まえがき
本シナリオは以前投稿した『最終話「白夜」 ~キャンペーンシナリオ「白昼夢」~』の修正版です。
おおまかな流れ・結末は同じですが、大きな修正したため再投稿いたします。
小ネタは以前投稿した方にございますので、ぜひご覧ください。
白昼夢を回ってくださった方、回してくださった方、これを読んでくださった皆様に感謝を。
今回予告・ハンドアウト
◆今回予告
難しいことはありません
痛みも、罪も、後悔もない真っ白な世界
人々の願いが叶うところ
この物語は、ハッピーエンドで終わります
なのにどうして、あなたは泣くの?
魔法学園RPGハーベスト
キャンペーン 白昼夢 最終話「白夜」
あなたにくらい、魔法の時間を。
※本シナリオハンドアウトには、第1話「夢知」、第2話「昼毒」に関する致命的なネタバレがあります。
◆ハンドアウト
PC1: ドロシー・フロム・オズ、紅葉結
君は、ハーベストの大学院生だ。君はついに退院してハーベスト生になった紅葉結と学生生活をおくっていた。ある日の夜、君は珍しくドロシーに呼び出される。彼女は君に簡単な依頼を出すと、あるお願いをしてくる。それは「私がもしいなくなったらハーベストをお願い」という、なんとも彼女らしからぬものだった。
PC2: トト・フロム・オズ、アニー・ペキュニア
君は(2話のラストで決めた)生活を送っていた。そんなある日、君は珍しくトトに呼び出される。彼女はこれまでの君の想い出話と簡単な任務を命じると、それとは別に、あるお願いをしてくる。それは、「僕がもしいなくなったらアマリリスを頼む」という、なんとも彼女らしからぬものだった。
※ハーベストに残らなかった場合は、大学院相当のことを教えてくれる先輩がついて教えてくれたことになります。
PC3: セント・イヴ、神谷翼
君はアドヴェントを卒業し、今はハーベストの大学院生である。ある日、君は卒業生としてアドヴェントへの招待を受ける。呼び出し主はなんと、学長の娘、セント・イヴと学長のセント・クラウスである。2人は君を学園長室に呼び出し、簡単な依頼を話すと、ある頼みごとをしてくる。「近いうちにもし大きな事件が起きたら、あなたを頼りたい」というものだった。
◆NPC紹介
・ファルキクス・フォークス刑事 男 32
深くかぶった帽子、トレンチコートを羽織った、黒髪、右目が黄で左目が紫の30代くらいの怪しい男。自称刑事で、噂を聞く限りは実力はあるらしい。5年前、PCたちとハーベストで起きた中毒事件の捜査を主導した刑事。あの事件以降、ようやく個人ではなく刑事組織としてハクを追っている。
・イニアス 男 50~60
白髪、青目、眼鏡、50~60歳くらいの老先生。理事会の推薦で急遽ハーベストに赴任した先生で、「魔法倫理入門」の授業を教えている。しかし、5年前の中毒事件の際、急に教授を辞め、それ以来行方は分かっていない。
・天王寺斎条 男
ハーベストの大学院生。中型犬を連れている。最近は、得意な魔導決闘を後輩に教えている。
・セミナ・ウーズ 女
アマリリスの工作員。元ハーベストスパイで、表向きには大学院生を卒業しており、現在はアマリリスに帰還している。1~2話で、PC2と魔導生物を使って定期連絡を取っていたあの少女である。
トトからPC2の面倒を見るよう任務を受けている。なので、PC2がアマリリスにいるのであれば、なにかとつけて面倒を焼いてくれる。PC2がハーベストに残る場合は、アマリリススパイとしてハーベスト大学院生を卒業せず、留年して在学、なにかとつけて面倒を焼いてくれる。
・嵐谷巌(あらしたに いわお) 40歳前後
アマリリスの若輩者のオーガン。リーダーシップや作戦指揮に長け、敵には冷酷だが、仲間想いで部下を大切にする。自分の任務では死者を出さないことを目標にしている、もちろん味方のみである。
・ハク・フロム・アザ
第四次元、アマリリスのブレインにして、各地で起きていた自殺・事故偽装事件の黒幕。第四次元が捜査されたときも、その姿を確認することはできなかった。
最終話「白夜」:シナリオ
シーン1「未来への流れ星」(マスターシーン)
透きとおる呼吸が、ひとつだけもれる夜
少女は絵を描いていた
今はなき、故郷の昔の姿
活気を取りもどした家々の姿から顔をあげる
ふと、窓の外に目をやると
一閃、空に弧を描くひとすじの光がみえた
「あ、流れ星」
そうつぶやくが、願いを言う間もなく消えていった
だから、故郷の絵に、それを描く
みんなの願いが叶いますように
ひとりのよく知った顔が思い浮かぶ
しかし、あいつがどんな願いを持っているのか、今は想像できなかった
少し、悲しい夜だった
シーン2「PC1オープニング「回復」」(PC1)
5年前の中毒事件以降から、何があったのかを追っていくことになる。
(PC1が昼毒に割ときつい精神ダメージを受けている場合)
結が何かと世話を焼いてくれながら、日常を過ごしていくことになる。「お姉ちゃんになったみたいだわ」と言っては、料理を作ってくれたり、一緒に買い物に行ったりするという感じ。
また、事件直後は、ファリキクスとたまに会うことになり、事件のことを再度聞かれる。しかし、何年かすると、それもなくなってくる。
(ハーベストの院生になってから)
PC1は院生になりました。結もハーベストに通い始めた。彼女は今、学部4年生だ。明るくて器用な彼女には、あっという間に友達が何人もできた。何かとPC1を誘って、楽しいことをしようとしたり、友達を作ろうとしたりしてくる。
ある日の午前、その日は午前しか講義がなく、昼前の講義が終わり、お昼でも食べようかと外をぶらぶら歩いている。結でも誘うことにした。
しかし、連絡をしても、いっこうに返ってくる気配がない。
そのまま歩いていると、学園の大きな広場にやってくる。レンガ造りで、各ベンチで友達や恋人どうしでゆっくり過ごせるような、憩いの場だ。
そんなとき、君は奇妙なことに気づく。
道行く生徒たちが、みな、片手に同じ白いビニール袋を持って歩いている。そして、袋の中には土に埋まった植物が入っていた。葉の形をよくよく見ると、それはマンドラゴラだ。
この人数の生徒がみなマンドラゴラを持っているのは、異様な光景だ。
もう少し歩いたところで、その中心にいる人物がわかった。君がとてもよく聞き覚えのある少女の声だ。
結「すいませーん、良かったらどうぞ~。あ、ありがとうございます~」
結だ。結が道行く人々にマンドラゴラを渡している。明らかに疲れたような顔だ。
(声をかけると)
結「ふぃぃいぃ~ラスト3袋……。あ!!PC1!持ってっていいよ」
PC1は「アイテム:マンドラゴラ」を3つも手に入れる。キャラクターシートに追加しておくこと。
「今度の授業でさ。マンドラゴラが必要になったわけ」
「で、買わなきゃいけないじゃん。だから一緒に受けてる友達の分も含めてさ、私が買っておくよ!って言ったの。偉くない?」
「ネットショッピングでさ。ちゃんと忘れずに5個、って入れたの」
「で、今日1限しかなくて、午前の早い時間には寮に戻れたわけ? そしたら、玄関にこんんんんんなにも箱が山積みになってたの」
「もう自分の目を疑ったよね? PC1も自分がそうなったらさ。購買の人間違えちゃったか~って思うことない? だからショッピングサイト確認したの」
「55個……。マンドラゴラ55個注文してた……。確かに自分で入力してた……。指、震えてた……今も震えてる」
「で、もう置いとけないから家に、急いでここに来てみんなに配って……ってこと」
(クーリングオフの話をされると)結「え? なにそれ? クリーンニング?」
「今日通院だから…先帰ってもいいよ!」というが、来てほしいなぁという表情をしている。(スルーすると次の日すごい不機嫌になることがある)
(いく)「そっか」とそっけない言葉を言うが、嬉しそうなのはわかる。
「そうだ。PC1、今度、おいしいおいしい料理作ってあげよっか?」
「菜の花がおいしいところをみつけたわけよ。採れたての味を教えてあげるよ」
結は、オクーロ村崩壊時にできた左足の傷が、まだ治っていないからだ。黒いスライム(アニー)に潰されたときの傷はほとんど癒えたが、それだけはなぜか、いまだに回復しておらず、左足だけは全く動かない。
「ねえ、そいえばPC1ってさ、学部時代は勉強に困ってたの?」
「ふ~ん、そうなんだ。まあ、少しくらい落としても、私は別に泣きごとを言ったりしないけどね」
「世の中いろんな苦労があるけれど、何があっても、それでもこれで良かった、って思える人に私はなるから」
シーン3「PC3オープニング「神谷翼」」
食中毒事件から半年後、PC3はファリキクス刑事に声をかけられる。きっかけは、ハクについて情報を聞きたいという、彼側の調査である。PC3はハクと直接話して生還した数少ない一人だからだ。
それから、君はアドヴェントからハーベスト大学院へ受験し、立派な大学院生になった。PC1とは同じ学年だ(アドヴェントは5年制、ハーヴェストは7年制なので、2年間の補助的な授業があるという想定)。
翼もアドヴェント卒業後、君と同じ道をたどりハーベスト大学院へ進学した。ただし、時々アドヴェントに帰っては、先生の手伝いをしたり、頼まれれば後輩に勉強を教えたりしているらしい。翼は儀式魔導学科だ。
今日はハーベストの図書館で勉強をしているところ。お互いに課題(レポート?)があり、図書館でばったり出会い、一緒にやることにした。そういうわけで、図書館に併設されたカフェにやってきた。ここは、コーヒーやスナックを嗜みながら課題ができると人気のスポットだ。
君たちは、ずっと黙ってページをめくっていた。
(PC3は集中力ある方か?)
しばらくすると、ふと「コーヒーでもどうです?」と言って、翼が君の横にカップを置く。
少し課題は中断するようで、席につくと、翼は新聞を広げる。
「おっと……また犠牲者が出てしまったようですね……」
翼は眉を顰め、君にひとつの記事を見せる。
『セント・エイリスで自殺 噂の都市伝説?』
「風の噂で聞いた話によると、ハク、だそうです」
翼は悲痛な面持ちのようだ。
「この前も、ハクに協力していた人物――ハーベストの浮浪人、工場で働いていた郵便物管理人、なんかが次々と不審死を遂げたそうです」
「いくらなんでも、この件では死人が出すぎていると思いませんか?」
「暗い話になってしまって……すみません」
「そうだ。今度、天王寺がバーベキュー大会を開くらしいのですが、設営から手伝ってくれる人を募集してるんだ。良かったらいかがでしょうか?」
(YES)「ありがとうございます」
「彼も誘おうと思っているのです、PC1。せっかく同じハーベスト生になれたのに、しばらく話せていない」
「それと……今はしばらく話せていませんが、PC2の連絡先を知っていますか?」
第二話で交換しているので、PC3は知っているはずです。
「ダメもとでいいから……誘っていただくことはできませんか?」
シーン4「PC2オープニング「贖罪」」(PC2)
前回のシナリオ終了時に決めた、PC2、アニーそれぞれの結末を基に進める。
(PC2がハーベストを出てアマリリスに帰ってきた場合)
PC2は大学院を卒業した優秀なアマリリススパイから、教育を受ける感じになる。これにより、ハーベスト大学院にいる者と、同じような戦闘力を持つことができる。蝙蝠でいつも連絡を取っていた少女であるセミナ・ウーズがPC2に教えてくれる。
(PC2がハーベストに残る場合)
PC2はハーベストに残り、卒業後、そのままトトからの任務でハーベスト大学院に進学した。
その後の展開は、アニーがどうなったかで以下のように分かれる。
※ここにない場合は作者にご連絡ください。作ります。もしくは自作してください。
シーン4.1「PC2オープニング」(PC2)※アニーがアマリリスに来た場合
アニーはPC2の部屋の隣に住み始める。はじめのうちは、いろいろなことに遠慮しており、また自分の身の振り方についても、迷っているようだった。他のブラッドに見つからないように行動しているようだった。(どんな風に接する?)
