魔法学園RPGハーベスト
シナリオ「チェックメイト(詰み)」
必須人数:3人
推定時間:6時間前後
推奨リベラルアーツ:ペネトレイト、スコープ、シンク、ララバイ、ミュート、チェンジアニマ
※大魔法【チェックメイト(詰み)】の使用想定アリ
◯今回予告
古今東西、いかなる戦いも最後には
主役が勝利するようになっている。
その戦いを語ることができるのは勝者だけであり
そして敗者は、それを否定する術をもたないからだ。
ゆえにこそ趨勢が決すると、こう、思ってしまう。
「この世界の主役は、きっと我々ではないのだろう。」
しかしたとえ、その戦いの行く末が見えていたとして
彼らは、戦地へ赴くことを止めはしない。
そうすることでしか、得られないものがあるから。
そうすることで、失われるものがあったとしても。
魔法学園RPGハーベスト
「チェックメイト(詰み)」
『決着を』-シロクロ- 付けよう、魔法の時間だ。
◯シナリオハンドアウト
PC1 コネクション:本郷 大和
推奨関係:憧れ/挑戦
指定クラス:工作魔導養成班
あなたはアマリリスのメンバーであり、階級はフィンガーだ。過去の活躍から、それなりに今後を期待されている。
あなたは今回、本郷が総指揮を執る作戦に偵察班のメンバーとして参加することになった。なんでも近々ハーベストのハンターたちによる大規模なクリーチャーハントが計画されているらしく、それを阻止・妨害するための作戦らしい。
これはかつて世話になった本郷に、自分の今の実力を示すチャンスに他ならない。
PC2 コネクション:グリズルド・ファジィ
推奨関係:友人/腐れ縁
推奨クラス:なし
あなたはアマリリスのメンバーであり、階級はナーブだ。過去に実行班長として作戦を成功させた実績もあり、アマリリス内での評価も悪くない。
あなたは今回、本郷が総指揮を執る作戦に偵察班の班長として参加することになった。アマリリスとハーベストの戦力差を覆すには奇襲を仕掛ける必要があり、そのために少数のメンバーで先行して敵の様子を伺うのがあなたたちの役割である。
また旧知の仲であるグリズルドも、違う班ではあるが作戦に参加するようだ。ただ、彼が他のメンバーと上手くやれるか、やや気がかりなところではある。
PC3 コネクション:ヴェーニス・ムーア
推奨関係:友人/利用
推奨クラス:なし(※ハーベスト、アマリリスのどちらでも可)
あなたは魔法学園ハーベストの学生だ。しかし実は、スパイとしてハーベストに潜入中のアマリリスのメンバーでもある。
あなたは今回、ハーベストのハンターたちによる大規模なクリーチャーハントの計画についての情報をキャッチし、秘密裏にアマリリスへ伝えることに成功した。だがその代わり、気がつけば学友のヴェーニスと一緒に、そのクリーチャーハントに参加するメンバーになってしまっていた。
これまでは何とか彼女やハーベストの目を欺き誤魔化してきたが、さすがに今回ばかりは厳しいかもしれない。
◯NPC情報
本郷 大和
アマリリスのメンバーにして工作魔導養成班のチーフであり、階級はオーガン。顔に×印の傷のある、黒髪の筋肉質の大男。
詳細は公式HP「ワールドパート」の「DS追加NPC」を参照。
グリズルド・ファジィ
アマリリスのメンバーであり、階級はフィンガー。長髪を無造作に束ねた目付きの悪い男性。
頭の回転が速く魔法の才能にも秀でているが、自分勝手な行動が多い問題児。
素行のせいでアマリリスにおいても孤立しがちであるが、PC2とは不思議と接する機会が多い。
ヴェーニス・ムーア
ハーベストの学生。褐色肌の活動的な女子生徒。
HSN(ハンターズソーシャルネットワーク)を活用してクリーチャーハントの依頼を数多くこなしており、フリードからの覚えも良い。
姉御肌で面倒見がよく、PC3のことも何かに付けて世話を焼こうとしてくる。
◯追加NPC情報
(以下の情報はシナリオ開始時点では開示しないでください)
スティーブ
アマリリスのメンバーであり、階級はナーブ。細いフレームの眼鏡をかけ、髪を短く刈り上げた男性。
ピースク=バリショーイ
ハーベストの教員。でっぷりと肥えた身体を 無駄に豪華で装飾の多い服装で包んだ、尊大な態度の男性教員。
オープニングフェイズ
シーン1:導入(PC1)
<登場キャラクター:PC1、本郷>
PC1と本郷大和の交流シーンです。
PC1は何らかの理由・用事(任務の報告、工作魔導養成班の訓練など)で本郷の部屋を訪れます。
PC1が部屋を訪れた理由・用事の内容に関して会話を交わし、交流してください。
交流の中でもしGMやPLが望むならば、本郷大和とPC1の出会いなど、PC1と本郷大和のコネクションのきっかけになった場面をPC1の回想として描写しても良いでしょう。
一段落したところで、「ところでこれは、まだ正式な任務の指示ではないのだが、」と断りながら、本郷は以下の内容をPC1に伝えます。
・近々、本郷が総指揮を執る少し規模の大きな作戦のメンバーとして、PC1が候補に挙がっていること
・ハーベストのハンターたちが黒き森で大規模なクリーチャーハントを行う計画があるらしく、それを阻止・妨害することが作戦の大きな目的であること
・そのクリーチャーハントはカース事件の解決のためなどではなく、完全に私的な狩りであること
・狩場となる辺りは何種類かのクリーチャーの巣があり、そこを荒らされると生態系が乱れ実際にハントされた数よりも多くのクリーチャーの暮らしに影響を及ぼすであろうこと
PC1から本郷への感情がポジティブなもの(コネクション:尊敬)である場合、上記の内容を伝えた後、本郷は「お前には期待しているぞ。」とPC1を激励します。
PC1から本郷への感情がネガティブなもの(コネクション:挑戦)である場合、上記の内容を伝えた後、本郷は「お前にはまだ荷が重いと思うが……まぁ正式にメンバーと決まった場合でも、決して無理はしないようにな。」とPC1の身を案じます。
シーン2:導入(PC3)
<登場キャラクター:PC3、ヴェーニス>
PC3とヴェーニス・ムーアの交流シーンです。
ある日の放課後、PC3はハーベスト校内で大規模クリーチャーハント計画についての情報を集めていると、ヴェーニスが通りがかり「おーっす!なんか探しものー?」とPC3に声をかけます。
PC3が何をしているのかについて会話を交わし、交流してください。
このとき話題がクリーチャーハントに関する内容になると、ヴェーニスは目を輝かせて「クリーチャーハントに興味あるのか!?だったら、ちょうどいい企画があるぞ!」と言って、以下の内容をPC3に伝えます。
・近いうちに「バリショーイ先生」が大規模なクリーチャーハントを主催すること
