君の奇跡を証明せよ ~Show me your testament~

目次

シナリオ概要

魔法学園RPGハーベスト
「君の奇跡を証明せよ ~Show me your testament~」
推奨人数 3人
推定時間 6~8時間くらい(戦闘は1回)
推奨リベラルアーツ ルクス、キュア、ペネトレイト、ステルス、テレポート、サーチ、ミュート、シンク、オペレイトエルフ、オペレイトゴブリン

今回予告
古来より人は、普通なら起こりえない事象や偶然起こった良い事象などを「奇跡」と呼んだ
その奇跡があちこちで起こったなら?
その奇跡に等価交換が生じたなら?
それは奇跡と言えるだろうか

魔法学園RPGハーベスト
「君の奇跡を証明せよ ~Show me your testament~」

君の思う奇跡を証明して、奇跡を壊して見せてよ

シナリオハンドアウト

PC1 コネクション ミラ
推奨関係 疑念/興味
指定クラス 杖魔導学科(大魔法使用想定あり)
君は魔法学園ハーベストの学生だ。
ある日君は、ミラという見知らぬ少年に声をかけられる。
奇跡の使いと名乗る彼は「ちょっとした奇跡を起こしてあげようか?」と君に持ちかける。理由は何であれ君は断るも、周囲の生徒らには確かに奇跡のような事象が起こっていた。

PC2 コネクション ユアン・オルグレン
推奨関係 ライバル/腐れ縁
君は魔法学園ハーベストの学生で、ユアンのライバルだ(または、一方的にライバル視されている)。
勝負を挑まれる度に君が勝っていたのだが、ある時君は彼に負かされる。一度だけでなく何度も。
しかし、徐々に彼に異変が起こり始める。

PC3 コネクション イマヌエル・カント
推奨関係 自由
君はカース特別対策委員会に所属している。
近頃、学内では妙な現象が見られている。成績の悪かった生徒が急に好成績になったり、幸運が毎日のように舞い込んだりと、まるで奇跡ともいえるような現象がそこかしこで起こっている。
そんな中、カントから依頼を受ける。「学内で起きている奇跡の正体を突き止めてほしい」と。

NPC
ミラ
年齢:14歳  出身:魔導次元 性別:男
役職:「奇跡の使い」
PC1に接触してきた少年。半分が灰がかった長い銀髪を持つ。
ハーベストや城下町周辺にて奇跡を起こして回っているようだが…

ユアン・オルグレン
PC2をライバル視している機械魔導学科代表生。
詳しくは公式サイトのNPC一覧を参照。

イマヌエル・カント
杖魔導学科主任講師でカース特別対策委員会最高責任者。
詳しくは公式サイトのNPC一覧を参照。

※独自設定を含みます
また、GM情報にて有償サプリ「XZ(クロス・ゾーン)」の内容を含みます

ミラ ビジュアルはこちら↓

シナリオ本文

シーン1 奇跡の使い PC1 (シーン1.5の3~4日前くらい)
ある日、PC1が学内を歩いていると長い銀髪の見慣れぬ少年が君を目に止める。
君に近づいてくると開口一番に、
「ねえ君、ちょっとした奇跡を起こしてあげようか?」
と話しかけてくる。
(君は?)「僕はミラ。奇跡をもたらす奇跡の使いさ。というわけで奇跡が欲しいなら叶えてあげるけれど。」
(例えばどんな奇跡?)「そうだね…例えば君達学生ならもっと魔法が上手くなりたいとか、試験でいい点を取りたいとか、生活の中で幸運がたくさん舞い込んでほしいとか…あまり大規模な物や大きく他人に作用する物は叶えられないけどね。」
(PC断る)
「え?いらないのかい?どうして?」
ミラは首を傾げて君に問う。
「へえ、なるほど。君はそういう考えなんだね。それなら別にこちらも無理強いはしないよ。」
ミラはそう言ってやれやれと肩をすくめると、その場から踵を返して去ろうとする。
「それじゃあ…おっと、君の名前を聞いていなかったね。君の名前を教えてくれるかい?」
「PC1っていうんだ。いい名前だね。それじゃあまたどこかで会えるといいね、PC1。」
ミラは手をひらひらと振りながらどこかへと去って行った。

シーン1.5 奇跡は確かに PC1 1.5、2、3は同日
ミラとの出会いから数日程経った頃。
食堂で昼食を取っていた君に、周りの噂話が否が応でも耳に入ってくる。

「私この間奇跡の使いに会ったの!成績ピンチで絶対点取らなきゃいけない小テストあってさ~、もっと勉強できるようにしてって頼んだら本当にいい点取れたんだ!」
「僕は毎日良い事が起きるようにしてってお願いしたんだ。そしたら購買で売ってる限定100個の濃厚クリームパンが買えたり、自販機で当たってもう1本出たり…今日なんか、前に応募してたキャンペーンに当たって推しのサイン色紙もらえるんだ~!」
「何それうらやまし~!うちの所にも来ないかなぁ~、その奇跡の使い様。」

そんな噂が周囲からちらほら聞こえるだろう。
隣で一緒にご飯を食べている友人がその噂を聞いて君に話しかけてくる。
(友人の口調や性別は好きなように変えてください、なんならGMのキャラ客演してもOK)
「なんか最近噂になってるよな、奇跡の使いだっけ。」
「PC1はもし会えたら奇跡もらおうとか考えてたり?」
(この間会った)「会ったの!?マジで!?どんな感じだった!?」
「そっか…実在してるし効果もあるみたいだから、噂は本当なんだな…」
「あ、俺はもうちょい様子見かな。すぐ飛びつくのはちょっと危なそうだし。」

シーン2 ライバルとの日常 PC2
君はグラウンドで魔法決闘の授業を受けている。
「それでは授業を始めます。皆さんそれぞれ、好きな人と魔法決闘をしてくださいね。何かあれば僕に言ってください。それでは始め。」
先生がそう言うと生徒達は各々好きに魔法決闘を始める。
そしてこの授業で、決まって君にかけられる声が1つ。
「おいPC2、僕と魔法決闘をしろ。」
後ろからそんな聞き慣れた声と台詞が聞こえる。
振り向くとそこにはユアン・オルグレンがスマートフォン片手に仁王立ちしていた。
「君に魔法決闘を申し込む。今日こそはお前を破ってやるんだからな!!」
ユアンはビシッと人差し指でPC2を指さす。君にとっては見慣れた光景だ。
「じゃあ早速始めようか。」
(PC2とユアン、魔法決闘
PC2が勝つ事)