1ヶ月くらいして、少し落ち着くと、彼女はハクのことで、思い出せることを話す。これを共有する方法をPC2は選ぶ。自分でPCにメールを送る。トトに教える、ドロシーに教えるなど。内容は、荷物の郵送は自分が最終地点ではないこと、オクーロ村襲撃事件のとき、イニアス先生に似ている人がいたこと。これを基に、アマリリスは研究を進めるだろう。
さらに、最初の1~2年は、アニーはアマリリスとは関わろうとせず、こっそり狩りや山菜摘みに行き、こっそりと帰って自分やPC2のために振る舞う、そんな感じで細々と暮らしていた。
そんな感じで細々と暮らしていたが、ある日、帰りが遅い日があった。帰って来たアニーに話を聞くと、どうやらブラッドに見つかってしまったらしい。別によそ者として嫌われたというよりは、魔法が使えるかどうか尋ねられたので、ほとんど使えないと答えると、ブラッドだと勘違いされ、いろいろ手伝わされていたようだ。明日も手伝えと言われたらしい。
ここで、アニーは迷う。ブラッドとして手伝うか、それとも無視してよりひっそりと暮らすか。アニーの意見は働きたいという。ブラッドとかかわりを持ちたいようだ。しかし、彼女はアマリリスの人間とかかわることに対して、言葉にできないような、言いようのない不安を感じているようだ。相反するが、働きたい気持ちが強いらしい。
(働くと)はじめのうちは、どこか遠慮していたが、アニーが様々な場所で培った経験、裁縫、農業、漁業、は大いに役立ったようで、ブラッドからは引っ張りだこになっている。アニーも悪い気は全くしないようで、仕事から帰って来た日には、どこかすがすがしい顔を見せるようになった。
シーン4.2「PC2オープニング」(PC2)※アニーがハーベストに残る場合
アニーは、PC2が少しも嫌な顔をしなければ、アルバイトをやめるだろう。
部屋に引きこもりがちになり、淡々と授業に行って、人目を避けるように帰ってくる。そして、君が知らない内にハーベストの城下町か、黒き森の人通りの少ないところへ出かけていく。そんな日々が2~3年ほど続く。
君がハーベストの大学院に進学したある日の放課後、陽も落ちようとする時刻、君はふと、ある部屋の一室を通りかかる。その部屋は放課後だというのに、しずかににぎわっていた。君は、その中の声の一つに、聞き覚えのある声があった。
ちらりと目を向けると、部屋の前に看板が置いてあることに気付く。
「勉強室 ハーベスト会 どなたでもどうぞ」
いやでも見える部屋の中では、ハーベスト生の数人がいきいきと、同じ生徒に勉強を教えているところが見える。たまに、新しい漫画の話で盛り上がる笑い声も聞こえてくる。
その中に、いた。アニー・ペキュニアはいた。皆からは少し離れたところで、下級生の女の子の手元、ノートと教科書に指さしながら、何かを教えている。
生徒の子の質問や不安には、優しく相槌を打っており、君が今まで食堂で困らされてきた彼女とは、まるで別人のようだ。その顔は、おだやかなやりがいに満ちている。
(PC2が特に行動を起こさない場合、あるいは去ろうとした場合)そのとき、アニーは、ふっとPC2の方を見る。目が合う。次の瞬間、彼女はいたずらを見られた子供のように、眉を下げ、会釈する。彼女はそっと教室を抜け出し、君の方に歩み寄る。
「あの……すみま……せん……」
「ごめんなさい……」と、頭を下げる。
(理由を問われれば)「いえ……。勝手な真似をしてしまい……」
「あの……これからも、ここに来ても、よろしいでしょうか……? 私でも、何かのお役に立てればと思い」
(YES)「ありがとうございます……」アニーは、肩の荷が少し降りたかのように、息をひとつ吐くと、教室へと戻っていく。それから、ハーベストの帰り道、あの勉強部屋付近を通ると、彼女のしずかな声が、聞こえてくる。
(NO)「わかりました……。……あ、あの。何でも良いので、わたしでもお手伝いできることはありませんか? あなたの”故郷”(アマリリス)の方でも、何かできることがあれば」→(具体的に~してほしいと言われれば)「はい。わかりました」アニーは、驚いたように目を開いたあと、肩の荷が少し降りたかのように、息をひとつ吐いく。それから、アニーは君が頼んだことを手伝うようになった。
シーン4.3「PC2オープニング」(PC2)※アニーがアマリリスに来てトトに引き渡された場合
5年前、ルドラを殺した犯人に与えるべき罰について、トトは様々な面から考察した。罪の重さと少しでもアニー・ペキュニア、いや本名フルート・サンソンに同情してやれる様々な面を考慮した。結果、牢屋の中で5年間過ごし、アマリリスのためになる畑仕事といった労働をすることで、許されることになった。
最初の1、2年ほどはずっと、白い目で見られ、時には石を投げられることもあった。憐れむような人もいたが、そういった人を止めることはしなかった。それでも、フルート・サンソンはみすぼらしくも健気に働いた。3年目になると、ようやく誰かが石が止んだ。それは、フルートとも、PC2とも関係ない、ただフルートを哀れに思っただけのブラッドだった。フルートの償いが、ようやく認められ始めたのだ。4年目になると、静かに優しい言葉を投げかける人もいた。そうして、ようやく、フルートは償いを終えた。
PC2は今日、フルートの償いを終えるため、トトの部屋に彼女を連れてくるよう命じられた。
まずは、牢からフルートを出さなくてはならない。君は寒い地下牢へと降りていった。
着くと、フルートは祈るような姿勢で座っていた。
目を閉じ、集中し、修行僧のように動かなかった。
PC2が声をかけるとゆっくりと目をあける。
フ「PC2先輩。今日は、何を?」
フルートは、何年たっても君の呼び方を変えなかった。呼び方にだけある確かな繋がりを感じたいのだと、君なら気付くかもしれない。
(解放だと言われると)
フ「……! わかりました」
フルートはゆっくりと立ち上がり、君が鍵を開けると恐る恐る牢から出てきた。
フ「……わたし、頑張っていましたか……?」
フ「少し、怖いんです。これからのことが。牢屋にいることよりも」
君とフルートは階段を上がり、頂上のトトの執務室に着く。
(扉を開けると)
トト「やあ、ご苦労さま」
トト「PC2、魔法の練習は上手くいっているかい? セミナに教えてもらっているんだっけ」
トト「ああ、それと並行して牢の管理をよく務めてくれた。そして、それも今日までだ」
そういうと、トトは座ったまま、フルートの方へ向く。
態度には全くでないものの、PC2にはフルートが緊張していることがわかって良い。
トト「フルート・サンソン」
トト「君は僕たちが合意した罰である期間を牢で過ごし、その間、一日たりとも与えられた労働を休むことはなかった。何があっても。これで地下牢生活は終わりだ。おつかれさま」
トト「とはいえ、ここまで僕らに関わった人間を、外で自由にさせる訳にはいかない。そこで、だ」
(違うと言われれば)トト「フルート・サンソン、アマリリスの一員にならないか?」
フ「はい、わ、わたしでよければ……。よろしくお願いします」
トト「よし。まだ、アマリリスには君を怖い顔でみる人がいるかも知れない。しかし、君は罪を償ったんだ。みんなと同じ、大切なアマリリスの一員だ。胸を張って生き、困ったときは僕を頼ってくれ」
フ「は、はい……」
トト「PC2、フルートの面倒を見てやってくれ。アマリリスの先輩として」
トト「少ししたら、フルートにも任務を受けてもらうかもしれない。それじゃ、よろしくね」
※以降、GMはPC2の前では『アニー』を『フルート』と読み替えながら進めること
シーン5「PC1オープニング「ファリキクス・フォークス」」
※このシーンの最初に翼からバーベキューに誘われる
君と結は病院へやってきた。通院なので、少しお医者さんに診てもらって帰るだけだ。
診察室に入るが、お医者さんも看護師もとても良く見知った顔だ。
医「こんにちは、結ちゃん、PC1くん」
医「2人とも調子はどうかな?」
そんな感じで結の足を診てもらうが、医者はいつも通り難しそうな顔をする。
医「この症状ね。この前、お医者さんがいっぱい集まるところでみてもらったんだけど、なかなか……難しそうだった。前例がなくてね」
医「動かすことはできないかもしれないけど、前みたときより悪くなってないから、これのせいで別の病気になる、ということもなさそう」
医「今、いろんな研究機関で、効く治療方法がないか、魔法も入れて調査されてるから」
医「今度は、もう少し間隔あけても大丈夫だから、また来てもらうね」
結「は、はい。ありがとうございました」
そういう感じで、診察は終わりとなる。
病室から出ると、ひとりの男とすれ違う。
フ「おや、君は?」
彼はPC1に声をかけてくる。ファリキクス・フォークス刑事だ。
フ「こんにちは」
結「あ、こんにちは」
5年前、アニーの事件の後に、少し話して以降あっていない。結も同じく5年ぶりみたいだ。
フ「変わりないかい?」
フ「僕は、ちょっと調査でね。最近、少しハクに動きがあってね」
フ「それじゃあ、また会うかもね」
ファリキクスは片手を挙げると、去っていった。
結「懐かしい人と会ったね」
病院の外へ出て寮へ帰ることになる。空は暗めの夕方だ。
そんなとき、ふと君が上をみると一筋の光が横切った。
流れ星だ。
(流れ星のことを結が聞くと)結「え!?嘘!?5000兆円もらえますように!」
シーン6.1「PC2オープニング「アニー・ペキュニア」」(PC2がハーベストにいる場合)
君は今日も、君の直属の上司のアマリリス工作員であるセミナ・ウーズに稽古をつけてもらっていた。稽古といっても、やることは勉強と、魔法練習をどっちもやっている感じだ。彼女はハーベストの大学院に潜入しており、この稽古でハーベスト院生並の実力をつけることができそうだ。
その前に、PC3からバーベキューの招待のメールが届いている。
「よーし。今日も授業を始めよう。まあ、やることは昨日と同じだね。私がハーベストにいたときの本を一緒に読んで、その後、書いてある内容を実践だ。さっそく輪講の方をはじめようか。ある程度、読んでくるよう昨日言っておいたが、どうだい?」
(読んでいる)「さすがはPC2だ!いつも通り偉いぞー!」
(読んでいない)「なにー!何かあったのかね? まあ、仕方ない!一緒に読むとしよう」
という感じで授業にかかる。
今日も、セミナはハーベストで使っていた魔法の書を君と一緒に読むと、さっそく実践に取り掛かる。
「よし。さっき読んだことは頭にはいったかね? ○○(PC2の院データによってやることを変えよう)を実践だ! 久しぶりに君の実力をしっかりと測りたいから、手加減せずに思いっきりこい!」
そういうと、セミナは防御向きの補助魔法を自分にかけ始める。(PC2が盾役なら逆にセミナが攻撃する)
(PC2の演出)
PC2の全力を観ると、セミナは光の大楯を出し、息を切らして受け止める。
その後、顔を挙げて、ニコっと笑う。
「……すばらしい……ぶらぼ~!」
「ふざけて言っているんじゃない。PC2くん、本当に、間違いなく君の魔法の腕は私を越しているよ。アマリリスの星だ!」とニコりと笑う。
「それじゃあ、そろそろ時間だし、今日の授業はこの辺かな」
「そういえば、トト様がPC2を呼んでいたよ」
「忙しいから、明日の夜、来てほしいってさ」
シーン6.2「PC2オープニング「セミナ・ウーズ」」(PC2がハーベストにいる場合)
(帰宅)そんなこんなで夕刻、君が寮に帰ると、窓辺に黄色の蝙蝠がいた。君がハーベストに来てからずっと続く、定期連絡である。
「やあ、PC2。今、大丈夫かな?」
「あ、それとわたしなんだが、なんとこの度、PC2に直接会うことになりました!」
「気付いてると思うけど、この蝙蝠くんは電話みたいなものだからね。当然、中の人がいるわけだ」
「というわけで登場します!私の名前は~……」
「てってれてってれててってれてってって~(某猫型ロボット風)!セミナ・ウ~ズ!」
という声が、PC2の後ろからする。振り向くと、君の部屋のふすまがシャーっと空いて、一人の少女が舞い降りる。彼女はふわふわとしたクリーム色の服を来て、右腕に包帯を巻いている。
「ふう。この仕込みの為に、昼一からここに隠れてたんだ。いや~暑かった……。汗びっしょびしょ」
彼女は左手に黄色の蝙蝠を止まらせると、右手でびしっと敬礼のポーズをとる。
「改めまして!アマリリスナーブ兼、ハーベストスパイでここに潜んでおります。セミナ・ウーズです!」
「といっても、今までずっと連絡を取り持ってきた仲だがね。リアルで合っただけ」
「トト様に言われてね。君をサポートするよう言われてきたんだ。と言っても、PC2の方がもう、間違いなく魔法戦の実力は上だろうし、私は本当にサポートだけだ」
「そだ。それと、PC2に任務があります」
「ちょっと急なんだけど、アマリリスに帰ってくれない? トト様から話したいことがあるってさ」
「では、質問がなければ失礼する!ハーベストの様子はわたしが見ておくから安心してね」
(特になければ)
「ではっ!さらばだ!とう!」
と、セミナと蝙蝠は窓から飛び立ち、消えていった。
シーン7「BBQ」(PC1, PC3)
PC3は翼、天王寺、他陽気なスタッフたちとわいわい設営をする。
テントを建てたり、焼く場所を配置したり、食材の点検をしたり、と大忙しだ。
そんな最中、翼が近寄ってくる。
翼「やあ、ありがとう。天王寺も感謝しているよ」
翼「そういえば、PC3、今度クラウス学長がアドヴェントに来てほしいって」
翼「うーん、何か、仕事の依頼とかじゃないかな?」
そんなこんなで、参加者がぞくぞくとやってくる。
(参加するならPC1と結もやってくる)
(さらに言うとPC2もやってくる)
暗くなってきたところで、誰かが持ってきた小さめの打ち上げ花火の音がする。
適当なところで解散。
帰り際、PCのうち一人が、流れ星を見ることができる。
解散した後、PC1の携帯が鳴る。
ドロシー・フロム・オズだ。
ド「いま、会える?」
シーン8「PC1オープニング「ドロシー・フロム・オズ」」(PC1)
君は、珍しくドロシーに呼び出された。
部屋に入ると、ゲームをしているドロシーがいた。それと、その隣には、もう一人、とんがり帽子に、水色のローブ、ファンシー・フロム・アザがドロシーの遊び相手にさせられていた。
ファンシーは慣れない手つきだが、それなりに要領が良いようで、遊び人のドロシーと互角くらいにわたりあっている
フ「あら、ドロシーさん、PC1さんがいらしたようですよ。こんばんは」とファンシーはゲームの手を止め、笑顔を君に向ける。
フ「はじめまして。わたくしは、第四次元のハーベストで学長を務めております。ファンシー・フロム・アザです。今日はお散歩ついでにドロシーさんのお部屋に遊びに来たのですが…お邪魔してしまったようで」と、にこやかに言うが、どこか遠慮げな目線を君に向けて挨拶をする(PC1が第四次元に悪い感情を抱いていないか心配している)。
ド「ごめんね~どうしても今じゃないといけない気がして」
ド「きたきた!PC1~!最近どう~?元気?」
などと調子よく聞いてくる。
そんな会話を微笑ましげに聞いていたファンシーが話を切り出す。
フ「では、お邪魔でしょうし、わたくしはここらで」
フ「PC1さん、あなたのご活躍はドロシーさんからしっかり聞いておりますよ」
フ「それに、あなたをみると、とても懐かしい暖かさを感じます。……初対面なのに、おかしいですよね?」といたずらげに言う。
フ「それでは」
とファンシーは消えるように歩き去る。ドアの音は聞こえなかった。
ファンシーを見送ったところでドロシーの方を見ると、真面目な顔で学長室の机の前で、書類をあさっていた。書類はいつもの感じで雑に積み上げられている、訳ではなく、きちんと処理されているようで、各書類にドロシーのサインや、質問への回答がどれもしかりっと……という訳ではないが、最低限書かれている。
これは、普段からちょっとくらいドロシーを知っているものであれば、だれでも驚くべき事態であることがわかる。
(指摘すると)ド「ふふーん!たまにはね?」と胸を張って言う。
ドロシーは元々書類に束をある程度把握していたような顔で、いくつかめくると、「あったあった」と、一枚の紙を君に見せる。
ド「はいこれ。PC1にひとつ、簡単な依頼をやってほしいんだ」と紙を渡す。
そこには、『隕石の魔鉱石調査』という題名で、簡潔に依頼がまとめてあった。どうやら昨晩、流れ星が魔導次元の白き湖にあたる場所に落下したらしい。まあ、流れ星という名の隕石だ。被害は特にないが、隕石を調査することで、貴重な鉱石が研究できるからも知れないから、調べてきてほしいというものだ。
ド「PC1には簡単すぎちゃったかな?頼める?」
(了承すると)「うん!ありがとう!」「アドヴェントにも応援を頼んでいるから、その子と合流して調査してね!」
(誰かはまだしらない。もし、ドロシーに聞いても知らないという)
ド「それと……まあ」
ド「ファンシーちゃんたちの住むところ、第四次元についても調べておくと良いかも!ってカントが言ってた」
と、ウインクしていう。
ド「よっし!PC1もゲームしよーよ!」と言ってドロシーはコントローラーを君に渡してくる。
ドロシーは、君にちょっかいをかけながらゲームを始める。
ド「PC1、学校、楽しい? あ、授業は楽しくなくてもいいんだよ!」とフォローを入れながら聞いてくる。
ド「そっか」(と適当に雑談する)
ド「PC1。ちょっとおかしな話してもいい?」
ド「わたしがもし、もしだよ。もしいなくなったら、この学園を頼んでもいい?」
(良い)ド「そっか。なら安心できるかな」
と、ドロシーは安心したように笑う。
そのまましばらく、君はドロシーと遊んでいた。
窓からのぞく満月が、二人を見ていた。
シーン9「PC2オープニング「トト・フロム・オズ」」(PC2)
君はセミナに言われた通り、塔へと向かう。
外はもう真っ暗で、やや曇っており、雲の隙間から星の輝きが見える。
そんな様子を見ながら塔を登り、トトの部屋の前まで来た。中からは、トトが誰かと話す声が聞こえる。
(扉を開けると)
トトと、軍人風の男が何やら話をしていた。
ふたりは、PC2が入ってくるのをみると、いったん話を中断して、出迎えてくれる。
トトは笑顔で、もう一人の男は、表情は変えずに眉をあげて君を観る。
「いらっしゃい。PC2。非常に急に呼び出してしまってすまないね」
トトは軍人風の男の方を指して「ああ、こちらはちょうど来ていたんだ。嵐谷巌。階級はナーブ」(高い階級の者なので、PC2は知っていてもかまわない。といっても、他のナーブのメンツと比べると流石に影は薄い方だ)
嵐谷巌と呼ばれた男は物珍しそうにトトを一瞥してから君をしっかりと見据える「嵐谷巌、階級はナーブだ。トトに挨拶をしろと言われたものでな。階級も、チームも違うのにどこでよろしくするかは、わからないが。まあ、よろしく」と言って大きな手を差し出してくる。