・詳しい内容は後日行われる参加者向けの説明会に参加しないと分からないらしく、参加申請がちょうど今日で締め切られること
PC3の反応に関わらず、上記の内容を伝えた後、ヴェーニスはPC3の分も参加申請を出してしまいます。
PC3が怒るなり渋るなりすると、ヴェーニスは「もしクリーチャーが怖いとかっていうなら心配すんなよ。こう見えてアタシは結構やれるハンターなんだぜ?まあ何事も経験だと思ってさ、軽い気持ちで参加してみてよ!」と言ってPC3を励まします。
シーン3:導入(PC2)
<登場キャラクター:PC2、グリズルド、本郷、スティーブ、PC1>
PC2とグリズルドの交流、及びPC1との顔合わせのシーンです。
今回の作戦に参加するアマリリスのメンバー(PC1、2やNPCを含めて20人ほど)が集められ、詳しい作戦内容ついて本郷が説明しています。
PC2が説明を聞いていると、隣からグリズルドが「よくそんな真面目に話聞いてられんなぁ。」と気怠げに声をかけます。
ある程度交流したところで、視点を本郷に移し、本郷が作戦内容を説明する様子を演出しながら以下の内容を説明してください。
・今回の作戦では、2~3人で構成される実行班、2~3の実行班で構成される分隊、2つの分隊で構成される小隊、という部隊構成を基本に行われること
・ハーベストの戦力の規模は正確には不明だが、少なくともアマリリスより多いため、奇襲をかける必要があること
・他の実行班とは別に本郷の直轄として偵察班を編成し、先行してハーベストのハンターたちの様子を伺い奇襲のタイミングを見計らうこと
・小隊長は本郷、分隊長はスティーブともう一人、偵察班の班長はPC2であること(GMはここで【追加NPCスティーブ】の情報を開示してください)
・グリズルドはスティーブ指揮下の実行班に属すること
・偵察班のメンバーは班長のPC2、PC1、フィンガーの男子の計3人であること
上記の内容を伝えた後、本郷はそれぞれの実行班、分隊で顔合わせをしておくように指示して退出します。
グリズルドは「オーガン直轄の班の班長なんて、さっすが期待のナーブ様じゃねぇかよ。」とPC2に対して悪態をつきながら「オレならそんな面倒な役割は願い下げだけどな。今回だって……オレはオレのやりたいようにやるだけさ。」と自身の班の顔合わせに向かいます。
その後はPC2とPC1(とフィンガーの男子)で、顔合わせ程度に自由に交流してください。
シーン4:参加者説明会
<登場キャラクター:PC3、ヴェーニス、ピースク、フリード>
大規模クリーチャーハントの参加者向け説明会のシーンです。
ヴェーニスに勝手に参加申請をされてしまってから数日後の放課後、やや大きめの講義室の真ん中辺りの席にPC3、ヴェーニスともう一人の女子生徒で並んで座っています。
総勢40人ほどが集まった講義室の前方では、一人の男性教員が今まさに教壇に上がったところです。
GMはここで【追加NPCピースク=バリショーイ】の情報を開示してください。
様子を眺めているとピースクは「えー、諸君。私の主催するクリーチャーハント会へようこそ!」と、まるで自分のことなど知っていて当然とでも言うかのように、自己紹介もせず高慢な態度で今回の企画の趣旨などについて語り始めます。
また、教壇の脇にはキザったらしい男子生徒が控えており、話の要所要所で大げさにうなずいたり感嘆の声を上げたりしているのが見えます。
その一方で、フリードが今回のクリーチャーハントの詳細をまとめたプリントを配布しています。
プリントには、以下の内容が記載されていることを説明してください。
・参加者を3つのグループに分け、その中で3~4人ごとにチームを作ること
・3つのグループはそれぞれピースク、フリードともう一人(教壇脇のキザったらしい男子生徒)がリーダーとして指揮を執ること
・黒き森の入り口から今回の狩場までの中間地点あたりに少し開けた場所(休憩地点)があるのでそこまでは全グループで移動、そこから各グループに分かれてハント開始すること
一通り語り終えると、ピースクは教壇脇のキザったらしい男子生徒に指示を出して、チーム分けを記載したプリントを配布させます。
プリントを確認すると、PC3はフリードのグループであり、PC3とヴェーニス、並んで座っていたもう一人の女子生徒の3人が同じチームになっていることがわかります。
ヴェーニスはそれを確認すると「いやぁ一緒のチームになれてよかったなぁ!……って、まぁ実はアタシがフリード先輩にお願いしたんだけど。そんなわけで、当日もよろしくな!」と言いながら、PC3にニカッと笑いかけます。
シーン5:会敵(side Black)
<登場キャラクター:PC1、PC2、本郷(回想)>
PCたち偵察班が、ハーベストのハンターたちが集まるという、黒き森の中にある少し開けた場所(休憩地点)の付近に潜伏しているシーンです。
PCたちが潜伏しながらも索敵、周囲の警戒、小隊長と通信などの活動をしていると、班員であるフィンガーの男子が「予定していた時刻からしばらく経ちましたが、ハーベストの連中はまだ現れませんね」と声を発します。
GMはここで、作戦開始より前にPC2と本郷が話すシーンを回想として描写しながら、以下の内容を説明してください。
・ハーベストに潜入中のスパイから報告があり、作戦当日のハーベストの行動予定がわかったこと
・しかしそのスパイがハーベスト側のハンターとして参加していること
・同士討ちを避けるためスパイの情報(PC3の名前など)をPC2には伝えておくが、機密情報のためあまり口外してはいけないこと
上記の内容を伝えた後、十数人ほどの集団が索敵に引っかかります(もしここでPCたちが小隊長と通信しようとした場合、調子が悪いのか通信が繋がらない、というような描写を入れてください)。
そしてその集団が、少しずつ予定のポイント(休憩場所)に近づいてきていることがわかります。
シーン6:会敵(side White)
<登場キャラクター:PC3、ヴェーニス、フリード、ピースク(回想)>
フリードのグループが、黒き森の中にある少し開けた場所(休憩地点)にたどり着くシーンです。
予定よりそこそこ遅れて休憩地点に到着し、この後の準備などをしながらヴェーニスと歓談していると、ふとヴェーニスが「しっかし、相変わらずバリショーイ先生は身勝手だよなぁ……やっぱアタシあの先生ちょっとニガテだわ……」と言います。
GMはここで、今この場にいるのがフリードのグループのみであることを伝えた上で、回想としてシーンを描写するなどしながら、以下の内容を伝えてください。