「はいそこまで、皆さん切りのいい所で決闘をやめてください。」
先生の一声で君たちも含め、学生らは1度先生の元に集まりそして終了の挨拶をして自由解散となった。
「クソっ…また僕の負けか…」
ユアンは少し動きが悪くなったスマートフォンを握りしめて悔しげに言う。
「なんでこうにもお前に勝てないんだ…?」
そう眉を顰めて言った後、ユアンは再び君を指さして
「次は絶対にお前を破って吠え面かかせてやるんだからな!覚えてろよ!」
といういかにもな捨て台詞を叩きつけて去ろうとする。
(PC2が一緒にご飯食べたいとか勉強したい場合は1回断ってからなんやかんや丸め込んでください、「反省会しよう」とか「勉強法知りたい」とかで割といけると思います)

去り際にユアンの耳にだけ確かに聞こえた物があった。
「あいつPC2に負けてばっかりだけど、あれで本当に代表生?」
その些細な言葉は、彼の中の焦りを僅かながら加速させた。

シーン3 噂話 PC3
君は教室で授業を受けている。
座学と実技の両方を重視する授業で、座学の途中に実技が入る事も多い。
「それでは魔法の実技をしてもらおうか。今日は…君、いけるかな?」
「え、は、はい…」
指名された学生は君もいくらか知っている。あまり魔法が上手くない学生だ。
彼はどこかカチカチになりながら前に出る。
「それでは実演をお願いします。」
先生がそう言うと、学生は(発動体)を構えて魔法を放った。
(任意のレベル4魔法を放つ
ここの学生の性別とか発動体とかレベル4魔法はなんでもOKです)

普段なら撃たないような魔法を撃った事で周囲の生徒らも驚く。
「おお、すごいですね。皆さん、彼(彼女)に拍手を。」

授業後、その学生は何人かの学生から絡まれていた。
「お前、いつの間にあんなに魔法上手くなったんだよ!」
「なんか独特の勉強とか特訓とかした?」
「え、えと…」
学生はたじろいでいる。
「あ、もしかしてアレ?噂の奇跡の使いってやつ?」
「…はい…」
「マジで!?って、ほんとにいたのか奇跡の使い!出会った人に奇跡をくれるっていうあの!」
「おいどこで会ったんだよ!教えろよー!」
質問攻めにあい、学生はしどろもどろになっている。
(PC3も聞きに行っていい、この場合学生は
「ミラという名前で、長い銀髪の男の子だった。
もっと魔法が上手くなりたいと頼んだらエンジェルチャームというものを渡され、これを持った時から本当に魔法が上手くなった」と教えてくれる)

シーン4 使いとの再会 PC1 シーン1.5~3から3日後くらい
PC1は城下町で、授業に使うマナ計測装置を買いに来ていた。
(魔法を撃ったらマナがどれくらい含まれているか計測するもの、サイズはスマートフォンよりちょっと大きめくらいで真ん中より少し上くらいにメーターがついている)
無事に買えてしばらく城下町を回っていた時、PC1は見知った長い銀髪の少年を目にする。ミラだ。彼の目の前にはスーツ姿の男性が頭を下げていた。
君が近づくより先に男性は行ってしまった。
ミラは君に気づくと軽く手を振り話しかけてくる。
「やあPC1、この間ぶりだね。」
(さっきの男の人について)「ああ、彼は奇跡を願ってきたんだ。なんでも、仕事がもっとできるようになって上司に詰められないようにしてほしいだとかなんとか…世の中は世知辛いね。」
ミラはやれやれといった具合に両手の掌を上に向けた。

「あれからいろんな人に奇跡を授けたんだ。持ち掛ければ、大抵の人は二つ返事だったよ。
だから奇跡を授かろうとしない君の事が、尚の事気になってしまってね。」
ミラは興味深そうに君を見つめる。
「ところで君はここに何しに来たんだい?」
「へえ、授業で使う機械を買いにか。ちょっと見せてくれるかい?どんなものなのか、少し興味がある。」
ミラに機械を渡すと、彼はそれを一通り見た後に怪訝そうな顔をする。
「…これ、少し壊れているよ。多分これじゃ計測がうまくいかないかもしれないね。」
「本当だよ。試しにやってみたらどうだい?」
君が魔法を撃っても、計測器はうんともすんともいわない。
(ミラがやっても結果は同じ、ちなみに撃つのは光属性の防御魔法にする事)
「大丈夫、それくらいなら僕が直せるよ。貸して?こう見えて、機械のことは一通り頭に入ってるんだ。」

(もしPCが買った店に交換に行こうとした時)「どうしても行くのかい?まあ、止めないけど…一応僕もついていくよ。」
ミラと一緒に君が店へ向かうと、そこには「本日及び明日臨時休業 親戚がケガをしました」という殴り書きの張り紙があった。(ちなみにPC1が店を訪れたのは1時間前くらい想定)
「…世の中、何が起こるか分からないものだね。」
(ミラに直してもらうのをGMの方から進める事)

「ああ、任せておくれよ。」
ミラは手慣れた手つきで装置のカバーを外し、魔法を使いながら装置をいじる。(ちなみに直し方としては機械魔導学科とかで習う一般的な直し方、少なくともPC1には出来ない)
「これでどうかな?試してごらんよ。」
君が魔法を撃つと、確かに装置は正しく作動した。
「よかった。お役に立てたようで何よりだよ。あ、奇跡は一切使ってないから安心して。」
(なんで助けてくれたの?)「言ったじゃないか、君の事が気になるって。だからそのお近づきの印といったところだよ。」
(なんで機械の知識があるの?)「僕にもよく分からない。どういうわけか頭に入っていたのさ。」
ミラは自分の頭を人差し指でトントンと叩く。