(応じると)「お噂は少しだけ聞いているよ。スパイの任務に失敗したんだとな」
(少し話したところで)
「それでは俺はこれで」というと、嵐谷は出ていく。
トトはそれを見送ると、君に向き直り、やんわりとした笑顔を浮かべる。
「それにしても、急に呼び出してしまってすまない」
「忙しくなかったかな? それとも、大切な人との時間を邪魔しはしなかったかな?」と、トトが冗談まじりに言う。彼女が、任務を言い渡すときに、こういう雰囲気で話すのは珍しい。
「そうか」
「くだらない話をしてしまってすまなかった。任務の話をしよう」
と言って咳払いを一つする。
「任務の話だが、PC2、君は、流れ星というものに興味はあるかい?」
(ある)「ああ、僕もとてもロマンチックな現象だと思う」
(ない)「そうか、迷信は信じないか」
「では実は、昨日、流れ星が落ちたらしいことは知っているかな?」
「しかし、流れ星の実態は、単なる隕石に過ぎない。そこでだ。君にはその隕石の調査を願いたい」「珍しい鉱石があるかも知れない……というのが、こういう調査のいつもの理由なのだが、今回は訳が違う」
「……あの隕石は、君も聞いたことがあるだろう『ゲネシスの岩』である可能性がある」
「ゲネシスは今から約12年前。ハーベストの者たちによって破壊され、その破片は過去未来を問わず、様々な次元へ飛んだ。そして、あの隕石が『それ』である可能性は十二分にある。ハク・フロム・アザに回収させるわけにはいかない、という訳だ」
「PC2、あの隕石を見つけ、持ち帰ってくれ。君ひとりで足りないのであれば、少数であればつけてくれて構わない」
「どうだい、受けてくれるかね?」
(はい)「よし。頼んだよ。少数精鋭なら、君が一番信頼している。……他にも理由はあるがね。」「ああ、それと、もし、ハーベストやアドヴェントの奴らがいた場合、敵対しないでほしい。できることなら、知らんぷりをして調査をすること。最悪、奴らに協力して、隕石を回収させても、問題ない。だが、ハクにだけは渡してはダメだ」
「それと、君はハーベストに短期間だけ就いていたイニアス教授を知っているかい?」
「君に頼んだ隕石。それ以前にも何度か落ちているのだが……。彼とよく似た風貌の男が、必ずその隕石周辺で目撃されている」
「彼の身元について、軽くでいいから洗っておくことをお勧めしよう」
「最後に、君には話しておこう」
「次元を隔てたすぐ向こうに、ハク・フロム・アザがいる。そして、ことが始まったら、僕はここにいられなくなるだろう」
「そうなっても、アマリリスの大切な仲間たちを守れるように、既に手を打ってある」
「黒き森の、おとなしいクリーチャーが多い地域に、拠点を作ったんだ。アマリリスの構成員が全員移動しても、しばらくはもつようになっている」
「だから、何かあったら、皆はそちらに避難させるから。そのつもりで」
そのような形で一気に話終えると「君に話していないことは、こんなところかな。何か質問はあるかい?」
(無い)「よし。……ああそれと……」と、彼女は話にくそうに、君から目をそらし、窓の外を見るめる。満月を覆う雲をゆったりと見つめる。やがて、君をまた見つめると。
「僕から君に、お願い、がある」
「君の腕は信頼しているし……何よりも、いろいろなことをきちんと向き合い、抱えても倒れない人間であることを知っている。だから、聞いて欲しい」
と、反応をうかがうように、君の目を見る。
「もし、もしだよ。僕がいなくなるようなことがあれば……そのときは、アマリリスを支えて欲しい。もちろん、アマリリスには頼れる仲間が大勢いる。が、君もその中の一人になって欲しいんだ。これは僕の個人的な頼みだ……お願いできるか?」
(うん)安心したように、笑う。「うん、ありがとう。頼んだよ」
そうほほ笑む彼女の背中越しに、半分ほどが雲で隠れた満月が見える。
シーン10「PC3オープニング「セイント・イヴ」」(PC3)
PC3は翼に言われた通り、アドヴェントに帰ってきた。
丁寧に執筆されており、招集の内容としては『ハク・フロム・アザの件の依頼』とある。
アドヴェントに赴くと、セント・イヴが出迎えてくれる。
イ「お待ちしておりました。どうぞ、こちらへ」と、学園長室まで案内してくれる。
イ「おじいちゃん、PC3さんが来ましたよ」
ク「おお、ありがとうイヴ。PC3くん、よくぞ来てくれた。忙しいときだったらにすまんのう、さぁ。こちらへ」
と、来賓用のソファを進めてくれる。
その向かいに、クラウスと、イヴが座る。
ク「ハーベストの方ではうまくやっているかね?」
ク「そうか、よかった」
ク「学食はおいしい?」
ク「おお、そうかそうか」
ク「寮でもうまくやっておるかね?」「(そいえば君は、アドヴェントでも寮だったかな?)」
イ「おじいちゃん」と無駄話を延々とするクラウスに、イヴが釘をさす。
ク「ははははぁ。すまないすまない。昔の教え子が帰ってきてくれたとなると、つい嬉しくなってしまってのう」
クラウスは愉快に笑うと、反省しました、という感じでわざとらしく頭を落とす。
ク「ともかく、君のように、アドヴェントで学んだ子が活躍しているのは、とても嬉しい」
ク「そこでだね、ひとつ、調査依頼をしたい」
そういうと、クラウスは一枚の書類を手渡してくる。
それは、白き湖に落ちた隕石の調査で、貴重な石や魔法の鉱石である可能性もあるとのことだ。
ク「この依頼を受けてくれんか?」
ク「これ自体は、まあ、ときどきある依頼なんだがね。今回ばかりは訳が違う」
ク「ハク・フロム・アザが、関わっているかもしれん。だから、君にこうして来てもらったのだ」
(承諾されると)「おお、ありがとう。頼んだよ。我々の方も研究者や、治安組織と検討を重ね、動かしておるところだ」
ク「それと、ハクが絡んでいる石の名前、ゲネシスの岩だか石だかいうのだが、事前に見た目や特徴を調べておいた方が良い」
ク「また、君に頼むのは、少し……気が引けるのじゃが、言わなくてはいけないことがある」
彼は君にまっすぐ向き直るように、座りなおす。
そして、皺だらけの目をまっすぐ君に向ける。
ク「君は、10年以上前にあった事件を知っているかい? 第四次元が発見されるに至った、最初の事件だよ」
ク「そのとき、頼りあると思っていた教授たちは、みな消えてしまった。奴らは頭がいい。頼りのある者は、みな消えてしまった。だから、今から言うことは、老いた大人たちには頼めないのだ。……私も含めてね。だからどうか、情けのない頼みを許してほしい」
彼はじっと君の目を見据えて言う。
ク「わしに何かがあったとき、君に託したい。この学園、いや、我々の未来を」
ク「何も君1人でなんとかしろ、という訳ではもちろんない。ハクたちが、何かをしてきたとき、君が思う行動をとり、覚悟のある者と協力してほしいということだ。もちろん、それが魔導次元や、我々を見捨てるということであったとしてもかまわない。君が最善だと判断するのであれば。だが、その判断を、最後間でやり遂げて欲しい。君に託すとは、そういうことだ」
申し訳なさそうに、目を閉じてうなづく。
ク「すまない。もちろん、私からもできるだけのことを君に共有する」
その後、顔をあげると、目を細めて、笑顔をつくる。
いつものゆったりとした雰囲気に戻る。
ク「ありがとう。PC3くん。この老いぼれの不安を聞いてくれて」
シーン11「情報収集シーン」(全員)
情報収集だがゲーム内の時間はほとんどかからない。ハーベスト、アマリリス、アドヴェントの優秀な研究者たちが導き出した結論を、調べていくだけだからだ。君たちはリベラルアーツを振る必要もない。PCが一人づつ知りたい情報を選んでいき、後で情報共有をすること。
情報項目
・『ゲネシスの石の特徴・性質』
ゲネシスの石と呼ばれる物の特徴と特別性がわかる。この石に強いマナを流すと、石に触れた者の願いを叶えられるような大魔法が発動する(願いの石②の効果)。また、強い意志を込めて触ることで、石の中に溜まっていた特別なマナが流れ、マナを供給しなくても大魔法が発動する(願いの石①の効果)。ただし「意志」といっても、生死にかかわるほどの、非常に強い心からの願いでなければ反応しない。
→PC1が持っているもの(第一話の最後に結からもらった小石)が、ゲネシスの石であることがわかる。
・『第四次元の人々について』
第四次元の人々は、すべてゲネシスが魔導次元の人々に似せて作った人形である。とはいえ、人形といっても構成マナがわずかに異なるだけで、実質的には人間である。最大の相違点は、ゲネシスとハクが第四次元の人形を操ることができる点である。ただし、ファンシーなど、強固な意志を持つ者は操ることができない。
・『ハク・フロム・アザの目的』
ハク・フロム・アザの目的は、ゲネシスを復活させることである。そのために、魔導次元中からゲネシスの岩を集めている。最終的には集めた岩を結合させ、ゲネシスを復活させるつもりのようだ。最新の研究によると、ゲネシスの新しい身体は死体を繋ぎ合わせたフランケンシュタインの怪物のように、以前の何倍も強くなるという。ゲネシスが復活すれば、12年前に解決した事件(シナリオ:消えゆく瞳の事件)が再び起こるだろう。
→『シビュラの占い』『事件の勝利条件』を調査可能となる。
・『イニアスについて』
イニアス先生の経歴を洗うと、すぐに詐称だらけであることがわかった。調査により、彼本人と思しき人物が見つかった。名前はルーカル・オズボーン。孤児院の経営もしていた善良なアドヴェント研究者であったが、魔導次元地方文化の研究をしており、ほとんど学内にはいなかったようだ。オクーロ村襲撃事件の一ヶ月前に完全に行方不明になっている。行方不明になった理由は不明だが、研究ノートには「楽園」「理想」といった単語が並んでいる。
・『シビュラの占い』
シビュラ先生が、今回のハクの事件について占いを行ったようだ。
「一閃の流星が落ち、太陽がふたつ昇るとき、災厄は訪れる」
この占いの解釈は、「隕石が落ちた日から数えて2日後に、ハク・フロム・アザの事件が起こる」というものと考えられている。つまり、明後日である。
・『事件の勝利条件』
次に起こるであろう事件の勝利条件は、第四次元にいるゲネシスと、魔導次元に来るハク・フロム・アザを倒すことである。
第四次元を魔導次元にぶつけるためには、両方の次元にそれぞれ一人ずつ、強力な魔法使いを配置する必要がある。今回の事件では、第四次元側にゲネシス、魔導次元側にハクが配置されることになるだろう。
ただし、事件が起こった場合、ドロシーをはじめとする有力な魔法使いたちは、ゲネシスの本土である第四次元へ飛ばされてしまう。よって、第四次元のゲネシスはドロシーたちが止めることになる。そして、魔導次元に残された者がハク・フロム・アザを止めることになる。
ゲネシスの目にも留まらなかった程度の者に、それを成し遂げるだけの力と理由と勇気があるだろうか?
シーン12「隕石調査」(PC1, PC3)
(情報収集シーンで情報共有していない場合は、ここの道中でしてもらうと良い)
情報収集の次の日の朝。PC1とPC3は、隕石の落下地点である、白き湖に行くため、まずは協力者と合流することとなる。この隕石は、おそらくゲネシスの岩であり、ハクたちに回収させるわけにはいかない。そんなことに、PCたちが気付くのかは別として、2人は集合した。
ちなみにPC1は、朝早く結からメッセージが来ていることに気づく。
「今日は晩ごはん作ってあげるから明けといてね。前言ってたおいしい料理つくる!!!」とある。
合流時間は、朝、いつも講義が始まるくらいの時間(どっちが速くくる?)。学園の校門で待ち合わせになる。
→集まったところで、ハーベストを出て、白き湖に向かって歩くことになる。場所は2人とも既に教えてもらっており、白き湖の周りの森を抜けた先の菜の花畑である。
近場なので、すぐに白き湖に来ることができる。
この先は、しばらくクリーチャーの出ない安全な道が続き、やがて綺麗な菜の花畑に繋がる。
そこは、霧が立ち込めており、非常に視界が悪い。
不穏な道を君たち2人は進んでいくことになる。
シーン13「イニアス」(中間戦闘)(以降、全てPC全員)
湖のすぐ近くのほとりにある、菜の花畑に君たちはきた。畑といっても、最近手入れされていたような感じはない。平和な時に来れば、綺麗な光景だっただろう、あるいは、料理のためにでも摘んで帰ったかもしれない。
そんな菜の花畑のど真ん中に、大きなクレーターがいくつかある。どうやら、隕石が空中で分解し、バラバラになって落ちてきたらしい。
そして、各クレーターには、黒いローブの者たちが、隕石を回収していた。PC1は嫌でも思い出すだろう。オクーロ村を襲ったあいつらだ。
その隕石の断面は、太陽の光を受け、虹色にきらめいていることがわかる……ゲネシスの岩だ。君たちが菜の花畑に出ると、一番大きいクレーターにいた男が、君たちに気付く。
「おや? 邪魔が来たようだな」
青い、狂気的な眼が君たちを捉える。それは、5年前に突然いなくなったイニアス先生であった。
「こちらは先に我らの方で回収していてね。ついでに、君たちのような少し罰が入り用な生徒が来てくれてよかったよ」
「元生徒。それもたった2人であっても手加減はしない。この集団でな……」
そういうと、他の黒ローブたちも集まってくる。
(このあたりでPC2に登場してもらう。黒ローブの奴らを蹴散らしてOK)
「なに? 面倒な」
「そうだ、それと、こんな面白いものもあったね」
「PC1、君以外にもオクーロ村の生き残りがいたね?」
イニアスが手をさっと振ると、岩の影から2人のローブの者が誰かを連れて現れる。
結だ。そして、気絶させられている。
(人質か?と言われると)「いいや、私は人質という制度を全く信用していなくてね。どうして、攻撃されないという根拠を敵の良心に求める必要がある? もっと良く役に立ってもらう」
中間戦闘:イニアス
シーン14「つぎはぎ」(全員)
君たちはイニアスの発動体を破壊する。
イニアスは苦しみ、うつむき……そして、首を振り……顔をあげる。
そういう彼の足元から、サラサラと砂が風に乗って流れていく。イニアスの体が崩壊しているのだ。
「そうか……私には安息の地をみることはできないか……。入る権限すらないというのか……。しかし、ハクは残りの岩で、あいつを復活させるだろうな」
イニアスの体は足元から徐々に消えて行っていた。足が無くても、バランスを崩す様子はない。その体は、魔法の力で無理やり繋ぎ止められていたのだろう。それが今、崩れ去ろうとしている。
「私もつぎはぎの体でね、もう息ができんよ」
「だが、最期に君に呪いをあげよう、PC1。君自身の名前が記されたオクーロ村の新聞、それと『白昼夢』という日記だ」
「大学院で図書館の検索は教えられなかったかな、PC1くん? 自分でリサーチしたまえ?」
(他に話したいことが泣ければ)イニアスの消滅は、もう首元にまで達していた。
「読めばきっと、君たちも欲するだろう。すべての理想の世界を」
「さらばだ、若人よ。君たちはどんな希望をみれるかな」
イニアスは風に乗って消えて行った。
(ゆいをゆすると目を覚ます)
「うっ……PC1……? あ、みなさんはたしか……」
「うん、大丈夫」
そういって、彼女は体を起こそうとするが……。
「あ……痛っ。いたたたたた!」そう言って右手を抑える。
(イニアスが②の効果を2回以上使用した場合)「うっ嘘…!? こっちも」と言って左手を痛そうに抑える。(3回以上の場合は右足も痛める)(4回目以上で1回増えるごとに味覚、嗅覚、視覚、聴覚を失う)
そのままうずくまり、立ち上がる様子はない。尋常じゃない痛みが彼女に降りかかっているようだ。
(誰か呼ぶか、自分たちで運ぶと次のシーン)
シーン15「また病院」(全員)
結は急いで病院へ運ばれた。
ハーベストの一番大きないつもの病院だ。
結は治療を受けた後、意識のないままベッドに運ばれた。
PC1のところにいつもの医者が来る。
「PC1くん。大変だったみたいだね」
「容体は安定している。しばらくすれば目を覚ますだろう。夕方くらいにまた会いに行ってあげて」
そんなところで、PC2に電話がかかってくる。セミナ・ウーズだ。
「もしもーし!PC2?」
「お疲れさま。首尾はどうだい?」
「おおーすばらしいね」
「ありがとう。シビュラの預言だともう時間がないんだっけ。トト様には私から報告しておこう。あと、図書館とかで調べたいことがあるのなら、さっさと行ってくるといい。なんなら、ハーベストとアドヴェントにも私から報告しておくよ」
「それじゃ~!任せな!」という感じで切れる。
その他、話したいことがあれば、話すと良い。図書館に向かったところで次のシーン。
シーン16「図書館」(全員)
(図書館に行く)
君たちは端末へと向かう。
→『PC1』のフルネームで検索すると、どれだけ多いハーベストの蔵書でも、十数件しか結果が出てこない。その全ては、『勘吉コレクション』と呼ばれている新聞たちであり、気になる記事と、その関連記事が目に入る。『ハク・フロム・アザ』で調べれば、『白昼夢』という題名の一冊の古い貴書が出てくる。
以下がそれぞれの内容である。
(アニーが第二話でクライマックス2で死んでいる場合は、彼女が最期に書いた手紙も、「ハク・フロム・アザ」の検索で見つかる)
(どちらも長い文章だが、勘吉コレクション→白昼夢の順に読むことを推奨)
・勘吉コレクション 数十件
→滅びたオクーロ村から発掘された新聞たちである。PC1が学校に始めて行ったときのこと、結と初めてお参りに行ったときのこと、初めてしゃべった時のこと、初めて歩いたときのこと、そして……。君が生まれた、いや、“発掘”されたときのこと。
→それはちょうど、君が生まれた年の新聞だ。「赤子、発掘される」という題の記事があった。
内容:豪雨があった翌日、山中の洞窟にて、赤子が発見された。息があり、村の医者に預けられている。現在容体は安定しており、この村でどのように受け入れるのか話し合いが進められている。この洞窟がこれまで未発見だったのは、豪雨の自崩れまでは、地中に埋まっていたからだろう。地盤が乾ききった後、勇気ある村人数人が捜索したところ、棺のような箱が発見され、中から童話のようにこの赤子が出てきたわけである。赤子は、この棺に刻まれていた、名前とみられる文字からPC1と呼ばれている。
→その翌日の記事「緊急※全員目をお通しください:PC1のことは成人まで他言無用」
容:村人の皆様にお願いがあります。昨日発見された赤子、PC1は『PC1の苗字』夫妻に引き取られました。夫妻はPC1の将来を考慮し、少なくとも成人までは、本当の子供ではないことを伏せておくことを決めました。そこで、紳士淑女のオクーロ村の皆様にお願いなのですが、皆様も夫妻と同様、PC1やこれから産まれる子供達には、夫妻の義子ではないことを伏せておくよう、お願いいたします。少なくともPC1、いや、PC1(フルネーム)が事実を受け止められるまでは。どうか、よろしくお願いいたします。