・休憩地点よりかなり手前で、ピースクが「クリーチャーの痕跡を発見した、これは大物の予感がする、私はこの痕跡を追うので後は任せた」と言って、グループごとの散開を指示したこと
・フリードは止めたものの「生徒会長の分際で私に楯突くのか?」とピースクは聞く耳を持たずに行ってしまったこと
・もう一つの(キザったらしい男子生徒の)グループも「こうなった以上2グループだけで固まっている意味もないし、我々もここで分かれてハントを開始する」と言ってどこかに行ってしまったこと
しばらく休憩していると、突然フリードが静かな声で「みんな、発動体の準備を。誰かがこちらの様子を伺っている。僕が魔法を発動したら、それを合図に戦闘態勢をとるように。」と指示してきた後、少し間をおいて「そこにいるのは誰だ!」と魔法を発動します(もしここでPC1、PC2が何か反応したそうであれば、魔法を放った方向はPC1、PC2が潜伏している場所とは真逆の方向であることを伝えてください)。
すると魔法が放たれた方から、黒いローブを纏って仮面を付けた10人ほどの集団が現れます。
フリードが「君たちは一体何者だ?」と問いかけると、黒いローブの人物は短く「我々は、アマリリス。」と答えた後、「フリード・フィリップス。お前に狩られたクリーチャーたちの仇を取りに来た。やるぞ、……PC3。」とPC3の方を見ずに言い放ちます(可能であればGMは、黒いローブの人物が『PC3の方を全く見ていない』ことを強調してください)。
その言葉を聞いて、ヴェーニスや他の学生たちはPC3の方を見、フリードも目の前の集団を警戒しながらチラリとPC3に目を向けます。
黒いローブの人物は「どうした、PC3。お前の任務は完了した。もう潜入の必要はない。ここでフリードを倒すんだ。」と更に言葉を続けます。
もしPC3がハーベストと戦う素振りを見せた場合、ヴェーニスが「嘘だろ……?PC3……。」と呟き、黒いローブの集団とハーベストは乱戦状態になります。
もしPC3がその場から逃げ出そうとした場合、ヴェーニスは「どこに行くんだ!PC3!」と叫びながらPC3を追いかけ、黒いローブの集団とハーベストは乱戦状態になります。
もしPC3が誤魔化したり黒いローブの集団と戦う素振りを見せたりした場合、GMはPC3に発動体を構えさせるよう仕向けてください。
ヴェーニスが「適当なこと言いやがって!アタシの友達を侮辱すんな!」と黒いローブの集団に対して火属性魔法(イグニッション等)を発動したところで、PC3は自分の足元に藁人形が転がっていることに気づきます。
そして次の瞬間、その藁人形から炎が吹き出しヴェーニスに襲いかかります。
PC3が発動体を構えていたこともあり、その様子は周囲からはPC3がヴェーニスを襲ったように見えます。
ヴェーニスはそれを間一髪で避けるも「PC3……?なんで……?」と信じられないものを見るような目をPC3に向けます。
それを皮切りにするかのように、黒いローブの集団とハーベストは乱戦状態になります。
シーン7:向かい合うは、友?
<登場キャラクター:PC1、PC2、PC3、ヴェーニス>
黒いローブの集団とハーベストが乱戦状態になってから、中間戦闘までのシーンです。
PC1たち偵察班は、先程の(シーン6の)一部始終を見ていました。
偵察班の面々は、突然現れた黒いローブの集団が、少なくとも今回の作戦に参加しているアマリリスのメンバーではないことに気づきます(根拠としては、あのような装備のメンバーは見たことがない、分隊にしては人数が多いし逆に小隊にしては人数が少ない、などで良いでしょう)。
またGMはここでPC2に、PC3の正体(スパイであること)について班員に説明するよう指示してください。
説明の後、シーン6でPC3が逃げ出していない場合は、班員であるフィンガーの男子が「であれば、PC3を助けた方が良いのではないでしょうか?」と提案します。
PC1やPC2が何らかの手段でPC3に逃げるよう指示する、またはPC3をその場から連れ去るなど、自由な演出でPC3を戦場から離脱させた後、PCたち全員を合流させてください。
シーン6で逃げ出しているなどPC3が既に戦闘から離脱していた場合、GMは先程の場所(休憩場所)から少し離れた辺りでPCたち全員を合流させてください。
そうしてPC同士で顔合わせのような短いやり取りをした後、PC3のチームの二人(ヴェーニスと女子生徒)が追いついてきます。
「……そいつらがお前の本当の仲間ってワケか? PC3。……友達だと、思ってたのに!」とヴェーニスが叫んで、中間戦闘に突入します。
【中間戦闘(ヴェーニス・ムーア、ハーベスト女子生徒)】
敵マップ配置:任意
シーン8:お前の色は何色だ
<登場キャラクター:PC1、PC2、PC3、ヴェーニス、グリズルド>
中間戦闘終了後、現在の状況について確認するシーンです。
女子生徒の発動体は既に壊れ、ヴェーニスの発動体もあと一撃受ければ壊れてしまうであろう状態ですが、ヴェーニスはPC3に対してまだ鋭い視線を向けています。
PCたちとやりとりしていると、突然ヴェーニスたちの背後から先程の黒いローブに仮面の人物が現れ、「まだこんなところにフリードの仲間がいたのか。」と言いながら襲いかかってきます。
黒いローブの人物は、ヴェーニスたちだけでなくPCたちも含めてフリードのグループの一員だと勘違いして襲いかかってくるため、PCたちはこれに対して自由に反撃して構いません(PCたちが反撃しない場合、ヴェーニスが最後の力を振り絞って反撃します)。
誰かが反撃すると、それによって黒いローブの人物の仮面が外れ、その顔を見ることができます。
その正体は、ハーベスト側のグループのリーダーの一人であり、参加者説明会(シーン4)でチーム分けのプリントを配っていたキザったらしい男子生徒です。
男子生徒は「チッ……正体を見られたからには、生かしてはおけないな。」と仮面を付け直し、ヴェーニスたちに発動体を向けます。
ここでGMはPC3に、ヴェーニスたちを助けるかどうか確認してください。
PC3が助けないことを選んだ場合、黒いローブの人物がヴェーニスに魔法を発動した隙をつく形で、PCたちにこの場を離脱させてください。
PC3が助けることを選んだ場合、PC3は(黒いローブの人物を倒さない程度に)自由に演出してヴェーニスたちを助け出すことができます。
その後、ヴェーニスたちと共にPCたちにこの場を離脱させてください。
(なお、もしPCたちが戦おうとした場合、GMは男子生徒の後ろから更に黒いローブの仲間がやってきていること、先程の戦闘の疲労もありこのまま戦えば全滅する可能性があること、ぶっちゃけここで戦われると話が進まないことを伝えてください。)