「それじゃあまたねPC1。気を付けて帰るんだよ。」
ミラは片手をひらひら振りながら、どこか嬉しそうに去っていった。

シーン5 完敗 PC2 シーン4の翌日
君は再びあの魔法決闘の授業を受けていた。
「それでは授業を始めます。皆さんそれぞれ、好きな人と魔法決闘をしてくださいね。何かあれば僕に言ってください。
それでは始め。」
先生がそう言うと生徒達は魔法決闘を始める。
そしてまたしても君にかけられる声が1つ。
「PC2、今日も僕と魔法決闘をしろ。」
後ろからそんな聞き慣れた声と台詞が聞こえる。
振り向くとそこにはユアン・オルグレンがスマートフォン片手に仁王立ちしていた。何もかも数日前と同じだ。
「今日こそお前を負かせてやる。覚悟するんだな。」

(PC2とユアン、魔法決闘
今回はユアンの勝利)

「はっ、見たか。ようやくだ…ようやくお前を打ち負かせられた。」
ユアンは満足げに君を見る。
「とはいってもまだまだだ。今回だけ勝ちでも、僕は満足できない。次にする機会があれば今度もまた破ってやるさ。」
その言葉通り、君はあれから魔法決闘を何度か彼としたもののすべて完敗だった。

(ちなみにユアンはシーン8で倒れるまで奇跡の使いに奇跡貰ったって口割りません)

シーン6 依頼 PC3 シーン5と同日
PC3はカント先生の部屋に呼び出される。
「PC3君、来てくれてありがとう。まずは椅子にかけてくれたまえ。」
カント先生は君に椅子に座るように促す。
「さて、君を呼んだのは少し気になる事があってそれを調査してもらいたい、というものだ。」
「PC3君は、最近学内や城下町で奇跡のような現象が多く起きるようになったという話は聞いているかい?」
「知っていたのか、なら話が早い。その奇跡に関する調査をお願いしたい。もちろん何もなければそれでいいのだが…調査するに越した事はないからね。」
カントはそう君に調査を依頼してくる。
「それから、その奇跡には奇跡の使いのミラという少年が関わっているらしい。もし接触できれば、彼の様子も見てくれないかい?」
「ありがとうPC3君。頼んだよ。」

シーン7 使いの休日 PC全員 シーン5から1週間後くらい
今日君達はドロシーの受け持つ「チームワーク演習」を受けている。
様々な学生とチームを組んで課題やアクティビティ等に取り組む事で他の学生とのチームワーク等を育成する授業だ。だいたい2~3回ごとにチームが変わり、今日は新しくチームを組み直す日だ。
「はいはーい!この授業を受け持つドロシー学長だよ!今日のチームワーク演習からはまた新しいチームになるから、新チームメイトと自己紹介してね?
それじゃあ…アスタリスク!」
ドロシーが指をパチンと鳴らすと学生達は3人1組のチームに纏まっていた。君達3人は同じチームになっている。
(PC同士で軽く自己紹介してください)
「今日の課題は、コレに沿って学内で謎解きだよ!」
ドロシーは各チームごとに1枚の地図を渡してくる。学内の一部が書かれた地図には数か所のチェックポイントが記されている。
「その地図に沿って学内に置かれた謎を解いたり、魔法を使ったアクティビティを突破したりしてね!」(※リアル脱出ゲームみたいなものといえば分かりやすいかも)
「それじゃあよーいスタート!みんな頑張ってね!」

君達が出発しようとすると後ろから声が飛んでくる。
「PC2じゃないか。そういえば君もこの授業を受けていたね。」
ユアンが君達の方へとやって来る。
「最近の僕は調子がいいんだ。決闘だけじゃない、この演習でだって君を出し抜いてやるさ。それじゃあ、また後でね。」
そう言って彼は去っていく。君達も出発したほうがいいだろう。
(ちなみにチームによって回る順番が異なっているのでユアンと一緒に回るのは出来ません)

地図に沿って学内を歩き始めてしばらく経った頃、君達の前に一人の少年が現れる。
「やあ、PC1。数日ぶりかな?」
「今日は奇跡の使いのお役目はお休みなんだ。というより、ちょっとした事情でお役目が遂行できなくてね。なに、またすぐ再開するから安心しなよ。…で、君たちは何してるんだい?」(※奇跡を与える媒介物(エンジェルチャーム)のストックが無くなったからほんとに休み、これはGM情報なのでシナリオ終わるまで口外しない)
「へえ、なるほど…学内を回っていくのか…僕も混ぜてもらっていいかい?ちょっと見て回りたくてさ。
もちろん邪魔はしないよ?まあ反則になるから謎解きにアドバイスもしないけど。」
ミラは興味深そうに君達を見ながら頼んでくる。
(はいと言うまで進めない)
「ありがとう。時間を取らせてしまって悪かったね。それじゃあ早く行こうか。」
こうしてミラは君たちについていく。移動中は他愛のない話をしつつ、謎が置いてあるチェックポイントに行けば、謎解きをする君たちを静観したり魔法を使ったアクティビティに挑戦する君達を応援していた。

最後の謎解きを終わらせると、ミラは君達から少し離れる。
「ありがとう。一緒に回れて、色々話せて楽しかったよ。それじゃあまたね。次に学内で会ったら、今度はゆっくり案内させてもらおうかな…」
そう言ってミラは手を振りながら君達と別れる。

集合場所に帰って来るとそこには何チームか帰って来ており、その中にはユアンの姿もあった。
「遅かったなPC2。僕らのチームは既に全部終わったよ。」
「まさかここでも君を出し抜けるなんてね。」
ユアンはそう言って君たちの方へと歩いてくる。
(PC達リベラル振る)
リベラル成功:ユアンが一瞬ふらついたように見える
リベラル失敗:特に何も感じない