→さらに、「勘吉コレクション付録」と題された研究資料が見つかる。これは、PC1(フルネーム)が入っていた箱についての分析結果である。この研究はルーカル・オズボーンひとりでおこなったもののようだ。
内容:(前略)以上の結果から、これはコールドスリープ技術を実現する装置であるといえる。大きさ的には、赤ん坊だけでなく大人一人なら入ることができる大きさだ。現実世界の技術をやや超える代物であるが、第四次元の都合の良いマナがあれば、起動することができる。そして、いったん起動してしまえば、何千年でも何億年でも眠ることができる。
・白昼夢
→付録:白昼夢を全て見せること(一番下にあります)。
※できれば、PC1の真実についてPCたちに整理してもらいましょう。
という訳で、今日のところは解散になる。
君たちが解散し、家に向かってしばらく歩くと、PC1, PC3へメールが届く。ドロシーからだ。「dear 愛する生徒たちへ 少し噂は耳にしていると思いますが、明日、ハーベストで大変な戦いがあります みんなのことは私が守るから、安心して教員たちの帰りを待っててください! 決して外に出てはいけません」
さらに、PC2にセミナから電話がかかってくる。
「やあ、調査の方は済んだかい?」
「ハーベスト側に協力者はできたかい?」
「すばらしい。ハーベストの寮を一部屋確保した……昔、君が住んでいた部屋さ」
「今日はそこに泊り、明日に備えること。もし、ゲネシスの事件が起きていたら、後は頼むね」
「ハーベストからアマリリスへ進行して、ハクを倒すんだ。研究チームの話だと、たぶん、本物の魔導次元のトト様の部屋に現れると思う。アマリリス側は第四次元の奴らにがっちり固められると思うから、ハーベストから出発してくれ」
「あと、今の内にアマリリスに帰ったほうがいいよ。大切な人と会える、最後の日になるかもしれないから」
「それじゃ、幸運を祈る」
シーン17「日々」(PC3)
君はいつも通り、学生寮に帰る。
その途中、街頭の薄暗い光が淡々と続いている道。
綺麗に舗装された広い道だったが、忘れ去られたように人通りはいつも少ない。
そんな場所に、よく見知った人物が、ほぼ完全な満月を見ていた。
神谷翼である。
(声をかけると)「ああ、PC3。」
「綺麗な月ですよね、ただ、これでもまだ満月じゃないらしいですよ? 本番は明日だとか」
「明日……。明日ですが、君はどのようにお過ごしする予定で?」
(3人で集まることを知ると)「なるほど」
「僕はアドヴェントに向かおうと思っています」
「風の噂で聞いたのですが、どうやら、部屋に閉じこもるきはなく、アドヴェントを守ろうと準備している者が、いるようです。僕や君だけじゃなくてね」
「そして、ハーベストでも同じことが起きていると、聞いております」
「みな、自分の居場所が恋しいものです。僕は、彼らを導かなくてはいけないと勝手に思っています。……世話してきた後輩もいることですし、結局は僕も自分の居場所が恋しいんです」
「PC3……。君の守りたいものは何ですか?」
「僕は人がいるところが自分の居場所になると思っている。だから、PC3、君や天王寺や後輩の故郷であるアドヴェント、そして魔導次元を守りたいんです」
「だからPC3……。僕と一緒に、この世界を守ってくれませんか?」
「君や僕の唯一の居場所を」
「PC3は本当に強くなった、危険な場所でも輝けると信頼しています」
「だから、もし僕がいなくなっても、振り向かないで、居場所を守ってほしい」
「それでは、おやすみ、また明日会いましょう」
翼は自分の寮へ帰っていった。
シーン18「罪」(PC2)
PC2が帰ると、夜のとばりがおりていた。
セミナ経由なのか、既にイニアスが戦った後に言っていた内容は、トトに届いていたようだ。既にアマリリスのブラッド、フィンガー、一部のナーブ、そしてクリーチャーたちが避難し始めていた。有力なナーブたちが避難の指示と護衛を務めている。面倒見の良いオーガンはそんなナーブの横で、励ましや叱咤を入れている。明日、自分たちが消える可能性があることをもちろん知っているのだ。避難するブラッドたちの表情は不安げで、それに対しナーブたちは表情が硬いものが多い。何かがあったとき、ナーブには重大な仕事がある。
そんな感じでアマリリスに帰ってくる。
想定:トトのところに行くor アニーのところに行く。
シーン18.1「トト」※トトと話す場合
トトは廃墟の中心にある塔、つまりいつもの場所にいた。
その一番上にある部屋から、避難するアマリリスたちを優し気な目で見ている。
「やあ、ひと仕事ありがとう。PC2」
「明日か、明後日か…。何も起こらなければ良いきがするし、さっさと起こって解決してしまいたい気もするよ」
「事が起これば、僕は間違いなく消えてしまうが、どうか覚えておいてほしい」
「アマリリスが無くなるのは、僕が消えたときじゃない。残った皆がアマリリスとして団結できなくなった時だ。僕はそうならないための材料でしかない。たといアドヴェントやハーベストに負けたとしても、すっかり仲直りしてしまって共存することになったとしても、ね。」
「PC2。あとのことは頼んだよ」
(アニーがアマリリスにいる場合)「それと、避難するブラッドに混じって、君を待っている子がいるみたいだ。行ってあげたらどうかな」
(アニーがハーベストにいる場合)「それと、ハーベストから、子猫が一匹、ついてきたみたいだよ。裏の花畑にいる。回収しておいてね」
(アニーが正式にアマリリスにいる場合)「それと、フルートはずいぶんと、ブラッドの子供たちと仲良くなったみだいだね。彼女には、避難を手伝うように指示しているから、先輩として声をかけてやってくれ」
シーン18.2「アニー」※アニーがハーベストにいる場合
アニーを探して(家を目指して)歩いていると、少し高い丘が見える。その丘には花畑があり、様々な色の点々がうす暗い夜にぼうっと光っている。なんとなく目に入ってみていると、そこに何やら動く人影があった。よく見ると、アニーのようだ。
丘に登ってみる途中、廃墟街から出ていくアマリリスたちの行列が見えた。
闇に隠れてもそもそと動いている。訳も分かっていなさそうな子供が走り回って連れ戻されたりしている。
花畑に着くと、アニーが座り、そんな様子をぼうっと見ていた。
花畑は暗く、きらめく星たちが見下ろしている。
アニーは君にすぐ気づいたようで、
(アニーがアマリリスにいる場合)「おかえりなさい、PC2先輩」「……すみません、気が付いたら、ここでぼーっとしてました」と君に顔を向ける。
(アニーがハーベストにいる場合)「見つかっちゃいました」「結構、頑張ったんですけど」
「先輩、せっかくなので、少しだけ、星を見ていきませんか?」
「綺麗……」
「先輩、明日は、どこかへお出かけですか?」
(ハーベストに行く)「はい……」
(アニーがアマリリスに来ていた場合)
少し寂しそうに眼を細めてから、星の方へと顔をそむける。
「先輩……先輩に、ここまで連れてきてもらって、とても感謝しています」
やすらかな、優しいげな目で言う。
「いろいろな、楽しいことや、楽しみなことができました」
そういうと、今度は、不安を押しころすように、胸元に手を寄せる。
「先輩は、どうして、私をここまで連れてきてくださったのでしょうか?」
「すみません、どうしても、聞きたくて」
(一通り話終わったところで)「……ありがとうございます」
今までよりも晴れやかな表情で、PC2に顔を向ける。
「先輩、私、ちょっと変なんですけど、こういう大きな事件があって、もし、誰も犠牲にならなかったら、ちょっとだけ嬉しいんです」
「やっと、やっと、私がお役に立てますから。先輩に、私を助けてくれた皆に、私の力で恩を返せるって」
アニーが口を堅く結び、少しだけ潤んだ目を君に向ける。
「そして、先輩が本当に大切にしてきたものを、私の力で守れるって」
「だから私は、これからも、いろんな人へ、恩を返します」
「それこそが、私ができる……その、贖罪だと今は思っています」
「PC2先輩、私が一つ願うなら、アマリリスの皆様と暮らす、元の日常に戻ること。私が、前に進めれているかも知れないと思うところに戻ること。だから……PC2先輩。無事に帰ってきてくださいね」
彼女はこらえるように、目を閉じてなんとか絞り出す。
シーン18.2「アニー」※アニーがアマリリスにいる
避難しているブラッドたちの元へ向かう。
荷車や大荷物を持って移動する団員たちを横目にフルートを探すと、すぐに見つかる。
フルートは避難列から少し外れ、泣き始めた少年をなぐさめていた。
「よしよし。怖いよね、でも大丈夫だから」
しばらくそうしていると彼は泣き止む。
最後にフルートが元気づけると、少年は避難列に入り、歩いていった。
そのあたりで、フルートが君に気づく。
「あ、PC2先輩」
「さっきの子、孤児院の方とはぐれてしまって、なんだか、他人事じゃないみたいで……」
「先輩は、どうしてこちらまで?」
「明日は……どちらに?」
「……そうですか。どうか、お気をつけて」
「あの……帰ってきますよね……?」
「わたし、やりたいことができたんです」
「それはアマリリスを守ること。わたしを、受け入れてくれた場所だから、です」
「だから、PC2先輩、わたしからお願いごとをしてもよろしいでしょうか?」
「頑張りますから、どうか今のわたしを見捨てないでください」
「ひどい魔法しか教わらず、人を騙すための振る舞いしかしらない、そんな私だからこそ、次はここにいる皆様を守れます」
「PC2先輩にだけは、見捨てないでほしいんです」
アニーの背後には、綺麗な星々が輝いていた。
「ことが起こる前にお話しできてよかったです。それでは、また」
シーン19「痛み」(PC1)
君はハーベストの病院へ向かった。
うっすらと空に闇が差し掛かってきたが、夕日、学園、病院の光に照らされて、月の形すら見えなかった。
病院へ着くと、結の部屋へ通してもらう前に、お医者さんに呼ばれる。
医「PC1くん、ちょっといいかい?」
そういって、近くの診察室に連れてかれる。
医「結ちゃんの症状について、聞きたいかい? 本人を除くと、君にしか……」
(YES)医「命に別状はないんだけど。○○(結の負傷した部分)がね……」「神経が酷い状態になっていてね。これは、左足と同じ状態なんです。だから……最悪の場合、動かなくなることを覚悟しないといけない。まだ、現代医療、現代魔法では、治せない。結ちゃんにももう言ってあるから」
医「もちろん、今研究が進んでいて、魔法での治癒を中心に研究が進んでる。PC1くん、君にはこの魔導次元が滅びない限り、あきらめないでほしい」
(NO)医「わかった。結ちゃんの部屋に案内するよ」
結の部屋の前に着く。
結「は~い、どうぞ~」
結の明るめな声が聞こえてくる。
結「ああ、PC1か。頑張って高い声出して損した」
結「PC1、ちゃんと友達できたんだね」
結「大事にしないとダメだよ? 友達。じゃないと、料理作ってくれるような人、できないよ?」
結「あんた、また何か考えてるんじゃない? 5年前みたいに」
結「行きたかったらいった方がいい。それでPC1がすっきりするならさ」
結「でも、ひとつだけ約束してくれる?」
結「また私のお見舞いに来ること。そうしてくれるなら、許してあげる」
結「そうだ、面白いものみせてあげる」
結「PC1、そこのペンとって?」と目線で、机の上に忘れられたボールペンをさす。
結「あと、そこの……スケッチブックも」
結「一番、新しいページにして」
PC1がスケッチブックをめくっていくと、彼女が描いたいくつもの絵がみえた。
なんともない風景、友達をベンチに座らせた絵、病院の窓から見た風景、そして、PC1の顔、最後は菜の花畑の描きかけの絵。そして、その次のページが白紙だった。
結「よし、じゃあ、そのペンを私の口にくわえさせて」
といって口を開ける。
結「ひゃーひふひょ?(じゃーいくよ)」
じゃーいくよ、と言っているらしい。
結はスケッチブックに口で絵を描いていく。ちらりと横目で君を見ながら。
すると……輪郭がぐちゃぐちゃだが、PC1となんとかわかる絵ができた。小学生よりも下手くそだが、確かに君の絵だった。結はにっこりと微笑み、君を見る。
すると、ペンの角度を変え、ペンの先っぽを君の絵の鼻あたりに当てる。
そして、カッと目を見開き、やっちゃうよ? やっちゃうよ? みたいな顔をしながら、線を伸ばす。鼻毛だ……。PC1の絵に鼻毛が描かれている……。
鼻毛を最期まで描き切ると、ペッとペンを机に吐き出し、決め顔。
結「PC1。私は、この場所で、この身体で、幸せになってやるから! あんた以外の誰にも邪魔させないから」
結「だからPC1も、後悔しない道を進んで」
結「もう遅いよ。明日に響くよ。すぐ帰りな」
結「おやすみ」
シーン20「白夜」(マスターシーン)
一閃の流星が落ち、太陽がふたつ昇るとき、災厄は訪れる
――シヴュラ
次の日の朝。君たちは各々起きて、外へ出る。雲一つない快晴だ。太陽が何かを祝福するように、正面から、君を照らす。……しかし、景色がいやにボヤっとしたような違和感がある。人間である限り、いや、魔導次元に住む生物である限り、必ず気付くだろう。
君は違和感の正体に、すぐに気付いた。そう、君の目の前の地面に、君の影がある。目の前の太陽のまぶしさから目をそらし、後ろを向くと、もう一つの太陽が君を照らしていた。
2つの太陽は、循環し、永遠の光となり、星、月、雲、すべての光を塗りつぶした。
白夜が始まった。
シーン21「ファンシー・フロム・アザ」(以降すべて全員)
次の日の朝。君たちは3人とも各々の夜を過ごし、起きると……先の超常現象がみえる。
ドロシーからPC1のところへメールが来る。
『PC1さん あなたの学園長はドロシー・フロム・オズで合っていますか? もし、今回の件で強力いただけるのであれば、学園長室へお越しください。協力いただける方がいればご一緒に。 ファンシー・フロム・アザ』
⇒他2人にも連絡してほしい。
君たちは、すっかり生徒がいなくなった学園を、歩いていた。すると、運動場に向かっている生徒がちらほら見える。遠目で観ると、運動場にそこそこの生徒が集まっているようだ。100人以上はいる。避難もせずに何をしているのだろうか。
(よく見ると)彼ら、彼女らの頭には、赤い鉢巻が巻かれている。そして、生徒たちの前には、ひとりの生徒が何やら演説をしている。図体が大きく、大きくなった犬を連れている。天王寺西条だ。
壇上から彼の、ハーベストを救う~とか、俺たちが守る~とかいう声が聞こえてくる。
何をしているか気になるかもしれないが、一刻も早く学長室へ向かった方がいいだろう。
部屋に着くと、そこにはドロシーではなく、ファンシーが立っていた。
「PC1さん、お久しぶりです。そしてお初にお目にかかりますPC2さん、PC3さん」
「ドロシーさんを始め、頼りにできる方は全て、向こうへ行ってしまいました。私が元居た第四の次元に」
→ここで、全ての公式NPCがこの世界から消滅したことを告げる。(エヴァーグリーンなど非戦闘員は除く)
「皆様、あの恐ろしい太陽を見てもここに集まったということは、相応の覚悟を持っていらしたと考えて、よろしいですよね?」と言い、全員を見渡す。
(全員覚悟ができているようなら)
ほっと息を吐いて。
「わかりました。私たちが予測している、ハクたちのプランをお話ししましょう」
「どうやら、ゲネシスは、前回のときよりも、あからさまかつ、かなり迅速にせめて来ているようです」
「あの2つの太陽を見たでしょう? あれは、ひとつは魔導次元、そして、もう一つは第四次元のものです。第四次元がこちらに近づくスピードが速すぎるが故です」
「そんな中、ドロシーさんたちはあちら側にいるゲネシスを抑えてくださっているようです」
「そして、こちら側でやらなくてはいけないことなのですが……。ハク・フロム・アザを、止めることです」
「前回と違う点のひとつなのですが、こちらの魔道次元に脆弱なゲネシスが存在しない可能性があります。本来、第四次元を魔導次元に向かって進めるには、両方の地点に一人ずつ、強力な魔法使いを配置する必要があります。前回の事件では、魔導次元側にゲネシスの分身を置いていたのですが、今回は代わりにハク・フロム・アザを置いている可能性が高いです。いえ、ゲネシス自身を除けば、彼女以上の適任はいないでしょう」
※正確には分身ではなくどちらにもいる状態だが、ややこしいので省略。
「皆様はハク・フロム・アザを止めてください」
「ハクは、トトと入れ変わっているはずなので、アマリリスにいるはずです」
「微量ですが、私は情報収集と指揮を執る予定です」
(ファンシーが白昼夢の内容を聞かれた場合)「……? ……覚えがありません」「皆様は本当のことを言っていると思いますが……」「わたくしにも、覚えていない記憶があるのでしょうか? それとも、その本の言っていることが……事実ではないこと……なのでしょうか」「……しかし、信じて欲しいのですが、いつか申し上げました。私がPC1さんを見て懐かしいと思う気持ちは、本当です。今でも、感じるくらいには……」
そうこう話していると、元気よく扉が開き、ファリキクスが入ってくる。
「やあ、久しぶりだね」
「僕も、協力させてもらう。……いや、ずっとこの日のために協力させてもらってきた」
「もう君たちと出会って何年前になるかな。はじめから味方だと思って一緒に行動できるのが嬉しいよ」
「それと、君たちの生徒は勇敢だねぇ。あっという間にハーベスト生徒軍ができあがってしまった」「まあ、あんまり危ないとこに深入りしないように言っておくよ。ただ、ああいう生徒さんを見ると、そうだね、胸に響いてくるね」「彼らはきっと、自分たちの日常を守りたいという祈りと共にきた。ぜひ、そうしてもらおう」
「……それにしても、君たち3人は…。本当によく集まってくれたね」
ファリキクスに連れられ、学長室から出る。
廊下を歩いているところで、ファリキクスがたしなめるように言う。
「ここからは慎重にね。いつハクに操られた向こうの生徒がやってくるかもわからない。きっと、彼らは襲ってくるだろう」
そうして、校舎の外へ出ると……。
外にはハーベストの学生たちが20人ほど集まっていた。
しかし、全員ゾンビのように顔に精気がなく、そして全員、発動体を抜いていた。
君たちを見つけると、淡々と詰め寄ってくる。明らかに正常なものではない、間違いなく、第四次元の操られた生徒たちだろう。
「噂をすれば……かな。時間を取られている暇はない。テンポよくいこう」
という訳で、意思のない人形の猛攻を逃れ、無事アマリリスへ迎えるのか!