その後、男子生徒を振り切り一段落していると、グリズルドが現れます。
「PC2!……その様子、まさか何かと戦ったのか?」とPCたちの巻き込まれた状況について聞いた後、「しかしまぁ、ひとまずは無事みてぇで何よりだ。」と言って、PCたちに以下の内容を伝えます。
・アマリリスの各分隊は、元々予定していた地点からほぼ動かずに待機していること
・しかし何らかの妨害でも受けているのか通信が途絶しており連絡が取り合えないため、現在グリズルドは伝令役として動いていること
・その道中、狩りをしているハーベストのハンターたちを見かけなかったため、何か狙いがあるのか、ひょっとすると逆にアマリリスを奇襲しようとしている可能性があること
・これらのことから、アマリリスの中にハーベストと通じている裏切り者がいるかもしれないこと
以上の内容を伝えた後、「とにかく、今は現状をちゃんと把握する必要があるな。ったく七面倒臭ぇが……オレはオレでこのまま辺りを調べてみるぜ。」と言ってグリズルドは去っていきます。
シーン9:情報収集
<登場キャラクター:PC1、PC2、PC3、ヴェーニス(※シーン8で助けた場合のみ)>
このシーンのギミック:
このシーンでは、以下の条件のどちらかを満たした場合、GMは次のシーン(シーン10)へ進めてください(この情報はPLには公開しないでください)。
・情報収集を開始してから、PCたちの情報収集の手番が4巡する
・PCたちの情報収集の手番が1巡したタイミングで、情報項目「③漏洩した情報について」と「①-②混乱の原因について」を獲得済み(1巡するたびに確認)
◯情報項目
「①アマリリスの状況ついて」
現在、アマリリスの各実行班は混乱しており、ハーベスト襲撃のための連携が取れていない。
中には、あなたたち同様ハーベストのハンターと遭遇してしまった実行班もあるらしい。
しかし幸いにも、今のところはハーベストとアマリリスの間で大規模な戦闘には発展していないようだ。
情報項目「①-②混乱の原因について」を追加する。
「②襲撃者たちの正体について」
アマリリスを騙ってフリードのグループを襲った黒いローブの集団の正体は、今回の大規模クリーチャーハントに参加しているハーベストの学生であった。
更に調べると、その全員がピースク=バリショーイと親密な者たちであることが判明した。
情報項目「②-②ピースク=バリショーイについて」を追加する。
「③漏洩した情報について」
アマリリスを騙ってフリードのグループを襲った黒いローブの集団たちは、PC3の正体を知っていた。
加えて周囲を索敵したところ、フリード以外のグループが休憩地点付近にいないことからも、こちらの計画がバレてしまっている可能性は否定できない。
ということはグリズルドが言う通り、本当に今回の作戦メンバーの中に裏切り者がいるのかもしれない。
情報項目「③-②裏切り者について」を追加する。
◯追加の情報項目
「①-②混乱の原因について」
どうやらアマリリスの混乱は、「裏切り者がいるらしい」という噂が広まったことによって生じているようだ。
そしてその原因は、ずばりあなたたち(PCたち)にある。
「あなたたちが情報収集をしている」という事実それ自体が「裏切り者がいるのではないか」という疑念を生み出し、噂として広めていたのだ。
しかし、その混乱によってハーベスト襲撃のための足並みが揃わなくなったことにより、ハーベストの別働隊(フリード以外のグループ)は奇襲のタイミングを逃し、大規模な戦闘に至らずに済んだとも推測できる。
「②-②ピースク=バリショーイについて」
ハーベストの教員の一人。現実世界にも強い影響力を持つ人物らしく、彼に取り入ろうとする取り巻きの学生は少なくない。そして、そういった学生がフリード以外のグループのメンバーとして今回の大規模ハントに参加しているようだ。
ピースクはクリーチャーハントが趣味であり、自身が楽しむためにもっと好き放題にハントをしたいという欲望から、フリードが運営するHSN(ハンターズソーシャルネットワーク)の乗っ取りを目論んでいる。そしてどうやら今回の大規模ハントの中で、何とかフリードを排除あるいは失脚させようと画策していたようだ。
「③-②裏切り者について」
こちらの計画はともかく、ハーベストに潜伏していたスパイ――すなわちPC3の名前については、本来ならば本郷か分隊長しか知らないはずの情報である。
したがって本郷か分隊長の誰かがその名前を口外していた場合、それを聞いたメンバーの中に裏切り者がいると予想できる。
しかし、もし口外していなかった場合、本郷か分隊長の誰かが裏切っていると判断せざるを得ないだろう。
情報項目「③-③ある分隊長に関する報告」を追加する。
「③-③ある分隊長に関する報告」
分隊長の一人であるスティーブ(フルネーム:スティーブ・モブス)が、数名の班員に「もし(PC3の名前)という学生に出会った場合は即座に撤退しろ、間違っても戦闘はするな」と伝えていたことが判明した。
当人は注意の意味で言っていたようだが、勘のいい人間ならば先の指示からPC3がハーベストに潜入しているスパイであると推測することは不可能ではない。
そしてその注意を受けた班員の中には、グリズルド・ファジィもいたとのことだった。
シーン10:召集要請
<登場キャラクター:PC1、PC2、PC3、本郷、ヴェーニス(※シーン8で助けた場合のみ)>
今まで途絶えていた通信が復活し、本郷から連絡が入るシーンです。
本郷は普段よりやや早口に「無事か、お前たち。一体何があった?」と言ってPCたちの報告を聞き終えると、「……ひとまず状況は理解した。」「状況を整理し、態勢を立て直す必要がある。全実行班に召集をかけよう。お前たちもこれから指示する合流ポイントへ向かってくれ。」と指示を出します。
ここでGMは、以下の内容を説明した上で、PCたちに情報収集を継続するか終了するか選択させてください。
・情報収集を継続するか終了するかはPC全員でどちらかを選択すること(PC1だけ継続、というようなことはできない)
・情報収集を継続する場合、各PCは「バッドステータス:衰弱レベル1」を受けること
・以降、PCたちの情報収集の手番が1巡するたびに、情報収集を継続するか終了するか選択し、継続を選択するたびに「バッドステータス:衰弱」のレベルを1増加させること
PCたちが情報収集の終了を選択したら、GMは次のシーン(シーン10.5またはシーン11)へ進めてください。
シーン10.5:去りゆくは、敵?(※シーン8でヴェーニスを助けた場合のみ発生する)