シーン8 不調 PC2 シーン7から3~4日後くらい
PC2は図書館に来ていた。
ここ3日程、ユアンと会わないと感じる。最後に顔を見たのは先日のチームワーク演習が最後だ。普段なら学校でも授業でも度々声をかけてきたり決闘をふっかけてきたりしているにも関わらず、こうして顔を見ないのも授業を休んでいるのも、電話やメッセージも通じないのは少々不可解だ。
君が図書館から出ようとした時、ふと見慣れた後ろ姿が目に入る。ユアンだ。
「…PC2か。やれやれ、なんでこんな時に会うのかな…」
振り向いたユアンはどこか顔色が悪い。明らかに体調が悪そうなのが分かるだろう。
「…一昨日あたりからかな。なんか疲れやすくなったというか身体がだるいというか…気力も湧かないし、身体が言うことを聞かないんだよ…魂が抜けかけている…というのはさすがに言い過ぎか…」
「休んだ分の課題があるから、それに使う本を借りに来てるって事さ。」
「とにかく本は見つかったし、今日はもう部屋に戻るつもりだよ。それじゃあね。」
ユアンはそう言って帰ろうとする。しかし、数歩歩いた後、彼は倒れ伏す。
倒れた衝撃か、彼の懐から小さな天使の人形が転がった。
ユアンに呼びかけても返事はない。医務室に運んだ方がいいだろう。

ユアンを医務室に運ぶと、普段よりベッドが埋まっている事に気づくだろう。
「…世話をかけてすまないね、PC2。」
ユアンが目を覚ます。その顔は依然としてしんどそうだ。
(大丈夫?)「大丈夫ではないな。やっぱり無理するべきじゃなかったね…」
(天使の人形を見せる)「…はぁ、見られてしまったか。知られたくなかったのに…」
「僕はアイツから…奇跡の使いのミラから奇跡を授かった。お前に勝てるように、とね。」
「悔しかったんだ。お前に勝てないのもそうだけど、あれで代表生なのかと謗(そし)られて…あの奇跡の使いと会った。そして願ったんだ。PC2に勝たせてくれって。
その人形はその時貰ったんだ。それを持っていれば奇跡が起きるんだとさ。」
ユアンは悔しそうに歯噛みする。
「今思えばなんでこんな物に頼ったのか…自分が情けないよ。」
「…なあPC2。君に頼みがある。
あの奇跡の使いのミラを探し出して、元に戻す方法を探ってくれないか?」
「頼んだよPC2…」
(エンジェルチャーム貸してと頼まれたら貸してくれます、写真撮るのもOK)

シーン9 授かった者達の末路 PC3 シーン8の翌日
(授業はシーン3のものと同じ)
PC3は今日も授業を受けている。
しかし少し違和感を覚えるだろう。欠席者が多い事だ。奇跡を授かったあの学生と彼から奇跡の使いの噂を聞き出そうとした学生らも欠席している。
「それでは少し早いが授業はここまで。また次の授業で。」
授業が終わるとカントから「カース特対の部屋に来るように」という連絡が入っていた。

君が委員会室に来るとカントが待っていた。
「PC3君、突然呼び出して済まない。君に伝えておかなければならない事があってね。」
「実は奇跡の使いであるミラから奇跡を授かった者が、次々と無気力や異常な体のだるさを訴えている。そして彼らからある悪魔のカースが検出された。」
「アルマロスという悪魔のカースなのだが…」
カントは珍しく顔を顰める。
「10年前にも同じカースによる事件があった。奇跡が起きていたという話はなかったがね。
しかしアルマロスは10年前に討伐され、感染者のカース感染も消えている。だからなぜ今またアルマロスのカースが検出されたのか、なぜ奇跡が起きるようになっているのか、不可解な点がいくらかあってね…」
(なんで今までカースが検知されなかった?)「アルマロスのカースは検知されにくい。症状が大きく進行するか相当量のカースがないと検知されない厄介なものなんだ。」
「ただ、ミラがアルマロスと繋がっていることは確かだ。彼の動向を追ってアルマロスないし事件解決の糸口を探ってくれ。」
そう言ってカントは君にある写真を渡す。小さな天使の人形の写真だ。(ユアンが持ってたのと同じ物)
「奇跡を授かった者は皆これを渡されていた。エンジェルチャームという物でそれを持っていれば奇跡の恩恵にあやかれるという話らしい。」
「それから、カースが関わっている以上これも渡しておこう。」
そう言ってカントはカース探知機を渡す。
「その探知機はアルマロスのカースのみ反応するように設定してある。
引き続き調査を頼んだよ。もし協力してくれそうな人や有益な情報を知っている人がいれば、彼らにも協力を頼んでもいいかもしれない。」

シーン10 悪魔と愚者 PC1 シーン9の日の放課後
PC1は城下町に来ていた。(理由はなんでもよし)
君が歩いていると、どこからか男性の怒鳴り声が聞こえてきた。
「おいどういう事だ、説明しろ!」
そちらの方へ行くと、見知らぬ男性がミラを壁際に追い詰めているのが見える。
「お前に奇跡を授かったあいつは日に日に体が弱くなってる…何が奇跡の使いだ!お前なんて偽物の奇跡を売った悪魔だ!!」
男からの罵倒に、ミラはどこか怯えたような表情で呆然としている。
(割って入ること推奨)
「あ…PC1…」
(奇跡にデメリットとか体が弱るというのは本当なのか、隠してたのか)「し、知らないよ…僕は本当に、そんな事、何も…」
「なんだお前…その悪魔の味方するってのか!?」
「このガキ共…!!」
男がそう言って君達に振りかぶった時だった。
『少し黙れ、愚民が』
ミラのいた方から声がしたと思うと、男はその場に倒れ伏す。男の方に近寄ったミラは温度のない、白濁した目で倒れ伏した男を見下した。
『何も考えず奇跡に縋ったあの者が愚かなのだ。我に奇跡を願った者は皆そうだった…だが、だからこそ面白い…』
明らかに普段と違う様子でミラがそう話した後、彼は我に返った。
「…え、今…何が…?」
ミラの目が元に戻り、我に返ったかと思うと手を震わせる。
「あ、ありがとうPC1…助けてもらってしまったね…」
ずっと余裕そうにしていたミラが初めて見せる表情だった。
(ああやって言われたり詰め寄られたのは初めて?)「初めて、だよ…だからびっくりしてしまって…」
(奇跡を与えた人が弱るのは知ってた?)「知らない…本当に僕は知らないんだ。あのお方は何も言ってなかったから…」
彼が嘘を言っているようには思えないだろう。
(シンク使用:ミラから怯えや恐怖や動揺を感じる、嘘を言ってるようには思えないのを確信する)

