魔法学園RPGハーベスト
シナリオ「逆説的真理(ヴァイスヴァーサ)」
推奨人数 3人
推定時間 4〜5時間
推奨リベラルアーツ ルクス、フロート、ステルス、テレポート、ミュート、各種属性魔法
イメージソング unlasting [LiSA]
今回予告
彼の願いはただ穏やかに生きたい。
ただそれだけだった。
彼女の願いはただ彼を助けたい。
ただそれだけだった。
2人の願いは星空に届くことはなく。
日々の流れに押し出され、月光の照らす道から
闇の中へと落ちてしまう。
1人きりじゃ救えないだから…
魔法学園RPGハーベスト「逆説的真理(ヴァイスヴァーサ)」
魔法の時間は、まだ終わらない。

シナリオハンドアウト
PC1 コネクション:ドロシー・フロム・オズ 推奨関係:友人/憧れ
指定学科:札魔導学科
君は、幼い頃近所の森の中で美しい白い鳥と遊んでいた。
夢中になって遊んでいると辺りが段々と暗くなり、夕暮れとなっていることに気づく、すると突然美しい白い鳥は消え、君は暗い森の中で迷子になってしまう。
そこへ桃色の髪の少女ドロシーが現れ、君のことを家まで送ってくれた。
現在の君は、自分の人生にどうしようもない不安感、焦燥感を抱えていた。
そんな最中、いつもの通りの1日を過ごし帰宅しようとしていた君は、電車の中でひどい焦燥感に襲われる。
ここから逃げ出したい。助けて欲しいと心の中で思うと、君の目の前に桃色の髪の少女ドロシーが現れ君を魔導次元へと誘う。
君はドロシーに連れられ、魔法学園ハーベストへと足を踏み入れることとなる。
PC2 コネクション:セシル・ビリーバー 推奨関係:想い人/友人
君は魔法学園ハーベストの学生だ。
君はセシル・ビリーバーという生徒と親くしている。
彼女はいつも落ち着いておりクールな性格だが、ある日、彼女の奇妙な様子に気づく。 君は異変を感じながらも、彼女との付き合いを続けた。
しかし、彼女は段々別人に変わっていき、ついにはカース事件を起こしてしまう。
君は彼女のために事件を解決することとなる。
PC3 コネクション:神田信太 推奨関係:弟分/後輩
君は魔法学園ハーベストのカース特別対策委員会に所属している。
君は後輩の神田信太と親くしていた。
神田はある生徒に恋をしているようだった。
それを見守っていた君だが、彼があるカース事件に巻き込まれてしまう。
君は後輩である神田信太のために、カース事件の解決に向かうこととなる。
登場NPC
「ドロシー・フロム・オズ」
桜色の長い髪を棚引かせ、毎日毎日自分の学園で傍迷惑を繰り返す少女の姿をした伝説の八大魔法使いの1人。
とんがり帽子に黒いローブ、大きな箒がトレードマーク。いつも笑顔で元気元気。その元気が時々(結構よく)暴走するが、それも愛嬌。やる時はやるが、やらない時はまったくやらない。
詳しい設定(https://harvestrpg.com/NPC%E4%B8%80%E8%A6%A7)

「ソン・チェビル」
韓国出身の札魔導学科主任講師。
12歳という異様に低い年齢ながら、その魔力と指導能力、周りを惹きつける魅力を買われ、ドロシーにより主任講師を任命された。
小さな身体ながら、中身はしっかりしており、鋼のメンタルと、誰とでも友達になれるコミュニケーション能力を持つ。
詳しい設定(https://harvestrpg.com/NPC%E4%B8%80%E8%A6%A7)
「セシル・ビリーバー」
17歳 札魔導学科
信心深いハーベストの生徒。
青い瞳に金髪のロングの髪。
落ち着いた性格で誰に対しても平等な態度で接する。
PC2のことをとても信頼している。
「神田信太」
15歳。杖魔導学科 カース特別対策委員会に所属している。
勉強熱心な生徒。真面目が故に頑固な部分がある。
PC3のことを尊敬し、いつか先輩のようになりたいと犬のように後を追いかけている。
シーン1:二つの出会い(PC1)
PC1の幼少期の回想シーン
PC1はいつも家の近くにある森の中で遊んでおり、その日の昼間もいつもと同じように森の中で遊んでいた。
すると、草木の緑の中に一瞬、白い塊が見えたような気がした。
