」になることは叶いませんでした。もっと周りを見てトト以外にも心を開いていれば、いつかは誰かから愛してもらえたかもしれません。しかし、彼は最後までそれに気づくことはありませんでした。
名前の由来はピエロ+サーカス。彼だけ微妙に「遊園地」から外れています。