数回深呼吸した後、彼はどこか無理やりいつも通りの表情に戻った。戻した、といったほうが正しいかもしれないが。
「すまないね、情けない所を見せてしまって。ひとまず僕は帰るよ。」
彼はそのまま踵を返した。
(PCが追いかけようとしても「今は1人になりたい」と行ってしまう)
(PCに「さっきのは誰だったんだ」「お前にこんな事をさせてるのは誰だ」など聞かれたりされたらまたミラが豹変して突き飛ばして去っていく
ちなみに豹変ミラにシンク使っても心情や感覚は分からない、ただ明らかに別人なのは分かる)

シーン11 教会と神と使いと PC全員 シーン10の翌日
今日はチームワーク演習の授業だ。前回と同じメンバーでの授業になる。
「それじゃあ今日は黒き森でのチームワーク演習だよ!みんなで協力しながら好きなように散策してね。それじゃあいってらっしゃい!」
ドロシーがそう言うと、学生達は次々と森の中へ入ってゆく。
(歩きながらRPしつつ情報共有とかしてもらってもOK)

しばらく歩いているとPC3のカース探知機が反応する。反応のあった方へ行くと、人気のない暗い森の中に小さな教会があった。
近くに「ラクル教会」という看板が立っている。看板や教会の状態はあまり良くない事から人の手が長らく入っていないように見える。
(窓はまるで白い絵の具を塗りたくったかのように向こう側が見えない。)
教会の扉が少し開いているのと、そこから何やら言い争う声がするのに気づくだろう。話し声は2つ、ミラの声と荘厳でありながらもどこかおぞましい声だ。
隙間から覗くのなら、ミラの後ろ姿と彼を見下すように浮いている白い天使の像が見える。
(ペネトレイト使用:教会の中にはミラと3~40㎝程の白い天使の像が相対しているのが分かる、教会の中は長らく誰もいなかったのか手入れがされてない)

「我に逆らうというのか?」
「逆らっているのではありません!奇跡を授けた者達が弱っていると…そんな事は1つも聞いていないと、そう言いたいんです!」
「話が違うと言うか…ならば逆らうも同然だ。貴様、誰のおかげでこうして動いていられると思っている?」
「あなた様のおかげ…です…」
「ならば何も考えず、奇跡を授ける使命を果たせ。廃棄されていた欠陥品の機械人形ならば、何も考えずに使命を果たすと思っていたが…いささか見当違いだったようだ。
次に逆らえば相応の処罰を考えておこう。」
「処罰…」
ミラから恐怖に怯えた声が零れた。

「して…何やら気配がするな。この教会に張り付いているネズミ共の気配が…」
扉が開け放たれ、一瞬暴風が起こったかと思うと君たちの体は風に煽られ、教会の床に倒れ込む。開けられた扉は固く閉められた。
「なんだ貴様らは。いつからそこにいた?」
白い天使の像が浮かんで声を響かせている。PC3の持つカース探知機は、確かにその像のカースを捉えている。
(誰だお前は)「名乗るものか。貴様ら下等生物たる人間に。」
(ミラに何をした)「何をしたとは人聞きの悪い。我は彼の者に奇跡を授けた。森の中に不完全な状態で廃棄されていた、哀れな機械人形を我が救ったのだ。」
(ユアンにあんな事をしたのもお前か)「誰だそれは。最も、奇跡を授かった一個体ごときに興味はないがな。」

「知られてしまったならばしょうがない。貴様らをここで葬るとしよう。」
天使の像から魔法が放たれようとした時だった。
「やめろ!!!」
ミラが天使の像にぶつかり、魔法をずらした。ずれた魔法は教会の扉に当たり、固く閉められていたそれを開け放つ。
「PC1、みんな、今すぐ逃げるんだ!!ここは僕が抑え込むから!!」
必死に像を抑えながらミラが叫ぶ。
「こんな事態になってしまった事、謝っても許してもらえるとは思わない。だからせめてこれで、償いとさせてくれ…!」
「何をする、離せ!我によって生かされている傀儡(くぐつ)の分際で!」
(テレポートなどのリベラルや大魔法などを使ってミラ共々逃げようとする)君の魔法はミラには効かない。恐らくあの像がミラへ使おうとしている魔法を弾いているのだろう。
(PCらが逃げない)「…っ、早く行ってくれと言っただろう!!」
ミラがこちらに手を伸ばすと衝撃波が放たれ、君達は教会の扉の前まで戻されてしまう。
PCらが教会から出ると扉が固く閉ざされる。
(扉を調べる)扉は開かない。強固な封印が施された事が分かる。
(扉や壁を壊そうとする)魔法を撃っても壊す事は出来ない。

教会は強固な封印が施され、今の君達にはどうする事もできないと分かるだろう。
そもそも今はドロシーの受け持つ授業中だ。
一度戻ってこの件をドロシーに相談すれば、どうにかしてくれるかもしれない。
(一度帰る事を推奨する)

君達が集合場所に帰ってくると、そこにはドロシーだけが待っていた。
「おかえりみんな。中々帰ってこないから心配だったんだよ?他の子たちはみんなもう授業終わって帰ってるからね。」
「…みんなどうしたの?何かあったの?」
ドロシーは心配そうに君達を見やる。
「分かった、そういう事なら私も手を貸すよ。
でもちょっと時間がかかるから、休んだり情報収集したりしててほしいな。」
(そんな暇ない、早くしないとミラが危ない)「こっちもできるだけ早く手筈は整えるよ。それにそんなに疲れている状態で挑んだとしても勝てるものも勝てないから、とにかく情報収集しつつ休んで。ね?」

シーン12 情報収集
1.ミラ
奇跡の使いを名乗り、ハーベストや城下町で奇跡を授けていた少年。
実際は彼ではなく彼の上にいる存在が奇跡を授けていたようだ。
また、奇跡を授ける際にエンジェルチャームという小さな天使の形をしたお守りを渡していた。