<登場キャラクター:PC1、PC2、PC3、ヴェーニス>
PCたちが合流ポイントへ向かって移動を始める前、ヴェーニスたちと別れるシーンです。
「アタシたちがアマリリスの集合場所に行くわけにはいかないだろ。アタシたちは……ハーベストのハンターなんだから。」
「改めて、礼だけは言っとくよ。助けてくれてありがとな。でも、もしまたどこかで会うことがあったら……そのときは、敵同士だ。」
シーン11:ピースク=バリショーイの追撃命令(マスターシーン)
<登場キャラクター:ピースク、フリード>
ハーベストのハンターたちが集まり、これからどうするかについて話すシーンです。
PC3と同じチームだったヴェーニスたちを除けば、他には欠けているメンバーはいません。
ただし、フリードのグループとキザったらしい男子生徒のグループには、発動体を破壊されたり怪我をしている学生がチラホラと見受けられます。
フリードのグループは黒いローブの集団と乱戦状態になったものの、フリードの驚異的な強さに圧倒され、互いに何人かの発動体が壊れた辺りでそそくさと退散したようです。
また、キザったらしい男子生徒のグループもフリード同様アマリリスの襲撃を受けた、とリーダーは言っています。
一方でピースクのグループは、偶然遭遇した(本物の)アマリリスを(戦力差に物を言わせて)撃退して、これまた偶然発見したクリーチャーの巣で狩りを楽しんでいたらしく、それなりに機嫌が良くなっています。
そんな中、ピースクが「これからアマリリスの残党狩りを行う!」と言い出したことにより、フリードとピースクの口論が始まります。
フリード「バリショーイ先生、今なんと言いました?アマリリスを追撃!?危険です!」
ピースク「怖気づいたか、フィリップス。アマリリスなんぞにやられっぱなしでは、ハンターの面目に関わる。それに上手く行けば、逃げる連中を追ってやつらの拠点も突き止められるかもしれん。そうなれば手柄も手柄、大手柄よ!」
フリード「準備も万全でない今の状態で、アマリリスの追撃なんて無謀すぎます!そんなことより、行方不明になった生徒の捜索を……」
ピースク「そんなこととはなんだ!そもそも貴様らが襲撃などされるから、このような事態になっているのだ。私がその尻拭いをしてやろうと言うのだから、むしろ感謝するのが道理だろう!」
フリード「……!……しかし、生徒たちの中には怪我人もいます。せめて怪我人と、これ以上の戦闘を望まない生徒はハーベストへ戻すべきです。」
ピースク「そうしたいなら勝手にするがいい。ただし、ここで帰るような腑抜けた連中については、それ相応の評価をさせてもらう。無論、貴様もだからな、フィリップス!」
口論の末、彼らはフリード主導でハーベストに戻るグループ(怪我人と帰還を望む学生たち)、ピースク主導でアマリリスを追撃するグループ、そして行方不明になった生徒(ヴェーニスたち)を探す少人数のチームに分かれることになります。
それぞれ分かれた後、キザったらしい男子生徒は「こちらの数が半数ほどになってしまいましたが……大丈夫でしょうか?」とやや不安げにピースクに質問します。
それに対してピースクは「案ずるな、既にもう罠は張ってある。もう一狩り、楽しもうではないか。」と下品にほくそ笑みます。
シーン12:本郷大和の撤退宣言
<登場キャラクター:PC1、PC2、PC3、本郷、スティーブ>
アマリリスのメンバーが集まり、これからどうするかについて話すシーンです。
PCたちが合流ポイントにたどり着くと、本郷はPC一人ひとりに労いの言葉をかけます。
ひとしきり話した後、PCたちが辺りに視線を向けると、作戦に参加していた他のメンバーたちは、グリズルドを除いて既に全員揃っていることがわかります(情報項目「③-③ある分隊長に関する報告」を獲得していない場合など、PCたちがグリズルドについて質問された場合、スティーブの口から「ヤツとは……しばらく前から連絡が取れていないんだ」と説明してください)。
しかしそのほとんどがひどく消耗しており、中には発動体が壊れて怪我をしている者もいます。
そうこうしていると、本郷がその場にいる全員に向けて話し始めます。
「お前たち聞いてくれ。」
「作戦は失敗した。我々の、敗北だ。」
「奇襲は成らず。敵の活動を阻むことも叶わず。そして護衛対象であった巣の幾つかは、奴らの侵入を許してしまったようだ。」
「無念だが、これ以上この戦場に留まる理由はない。」
「現時刻をもって状況を放棄。これより我々は、この戦場を離脱する。」
「離脱に際して、おそらくハーベストからの追撃は免れないだろう。よって、小隊規模での撤退は行わず、実行班単位で退却を行う。少しでも敵を撹乱し全滅を避けるため、各班長の判断のもとアマリリスへ帰還せよ。」
本郷が作戦内容を伝え終えると、失敗、敗北という言葉に反応してか、小隊の中に沈痛な空気が広がります。
それを確認すると本郷は、小さく息を吐いて、静かな調子で語り始めます。
「……この世界の主役は、きっと我々ではないのだろう。」
小隊の中にどよめきが走るが、構わずに本郷は言葉を続けます。
「この世界においてはハーベストこそが秩序であり、我々は所詮、それに抗う獣に過ぎない。」
「だが。」
「悲嘆することはない。」
「奴らが秩序をもって我々を排し滅ぼそうとするならば。」
「獣らしく、それに抗ってやろうじゃないか。」
本郷はここで言葉を切り、班員たちの顔を見渡した後、今度は力強い声音で語り始めます。
「ここからは撤退戦となる。そう、撤退『戦』だ。俺たちの戦いは、まだ終わっちゃいない。」
「俺からお前たちに下す命令は一つ。」
「生きろ。」
「獣の命を軽んじるような連中なんかのために、絶対に死んでなどやるんじゃない。」
「俺たちがただやられるだけの存在ではないと、奴らに身を持って味あわせてやろう。」
「忘れるな、ここは戦場だ。」
「断じて、断じて!お前たちの死に場所などではない!」
「この世界の主役が、たとえ我々ではなかろうと!」
「今ここからの戦いの、この物語の主人公は、間違いなく我々なのだから!」
ここまで言うと本郷は、先程までとは違って士気を取り戻した、あるいは最高潮に達したメンバーの様子を見て満足そうに頷いた後、挑戦的な笑みを浮かべながらこう締めくくります。
「もう一度言う。」
「必ず生きて戻ってこい、これは命令だ。心配するな、お前たちならやれる。俺がそれを信じている。」
シーン13:クルドサック
<登場キャラクター:PC1、PC2、PC3>
実行班ごとに撤退をし始めるシーンです。
あの後本郷の指示で、アマリリスのメンバーは怪我人などを考慮して、撤退用に実行班を再編成されました。