PC1がそちらに向かうと、草の陰に美しい白い鳥が横たわっているのが見えた。
美しい鳥は力なくぐったりしている様子である。
(PC1の心情と行動をそのまま描写)
すると、鳥が輝き、みるみるうちに元気を取り戻していく。
PC1の腕の中ですっかり元気になった美しい白い鳥は、PC1の方を見てお礼を言うように一鳴きした。
(鳥と何して遊びたいか。鬼ごっこ、かくれんぼ的なことならある程度できる)
(PC1の言動描写)をして遊んでいると、PC1は夕陽が沈みかけあたりが段々と暗くなっていることに気づく。
PC1はあたりを見回していると、いつの間にか美しい白い鳥の姿は消えていた。
PC1が不思議に思っていると、足元に一枚の羽だけが落ちていた。
キミは羽を拾い上げポケットに大事にしまった。
PC1は帰ろうとする。しかし、あたりは真っ暗になっており、暗い道をひたすら歩いても、自分のいる場所はどこなのか分からない。
迷子だ。これは完全に迷子だ。
しばらくそうしていると、突然フワッと甘い香りがした。
キミは甘い香りに気付きハッとして顔をあげる。
すると、目の前に14歳くらいの女の子が立っていた。
彼女は、とんがり帽子に、黒いローブ、そして手には大きな箒を持っている。
彼女はキミの顔を覗き込みながら「君、迷子?」と声をかけてきた。
「そうなんだ。心細いよね。私の名前はドロシー。ドロシー・フロム・オズ。君の名前は?」
「そっか!PC1っていうんだね!」
「ところで、こんなところで迷子になるなんて何してたの?」
「そういうこともあるよね!私も楽しくなると周りが見えなくなっちゃって、よく怒られちゃうんだよ〜」
「そうそう!今日はお気に入りの場所に遊びにきたの、よかったら一緒に行かない?」
(PC1の反応を言葉にする)と、彼女はキミの手を引いてどんどん歩いていく。
しばらく歩くと、宝石のようにキラキラと輝く明かりが見えた。
開けた場所に出る。どうやらキミの住む街が一望できる場所らしい。
「ね!綺麗でしょっ!」と彼女は得意げにPC1を見た。
「元気でたかな?」
「よかった。よし!じゃあ、PC1くんの家まで送ってあげるね!」
そういうと彼女は箒にまたがり、フワッと宙に浮き、「ほら、君も」と手を伸ばす。
キミがそれに応じると彼女は微笑み、箒にキミを乗せ高く飛び上がった。
「ねぇ!キミがまた助けて欲しいって思ったら私が必ず助けに来るから、ピンチの時は私のことを呼んでね」と背中越しにも彼女が微笑んでいることがわかる優しい声色で言われる。
「約束だよ」
あっという間にキミの家の前に着く。
PC1を箒から降ろすと「あ、この羽は預かるからね」とキミがポケットにしまったはずの白い羽を彼女は手に持っていた。
「これはダメ!私がもらう!」と優しいながら凛とした声で言うと、彼女は再び箒にまたがり、輝く月へと飛んでいった。
シーン2:ドロシーとの再会(PC1)
(PC1の現代に戻る)
PC1は、深い眠りからゆっくりと目覚める。
どうやら、電車の中で眠ってしまい、昔の夢を見ていたようだった。
夢から醒めぼんやりした気分のまま、自分の今の状況をぼんやりと思い起こす。
PC1が考え事をしていると、突然電車が大きな音を立てて止まる。
体が傾くと同時に、目の前に白くて美しい羽が舞い上がったように見えた。
羽は夕陽に反射しキラキラ輝いている。
隣に座っていた人がこちらに倒れてきて、PC1がそちらを見る。
もう一度前を向くと羽は消えていた。
車内にアナウンスが流れ、程なく電車は動き出した。
PC1は最近の自分が明らかに変だと感じている。
こんな小さな出来事に大袈裟なほど緊張し、突然どうしようもない焦燥感に襲われることが多くなったように思う。
まるで何かに取り憑かれているような、そんな不安感が続いて、息がうまく吸えない。
PC1がそんな考えに囚われていると、あの時の少女の言葉を思い出す。
『キミが助けて欲しいって思ったら私が必ず助けに来るから、ピンチの時は私のことを呼んでね』
その言葉を思い出した瞬間。電車の中から人が消え、自分だけが電車の中に取り残されていた。
驚いたPC1が周りを見回すと、頭には特徴的なとんがり帽子、そして黒いローブに、手には大きな箒を持っている…