4.エンジェルチャーム 開示

2.10年前のカース事件
10年前にも、よく似たカース事件が発生している。
アルマロスという悪魔のカースで、感染すると徐々に気力や生命力を奪われて最悪廃人になってしまう。症状がかなり進行するか相当量のカースがないと検知されない厄介なカースでもある。
ただし当時の事件では、奇跡が起きたという類の話は見受けられていない。
資料によるとアルマロスは討伐され、カース感染も消えて事件は解決したとされていた。
しかし今回の事件の被害者のカースを調べてみると、確かに討伐されたはずのアルマロスのカースが検出された。

3.ラクル教会
黒き森の奥の方にある小さな教会。「祈る時は1人で、清く正しい心で」という教えを掲げていた。
15年前までは人が出入りしていたものの、ある事件で「呪われた教会」とされ、廃教会と化している。
この教会について調べてみるとそれからさらに3年前(現在からは18年前)、「ヴァーチュース・ブレス」という天使の像が教会に祀られ始めたという。

4.エンジェルチャーム
ミラが奇跡を授ける時に渡す小さな天使の形のお守り。
ユアンもこれを持っている事から彼もまた、ミラから奇跡を授かったのだろう。
このお守りの形は、君達が見たあの天使の像にどこか似ている。

3と4開示で5.ヴァーチュース・ブレス開示

5.ヴァーチュース・ブレス
エンジェルチャームとよく似た形をした像。
どこから寄贈された、誰が作ったなどの詳細は詳しく書かれていないものの、この像に祈ると奇跡が起きるという。その噂を聞きつけてたくさんの人が教会を訪れた事が、当時の新聞に書かれている。
それから3年後の新聞記事を見てみると、ラクル教会にこの像を狙った者達が現れ、守ろうとした神父やシスター、その時教会にいた者達に危害を加えた。
しかし、通報を受けて警察が駆けつけた時、教会にいた者は皆致命傷や重傷を負っていないにもかかわらず、事切れていたという不気味な話が残っている。「呪われた教会」と言われているのも、その事件が発端とされる。

6.ヴァーチュース・ブレスとカース
PC3が持っていたカース探知機の履歴によれば、確かにヴァーチュース・ブレスからアルマロスのカースが検出されている。
今回の感染源はヴァーチュース・ブレスと仮定していいだろう。何故このような事になってしまったのかは、もう一度あの教会に行って確かめるしかない。

シーン13 鍵
君達が黒き森に向かおうとすると、ドロシーが待っていた。
「みんな準備は出来たみたいだね。それじゃあこれ!」
ドロシーから、ピンク色の鍵を渡される。
「私の魔力をいっぱい入れた鍵!これならどんなかたーい扉も封印も一発だよ!ただし、1回きりだからね!」
(ドロシーはついていかないの?)「私もついて行きたいのは山々だけど、倒れちゃってる学生の病院への手続きとかがあって行けないの。
大丈夫、きっとみんななら彼を助けられるよ!自分を信じて!ほら、信ずる者は救われるっていうし!」
「それじゃあみんな、いってらっしゃい!絶対無事で帰って来てね!」
ドロシーに見送られ、君達は黒き森に入ってゆく。
この事件を終わらせる為に、友を呪いから解き放つ為に、奇跡の使いを強いられた少年を助ける為に。

シーン14 クルドサック
1.黒き森を探索せよ
黒き森の奥へ進んでいくと徐々に周囲が暗くなってくる。
迷わないように魔法で対策をしよう。
解除方法 ルクス ペネトレイト サーチ
ペナルティ バッドステータス:盲目2付与

2.クリーチャーを回避せよ
森を進む君たちを待ち受けていたのは辺りをうろつく中型クリーチャーだ。辺りが暗いからか、索敵範囲は狭そうに見える。
今戦って消耗するより、魔法でやり過ごしたほうがいいかもしれない。
解除方法 ステルス テレポート ミュート
ペナルティ 5点ダメージ

3.薄れゆく気力を鼓舞せよ
ラクル教会付近まで来ると、徐々に気力が薄れていく。前へ進もうとしても、魂を抜かれていくかのように体がいう事を聞かなくなっていく。しかしそんな暇はない。君達は前へ進まなければならないのだから。
解除方法 キュア シンク オペレイトエルフ オペレイトゴブリン
ペナルティ TPー2点、バッドステータス:衰弱1付与

シーン15 呪いの天使と背教者達 PC全員
君たちはドロシーから貰った鍵で教会の扉にかけられた封印を解く。
扉を開けると、そこにはミラが後ろを向いて立っている。ヴァーチュース・ブレスの姿は見受けられない。
「…この者が体を張って逃がしたにも関わらず、またやってくるとはな。」
ミラがこちらを向く。あの時と同じ白濁したその瞳は、今の彼が彼ではないという現実を君達に刻み付ける。
(ミラに何をした)「この人形の体を掌握し、意識を奥へ封じ込めた。1度ならず2度までも我に歯向かった罰だ。我のカースも相応に馴染んできた頃合いでもあったからな。多少は時期尚早だが…誤差の範疇だろう。」
(この間乗っ取られた事について)「あれはこの者に危険が迫っていたが故、試験的に掌握させてもらったのだ。案外上手くいった物だ。」
(なぜこんな事をした?)「それが我の目的だからだ。愚かな人間共が奇跡にすがり、破滅していく様を見る…それ以上でも以下でもない。実に滑稽だっただろう?」

「貴様らはここで我によって裁かれるのだ。愚かで哀れな貴様らへの手向けに何もかも話すとしよう。
10年前…殺されそうになったその折、我は自分のカース制御の方法に辿り着いた。死に瀕した生物が時折超常の力…奇跡を発揮するだろう?それによってカースを制御し、感染を消した。人間共に倒されたと誤認させる為に。」
「だが代償はあった…我の体も力も以前より小さくなり、しばらく身を潜めざるを得なかった。そして多少の力が戻った少し前、再び活動を開始しこの像を見つけ手中に収めようとした。
その時、またしても我に奇跡が起きた!この力に選ばれた!我はもはやアルマロスではない、今の我はヴァーチュース・ブレス、奇跡を与えし者なのだ!」
彼は両腕を広げて高らかに言う。
(ミラはどうした)「この人形は黒き森に捨てられていた。ちょうど、怪しまれないような手駒が欲しかったが故、彼の体に我がカースを注入して起動させた。
そしてこれからも動き続けたければ奇跡を授けろ、と我に服従させたのだ。」