その結果PCたち3人が新たな実行班となり、偵察班で同行していたフィンガーの男子は別の実行班となりました。
お互いに激励しあって別れた後、クルドサックを開始します。
このシーンのギミック:
本シナリオのクルドサックではGM及びPLが望むならば、クルドサックの判定に2人以上が成功した場合、「ボーナス」と記載された効果をPCに適用しても構いません。
◯クルドサック
クルドサック1「逃走ルートの決定」
リベラルアーツ「ペネトレイト」「スコープ」「シンク」
ペナルティ「バッドステータス:怯みレベル1」
ボーナス「グッドステータス:加護レベル1」
クルドサック2「戦場からの脱出」
リベラルアーツ「ララバイ」「ミュート」「チェンジアニマ」
ペナルティ「5点のHPダメージ」
ボーナス「グッドステータス:神速レベル1」
クルドサック3「追手への反撃」
リベラルアーツ「(全てのリベラルアーツ)※要演出」
ペナルティ「TPを2点減少」
ボーナス「グッドステータス:憎悪レベル1」
シーン14:醜い白とねずみ色
<登場キャラクター:PC1、PC2、PC3、ピースク、グリズルド>
追撃を振り切り、黒き森を抜けて、PCたちは渓谷に突入します。
GMは、この渓谷を抜ければ見通しの良い場所に出るため、その先は追手の奇襲を警戒しなくて済むようになることを伝えてください。
しかしPCたちが渓谷を進んで行くと、途中で道が明らかに人為的な落石により塞がっています。
PCたちが困惑していると、「ぶっひゃっひゃっひゃ!袋のネズミだな!」と、PCたちの背後から下品な笑い声と耳障りな声が聞こえてきます。
PCたちが振り返ると、ピースクと十数人ほどのハーベストの学生が、PCたちを追い詰めるように現れます。
ピースクはひとしきり笑ってからPCたちを見ると、キョトンとした表情で「うん?貴様らだけか?他の獲物は?」と辺りをキョロキョロと見回して、「……まあよい。いやしかし追い詰め得られた獲物を見るのが、やはり狩りの一番の醍醐味だ、貴様らもそう思わんかね?……ああ、狩られる獣の側である貴様らは、感じたことのない感情だったかな?」「おおっと失敬、自己紹介が遅れたな。私はピースク=バリショーイ。」と下卑た笑いとともに語りかけてきます。
ここから一通りPCたちと言葉の応酬をした後、頃合いを見てグリズルドを登場させます。
ピースク「そうそう、もう一人紹介しておこう。私の優秀な駒の一人にして貴様らを売った卑劣なネズミ……グリズルドだ。」
グリズルド「……そういうこった。悪かったな、騙しててよ。」
ここでPCたちが、グリズルドに対して何故裏切ったのか、いつから裏切っていたのかなどを問うた場合、以下のセリフを参考に自由に演出してください。
「さぁて、いつからだったか……よく覚えてねぇけど……少なくとも、今回の作戦の話を聞かされるよりは、ずぅっと前からさ。」
「最初に言ったろ?オレはオレのやりたいようにやるだけだ、ってな。」
「最初アマリリスは、自由な場所なのかと思ってたけどよ。……そうじゃあなかった。上手く言えねぇけど……アマリリスの色は、オレにはちょっと濃すぎたのさ。」
「……何が最善だったかなんて、今もまだ分かんねぇけど。集団だとか、組織だとか……そういう、何かに染まるのはニガテなんだ。もっとみんな自由に、テキトーに、曖昧にやっても良いんじゃねぇのかと、オレぁそう思うわけよ。」
一通りPCたちと会話をしたところで、ピースクがグリズルドに話しかけます。
ピースク「しかしグリズルドよ、この道ならアマリリスを一網打尽にできるとか言ってなかったか?まさかこれで全員ではあるまい?」
グリズルド「……あー、どうも、読まれてたのかもッスね。」
ピースク「ふん、つまりこいつらは囮か。少々物足りん気もするが、まぁ良い。」
ピースク「この状況を見るに、貴様らは指揮官に恵まれなかったようだな?」
ピースク「自分が生き残るために部下を犠牲にするとは、獣の割には頭を働かせたようだが……いや全く気の毒な話だ、私なら貴様らのような駒ももっと『活か』せただろうに!」
ピースク「しかし残念!これで貴様らは『チェックメイト』だ!ぶっひゃっひゃっひゃ!」
【大魔法「チェックメイト(詰み)」の使用想定】
(GMはPC1に、ピースクとグリズルド以外は一網打尽にして構わないこと、ついでに道を塞ぐ落石も好きなようにして構わないことを伝えてください。)
PC1の大魔法に対して、ピースクとグリズルドだけはそれぞれ発動体(指揮棒くらいの大きさの杖と宙に浮かせたチェスボード、五寸釘と藁人形)を構えて身を守ることに成功します。
ピースク「ぬぅ!窮鼠猫を噛むとは言うが、なかなかどうして生きの良い獲物ではないか!気に入らんな、すぐに殺してやる!」
グリズルド「……シロクロ、つけようか。」
【最終戦闘(ピースク=バリショーイ、グリズルド・ファジィ)】
敵マップ配置:
↑前
┌―┬―┬―┐
│ │ │ │ ★ ← ピースク
├―┼―┼―┤ ☆ ← グリズルド
│ │★│☆│ ● ← ポーンモノリス(戦闘開始時点での耐久値:10)
├―┼―┼―┤
│●│ │●│
├―┼―┼―┤
│ │ │ │
├―┼―┼―┤
│ │ │ │
├―┼―┼―┤
│ │ │ │
└―┴―┴―┘
↓後
このシーンのギミック:
GMはPC1に、この戦場はPC1の大魔法によって整えられたものであることを伝え、以下の条件に従って戦闘開始時にトラップを設置できることを伝えてください。
・大魔法「チェックメイト(詰み)」を使用している :+2個
・情報を獲得した数
0~3個 :+0個
4~5個 :+1個
6~7個 :+2個
シーン15:幕引き
<登場キャラクター:PC1、PC2、PC3、ピースク、グリズルド>
戦闘終了後、ピースクは「屈辱だ……!獣ごときに遅れを取るなど……!覚えておれ……絶対に許さんからなぁ……!」と言いながら逃げようとします。
PCたちが何もしなければ、ピースクはなんとかしてその場を離れ、シーンから退場します。
もしPCたちがそれを阻んだ場合、ピースクは「き、貴様らまさか……私を殺すつもりか……?そんなことをしようものなら、私の周りの連中が黙ってはいないぞ!?分かっているのか!?私はピースク=バリショーイだぞ!」とPCたちを威圧します。
それでもPCたちがピースクに何かしようとした場合、ピースクは「わ、悪かった、もう今後貴様らには手を出さん!クリーチャーを狩ったりもしない!だから頼む、い、命だけは!命だけはぁぁぁ!!」とPCたちに惨めったらしく命乞いをします。
いずれにせよ、最終的なピースクの生殺与奪はPCたちが決めてください。