昔出会った彼女が目の前に現れた。
「久しぶり、PC1くん」
「私のこと呼んでくれたでしょ。だから、キミのこと助けに来ちゃった!」
「キミだけのスーパーヒーローってところかなっ!」
「ねぇ私と一緒に行かない?」
彼女はあの時と同じようにキミに手を差し伸べる。
PC1が彼女の手をとると、彼女はキミの手を引き電車から降りる。
電車は光になって消えていった。
ドロシーは電車から降りると、箒を浮かばせ
「さぁ乗って!」とキミを箒へと誘導する。
PC1が箒へと乗せてもらうと、フワッと宙へ浮き何処かへと向かって動き出す。
「ようこそ、魔法の世界へ。」
「私、魔法学園ハーベストってところで学長をしてるの。魔法を学ぶ学校でね!もしよかったら私の学校に入学しない?」
「よかった!楽しい学園生活になるよ!」
彼女はキミを振り返りにっこりと微笑む。
PC1は彼女とともに星空を翔けた。
シーン3:幸せな日々(PC2)
PC2は友人であるセシル・ビリーバーと中庭でお昼を食べる約束をしていた。
セシルとPC2は大きな木の下にあるベンチに並んで座っている。
(PC2の食べているもの)を見て、セシルは感想を述べる。
セシルのお弁当は彩りもよくとても美味しそうだ。
「最近、誰かに見られている気がするのよね…」
とセシルはお弁当に目線を落としたまま不思議そうに言う。
「うーん、わからないわ。気のせいかもしれないし」
「それにしてもあなたはいつも私のこと心配してくれるわね」
「いえ、そういうところも一緒にいて安心するわ」
「あなたと過ごす時間は幸せ…というか、温かい気持ちになるわ」
「こうやってPC2と中庭でご飯を食べると、いつも美味しいけどよりおいしくなった気がするのよ」
「あなたに出会わせてくれた神様に感謝しないとね」
「ええ、これからもよろしく頼むわね」
とセシルはPC2に微笑む。
暖かい風の吹く木陰で2人は昼休みを過ごした。
シーン4:後輩の恋心(PC3)
PC3は後輩である神田信太と食堂に向かおうと廊下を歩いていた。
すると、突然窓の外を見て神田が立ち止まる。
「俺の大好きなセシルさんがいるんですっ!」
と興奮した様子で、その場で地団駄を踏んでいる。
「落ち着いてなんていられないですよ〜!!」
そう言うと神田は、今まで見たことがないほど素早い動きで壁に張り付き、廊下の窓からこそこそと、中庭で昼食をとっているPC2とセシル・ビリーバーを見つめている。
「美しすぎて、こうやってこっそりみるくらいしか出来ないっっ!!」
「…本当神様みたいだ…」
「セシルさんを見てると俺、あぁ生きててよかったって思うんです」
「あの人いっつもいいなー!俺もセシルさんとご飯食べたいー!」
「PC3先輩!どうしたらセシルさんとお近づきになれますかね!」
「えー本当ですか!いやー!でもできないなー!」
「先輩が声かけて連れてくるっていうのはどうですか!」
「先輩冷たい…先輩に好きな人出来ても俺協力しませんからね」
と神田心太は頬を膨らませてそっぽを向く。
「先輩にもいるでしょ!好きな人の1人や2人や10人!」
「は!ずっと見てたら気持ち悪いですよね。先輩俺たちもご飯食べに行きましょうー!」
そういう神田に連れられ、PC3は学食へと向かった。
シーン5:初めての講義(全員)
PC1も学園生活になれ、魔法もある程度扱えるようになって来た頃。
今日は札魔導学科主任講師のソン・チェビル先生による魔導決闘の授業が行われる。
ソン・チェビル先生が皆の前で楽しそうに話をしている。
「今日は今まで学んだことを実践でやってみようと思ってまーす!誰か手本を見せてくれる人いないか〜?」
「そっか!じゃあ、PC1、PC2、PC3、セシル・ビリーバー、前に出て手本を見せてくれ!」
「今回はチーム戦だ!PC1とセシル・ビリーバー、PC2とPC3で組んでくれ!」
「さぁ!同じチーム同士で挨拶しろー!」
ソン・チェビル先生がそう言うと、セシルがPC1の近くに寄ってきた。
「私はセシル・ビリーバーよ。よろしく頼むわね」と右手を出し握手を求めている。
(握手に応じた場合のみ読み上げる)