「なぜだ?なぜ貴様らはもう一度ここにやって来た?我を討てるなどという、奇跡でも信じていると?」
(信じてる)「如何にも下等生物らしい綺麗事だな。何の根拠もないのに奇跡が起きるなどと…」
(信じてない)「信じていないならなぜだ?何をもって貴様は我への勝算としている?」
(信じる信じないじゃなくて勝つ)「その意志だけが寄る辺と言うか。哀れな下等生物らしい。」

「…我が奇跡を拒み壊そうとする背教者達よ、ここから生きて帰れると思うな。」
ミラ…否、ヴァーチュースから膨大なマナが吹き出る。

最終戦闘 【奇跡の使い】ミラ・ヴァーチュース

シーン16 君の奇跡を証明せよ
ミラの中に取り込まれていたヴァーチュース・ブレスは十字の亀裂が入り壊れ、元に戻ったミラはその場に倒れ伏す。
「…ありがとう…助けてくれて…こんな、偽りの奇跡を振りまく奇跡の使いから解き放ってくれて…ああ、よかった…もう言う事を聞かなくて、怯えなくて済む…もう誰かに呪いを振りまかなくてもいいんだ…」
彼は顔を悲し気に歪ませながらも、どこか解き放たれたような微笑みを見せた。
「もうじき僕は停止する…あの像のカースで動いていたんだから当然だよ。不完全な箇所もあれのカースで補っていたから、完全に抜けてしまえばもう目覚める事もないだろう。」
そう言って微かに顔をPC1の方に向ける。
「PC1、思えば君と出会えた事が、僕にとって奇跡だったのかもしれないね。」
ミラの瞼が落ち始める。
「ああ、いやだ、死にたくないよ。僕はまだやりたい事や、やらなければならない事が…でも…」
ミラは悲しげな顔でうわ言のように呟いた。
「いっそ、本当の奇跡なんかがあったのなら…僕は…」
そのままミラは瞳を閉じる。完全に停止するのももはや時間の問題だ。

ならば見せてやればいい。ここに証明してやればいい。
本当の奇跡というものを。
その為の力が、(PC1フルネーム)、君にはあるのだから。

(大魔法使用想定シーン
ちなみに大魔法でミラを模造品から人間にするのは想定してません)

「あれ…僕は…」
ミラはゆっくりと目を開け、横たわっていた体に力が入る。

シーン17 PC3エンディング
想定はカント先生と話すシーン

シーン18 PC2エンディング
想定はユアンと話すシーン

シーン19 PC1エンディング
想定はミラと話すシーン

小ネタなど

テーマやキーワードを付けるとすれば「奇跡」「救い」「天使と人」「偽りの奇跡と本当の奇跡」「信ずる者は救われる」。最後はシナリオでドロシーが言ってた。
ここだけ見るとすごく神話チック。
シナリオタイトルはふっと思い浮かんだもの。よくよく考えてみると証明とShow meで妙に韻が踏めてる気がしなくもない。
展開としてはまどマギもどきみたいなのをやろうとした結果がコレ。「偽りの奇跡を本当の奇跡でぶん殴りたい」と「杖魔導学科が指定クラスのシナリオを書きたい」が合わさってこうなった。
初期プロットではシラフのミラがラスボスでした。なんならもうちょっと人の心なかった。でもなんか違う感じがして不憫な方面に舵切った結果こうなった。まあこっちの方がカタルシス大きいしこれで良かった。

シナリオNPC等について

アルマロス
すべての元凶。だいたいこいつのせい。
悪魔としてはまあまあ強い。10年くらい前にカース事件起こして殺されかけてなんとか小型化して逃げのびるも大きく弱体化してしまっていた。
その時も今回と同じようなカース事件起きてたけど死に際に火事場の馬鹿力(あるいは本プレイで言われた生存本能ともいう)でアスタロトみたくカースを制御できるようになった。なのでカース制御して当時の感染者からカース消して倒したと思わせ、復活の機会を虎視眈々と狙っていた。
10年後の現代(シナリオ開始の1か月くらい前)、ラクル教会でヴァーチュース・ブレスをたまたま見つけ、その強い力を取り込んであやかろうとしたがなんか色々とバグってヴァーチュース・ブレスと一体化してしまい、「自分をヴァーチュース・ブレスと信じてやまない一般悪魔」が爆誕した。するな。
一人称我、二人称貴様、人間は愚民で愚かで下等生物という絵に書いたような小物系上位者もどき。ヴァーチュース・ブレスに取り憑いてからはもっと酷くなった。

カースに感染すると徐々にまるで魂でも抜かれていくかの如く気力や生命力を奪われ、最悪廃人になる。侵食が進んで重篤な症状までいくか結構な量のカースがないと感知されないめちゃくそ厄介なやつ。
カースの性質に反して「何かを欲する」という欲望に感染する。欲する物があるのに無気力になったり体が動かなくなった事で、最悪の場合そんな自分に絶望して自殺する可能性もある。これもまどマギインスパイア。「魂を抜かれる(のに等しい)代償を背負って願いを叶える」というやつ。