一方、グリズルドはその様子をつまらなさそうにただ眺めているだけで、これ以上何かをする素振りはみせません。
PCたちがグリズルドを殺そうとした場合、抵抗することなくそのまま倒れます。
PCたちがグリズルドに対して何もしない場合、グリズルドは「……いいのかよ、オレを殺さなくて。」とPCたちに声をかけます。PCたちの返答が何であれ、グリズルドがPCたちに対して礼を言うことはありません。自由に悪態をついた後「……フン。」と鼻を鳴らして言葉を発さなくなります。
もしPCたちがグリズルドをアマリリスに連れ帰ろうとした場合、「オレはお前らを裏切ったんだ。そんなオレが、どの面下げてアマリリスに戻れるってんだよ。」「何よりそんなヤツを受け入れるような場所、オレはまっぴらごめんだね。」と言ってPCたちから距離を取った後、大魔法「チェックメイト(詰み)」を発動します。グリズルドは「あばよ、PC2。これでようやく、やりたいようにやっていけるぜ。」と言い残し、落石に巻き込まれる、地割れに飲み込まれるなど自由な演出で姿を消します。
いずれにせよ、原則としてグリズルドがアマリリスに生きて戻ることはありません(ただし、PC2がどうしてもグリズルドとのエンディングを望む場合、または誰かが何らかの【大魔法】の裏効果を使用した場合は、そのPCが望むよう自由に演出してください)。
シーン16:エンディング(PC3)
<登場キャラクター:任意>
各自で自由に演出してください。もしPC3やGMが望むならば、ヴェーニスをアマリリスに加入させても構いません。
シーン17:エンディング(PC2)
<登場キャラクター:任意>
各自で自由に演出してください。もしPCたちがグリズルドにとどめを刺しておらず、かつPC2やGMが望むならば、グリズルドがどこかで生きていることにしても構いません。
シーン18:エンディング(PC1)
<登場キャラクター:任意>
各自で自由に演出してください。もしPC1やGMが望むならば、PC1の階級をナーブに昇格させても構いません。
◯エネミーデータ
「ヴェーニス・ムーア」
※公式HP「ダウンロードパート」のサンプルキャラクター「火と地の哲学者」のデータを使用してください。
※ただし、大魔法は取得していないものとして扱ってください。
「ハーベスト女子生徒」
※公式HP「ダウンロードパート」のサンプルキャラクター「風と光の決闘者」のデータを使用してください。
※ただし、大魔法 及び 発動体効果は取得していないものとして扱ってください。
「ピースク=バリショーイ」
主体属性:地・風
大魔法:
「テスタメント(神の存在証明)」
表:アクションフェイズの発動ダイスを5個増やす。また、敵はこれに対するリアクションフェイズに魔法を発動できない。
「アスタリスク(小さな星)」
表:戦闘空間に存在する全てのオブジェクトを自分の好きな場所に配置できる。
能力値「アクション:7」「リアクション:6」「リベラル:5」
攻:5 防:0 HP:80 TP:40 SS:6 移動:1
特技:
「なぜ俺がこんな馬鹿に負けなきゃいけないんだ?」消費TP4 種別R
魔法攻撃の発動者が受けている全てのグッドステータス及びバッドステータスを同じレベルで取得する。その後、魔法攻撃の発動者が受けている消去可能な全てのグッドステータスを消去し、魔法攻撃の発動者が受けている回復可能な全てのバッドステータスを回復する。
「心優しいものにチェスはできない。」消費TP5 種別R
自分の周囲1マスに存在するキャラクターでないオブジェクトを全て選ぶ。選んだオブジェクトの現在の耐久値を合計した値の半分を防御力に加算する。選んだオブジェクトを全て破壊する。
「その目的は相手の精神を砕くことだ。」消費TP10 種別A
自分のTPを10回復する。その後、味方全員のTPを5回復する。
魔法:
A「オリジン」X
発動タイミングの好きなダイス1つの出目を+1及び-1できる。
R「アイリス」X
発動タイミングの好きなダイス1つの出目を+1及び-1できる。
A「ハーベストムーンA」123456
攻撃力+20、さらにこの魔法の発動確定後、この発動タイミングにおける全ての発動ダイスをもう一度振る。また、この発動タイミングではもうハーベストムーンは発動できない。※オリジンと同時に使用することはできない。
【アクションマジック】
A「グランドリザレクト」地1光1
攻撃力+1、さらに自分のいるマスを地形:聖域レベル1に変更する。
A「グラビティゾーン」地1闇1
攻撃力+1、さらに攻撃範囲のマスを地形:重力場レベル1に変更する。
A「エアロスプラッシュ」水1風1
攻撃力+1、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更する。
A「デモンズサーキット」風1闇1
攻撃力+1、さらに自分にグッドステータス:俊足レベル1を与える。
A「フォールモノリス」地3
攻撃力+5、さらに戦闘空間のオブジェクトの存在していない好きな2マスにオブジェクト:モノリスを召喚する。
A「エアロブラスト」風3
攻撃力+5、さらに攻撃範囲に自分の前、左右1マスを追加し、対象を別のオブジェクトに衝突するまで前方向に移動させる。
A「ブレイクエンドボム」地1火1風1
攻撃力+4、さらに攻撃範囲に2マス前方とその周囲全方位1マスを追加する。
A「ダークネスグレイズ」地1風1闇1
攻撃力+3、さらに対象を別のオブジェクトに衝突するまで前方向に移動させる。また、この発動タイミングの終了時、戦闘空間の一番前の横列のマスにいるオブジェクトに3点のダメージを与える。
A「レイフォールゲート」風1光1闇1
攻撃力+3、さらに戦闘空間上の好きなオブジェクトの1マス前方または1マス後方に移動する。
A「ブラックホール」風3闇1
攻撃力+7、さらに戦闘空間の好きな1マスを選び、全てのオブジェクトをそのマスに移動させる。また、この魔法の発動中、味方は衝突のダメージを受けない。
A「メテオインザケイジ」地3火1
攻撃力+7、さらに戦闘空間のオブジェクトの存在していない好きなマスに好きな数だけオブジェクト:プロミネンスを召喚する。
A「カオスオブアンビバレンス」地1闇3
攻撃力+9、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスと、前方5マスに固定し、この発動タイミングで、魔法のコストとして使用したマナの数だけ攻撃力を上げる。
A「セカンダリーオブザダフトプリズン」地5