シーン22「特殊クルドサック1「開戦!」」
説明:クルドサックとは、PCたちが対峙する困難をテンポよく描写するためのシーンです。ですので、解決方法はリベラルアーツ魔法でなくても良い。よって、このシーンのクルドサックは、なんと、演出を行うだけで成功できます! 演出を行う場合は、どのようなものでもかまいません、成功です。つまり、絶対に失敗することはないということです。クルドサック失敗のところに描いてあるものは、君たちが手を差し伸べなかった場合に起こることです。
という訳で、君たちの戦い、いや、魔導次元 VS 第四次元の大きな戦いを、テンポよく、気持ちよく、描写していきましょう!
クルドサック「目の前の生徒を倒す」
まずは、目の前の生徒を片付けよう。既に何人かの人形は、君たちに興味を失い、学園から出ていこうとしている。あそこはハーベストの城下町、とりわけ、結が入院している病院に近い方角だ。
要求:誰か1人が意思のない人形たちを撃退する。(推奨PC1)
失敗:城下町と病院に意思のない人形が雪崩こむ。
無事、意思のない人形たちを撃退できる。ハーベスト城下町側に流れる者はいなくなった。
ハーベスト内をしばらく走ると、広場にハーベストの生徒たちがたむろっているのがみえる。頭に赤い鉢巻を巻いている。先程、運動場でたむろっていた者たちのようだ。
その中に、PC2を呼ぶ声があった。赤い鉢巻を撒いたセミナである。
「PC2~!」と手を振って叫ぶ。近くまでいくと、こうささやく。他のPCは近くにいるので、聞こえてくる。
「彼らはハーベスト軍だ。何かできることはないかと、わけもわからず行動しているが大丈夫。私がなんとかしてアマリリスの方に行くよう、誘導しておこう。それと、アマリリスが敵でないこともそっと囁いておく」
「お初にお目にかかるかな? PC1、PC3、君たちは黒き森の方へ進みたまえ。嵐谷隊長たちの軍と合流できるはずだ」
そう言っているセミナの後ろに、ひとりの生徒が杖を向ける。みるからに彼に意思のようなものは感じられない。第四次元の生徒だろう。
クルドサック「セミナ・ウーズを助ける」
要求:誰か1人がセミナを狙う生徒を倒す。or 誰か1人がセミナを狙う生徒から彼女を守る。(推奨PC2)
失敗:PC2のHP-20 セミナの発動体に重症
君がセミナの後ろの生徒を倒すと、彼女は驚いた様子もなく、PC2の後ろに向かって黒い塊いくつも放つ。「ダムダムダムダムダムドォ!!」すると、PC2の後ろにいた別の生徒が、声をあげて倒れる。どうやら君も狙われていたらしい。セミナを助けなかったら、君も危なかったかもしれない。彼女はPC2にウインクをすると、背を向けて走る。そうして、人ごみに消えていった。
シーン23「特殊クルドサック2「共闘!」」
PCたちは黒き森へとやってくる。君たちのはるか後ろに、ハーベスト軍がぞろぞろとこっちに来るのが見えた。どうやら、セミナの誘導はうまく成功しているようだ。
黒き森に入る、しばらく進むと、目の前に大量のアマリリス部隊が見える。しかし、それに意思は感じない。ゾンビのように、意思のない目で銃やトラップを向けてくる。どうやら、第四次元のアマリリスのようだ。そいつらは、君たちの方へゆっくりと近づいてくる。後ろまでは見えないが、アマリリス全軍がいると仮定すれば、500人以上もいる。
さらに、その背後には、虹色の6体の悪魔がいる。悪魔は、ベルフェゴール、レヴィアタン、マモン、アスモデウス、ベールゼブブ、そして、サタン。七つの大罪の複製たちだ。一番後ろには、サタンが控えており、それを守るように前5人。
偽アマリリス軍は、目ざとく君たちに気付くと、足を速めて向かってくる。このままでは、非常に大きな消耗は避けられないどころか、突破すらできないかもしれない。
そんなとき……「ローズマダーコスモス!」聞きなれた青年の声がする。君たちの前方に炎が舞い、花弁のような細かい火花となり、前方、偽アマリリスの軍団へと降り注ぐ。それだけで、何人もが発動体を破壊されて倒れ伏す。
飛び出してきたのは、神谷翼。
「皆様、無事ですか?」
「結局、合流することになりましたね。PC3」
「ハーベストの人たちは? 彼らも向かっていると聞きましたが」(セミナからのリーク)
(状況を聞くと)「かしこまりました。それなら、のちに合流できそうですね」
翼は余裕を見せるように僅かに笑う。しかし、額から汗がにじみ出るのが近くにいる君たちなら見て取れる。
「時間はそう無いと聞いております。進めそうであれば、”僕たち”を差し置いて前へ行ってください」
そうこうしている間にも、偽アマリリス軍はどんどん迫ってきている。
「それでは、参りましょうか。ちなみに皆様。100人以上の一番前を務めるという覚悟は、おありでしょうか?」
「あと、分かっていると思いますが、もしここにアマリリス軍がいたとしても、僕たちは味方だと思っています。それは、アドヴェントの皆にも伝えてある」と、翼はわざとらしく、大きな声でいう。
翼はそのまま少し待ち、偽アマリリス軍を十分な位置まで引き付けると、片手をあげて、合図を出す。
「みんな!」
翼が声をかけると、それに呼応するかのように、左右の木影から大勢の人が出てくる。その数は100どころではない、どう見ても2倍以上、200人ほどはいる。そう、右から出てきた者たちと、左から出てきた者たちの出で立ちは少し違う。右から出てきた者たちは、翼と同じく、黄色の鉢巻を巻いている。雰囲気からしても、アドヴェントの生徒たちであることがわかる。
対して、左から出てきた者たちは、もう少ししっかりとした足取りで、腕に紫色の腕章を巻いている。PC2にはわかる、本物のアマリリスだ。指揮系統をお互いに邪魔しないよう、アマリリスはアドヴェントの後方から参加することにしたようだ。しかし、中には、邪魔そうにアドヴェント軍を見る者もいる。
そんな中、木影に、戦況をうかがうようにじっと潜むがっちりとした軍人風の男が見て取れる。PC2は、嵐谷巌とわかる。PC1とPC3も、雰囲気からして、アマリリスの指揮官だとわかるだろう。巌は七つの大罪を確認すると、発動体を抜き、ゆっくりと軍と合流した。
PCたちは、これらの軍隊の一番前方で、巻き込まれるようにして進むことになる。こうして、アマリリス、アドヴェントの連合軍は、かなりぎこちないながらも、数で押す勝負になっている。
そんな感じでしばらく前に進み、偽アマリリスともう少しで衝突というところで、ブーンという羽音とともに、黒い雲のようなハエの集団が襲いくる。ベールゼブブのコバエたちだ。一番前で対峙しなければならないのは、君たち。翼が剣を向け、炎のマナを溜め始める。しかし、彼一人だけでは厳しいだろう。力を合わせて魔法を放つ、もしくはそんな彼の魔法を支援、あるいは時間稼ぎをしてやれば、何とか撃退できそうだ。
クルドサック「翼と共に道を開く」
要求:誰か1人が翼と協力して、大量のコバエとベールゼブブを葬り去る or 誰か1人が翼の詠唱が終わるまで時間稼ぎをする。(推奨PC3)
失敗:PC全員のTP-5 翼が重症を負う、それによるアドヴェント軍の半壊
演出:翼は君とピッタリ呼吸を合わせ、魔法を放つ「意志は華となりて散る……ローズマダーコスモス!!」君たちが魔法を唱えると、広範囲に広がった炎の蔓がコバエを葬り、ベールゼブブを焼き焦がす。ベールゼブブは、逃げようと2~3歩動いたところで力尽きた。
ベールゼブブが倒れると、どこからともなく、霧が晴れるように偽サタンが姿を現し、パチリと指を鳴らす。すると、倒れたはずのベールゼブブがゆっくりと起き上がる。すぐに戦線復帰してくるだろう。サタンはベールゼブブを回復させると、その体に闇の霧を纏い、再び消える。面倒だが、これでは追うことができない。七つの大罪の偽物どもを打ち取ることができない。その様子を見た周囲のアドヴェント軍が露骨に落胆、もっと言えば心が折れかけているのが伝わってくる。
そんな戦況を見ていると、君たち3人の肩をがっちりとした手が叩く。
「おい、あんたら」
アマリリスの指揮官だ。
「俺たちが一匹やる。サタンが出てきたら殺せ。3人で協力してな」
と、鋭い目を向けて言う。
君たちがうなづくと、嵐谷巌は、狙撃銃を構え、横に軽く飛ぶ。その瞬間、アマリリス団員のひとりが巌に支援魔法をかける。支援を受けた巌は、偽アマリリス軍の合間を一瞬の内に見つけると、一言呟き、引き金を引く。「――ブリッツA、始動」。その言葉と共に、風を纏ったナイフを打ち出す。撃ち出されたナイフは、針の穴を通すように偽アマリリス軍たちの隙間を抜け、立ち上がろうとしていたベールゼブブを貫く。哀れなハエは、また動かなくなった。
そして、それを見たのか、サタンが再び、めんどくさそうに姿を現す。今がチャンス。しかし、サタンも君たちのことには気づいているようで、あいさつ代わりに闇の光をPCたちに向かって放つ。
クルドサック「サタンを倒す」
要求:3人で強力し、サタンの攻撃を止め、支援をするか妨害を行い、サタンにトドメをさす。
失敗:PC全員のHP・TP -20。全ての軍に死傷者が多数出る。アドヴェント軍、ハーベスト軍が士気の低下により解散する。
サタンが倒れると後ろから大きな歓声が上がる。アマリリス軍、アドヴェント軍、後ろから合流してきたハーベスト軍も見ていたようだ。君たちを見た3軍はようやく、所属部隊を問わずに混じり合い、協力する利点と可能性に思い立ったようだ。翼もそれを直感的に見抜いたのか、すかさず。
翼「皆!今は協力の時だ!僕たちは未熟だ!アマリリス軍に合わせよう!」
天王寺「俺たちもだ!翼に続け!」と天王寺西条の声も聞こえる。
君たちの近くにいた巌はしめたとばかりに、顔をあげると、指揮官らしく大ぶりに手をあげ、翼と天王寺に指示を出す。こうして、即興の3色連合部隊ができあがった。
それから、3色は混ざりあい、互いに息を合わせようと、良い意味でお互いを見あうようになった。さっきまで、アドヴェント軍やハーベスト軍を邪険にしていたアマリリスの工作員も、彼らを見直したようだ。
巌は、一番近くにいたPC2の肩をとんとんと叩いていう。「よくやった。全軍協力し、前進する。みな、お前たちを理想としたからこそできたんだ。大したもんだ」
PC全員に聞こえるようにはっきり言う。「現場判断だ。お前たち3人に頼みたい。道をやや外れて偽アマリリス軍を迂回し、アマリリスに行ってくれ。そして、ハク・フロム・アザを殺せ。俺たちはこれで、大量の偽アマリリス軍をおびき寄せた。あっちはかなり手薄になっているはずだ」
「それに、今回のゲネシスたちはいやに電撃的らしいじゃないか。この大軍団だと、偽物のアマリリス軍を突破するころには、陽が暮れちまう。だから……やってもらうしかない」
「ここは俺に任せろ、ここにいる奴らは、誰一人、死なせやしない」
このあたりで、神谷翼と天王寺西城が君たちのところに来る。
翼「アマリリスの指揮官。あなたさえいれば、指揮官は3人もいりませんよね?」
天王寺「ああ、こいつらと一緒にいかせてくれ」
巌「ああ、行ってくれて構わない。よかったな、どうやら増援みたいだぞ」
こうして、君たちは5人でアマリリスへと向かった。
シーン24「特殊クルドサックラスト「塔の中」」
君たちは黒き森を駆け抜け、アマリリスに到着する。
それなりに偽アマリリス軍がわずかにいたが、ここまで勝ち取ってきた君たちなら、わけなく突破できる人数でしかなかった。
5人はハクのいる塔の前へと着く。塔の頑丈な扉の前に立ち、扉を外側に開いたそのとき、上空から魔法を発動するような音が聞こえた。次の瞬間、「危ない!」と翼の悲鳴が聞こえる。
そちらを見ると、上空から現れた虹色のルシファーによって、翼が切りつけられていた。発動体に大きなヒビが入っている。
さらに、森の奥からゾンビのように偽アマリリス軍が戻ってくるのがみえる。
それを見た翼は、近くにいたPC3, PC1, PC2を塔の中に押し込むと、防御魔法を発動する。
君たちは塔の中に飛び込むことができるが、翼と天王寺が入る前に、扉が閉じる。
その後、扉にドン、と何かが扉に押し付けられるような音がした。
翼と天王寺の体だろう。ルシファーの光魔法の音、防御魔法を発動する音、炎が爆発する音なんかが聞こえた後。
扉の向こうから、息を切らした翼の声が聞こえる。
翼「ここは僕たちに任せてください。先にいって」
天王寺「へへ、翼ぁ、おめえにだけ、いいかっこさせねえぞ」
もう、こちらから扉を開けることはできないだろう。
君たちは進むしかなくなった。
また、君たちは思い出す。ハクが偽物のアマリリス軍を操っているわけだから、逆にハクを倒してしまえば、彼らも止まるだろう。
そうして、塔の中。君たち3人だけになった。
塔の内側は……とても静かだった。
誰もおらず、偽アマリリスの人間もいないようだ。
君たちは、音をたてながら、一段一段、階段を登っていく。PC2にとっては見慣れたところだろう。
と、登っていく最中、PC1は『感じる』何かが近づいたことに。君の特殊能力の①の効果を1シーンに2回から3回に増やすこと。
そして、最上階の部屋。
本来であればトト・フロム・オズの部屋の前まで来た。PC2は何度もきた場所であるが、扉はしっかりと閉じられていた。さらに、それだけではなく、見慣れない物がある。扉に石板のようなものが埋め込まれており、それが、強力な結界を発していた。そして、その石板には、次のような文章が刻まれていた。
『
ここに侵入する者
いかなる者でも生きて帰り得ぬ
ハク・フロム・アザ
』
しかし、いかに強力な石板であろうと、君たちもそこらあたりの魔法使いではない。3人全員で力を合わせ、魔力を注入すれば、特に消耗なく破壊できる。
ラストクルドサック「石板を破壊する」
要求:3人で一斉に魔力を注入し、扉にかけられた石板を破壊する。
失敗:魔導次元の喪失
石板ごと扉が破壊され、クライマックスへ。
最終話「白夜」:クライマックス
シーン25「ハク・フロム・アザ」(PC全員)
扉を破ると、そこは紫色のカーペットが敷かれた、綺麗な部屋が広がっていた。
そして、その中央に、ベッドが一台、安置されている。
ベッドには、一人の少女が横たわっている。とんがり帽子に、白いローブ。そう、ハク・フロム・アザである。彼女は、生きてはいるようだが、ピクリとも動かない。
そのベッドの後ろ側には、石板のようにごつごつとした、いかつい装置がくっついていた。そして、その装置からチューブが伸びており、ハクの全身へとつながっている。どうやら、生命維持装置であるようだ。装置は、マナを消費し、半永久的に動いているようで、止まる心配はない。
ハクの体はピクリとも動かなかったが、君たちの頭の中に、少女の、心の底から親切そうな、澄んだ声が響いてくる。
「ごきげんよう。本日は、とても良いお天気となりましたね」
(気付かない、黙っているようなら)「ハクですよー」
(PCが話さないなら)「みなさま、石板はご覧になりましたか? 間違えで入ってきてしまったのであれば、どうか、出て行ってほしいのです。わたくしの、み姿は、とても神聖なものなので」
(生命維持装置が何か聞かれる・寝ていることについて聞かれると)「たいへん、誇らしいことです。ファンシーが魔力を使えないものと同じように、わたくしは身体を使うことができません」「しかし、とっても素敵な青空も、皆様のお顔も、見えております」
(ゲネシス、という言葉がPCの口から出ると)「あのお方を、そのようにかってな名前で呼ばないでください。それは、ファンシーがかってにそう呼んでいただけでしょう?」
(どう呼ぶのか?と聞かれると)「愛を込めて、あのお方、と」
(オクーロ村の事件のとき、PC1をなぜ生かしたのか聞かれたら)「PC1とは、あなたのお名前でしょうか?」君たちは、ハクからPC1への暖かい感情をシンクの魔法で感じる。「太古の昔より存在する、暖かな感情。あなたの姿を見たとき、わたくしが、あなたを殺めてはならぬという、確かなお役目をうけたまわりました。あなたは、少なくともわたくしの力では、死のお役目を与えてはなりませんでした。きっとこれは、昔から決まっていたことなのでしょう」「しかし、ここに長居をするようなら、死のお役目をはべることとなってしまいますよ」
(沢山の人を殺して、何が楽園だと言われたら)「ええ。今の世界は楽園ではないでしょう。わたくしたちの住む次元も、ここ、魔導次元も、現実世界も。あの方たちには、非常に尊むべき死のお役目に恵まれたのです。だからどうか、怒りも、悲しみもなさらないでください」
(白昼夢という日記を知っているかと言われたら)「すみません、あなたのお力にはなりそうにもございません。ルーカルが研究していた日記でしょうか? 存在は知っていますが、中身を見たことまでは……。読んではいけない気がしたので、きっと、わたくしのお役目ではないのでしょう」
