ソウル・シャットダウン(魂魄強制停止) 解説

目次

初めに

大魔法シナリオ「ソウル・シャットダウン」のネタバレを多分に含みます。

それでも構わないという方のみお読みください。

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イメソン

シナリオ本編には記載していませんが、イメージソングが2つあるシナリオでした。

一つはMr.Children「フェイク」、こちら最終戦闘前にタイミング計って流すと最高にクールなので是非に。

マルコムのセリフである「所詮、似せて作っただけの紛い物」というのはこの曲の一節から。

歌詞全体は恋物語なんですけど、大事なものが嘘八百ならどうする? という歌詞でもあるので、そこを切り出した感じ。嘘でできたマルコム、そして嘘にすがったハウレス、二人の歌であり、そして師が嘘吐きのPC1、大事な友人の過去に隠れた罪、喪ったものを偽りの平穏で塗りつぶしていくPC3、登場人物全員に思うところにできるようには作ったつもりです。

「あれこれって知恵を絞った挙げ句が裏目に出ます」という辺りも、弄した策の全てが無為に終わること多々なシナリオ。ですが、かつてその結果として罪を背負った一人だけは完全に策を成功させてますね。

「ちょっとプライド取り戻せた」わけで、歌詞に続くように手に掴んだものはフェイクではありましたが、それでもいいじゃないか、なんてところを出したかった。

だって「嘘を信じていく」歌なので。

もう一つがDECO*27の「ゴーストルール」、タイトルがもうネタバレであったために記載を避けました。シナリオというかマルコムのイメソンなのですが。

「亡霊だって知るんだよ」はまんまPC1。

どちらも自分の好きな曲なので、このシナリオは筆者の好きをぶち込んだだけのシナリオです。創作ってそういうものだと思っている。

シナリオ全体も、多分に影響を受けた作品がいくつか。

構成としてはマルコムの名前の元ネタがある映画と松岡圭祐のある小説。

あとは隅々にハーベストの劇場版で好きな要素を詰め込みました。最終戦闘前とかもろに劇3,6ですね。

マルコム・クロウ

最重要NPCなわけですが、名前は元ネタありきです。

元ネタの映画のネタバレになってしまうので明記しませんが、気にしないのであればこの名前で検索かければ出てきます。いい映画なのでこちらも是非に。

PC1の教師として動くことになる彼ですが、先生モードと私人モードで一人称が違います。前者は「私」で後者は「僕」、この辺を意識すると彼のセリフはちょっとおもしろいかもです。

トレーラーは彼の心情となります。手記にも同じことが綴られている。

悔いているのは研究者として、どころか開発者として携わった科学技術による記憶消去の研究について。もっというなら嘘の記憶を差し込もうという研究だったのですが。

人体実験までやりながらも、何かおかしいのでは、と思い始めた矢先に教え子であった北里可南子の殺人を知ってしまいます。後追いしかねなかった彼女を治めるべく、まだ開発途中であった記憶消去を施し、共に逃亡。その途中で魔導次元に迷い込み、アマリリスに加入という流れ。

トトの行う記憶消去とそこにまつわる数々の悲劇を目にし、やはり自分の研究は間違いであったと確信。贖罪を求めるようになります。

とはいえ何ができるでもなく、というところにPC1の指導を任せられ、過去をなぞるように教師の真似事をすることに。

その日々を心底から楽しく過ごしたからこそ、調査任務での危地にPC1を逃がすのを決めるのは必然でした。

シナリオのマスターシーンにあたる場面なわけですが、ハウレスが狂化されたクリーチャー引き連れて襲撃にかかっているので、二人で頑張ろうが無駄死には明らかでした。

よって自身の大魔法を使用、PC1の心に「マルコム・クロウ」という人格を丸々焼き付けることで意思を託し、自分が囮になることでPC1を逃します。

以降のシーンにおけるマルコムは全てPC1の心に焼き付けられた幻像であり、彼の姿も言葉もPC1にしか届きません。書き置きの類も幻像の彼が残したものなので同じく。

とはいえ寸分の狂いもなく遺された情報であり、幻像のそれも彼自身の言動であったのは間違いありません。

最後の最後まで、語っているのは嘘の成した彼であっても、その言葉には偽りは一切なかったでしょう。

ハウレス

こちらはラスボス。

テーマ的にこれはPCには明らかにしない方が美味しいと思って伏せた情報として、コイツ自身は悪魔でもなんでもないというものがあります。自分をハウレスと思い込みたいだけの異常者です。

正体はマルコムの研究の後任、そこに寄生型のクリーチャーが一体化したもの。

何の因果か、前任者と同じく魔導次元に迷い込んだその男にかのクリーチャーが寄生したのですが、脳に干渉するその性質を利用できると男は踏みます。クリーチャーの方も宿主から身体を提供してくれるとはありがたいとばかりに相利共生を開始。

──とのたまうも、この時点で互いに「どこかでこいつを切り捨てよう」と考えています。どっかで主導権を握ろうと企んでいたわけです。

そんな騙し騙しの関係性の中で、いつしか己の嘘に溺れ、それぞれの境界すら失った末路にハウレスと名乗る男が誕生します。嘘を律したマルコムとはまさしく対照の存在でもあります。

悪魔を騙り始めてからは研究の場は魔導次元へ移行。検体として現実世界から度々人を浚い、ということをやっていた内の一人がPC3です。

魔法も組み合わせることで飛躍的に進んだ研究はさらにできることを増やし、ミーティア(某劇場版参照)からの支援も受けられるように。トトがPC3にハウレスの組織について思い出せないか問うたのは、芋づる式にミーティアにたどり着けるのではと踏んだため。

しかし完璧な精神操作には至らないという結論も出たところで支援は打ち切られます。ハウレスがその状況から研究を継続していたのは自身の有用性を認めさせるため、自己顕示のためです。

それは自分さえあやふやになった男が、外部に何かしらの証を打ち立てたかったからでもあります。

製作者的には悪役としてのこいつはかなり好きなキャラです。それはそれとしてぶん殴られるべき外道だとも思っています。

最終戦闘

情報体に過ぎなかったはずのマルコムが急に実体化したわけですが、この辺は「嘘」を生業にしたハウレスの魔法をマルコムが流用しています。

大魔法「フィクショナル・カタストロフィ」はハウレスの技術の賜物、存在しないものを実在と誤認させて存在を確立させるものなのですが、これを逆に利用することで現実に干渉する力を得たのが最終戦闘におけるマルコムです。

使われている技術の大元が自分の開発したものであったからこその荒業、同じような逆用によってクリーチャーたちの狂化も解いています。

あとは彼としては、ハウレスが斃れるのを見届けた時点でお役御免でした。その後、ハウレスと同じ虚像に過ぎない彼がどうなるかはPC1の選択次第です。

この記事を書いた人

予想以上に沼が深くて入り浸っている人
シナリオたくさん書きたい

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