元ネタの悪魔アルマロスは「魔法や魔法使いを無効化する術」を人間に教えて堕天使になったという逸話がある。

魔導具「ヴァーチュース・ブレス」
元凶その2兼被害者その1。力天使の名を冠した、人に幸運や奇跡を与える力を持つ3~40cmほどの白い天使の像の形をした魔導具。誰が作ったかは定かではない。恐らく地面とかからオーパーツ的な物として発掘されたりしてる。
元々黒き森のある廃教会「ラクル教会」に放置されていたものだが、アルマロスに取り込まれかけて「天使は悪魔が嫌い」という本能(?)的に反発、アルマロスの侵食とヴァーチュース・ブレスの反発がぶつかりあった結果エラーないしバグが生じ、結果的にアルマロスに乗っ取られたが、その時からアルマロスは自分を「ヴァーチュース・ブレス」だと思い込むようになっていた。
悪魔によって捻じ曲げられたそれは人に奇跡を与えるのと引き換えに徐々にカースに侵食していき、気力や生命力を奪っていく悪魔の魔導具へと変貌した。
エンジェルチャームという小さな天使のお守りのようなものを生成し、それを媒介にして奇跡を起こす(そしてカースを感染させる)ようになっている。渡す役としてミラを使わせた。エンジェルチャームはヴァーチュース・ブレスが破壊されたのと同時に消えた(カースで複製していた為)。
余談だがエンジェルチャームは渡された段階でその人物とのパスが通るため、他人に譲渡しても意味はない。壊してもヴァーチュース・ブレスを直接叩かなければカース感染は消えない。
カースと与える奇跡が紐づいてしまっているので、カース感染が消えたら起きた奇跡も無くなってしまう(それによって得た物品とかは無くならないけど)。つまりユアンもまたPC2に負けっぱなしになる。でもいつか勝てるかもね。

奇跡を与えるが、同じ願いを持つ人が一斉に願った事の総量によってその力が変わる。また、当人が抱いている感情にも叶え方等が左右される。
同じ願いを1人が祈れば1人分の力量だが、10人祈ればそれと10人分の力量の奇跡をもたらす。(例:「ある病人の病気を治したい」と1人が願えばちょっと治ったりする程度、10人で願えばほぼ治るといった感じ)
15年前、教会で人が全員死んでいたのは強い負の感情によってエラーが生じ、それによって盗みに入った集団と教会の人々の両陣営に共通していた「排除」の願いが一緒くたにされ、結果として「その教会にいた者全員の息の根を止める」という歪な形で奇跡を叶えてしまった。(こうして見ると割とアルマロスついてなくても怖いなこれ…)
教会側もその力を理解しており「祈る時は1人で、清く正しい心で」と取り決めを作り、悪用や暴走を防いでいた。
ラクル教会はミラ同様ミラクルから取った。卓前日まで何もいい名前が浮かばなかった結果がこれ。

ミラ・ヴァーチュース
ヴァーチュース・ブレスがミラを乗っ取った存在。ミラの意識は奥に封じられており、仮にシンク使ってもわずかに声が聞こえる程度。最終戦闘時、本体の像は七つの大罪に乗っ取られた人よろしくミラの中に取り込まれてる。
特技名はいい感じのが思いつかず言葉遊びに舵を切った。忌跡の使いはほぼそのままなので置いといて、巣食う奇跡は「救う奇跡」、卑しの奇跡は「癒しの奇跡」、逸我の奇跡は「偽りの奇跡」という風にかけてます。個人的に巣食う奇跡と卑しの奇跡が効果的にも合ってて気に入ってるポイント。
当然テスタメントは持ってるけどイベントでやった時に「やっぱりこれそのままだときついか…?」と思って少し改変しました。やっぱり一切魔法撃てないのはキツすぎるし盾役に優しくない。
能力値が5ばっかりなのは力天使ヴァーチュースが天使の中で第5位なのが由来。能力値的にもちょうどよかったので全部5で通した。

ミラ
PC1コネクション。
元凶その3兼被害者その2兼最大の被害者。
元々作られながらも不完全な状態で黒き森に廃棄されていた模造品。アルマロスもといヴァーチュース・ブレスによってカースを注入され不完全な部分も補完、駆動し始める。当然名前もなかったが、奇跡の使いということからミラクルから取ってミラと命名された。
ヴァーチュース・ブレスから「奇跡の使い」に任命され、奇跡を与えればどうなるかもわからないまま(というより意図的に隠されていた)、奇跡を授けて回っていた。
ちなみにカースの気配が感じられなかったのは、結構な量のカースがないと感知されないというアルマロスのカースの性質によるもの。
感知されるかされないかのギリギリのラインのカースでミラは動いていた。
ミラの出自はいくつか候補はあるけれどもまだはっきりとは決めてない。

事件後はハーベストに入学、機械魔導学科に入学している。自分の体がそも機械だし機械技術の知識を持ってるしシーン4の機械直した時に自分の手で奇跡を起こせたという成功体験もあったり。杖じゃないんかというのはすまない。でも模造品だからテスタメントは使えないし…
一応悪魔に脅されてあんな事してたって話はされてるけど、周りからの疑念もちょっとは残ってる。それについては当然の報いと受け入れつつも、自身の働きや頑張りでそれらを少しでも覆したいとも思っている。
何事にも一生懸命で献身的な性格。「誰かの奇跡を支える本物の奇跡の使い」になる為、勉強に励んでいる。好奇心も旺盛。まだ知らない事だらけだからたくさんの物に触れられるといいね。
データとしては盾。スタンス・模造品持ちで範囲カバーしつつ守る。イメージ的にマイナスバステで自己バフできたらいいなと考えてる。本来不利な効果を小さな奇跡に変じさせるみたいな。
主体属性は表が光、裏が闇。

あとがき

本シナリオはルナリアさん主催の非公式イベント「ゴールデンメイカー」にて作成しました。
シナリオ概要提出ギリギリで今回予告とざっくりしたプロットを練ってどうにか作れました。最初に書こうとしてた予定のシナリオが頓挫して何も思いつかなくなった時にふっと降りてきて約2週間ちょっとくらいで完成しました。これが奇跡か…
自分のシナリオを載せるというのは少し恥ずかしくもありますがこうして公開に漕ぎつけられて本当によかったです。
素敵なイベントの開催、ありがとうございました!

この記事を書いた人

前の名前が使えなくなってるのでいわごんⅡにしました
自PCもよそPCもまるっと大好きな奇人です
お人好し年相応少年少女しかできないRPの引き出し無さすぎ人間ですが、何卒仲良くしてくださると嬉しいです。
クールキャラやりたい!!!(5000兆円フォント)

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