(どうしてこんなことをするのか?と聞くと)「それは、わたくしに役割をくださった方、すなわち、あのお方のため」「ときに皆様は、人の進歩を信じますか? 一生癒えない傷を負った者がそれを乗り越え、再び楽しく暮らすことができると、信じますか? 一生許されないおこないをした者が、それを乗り越え、自分らしく暮らすことができると、信じますか? 一生かけても取り戻せない尊い物を失った者が、再びそれを取り戻し、また前を向いて暮らすことができると、信じますか?」
「わたくしは、信じます。これが、人の進歩。そして、進歩した人々は、それを皆に親切に教えるでしょう。これが、人々の進歩。こうして得られた教えは、もっともっと多くの人に伝わり、最初に教えた人がいなくなっても、文字に刻まれることで残ります。これが、人類の進歩」
「あのお方はこう考えました。この、渦巻く人類の進歩は、いつか、たった一つのところに収束すると。そしてそれが、今にいるどのような存在も想像できない、楽園」
「しかし、この楽園ができあがるには、いったい、どれほどの人が進歩をして、伝える必要があるのでしょう? そして、この人々はけっしてこの楽園を見ることはできません、つまり、犠牲者です。この楽園に行くために、どれほどの犠牲が必要なのでしょう?」
「あのお方は、それをとても気にされていたそうです」
「だから、その犠牲はわたくしたちの次元の者で良い」
「皆様、すなわち、魔導次元の方、現実次元の方、には、ゆっくり眠っていただきます。その間に、わたくしたちが人類を進歩させ、とっても素敵な楽園を、作り上げます」
「そうして、何千年、何万年もの夢から覚めた皆様は、好きに生きることができるでしょう。楽園、を」
「いかがでしょうか? 皆様が、このうつつよで歩いた、ほんのひと時の時間など、ちょっとした白昼夢だと思って、その終わりで、素敵な午後を過ごしましょう? ね?」
(発動体演出)ハクの体から莫大な魔力が吹き荒れる。部屋に充満し、轟轟とふきすさぶ。窓を震わせ、服がはためく。やがてそれはまとまり、大きな白い翼という、形になる。翼はゆっくりと、ハクの体を持ち上げる。それは、まるで魂が無いかのように、手足頭がだらりと垂れ下がった状態で空中に浮く。そして、赤色のチューブがマリオネットの糸のように、ベッドとハクをつなぎとめる。
本体に対してあまりにも生き生きとした魔力の翼は、大きく広がると、あなたたちの方を、向く。
戦闘:ハク・フロム・アザ
(戦闘終了後演出)
ハクは発動体である生命維持装置を破壊され、翼を失う。
翼を失った少女はベッドへと落ち、胸の前で手を重ねる。……まるで祈るかのように。
そうして、部屋に静寂が訪れる。彼女の体はゆっくりと朽ちていく。
君たちの頭に、かすかな声が響いてくる。
「どうやら、わたくしも、死のお役目に恵まれたようです……」
(ハクにアルヴム・インフィニタスの裏効果をかけることで、記憶を取り戻し、その状態で話をすることもできる)
(記憶を取り戻した状態で、ゲネシスのやったことを聞かれると)「あのお方は、わたくしも、ファンシーも、記憶を消し、新しいお役目を与えてくださりました。わたくしのお役目は、あのお方の再生です。
また、PC1、お前を魔導次元によこしたのは、間違いなく、あのお方ですよ。あのお方はおやさしくも賢明な方で、いつでも自分の考えが正しいとは考えなかった。その世界の弱く生きる人々が、頼ることのできる全てを失い、それでも、一位団結して自分ではない誰かに祈ることができるのであれば、世界を楽園という結論へ導く必要はない、とおっしゃっておりました」
「……これ以上、詳しくお話することはできません。なぜなら……お前の役割は、まだ終わっていないからですよ」
(十分に話したところで)
PC1は、何かが近づき、重なった感覚がする。①の能力の使用制限を無くすこと。
シーン26「マスターシーン「終戦?」」
ハーベスト城下町の大きな病院。
この病院にも第四次元の構成員が侵入し、戦いが起こっていた。
結は、ベッドに横たわりながら、ひたすら魔法が交差する音だけを、恐怖にかられながら聞いていた。
しかし、彼女はとうてい知らないことだが、この病院には突如として黒いスライムが現れていた。
相当遠くから操作された魔法生物のようで、かなり力は弱いものの、異常なほど戦い慣れしており、第四次元の構成員を次々と呑み込んでいる。
いつまで音が続いていたのかわからないが、やがて、その音が止んだ。
突然、訪れた平和に病院中の者が息を吐く。
彼らは到底知らないことだが、ハク・フロム・アザが倒されたためである。
結も平和を感じ、安堵するように目を閉じる。
「あとは、みんなが帰ってくるだけ」
少女は、静かに祈った。
シーン27「夢の終わり際」(全員)
君たちは、ハクを倒し、一息ついていたが……。
ピキピキピキ……と外からガラスが割れるような大きな音がする。それは塔の壁を震わすほどに大きい。
そんな音がしばらく続き……ガシャン!という大きな音がする。
ゴォォ……という空を薙ぐ音が聞こえた後……ドーン!という非常に大きな地響きが君たちを襲う。
すると、君たちの目の前にあった、トトの部屋の入り口の壁。それが、強大な力で砕かれ、君たちの眼前は、土煙に覆われた、煙が晴れたときに見えたのは、青空、ふたつの太陽。塔の壁が崩れ、そして……。そう、強大な人型の像、ゲネシス。
終わりを前にしたゲネシスは、第四次元から遁走し、君たちの前に現れた。
さらに、塔の真下を見ると、先ほどまで扉を守っていた翼と天王寺がみえる。
アマリリス軍はもう動いておらず、天王寺は足を引きずりながら、何とか塔の中に入ろうと歩いていた。一方の翼は倒れたまま動かなかった。よく見ると血まみれで、もう息もないかもしれない。
PC3は倒れた翼の目がみえる。それは、濁ったように動かなかった。
さらに、塔の眼下にはいくつかの幻影も見える。それらはよく見ると、ドロシー、トト、クラウス、カント、ディアナ、など消えた者たちの中でもかなりの力を持つ者たちの幻影である。どうやら、第四次元側にいる人間のようだ。今まで強大なゲネシスと戦っていたのだろう、その姿が幻影でも、かなり消耗し、辛そうだ。まるで、こちらの次元のゲネシスに向かって何かをすることは、無理そうだ。
ゲネシスは、完全に戦うことができない第四次元の面々を後目に、君たちの方へ向きなおる。
そうして、巨大な魔力を君たちに向けて放ちゆく!
眼下ではドロシー、トトをはじめ、その場にいる全ての者が集結し、マナを必死にもがき集めているのが見えた。時間を稼ぐことができれば、なんとかしてくれるかも知れない。
ゲネシスは君たちに意思を飛ばす。
井戸の底から響くような声だ。
ゲ「お前たちは、わたしを前にしても戦う意思があるか?」
ゲ「己の無力を思い知るがいい」
最終戦闘:ゲネシス・アザ―(イベント戦闘)
PCたちの目的は、1ラウンド目終了時まで全滅しないことである。
シーン28「祈り」(戦闘間に挟まるシーン)
(イベント戦闘の1ラウンド目終了時に挟む)
ゲネシスの一撃で、塔の天井が完全に吹き飛ぶ。攻撃は強く、魔法では対抗できない。
そんなとき、塔の目下にいるドロシーたちの幻影が目に入る。まだ、彼女たちは諦めていない。
これまで、様々な試行錯誤の果てに、ドロシーをはじめとするハーベストの教授たち、トトをはじめとするアマリリスのオーガンたち、セント・クラウスをはじめとするアドヴェントの教授たちが、全員力を合わせる。そして今、ようやく一つ奇跡を産めるほどの力へと昇華する。
大魔法【ディメンジョン・ホロウ(次元断裂)】
裏:次元の壁を破壊し、一時的に魔導次元と別の次元を繋げる。
時空に亀裂が入る。ゲネシスは一瞬、そちらに気を取られたが、腕を一振りする。
大魔法【アルヴム・インフィニタス】
表:任意の万能系の大魔法1つを発動する。この大魔法はいかなる場合でも無効化されない。
大魔法【デウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)】
表:敵が発動した大魔法または特技を1つ無効化する。
その奇跡は確かに、ゲネシスから一手奪った。しかし、ドロシーたちは完全に限界であった。ここまでも、何度も奇跡のような魔法を打ち合って戦闘をしてきたのだろう、それは君たちを救う一手には……ならなかった。
全ての力を使い果たしたドロシーは膝をつき、うなだれる。トトも顔こそしっかりとゲネシスを見据えているものの、膝をついている。限界のようだ。
……しかし、ふたりはまだ、諦めていなかった。ドロシーはすぐに目を君たち3人の方へ向ける。自分自身を抱くように腕に力を入れ、完全に空になったはずの自分の中に、まだ何か残っていないのか、全力で探している。トトは君たちとゲネシスの一句一遊を逃すことなく観察し、奴に隙が無いか、君たちに伝える手段が無いか、諦めることなく考え続けている。
何か自分たちにできることがある……そう信じてやったことは全てくじかれた。しかし、その想いは、未だ消えておらず、各々の形の祈りとなって溢れていた。
→PC1は、③の効果で2マナを各発動タイミングで得ることができる。
他の者たちも同じようだ。両手を合わせている者もいれば、カントとクラウスが何か話し合っている。アスタロト、ルシファーが口々に何か言い合っている。……それら全てが祈りであった。また、後方支援をしていたらしい、ハーベストの養護教諭マリア・ロペス・ルッソと、アマリリスのマザー・テレサの影もある。二人は急いでドロシーとトトに近づくと、傷を回復したり、魔力を補給したりと支援を始める。この数分で終わるはずがないが、それでもあきらめない。これも祈りだと、PC1にはわかった。
→マナをさらに25個手に入れる。(25個:戦闘ができそうな公式NPCの数)
こうして、PC1に優しい祈りのマナが渦巻く。それは複数の奇跡を起こせるような強大な力。……しかし、神を越えるにはどう考えても足りないだろう。
マナの合計数(27個)をPC1にメモしてもらったところでマスターシーン。
シーン29「結い」(マスターシーン)
ハーベスト城下町、病院。
結は、祈るように窓を見上げていた。
身体を持ち上げて外をみようとしたが、どうしても動かず、PC1とおそろいのペンダントが少し揺れただけだった。
そんな結の部屋に、いつもの看護師が入ってくる。
結にそっとささやきかけると、彼女は少しだけ表情を緩め、また窓をみる。
「祈ってくれてるって、みんな」
そういって、ペンダントに握ろうとするものの、手は動かない。
だから、彼女は目を閉じて、大切な人、大切な人たちの顔を思い浮かべ、こう祈る。
「みんなの祈りが、あんたに届きますように」
結がそう言葉を発すると、くしゃりと、ペンダントが砕けた。
びっくりしてペンダントの残骸を見る。これは凶兆であろうか、それとも……。
シーン30「祈りの結び」(戦闘再開)
PC VS ゲネシスの戦闘を再開する。そして、2ラウンド目開始時に以下の描写が挟まる。
お互いに魔法を打ち合い、そして、戦闘が再び始まろうとする一瞬、PC全員の頭に、映像が浮かんでくる。情景が直接流れ込んでくるような感覚。それは、ここにはいない、黒き森の皆の映像。
・黒き森
黒き森では、負傷者の手当が行われていた。黒き森に避難していたアマリリスのブラッドたちも駆けつけ、ハーベスト、アドヴェント、アマリリス関係なく救援が行われていた。七つの大罪も倒し、偽アマリリス軍も倒れた……しかし、そこに平穏はなかった。
遠方、アマリリスに、巨大な像、ゲネシスが見えたからである。そんな中でも、嵐谷巌は、使えそうかつ、動けそうな者を選び、君たちを助けにいける部隊を編成していた。しかし、どちらも満たしている者は少なく、思ったように進んでいなかった。少数でも行ってしまおうかと、憎きゲネシスを、祈るようににらむ。しかし、たとえ何人犠牲にしたとしても、失敗だけは絶対に許されない。
巌に選ばれた者も同じだった。負傷、もしくは消耗して選ばれなかったものは、なおさら強い気持ちを持っていた。君たちの安否、魔導次元の安否を願い、両手を固く握り、祈っている者がほとんどであった。アニー・ペキュニアは、安全を確認後、アマリリスの拠点から出て、塔に向かって全力で走っていた。もちろん、君たちの無事を祈りながら。
そう、その場にいる、全員が祈っていた。
全軍合わせて300人+アマリリスのブラッド200人
→PC1は③の効果で、500マナを各発動タイミングで得ることができる。
・アドヴェント
アドヴェントももちろん第四次元の襲撃者が来ていた。なんとか自らや学園を守り切り、平穏が訪れていた。母校の危機を知り、セント・エイリスから駆け付けた者もいた。しかし、危機が去っても、2つ目の太陽はまだ沈まない。何かが起きており、どこかで、誰かが戦っているのを、全てのものが感じ取っていた。それは、翼が引き連れていったアドヴェント軍であるかも知れないし、もっと他のものであるかも知れなかった。
アドヴェント生たちの中でも、信仰深い者は神に祈った。その平穏と無事を願う祈りは、結論からして君たちも含まれていた。
信仰深くない者も、空を見上げたり、周りを見渡して自分のできることを探していた。そう、何もできないが、何かはしたいという、それぞれの形の祈りであった。
アドヴェントにいる、全員が祈っていた。
→アドヴェントの人々すべて(教職員なども概算)→PC1は③の効果で、7000マナを各発動タイミングで得ることができる。
・ハーベスト
ハーベストもアドヴェントや、アマリリスの人々と同じであった。襲撃者が停止し、平穏が訪れても、みな、一堂にあっさりといつもの生活を送れるわけがなかった。
空を見上げている者、地面にへたりこんでうつむいている者、傷を負い手当を受けている者、次の襲撃はないかとあたりを見回している者、誰かの無事を確かめようと走っている者、皆を安心させようと大鍋に火をかけている者、日常に戻ろうと普通に話している者でさえ、みな、窓に向かって誰かの帰還を祈る者と同じく、次の良い未来を祈っていた。
ハーベストにいる者、全てが祈っていた。
→PC1は③の効果で、10000マナを各発動タイミングで得ることができる。
最後に、白き祈りが、その場にいる全員を願った。
→PC1は③の効果で、1マナを各発動タイミングで得ることができる。
→総マナ数:17528個(PC2、PC3も祈っていれば17530)
ここで映像は途切れる。一瞬とも、永遠とも思える時間であった。
ゲネシスを観ると、先程と変わらない。ほとんど現実の時間は経っていないようだ。
また、井戸の奥底から響くような声がする。ゲネシスだ。
ゲ「……お前たちは何をみた? その目に宿るのは希望か?」
PC1の元に、祈りが集まった。
(PC1は、どういう風でも良いので、祈りのマナを発生させる宣言をすることで、このマナを好きな属性のマナとして、取り出すことができる)
――――あとは、奇跡を起こすだけだ。
戦闘再開:ゲネシス・アザ―
※GMは、最初の発動タイミングで、PC1に全ての大魔法を発動することを推奨すること。
※戦闘指南:PC1が大魔法を全て取得した後、願いのカケラを使い、大魔法の打ち合いを繰り広げましょう。400回魔法を無効にしても、大魔法が7回使えても、勝てるはずがないので、素直に負けましょう。
・付録:発生マナ数のメモ
→総マナ数:17528個
→魔法学園RPGハーベストに存在する全ての大魔法を①の効果で取得した後の総マナ数(-410個)=17117個
→アルブムインフィニタス4種も発動するならさらに-40個=17077個
→17077個で発動可能な魔法の回数(レベルごと)
4:4279 (+3で+1)(アルで-7)
5:3423 (+3で+1) (アルで-6)
6:2852 (+3で+1) (アルで-5)
7:2444 (+1) (アルで-4)
8:2139 (+3で+1) (アルで-3)
9:1901 (+3で+1) (アルで-3)
もし、これら発生マナを、全てカディコに突っ込んだ場合は、【(10×3383)×2^3383】のダメージが出る。
→エクセルでは計算不能。無限点として計算すること。
最終シーン「神になる権利」(戦闘終了時のシーン)
ゲネシスはゆっくりと崩れていく。ゆっくりと…。今いる塔も巻き込まれてはいるが、なんとか、持ちそうだ。君たちは、何かが離れていく感覚を覚える。外を見ると、偽物のアマリリス軍団は、徐々に透明になり、消えていこうとしている。逆に、ドロシーやトトたちの影は濃くなっていく。第四次元は、魔導次元から離れていく。君たちの勝利だ。
……と、PC1は気付く。君の中にはまだ、奇跡の力が残っている。