攻撃力+10、さらに次の自分のアクションフェイズでの発動ダイス数を2倍にする。ただし、大魔法で増えたダイスは除いて2倍にする。この効果は重複しない。
【リアクションマジック】
R「デモンズナックル」風1闇1
防御力+1、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル1を与える。
R「ダムクリエイション」地1水1
防御力+1、さらにこのリアクションフェイズ終了後、自分の前後左右1マスのオブジェクトが存在していない好きなマスにオブジェクト:カタラクトを召喚する。
R「ポルターガイスト」地1風1
防御力+1、さらに魔法攻撃の範囲にいない敵以外のオブジェクトを前後左右の好きな方向に1マス移動させる。
R「ロックガード」地3
防御力+5、さらに魔法攻撃の攻撃力を3点減らす。
R「テラフォーミング」地1光1闇1
防御力+4、さらにオブジェクトの存在していない自分の右前、左前、左後、右後のマスにそれぞれオブジェクト:モノリスを召喚する。
R「ウィンドアブレージョン」地1風3
防御力+7、さらに戦闘空間にあるキャラクター以外のオブジェクトを好きなだけ破壊するか、好きなマスに移動させることができる。
【エンハンス】
R「イグニスファトゥス」地1火1風1
防御力+1、さらに魔法攻撃の範囲にいない敵以外のオブジェクトを前後左右の好きな方向に1マス移動させる。「ポルターガイスト」の効果発動前に、戦闘空間の好きな1マスにオブジェクト:ジャックオーランタンを置く。
R「エンタードキャッスル」地4
防御力+5、さらに魔法攻撃の攻撃力を3点減らす。戦闘空間の最後列の中から1マス選び、オブジェクト「ポーンモノリス」を置く。
R「メタリックルーク」地3光1
防御力+5、さらに魔法攻撃の攻撃力を3点減らす。戦闘空間の好きな1マスにオブジェクト「シールドモノリス」を置く。
R「アイアンビショップ」地3闇1
防御力+5、さらに魔法攻撃の攻撃力を3点減らす。戦闘空間の好きな1マスに、オブジェクト「フォースモノリス」を置く。
「グリズルド・ファジィ」
主体属性:火・風
大魔法:
「チェックメイト(詰み)」
表:戦闘空間にトラップを3つまで即座に設置する。
裏:自分が今置かれている状況に対する何らかの仕掛けを設置したり、必要な物を作りだすことができる。
(※シーン15での使用を想定しているため、戦闘では使用しないでください)
能力値「アクション:5」「リアクション:5」「リベラル:4」
攻:1 防:2 HP:40 TP:15 SS:3 移動:1
発動体効果:
移動タイミングを消費することで、戦闘空間上にオブジェクト:デコイを1つ置く。
特技:
「ブービートラップ」消費TP2 種別A
戦闘空間にトラップを1つ設置する。
「エンゲージ」消費TP3 種別A
このアクションフェイズでの準備タイミングを追加で2回行う。ただし、他の準備タイミングの回数が増える効果が発動しているとき、この特技は使用できない。1ラウンドに1回まで使用可能。
「スピードカメラ」消費TP2 種別R
このリアクションフェイズを発生させた魔法攻撃による全ての処理終了後、戦闘空間にトラップを1つ設置する。
魔法:
A「オリジン」X
発動タイミングの好きなダイス1つの出目を+1及び-1できる。
R「アイリス」X
発動タイミングの好きなダイス1つの出目を+1及び-1できる。
R「フォボス&ダイモスR」123456
防御力+20、さらにこのシナリオの間、「特殊特技:七つの大罪」または「特殊特技:八つの枢要罪」の中から1つを選択し取得する。※既に特殊特技を取得している場合は、その特殊特技を別の特殊特技に変更することができる。※特殊特技は1つのキャラクターにつき、1つしか取得できない。(特技を変更することは可能である)※オリジン及びアイリスと同時に使用することはできない。
【アクションマジック】
A「タービュランス」風2
地・水・火・風・光・闇の中から好きな属性のマナを1つ発生させる。
A「エアロスプラッシュ」水1風1
攻撃力+1、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更する。
A「ファイアボール」火1闇1
攻撃力+2、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル1を与える。
A「フレイムボルト」火1光1
攻撃力+2、さらに自分のTPを1点回復する。
A「スパイクホライゾン」水2風1
攻撃力+3、さらに攻撃範囲に戦闘空間の好きな2マスを追加する。
A「プラズマカノン」風1光2
攻撃力+6、さらに攻撃範囲を前方5マスに固定する。
A「ブレイブフェニックス」火1風1光1
攻撃力+4、さらに攻撃範囲を好きな縦列1つに変更し、その列上のオブジェクトは別のオブジェクトに衝突するまで前方向に移動する。
【エンハンス】
A「ソーラーイクリプス」地1火1光1
攻撃力+2、さらに自分のTPを1点回復する。敵全体に2点のダメージを与え、味方全員のTPを2点回復する。
【リアクションマジック】
R「リフレクトフレア」火3
防御力+5、さらに魔法攻撃の発動者に4点のダメージを与える。
R「ルージュリペル」火2闇1
防御力+3、さらに魔法攻撃の発動者以外のオブジェクト1体に5点のダメージを与える。
R「ダークフィラメント」火1風1闇1
防御力+3、さらに自分にグッドステータス:焔刃レベル1とグッドステータス:鼓舞レベル1を与える。
R「アルティメイタム」水1火1闇1
防御力+3、さらに魔法攻撃の発動者にバッドステータス:毒レベル2を与え、自分にグッドステータス:鼓舞レベル1を与える
R「ビヨンドザリベンジ」火4
魔法攻撃の攻撃力と同じだけのダメージを魔法攻撃の発動者に与える。
R「スカイスクレイパー」風1闇3
防御力+7、さらに自分にグッドステータス:飛行レベル2を与える。
R「アンジェロオンザピン」火1光3
防御力+8、さらにこのリアクションフェイズの終了後、魔法攻撃の発動者に5点のダメージを与え、1マス移動させる。
【エンハンス】
R「スカーレットコスモス;swordbrave」火4
防御力+5、さらに魔法攻撃の発動者に4点のダメージを与える。自分にグッドステータス:焔刃レベル2を与える。
R「デモンズスピア」火3闇1
防御力+5、さらに魔法攻撃の発動者に4点のダメージを与える。魔法攻撃の発動者に、自分のSS値と魔法攻撃の発動者のSS値の差分ダメージを与える。
R「スニーキングスナイプ」地1火3
防御力+5、さらに魔法攻撃の発動者に4点のダメージを与える。敵1人に6点のダメージを与える。