戦闘が終わり、ゲネシスが崩れるにつれ、ゆっくりと消えつつあるが、まだ、しばらく使える。これを解放すれば……残っている奇跡のひとつやふたつ、いや、いくつでも起こすことができるだろう。
PC2、PC3も、PC1の中でなかなか消えずに残る、莫大な力を認識できる。
これは、何かを変えてしまうかも知れない。それは、善いことであろうか、悪いことであろうか。同時に、2人は、その力がとても繊細な均衡で成り立っていることがわかる。この変化が気に入らない場合、いとも簡単にPC1を止めることができる。
【使用想定】戦闘で使用しなかった全ての大魔法。これで好きなように世界を変えることができる。
※魔法学でできないことを無視してよい
※公式設定を変えてはいけない
※PCと相談しても良く、PC同士が相談する時間は十分にあるものとする。
→もちろん、まったく使わなくても良い。
PCたちが創造した未来、あるいは、そのまま受け入れた未来を好きなだけ描写し、シナリオを終了すること。
最終話「白夜」:敵データ
・中間戦闘:イニアス
名前:イニアス
主体属性:光闇
攻撃力:10 防御力:10 HP:330 TP:220 SS:11 移動値:1
発動体効果①任意のマナを11個消費することで、戦闘終了時まで大魔法1つを取得する。(1シナリオ2回まで)
発動体効果② 戦闘中、移動・補助タイミングを放棄し、戦闘していない魔法使い1人から力をもらうことができる。そうした場合、その発動タイミングで、好きなマナが9個発生する。戦闘終了後、力を与えた者は副作用を受ける。1ラウンドに1回まで使用できる。
アクション:12
リアクション:9
リベラル:7
【特技】
・第一原始魔法「ソウリ」/10/AR/好きな特殊地形全てを元に戻すか、特殊オブジェクト1つをいかなる場合でも破壊するか、戦闘空間にあるトラップ を全て無効化するか、戦闘空間にかけられた効果1つを消去する。さらに、この戦闘中に破壊されたオブジェクトを1つ選び、サーヴァントにして召喚する。ただし、同じサーヴァントは選べない。この特技は1ラウンドに1回しか使用できない。
・「若人よ」/1/A/このアクションフェイズでの準備タイミングを追加で2回行う。1ラウンドに1回まで使用可能。
・「死せ」/13/A/この戦闘間、各ラウンド終了時に全てのオブジェクトは[(アクションフェイズを行った回数-1)×10]点だけ最大HPと現在HPを減らす。この効果で最大HPが0になったキャラクターは戦闘不能となる。戦闘不能時に最大HPは元の数値に戻る。1シナリオに1回使用可能。
・「神は見ている」/7/A/オブジェクトのない好きなマスに特殊オブジェクト「プレコール」を召喚する。
・「陽は必ず登る」/19/A/「ソルノクティス」をコスト0で発動する。ただし、このアクションフェイズ間、自分の発動体の攻撃力を0にする。この特技は準備タイミングを消費しない。1ラウンドに1回まで使用可能。
・「塗りつぶせ」/17/R/このリアクションフェイズの敵の魔法攻撃力を半分にし、この効果で減らした数値分自分のHPを回復する。1ラウンドに1回しか使用できない。この特技は補助タイミングを消費しない。
・「絶望の未来を」/23/AR/全てのクラスからアイテムを1つ選び、その特殊効果を自分の発動体に追加する。1ラウンドに1回使用可能。
※プレコール/耐久値:5、召喚者の発動体の攻撃力に+1する。召喚者の発動タイミング開始時、このオブジェクトの耐久値を1減らすことで、好きな属性のマナ1つを発生させる。ただし、この効果で発生したマナは魔法のコストにできない。
【魔法】
◆アクション魔法
オリジン/アクション/X/発動タイミングの好きなダイス1つの出目を+1及び-1できる。
ソルノクティス/アクション/12345678/攻撃力+40、攻撃範囲を全ての戦闘空間で固定する。この魔法および、このアクションフェイズの魔法攻撃はいかなる場合も無効化されない。さらに、この戦闘間、各ラウンド開始時、以下の効果を適用する(この効果は重複しない)。※レベル7以下の魔法と併用できない。●敵全員のHPを「自分の攻撃力と同じ数値」だけ減らす。ただし、敵は取得している大魔法を1つ消費することで、そのラウンドのこの効果を無効にできる。
フェーケ/アクション/リアクション/X/発動タイミングの好きなマナ1つを偽属性に変更する
グラビティゾーン/アクション/16/攻撃力+1、さらに攻撃範囲のマスを地形:重力場レベル1に変更する。
カイザージャッジメント/アクション/356/攻撃力+5、さらに敵全員のTPを3点減らし、味方全員のTPを3点回復する。
ゴッドプレッシャー/アクション/156/攻撃力+3、さらに戦闘空間上の全ての特殊地形のレベルを+1または-1する。
アポカリプスデイ/アクション/1555/攻撃力+7、さらに戦闘空間に存在するキャラクター以外のオブジェクトを全て破壊し、全てのマスの地形変化を無効にし、元に戻す。
ドッペルゲンガー/アクション/11111/攻撃力+12、さらに戦闘空間のオブジェクトの存在していない好きな1マスにオブジェクト:シャドウを召喚する。
サイレントサイレン/アクション/66666/攻撃力+12、さらに自分にグッドステータス:時空転移レベル3を与える。また、この魔法の効果によって受けたグッドステータスは、戦闘終了時まで消去されず、レベルの増減も起こらない。
アポカリプスデイ -Doom-/アクション/15556/攻撃力+10、さらに戦闘空間に存在するキャラクター以外のオブジェクトを全て破壊し、全てのマスの地形変化を元に戻す。このアクションフェイズ間、「アポカリプスデイ -Doom-」の攻撃力は[この効果で破壊したオブジェクト数]倍になる。この魔法は1アクションフェイズに1回までしか発動できない。
カオスオブアンビバレンス/アクション/1666/攻撃力+9、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスと、前方5マスに固定し、この発動タイミングで、魔法のコストとして使用したマナの数だけ攻撃力を上げる。
ダムド/カース/567/攻撃力+4、さらに地・水・火・風・光・闇・呪の中から好きな属性のマナを合計2つまで発生させる。
◆リアクション魔法
アイリス/リアクション/X/発動タイミングの好きなダイス1つの出目を+1及び-1できる。
スターライトシグマ/リアクション/25/防御力+2、さらに味方1人にバッドステータス:麻痺レベル-1を与える。
ムーンライトイグニス/リアクション/335/防御力+4、さらに味方1人のHPを4点回復し、この魔法の効果による回復量と同じだけのダメージを魔法攻撃の発動者に与える。
セイントメガシールド/リアクション/555/防御力+9
ギアチェンジ/リアクション/155/防御力+4、さらに好きな数のオブジェクトの耐久値を10増加させる。
カオティックラバー/リアクション/88/防御力+8、さらに追加で自分の発動可能な2レベルのリアクション魔法を2つ発動することができる。
アルカディアスアルスマグナ/リアクション/55555/味方全員の防御力+15、さらにこのリアクションフェイズでの自分の合計防御力を2倍にしてダメージ計算を行う。
セイントメガシールド/リアクション/555/防御力+9
【エンハンス】
グラビティケイジ/アクション/126/攻撃力+1、さらに攻撃範囲のマスを地形:重力場レベル1に変更する。対象にバッドステータス:怨嗟レベル1を与える。
イグジステンス/アクション/111117/オブジェクト:シャドウを置く代わりに、キャラクター:シャドウを置く。(キャラクター:シャドウは、自分のキャラクターシートと同じデータを持つ新たなキャラクターとして戦闘空間に存在し、戦闘終了時または召喚者が戦闘不能になったときに消滅する。 キャラクター:シャドウは、イグジステンスを発動させたキャラクターのPLが操作する。同じキャラクター:シャドウは1シーン中に1体までしか存在できない。キャラクター:シャドウは、キャラクター:シャドウを生み出すことはできず、キャラクター:シャドウが大魔法を発動することはできない。)
スターライトハイスピード/リアクション/245/防御力+2、さらに味方1人にバッドステータス:麻痺レベル-1を与える。味方1人のSS値に+3する。
セイントクロスシールド/リアクション/5555/防御力+9、次の自分のリアクションフェイズの防御力に+4する。
ダークノヴァ/リアクション/5556/防御力+9、魔法攻撃の発動者に、グッドステータス:興奮レベル-2を与える。
ヘヴンズバッシュ/リアクション/4555/防御力+9、好きな属性を1つ選ぶ。味方全員の次のアクションフェイズの発動タイミングで、その属性のマナを1つ発生させる。
オプスマグナム/リアクション/555557/味方全員の防御力+15、さらにこの発動タイミングでの自分の合計防御力を2倍にしてダメージ計算を行う。この戦闘間、味方全員の防御力を+10する。
セイントクロスシールド/リアクション/5555/防御力+9、次の自分のリアクションフェイズの防御力に+4する。
ダークノヴァ/リアクション/5556/防御力+9、魔法攻撃の発動者に、グッドステータス:興奮レベル-2を与える。
ヘヴンズバッシュ/リアクション/4555/防御力+9、好きな属性を1つ選ぶ。味方全員の次のアクションフェイズの発動タイミングで、その属性のマナを1つ発生させる。
【融合魔法】
インペリアルシンクロス/A/135566/
【戦闘指南】
最初のターンは、「若人よ」→「死せ」→「神は見ている」→「陽は必ず登る」の順で使ってください。多段行動への牽制と、継続ダメージの設置を行いましょう。このとき、ソルノクティスの効果で他の魔法を発動できないので、プレコールの効果+自前のダイスを消費し、発動体効果①で大魔法を取得しておきましょう。
戦闘が続き、負けそうになった場合は、「絶望の未来を」→「塗りつぶせ」または、「若人よ」→「神は見ている」→「陽は必ず登る」あたりの特技名ネタで、未来の若者たちへ皮肉を込めてエールを送りましょう。
いらなくなったプレコールはオリジナル魔法の「アポカリプスデイ~doom~」で爆破し、攻撃力を上げましょう。
また、GMには重要なミッションがあります。発動体効果②で結を指定し、この後のシナリオ展開を作っておくことです。最低でも2回がノルマです、両手をもらいうけましょう。
・最終戦闘1:ハク・フロム・アザ
名前:ハク・フロム・アザ
主体属性:偽
攻撃力:17 防御力:17 HP:500 TP:5000 SS:29 移動値:0
アクション:9
リアクション:9
リベラル:36
【発動体効果】
・敵のHPが減ったとき、その数値と同じだけ自分の攻撃力と防御力を上昇させる。この効果は戦闘不能になった場合でも解除されず、戦闘終了時まで継続する。
・自分が取得している特技1つの発動回数を元に戻す。この効果は1シナリオに1回しか使用できない。
・第四次元にいる場合、すべての能力値を5倍にする。
【特技】
※原始魔法などに出てくる『いかなる場合でも』という記述について。この記述は、大魔法を含むあらゆる効果に優先されます。例えば、「カース」の「自分の全てのグッドステータスのレベルを、いかなる場合でも1上げる。」効果は、前半の「この効果で取得したグッドステータスのレベルは増減せず、解除されない」効果よりも優先されます。よって、第七原始魔法カースの効果で付与したグッドステータスのレベルは、カースの効果で上昇させることができます。
・インフィニトゥス/0/AR/この戦闘間、自分は使用回数に制限のある特技なら、準備タイミング、補助タイミングを消費せずに発動できる。この特技は準備・補助タイミングを消費しない。
・第一原始魔法「ソウリ」/10/AR/好きな特殊地形全てを元に戻すか、好きな特殊オブジェクト1つをいかなる場合でも破壊するか、好きな戦闘空間にあるトラップ を無効化するか、戦闘空間にかけられた効果1つを消去する。さらに、この世界に存在する好きなオブジェクト(サーヴァントも可)を1つ選び、いかなる場合でも召喚する。ただし、同じオブジェクトは選べない。この特技は1ラウンドに1回しか使用できない。
・第二原始魔法「イーチェ」/10/A/この戦闘間、以下の効果を自分の発動体に追加する。この特技は1ラウンドに1回しか使用できない。①キャラクターにかけられた特殊効果(グステ、バステ、魔法による付与効果など)1つを消去する。この効果は1ラウンドに1回しか使用できない。
・第三原始魔法「フランマ」/100/A/このアクションフェイズで「フランマ」をコスト0で発動する。ただし、「※」の記述を無視する。この特技は1シーンに1回しか使用できない。
・第四原始魔法「アウラ」(A)/10/A/この世界に存在する特技から、準備タイミングで使用できる好きな特技1つを選んで取得する(既に取得しているものは不可)。その後、その特技を使用してもよい。この特技は1アクションフェイズに1回しか使用できない。
・第四原始魔法「アウラ」(R)/10/R/この世界に存在する特技から、補助タイミングで使用できる好きな特技1つを選んで取得する(既に取得しているものは不可)。その後、その特技を使用してもよい。この特技は1リアクションフェイズに1回しか使用できない。
・第五原始魔法「オーディニス」/100/-/この特技は大魔法のように好きなタイミングで発動できる。発動者以外の次の誰かのアクションフェイズまでの間、自分のHPとTPは減少しない。さらに自分のHPとTPをいかなる場合でも全回復し、自分の好きな特殊効果をいかなる場合でも回復できる。この特技は1シナリオに1回しか使用できない。
・第六原始魔法「マルス」/10/AR/このアクションフェイズまたはリアクションフェイズの間、自分の発動ダイス数を10個増やし、この世界に存在する全ての魔法を取得する。この特技は1ラウンドに2回しか使用できない。
・第七原始魔法「カース」/10/AR/好きなグッドステータス2つをLv.2で自分に与える。この効果で取得したグッドステータスのレベルは増減せず、解除されない。その後、自分の全てのグッドステータスのレベルを、いかなる場合でも1上げる。この特技は1ラウンドに2回しか使用できない。
・第八原始魔法「フェーケ」/1000/AR/1ラウンドの間、自分のいるマスは常に第四次元として扱う。この特技はいかなる場合でも無効化できない。この特技は1シナリオに1回しか使用できない。
【魔法】
◆アクション魔法
フェーケ/スペシャル/X/好きなマナ1つを偽属性に変更する。
ソル・ノクティス/アクション/12345678/攻撃力+40、攻撃範囲を全ての戦闘空間で固定する。この魔法および、このアクションフェイズの魔法攻撃はいかなる場合も無効化されない。さらに、この戦闘間、以下の効果を適用する(この効果は重複しない)。※レベル7以下の魔法と併用できない。●各ラウンド開始時に敵全員のHPを「自分の発動体の攻撃力と同じ数値」だけ減らす。ただし、敵は取得している大魔法を1つ消費することで、そのラウンドのこの効果を無効にできる。
カーディナルコスモス/アクション/8888/攻撃力+10、さらに攻撃範囲を戦闘空間上の全てのマスに変更し、この魔法攻撃での合計攻撃力を2倍にしてダメージ計算を行う。
フランマ/アクション/3333333/攻撃力+30、攻撃範囲を全ての次元の全てのマスに固定し、この魔法攻撃での合計攻撃力を2乗にしてダメージ計算を行う。また、この魔法は無効化されない。※この魔法は発動してから10ラウンド後の自分のアクションフェイズに効果を適応する。
ハーベストムーンの模造(攻)/アクション/1234568/攻撃力+20、さらにこの魔法の発動確定後、この発動タイミングにおける全ての発動ダイスをもう一度振る。また、この発動タイミングではもうハーベストムーンの模造は発動できない。※オリジンと同時に使用することはできない。
フォボス&ダイモスの模造(攻)/アクション/1234568/攻撃力+20、さらにこのシナリオの間、「特殊特技:七つの大罪」または「特殊特技:八つの枢要罪」の中から1つを選択し取得する。※既に特殊特技を取得している場合は、その特殊特技を別の特殊特技に変更することができる。※この魔法による特殊特技は1つのキャラクターにつき、1つしか取得できない。(特技を変更することは可能である)※オリジンと同時に使用することはできない。
アマリリスレインの模造(攻)/アクション/1234568/攻撃力+20、さらに特殊特技「フォルスドリズル」を得る。また、この発動タイミングではもうアマリリスレインは発動できない。※この魔法による特殊特技は1人のキャラクターにつき、1つしか取得できない。ただし、既にこの魔法による特殊特技を取得している場合、その特殊特技を失って新たに取得し直すことができる。※オリジンと同時に使用することはできない。
◆リアクション魔法
アルカディアスアルスマグナ/リアクション/8888/味方全員の防御力+15、さらにこのリアクションフェイズでの自分の合計防御力を2倍にしてダメージ計算を行う。
パーフェクトキャンセル/リアクション/8888/防御力+12、さらに魔法攻撃を構築している魔法の攻撃力上昇以外の効果を全て無効にする。
ハーベストムーンの模造(防)/リアクション/1234568/防御力+20、さらにこの魔法の発動確定後、この発動タイミングにおける全ての発動ダイスをもう一度振る。また、この発動タイミングではもうハーベストムーンの模造は発動できない。※アイリスと同時に使用することはできない。
フォボス&ダイモスの模造(防)/リアクション/1234568/防御力+20、さらにこのシナリオの間、「特殊特技:七つの大罪」または「特殊特技:八つの枢要罪」の中から1つを選択し取得する。※既に特殊特技を取得している場合は、その特殊特技を別の特殊特技に変更することができる。※この魔法による特殊特技は1つのキャラクターにつき、1つしか取得できない。(特技を変更することは可能である)※アイリスと同時に使用することはできない。
アマリリスレインの模造(防)/リアクション/1234568/防御力+20、さらに特殊特技「フォルスドリズル」を得る。また、この発動タイミングではもうアマリリスレインは発動できない。※この魔法による特殊特技は1人のキャラクターにつき、1つしか取得できない。ただし、既にこの魔法による特殊特技を取得している場合、その特殊特技を失って新たに取得し直すことができる。※アイリスと同時に使用することはできない。
【エンハンス】
オプスマグナム/リアクション/88887/味方全員の防御力+15、さらにこの発動タイミングでの自分の合計防御力を2倍にしてダメージ計算を行う。この戦闘間、味方全員の防御力を+10する。
【大魔法】
大魔法【アルヴム・インフィニタス(無限光)】
表【任意の大魔法1つを発動する。この大魔法はいかなる場合でも無効化されない。※この大魔法は第四次元出身の者しか発動できない。】
裏【誰か1人の好きな記憶を消すか、元に戻す。】
大魔法【アルヴム・インフィニタス・クレオ(創造)】
表【任意の万能系の大魔法1つを発動する。この大魔法はいかなる場合でも無効化されない。※この大魔法は第四次元出身の者しか発動できない。】
裏【誰か1人の想像した物を実体化するか、破壊する。】
大魔法【アルヴム・インフィニタス・コロルヌ(理想)】
表【任意の防御系の大魔法1つを発動する。この大魔法はいかなる場合でも無効化されない。※この大魔法は第四次元出身の者しか発動できない。】
裏【誰か1人に好きな内容の短い夢を見せるか、目覚めさせる。】
大魔法【アルヴム・インフィニタス・ベネディクティオ(祝福)】
表【任意の攻撃系の大魔法1つを発動する。この大魔法はいかなる場合でも無効化されない。※この大魔法は第四次元出身の者しか発動できない。】
裏【誰か1人に自分の良い感情を伝えるか、伝えた内容を悪い感情に変える。】
【戦闘指南】
シナリオを回す前に、原始魔法それぞれの効果を読み込み、使用想定をある程度考えておきましょう。ハクは自前の魔法と能力値だけでは全く強くなく、これら原始魔法をどれだけ扱えるかが彼女の強さを作る要因です。特に、アウルで取得する特技は必ずアクションフェイズ用を10個程度、リアクションフェイズ用を5個程度、あらかじめ用意しておきましょう。おすすめの特技は、翼の「プルラリズム」、アニーの「vivere est militare.(生きることは戦うこと)」「tunc adfuisses.(あのとき、あなたがいてくれれば」、イニアスの「絶望の未来を」「死せ」、サプリを買っている方は「ブルーラグーン」などもいいでしょう。
基本的にPCよりも早く、先制することができるので、最初の動き、できればその後の戦闘の流れを決めておくとスムーズです。想定する初動・それ以降の動きは次の通りです。最初のターンはアウルでオリジナルジョーカーを生成し、ソルノクティスをコスト0で打ちつつ、カースで時空転移を付けましょう。時空転移の追加ターンでは、アウルからイニアスの特技である「死せ」を持ってきて、相手の多段行動をけん制しましょう。このタイミングでマルスで大ダメージを与えるのも良いでしょう。相手からの攻撃は、アウルから取得したパラダイムシフト、大魔法、マルス、ソウリから持ってきたサーヴァントあたりで防ぎましょう。フランマとフェーケは最後までとっておき、切り札として使用しましょう。また大魔法は、必ず裏効果まで貼って使うようにしましょう。なぜなら、アルヴム・インフィニタスの裏効果がハクから情報を引き出す鍵になっているからです。
また、宗教的な理由で、絶対に「イグジステンス」を発動してはいけません。神聖なハクの体が2つあることは、ハクにとってたまらないあのお方への裏切りであるからです。
・最終戦闘2:ゲネシス・アザ―
◆基本能力
名前:ゲネシス
主体属性:すべて
攻撃1000 防御1000 HP50000 TP50000 SS100 移0
クリーチャーサイズ:5×5
【発動体効果】
・自分の発動した効果以外では、いかなる場合でも移動しない。
・アクション値、またはリアクション値をラウンド終了時まで1下げる(最低0)ことで、敵の発動した魔法1つを無効化できる。
・願いのカケラ8 -神秘- 「ミスティックユニオン -深淵-」を発動する。1シナリオに1回しか使用できない。
・願いのカケラ7 -転移- 「アスタリスク」を発動する。1シナリオに1回しか使用できない。
・願いのカケラ6 -想像- 「イマジナリーウイング」を発動する。1シナリオに1回しか使用できない。
・願いのカケラ5 -防壁- 「アンブレイカブルフォートレス」を発動する。1シナリオに1回しか使用できない。
・願いのカケラ4 -制圧- 「ディバイン・プロヴィデンス」を発動する。1シナリオに1回しか使用できない。
・願いのカケラ3 -強靭- 「ハルスクライド」を発動する。1シナリオに1回しか使用できない。
・願いのカケラ2 -全知- 「アカシック・レコード」を発動する。1シナリオに1回しか使用できない。
・願いのカケラ1 -無為- 「デウスエクスマキナ」を発動する。1シナリオに1回しか使用できない。
アクション:25
リアクション:20
リベラル:99
※第四次元である場合、すべての能力値を5倍にする。
大魔法【ミスティック・ユニオン -深淵-(深淵的合一)】
表:この世界に存在する特技の中から、好きな特技を2つ選ぶ。シナリオ終了時まで、味方1人はその特技を使用することができる。
裏:完全性へ向かうための変成の技術によって、物に命を吹き込むことができる。
◆特技
なし
※戦闘開始時、以下を「ミスティックユニオン -深淵-」で取得すること。
・第八原始魔法「フェーケ」/AR/消費TP1000/ 10ラウンド後の終了フェイズまで、自分のいるマスを第四次元として扱う。この特技はいかなる場合でも無効化できない。この特技は1シナリオに1回しか使用できない。
・第三原始魔法「フランマ」/100/A/このアクションフェイズで「フランマ」をコスト0で発動する。ただし、「※」の記述を無視する。この特技は1シーンに1回しか使用できない。
フランマ/アクション/3333333/攻撃力+30、攻撃範囲を全ての次元の全てのマスに固定し、この魔法攻撃での合計攻撃力を2乗にしてダメージ計算を行う。また、この魔法は無効化されない。※この魔法は発動してから10ラウンド後の自分のアクションフェイズに効果を適応する。
◆アクション魔法
フェーケ/X/好きなマナ1つを偽属性に変更する。
ソル・ノクティス/アクション/123456呪偽/攻撃力+40、攻撃範囲を全ての戦闘空間で固定する。この魔法および、このアクションフェイズの魔法攻撃はいかなる場合も無効化されない。さらに、この戦闘間、各ラウンド開始時、以下の効果を適用する(この効果は重複しない)。※レベル7以下の魔法と併用できない。
●敵全員のHPを「自分の攻撃力と同じ数値」だけ減らす。ただし、敵1人が大魔法を1つ消費することで、そのラウンドのこの効果を無効にできる。
カーディナルコスモス/8888/攻撃力+10、さらに攻撃範囲を戦闘空間上の全てのマスに変更し、この魔法攻撃での合計攻撃力を2倍にしてダメージ計算を行う。
◆リアクション魔法
フェーケ/X/好きなマナ1つを偽属性に変更する。
アルカディアスアルスマグナ/8888/味方全員の防御力+15、さらにこのリアクションフェイズでの自分の合計防御力を2倍にしてダメージ計算を行う。
パーフェクトキャンセル/8888/防御力+12、さらに魔法攻撃を構築している魔法の攻撃力上昇以外の効果を全て無効にする。
【戦闘指南】
発動体の効果でPCたちの魔法を無効にしまくろう。そして、準備タイミングか、補助タイミングの直前に、『ミスティックユニオン-深淵-』から第八原始魔法「フェーケ」を取得し、無効にできる回数を225回に増やそう。これでどんな相手だろうと、負けることはない。奇跡でも起きなければ。
日記「白昼夢」
「白昼夢」には、簡単にまとめると次のことが書かれていた。
目次
1章 はじまり
2章 ともだち
3章 まほう
4章 こども
5章 べんきょう
6章 れんしゅう
7章 いし
1章.はじまり
あのおかたに、日記を取ると良いというお言葉をいただきました。ファンシーも協力してくれるみたいです。とっても楽しくなることでしょう。
2章.ともだち
今日はファンシーと一日中いました。風がさえずる中ふたりで、崖のへりにぱたぱたとさせながら。街の廃墟が見えました。河端の岩のように穴だらけで、灰色でした。あそこにはこれから、どんな人が住むのでしょう。ファンシーとそうぞうしました。
3章.まほう
あのおかたに書き留めるよう言われました。
ファンシーは物覚えがはやくてびっくりします。
ソウリ:再生
イーチェ:停滞
フランマ:破壊
アウル:習得
オーディニス:庇護
マルス:全知
カース:全能
4章.こども
あのお方がするように、わたくしもお友達をつくることにしていました。もちろん、ファンシーにはひみつでした。
長い道のりをのりこえ、ほんじつ、ようやく生まれました。なんという感どうでしょう。今まで動いたことのない心を、じんわりと感じます。とってもかわいいあかごです。名前は○○(PC1の下の名前。ミドルネームがある場合は省く)としました。(あるなら名前の由来も書く)
すぐにこの子をだれかにみせたくなりまして、ファンシーの名前を言いました。ファンシーはたいそうおどろいた様子でしたが、やさしく顔をなでてくれました。この子がすくすくと育ちますように。
5章.べんきょう
木製の椅子の香りやがんじょうさにやすらかな心を感じます。わたくしの腕でPC1が眠っている中、しずかにおべんきょうは始まりました。
あのお方が覚えるようおっしゃいました。
わたくしは、どうしても覚えていられません。どうやったらファンシーになれるというのでしょう?
なんと! あのお方がこの本に書いてくれるそうです。これで、わたくしはいつでも、なんどでも、あのお方のお考えをみることができます。
(以下はこれまでとは違う文体で書かれている)
『武器』と『器』について
『武器』は3つの力を持つ。
① 平凡な魔法使いでは発せられぬ量のマナを使い、奇跡を起こす力。この力は第四次元のマナの性質を使用するため、次元的に近であるほど容易に使用できる。ただし、『武器』の素質が高い者であれば、第四次元から離れた次元でも使用できる。
② 魔法使いの想いの力を体に宿し、マナに変換する力。しかし、このマナを体に留めることは、『武器』の身体にたいへんな負担をかける。そこで、この負担は『器』が代わりに引き受ける。
③ 全ての人間の溢れ出る想い、すなわち祈りの、わずかばかりのマナを受け取る力。祈りのマナは、第四次元に保持されるので、『武器』への負担はない。『武器』はこの祈りを知覚することによって、保持されたマナをいくらでも引き出し、自分の想うまま調合して使用できる。
このように、『武器』は人々の想いをマナとして受け取り、それを奇跡へと昇華する力を持つ。
(→PC1は、①、②の記述が、君が今まで使ってきた能力に対応していることがわかる。)
(→PC1は③の力を思い出す。GMはPC1の③の力を解放すること。)
『器』は、武器の負担の受容体となる存在である。『器』は、武器とは違い力を持つのではなく、相対的な存在であり、『武器』が最も親しいと思っている者が原則的に選定される。
PC1は武器の素質があり、わたし自ら手を加えることにする。どのような母子の縁か、ハクには完全な受容体の素質があり、『器』となればいかなる負担をも受け入れることができる。
第四次元とはどこのことでしょうか? わたくしと、PC1がおやくめに立てるようで、うれしい限りです。このことをファンシーにもじまんしてやらなくてはいけません。
6章.れんしゅう
あのお方に、えんぜつのふくしょうをしておくよういわれました。ここにかいて覚えておきます。
こんにちは、みなさま。ここにおわします全ての皆様。おあつまりいただき、かんしゃいたします。みなさまはきっと、ここにあのお方のお考えを知りたくてさんかしたと思います。わたくしはハク。だいべんしゃとなり、お話してきっと伝えてみせましょう。
ときに皆様は、人のしんぽを信じますか? たとえば、一生いえない傷を負った者がそれを乗り越え、再び楽しく暮らすことができると、信じますか? 一生許されないおこないをした者が、それをのりこえ、たのしく暮らすことができると、信じますか? 一生かけても取り戻せない、とうとい物を失った者が、再びたちあがり、それを取り戻し、また前を向いていきることができると、信じますか?
あのお方と、わたくしは、信じます。人のしんぽを。そして、そんな人たちは、親切です。きっと他のみなさまに、ご自分のしんぽを伝えるでしょう。こうして、人のしんぽは、人びとの進歩となるのです。こうして広まった親切は、教えた人がいなくなってもいいように、ずっと取っておかなければいけまん。そう、きっと本としてきざまれ、歴史のさきまで残ることになるでしょう。これが、じんるいの進歩です。
あのお方は、おしえてくださいました。この進歩は、えいえんのごとく続くでしょう。でも、ある一点でしゅうそくする。そして、それこそがその進歩の中にいる、だれもが想像することができない、楽園です。人類の進歩の最後のさき。きっと、あたたかいところなのでしょう。
しかしながら、なんという悲劇でしょうか。この楽園ができあがるには、どれくらいの犠牲がひつようなのでしょう? どれだけの時がひつようなのでしょう? 皆様も、わたくしも、あの楽園にいくことはできません。あのお方は、たいそうお心を痛めました。
でも、安心なさい。あのお方は、皆様を救います。皆様は楽園にいくことができます。皆様も、げんじつ世界の皆様も。あのお方は、この世界にそっくりな人々を作ります。そして、それが楽園を作ってくれるでしょう。皆様は、ずっと眠って、ただ待っていてください。楽園を。
7章.いし
とてもさみしいことですが、あのお方に言われた通りにします。
さようなら、PC1、ファンシー、動物たち、果物たち、景色たち。
かならず、白昼夢のむこうでおちあいましょう。
PC1、あなたは、あなたのおもう魔法の時間を夢みて、ゆっくりとお休みなさい。
この日記も、ここで終わり。
(次のページ、ちょうど最後のページにこれまでとは違う文体で書いてある)
PC1よ、神になれ
すべての祈りを
踏みにじり
◆PC1の全能力(第3話で『白昼夢』を読んだ後に公開)
①戦闘中、自分の発動タイミングで任意のマナを10個消費することで、好きな大魔法1つを宣言する。その戦闘間、宣言した大魔法を発動できる。ただし、同じ大魔法は宣言できない。この効果は1シーンに2回まで発動できる。
② 戦闘中、PC1以外の各PCは、自分の移動タイミングを放棄し、PC1に力を貸すことを宣言できる。そうした場合、PC1は、次の発動タイミングに一度だけ、好きなマナを10個発生できる。ただし、そのシナリオのエンディングで何かおこる。
③ 戦闘中、PC1が自分を含む対象に向かって祈る、応援するなどしているNPC、PCを見たとき、その戦闘間、各発動タイミングで好きなマナが1個発生する。※この能力は第四次元、またはそれに近い次元にいる場合のみ使用できる。