握手に応じると一瞬、セシルの周りに白い羽が舞っているのが見えた。
PC1は驚き、目を擦ると白い羽は消えた。
(PC2とPC3も挨拶してください。)
「さぁ皆準備はいいか?」
指名された生徒たちは各々の発動体を構える。
(SS値順に5d6を振ってもらいます。
二人の出目の合計数値が高い方のチームの勝ち。)
(戦闘描写。〇〇チームが勝ちます。)
「皆ありがとう!いやーいい決闘だったなぁ」
とソン・チェビル先生は満足そうに拍手をする。
「さぁみんなもやってくぞー!二人1組を作ってくれー!」
周りの生徒が動き始め周りが騒がしくなった。
それを聞きながら、セシルがPC1の近くに寄ってくる。
「PC1、確か最近魔導次元に来たばかりよね?とても強いのね」
「センスがあるのね。羨ましいわ。PC2!この子とっても優秀よ」
(PC1、PC2、PC3で自己紹介をして知り合いもしくは友人になって欲しいです)
シーン6:不思議な夢(PC1)
刻々と色を濃くしていく夕方。
PC1はドロシーとあの日見た、街を一望できる場所にいた。
目の前には昔見た美しい白い鳥が飛び回っている。
美しい鳥はPC1に気付き、目の前に降り立った。
『PC1僕を助けてくれてありがとう』とテレパシーのようなもので語りかけてくる。
『君のおかげで僕は生きていられる。生き物はいつか死ぬからこそ生きていられるのだけど、いざ死が近づくと強く生きたいと思うものなんだね』
『君の魔力は心地いい。とても優しくて生きてるって感じるんだ』
『ねぇ、君にとって生きるってどんな意味を持ってるの?』
『そっか、君にとってそれが生きることなんだね』
そう言うと、美しい白い鳥はまた楽しそうに飛び回りはじめる。
地平線に日が触れより一層眩い光を放ち、美しい白い鳥は更に強い輝きを放っている。
しかし、日が沈んでいくと共に美しい白い鳥の体が徐々に黒く染まっていく。
体が黒く染まっていくほど、美しい白い鳥は苦しみ始める。
『苦しい…苦しいよ…僕まだ死にたくない…助けて』
『PC1なんで君は苦しくないの…?どうして、ずるいよ。君も僕と同じじゃなきゃだめだ』
美しい白い鳥が苦しみながら、魔法をPC1に放つ。
魔法がPC1に当たる直前で、PC1は目を覚ました。
周りを見回すとそこは自分の部屋で、窓からは朝日がさしていた。
どうやら夢を見ていたようだった。
今の夢を不思議に思いながらも、講義に行くための準備を始めた。
シーン7:異変(PC2)
数日後、PC2はセシルと中庭でお昼を食べる約束をしていた。
セシルが中々こないため、PC2が先にお昼を食べていると
「PC2!ふふ、待たせてごめんなさい!」
と不自然なほど上機嫌で明るいセシルが声をかけてきた。
「今日のPC2のお昼はなに?」
「そういいわね。美味しそうだわ」
そう話すセシルはPC2とお昼を食べる約束をしていたのにも関わらず、何も持ってきていない様だ。
「お腹減らないのよ」
「何だかとっても苦しくって、でもね、それが楽しくて愉快で仕方ないの。生きる力が湧いてくるっていうのかしら…」
「変?そうかしら?」
「そんなことよりも、PC2神様って信じてる?」
「そうなの。残念ね。私は信じてるわよ。PC1やPC2に出会わせてくれたのも神様だし、苦しみを与えてくれるのも神様だもの。感謝しなきゃ!」
段々不気味に感じるほど、セシルは躍り出しそうなほど愉快で仕方ない様子だった。
PC2がそういうと「だから、私はいつも通りよ」セシルは突然怒ったように立ち上がる。
「何だか、あなたと話してるとただ楽しくて、とってもつまらないわ」
「お昼はまた今度にしましょう」
そう言うとセシルはその場をさった。
シーン8:神田の決意(PC3)
PC3は神田と食堂でご飯を食べていた。
神田は悩んでる様子で、昼食もあまり進んでいないようだ。
「うーん、先輩」
「実はセシルさんに告白しようと思うんです」
「相変わらず、遠くからみてるだけなんですけど」
「好きって気持ちが止まらないと言うか…」
「恥ずかしいこと言ってるって思うんですけど!!でも、セシルさんに初めて出会った時、ズバババーンってなったんですよ!」
「それからもう、好きでセシルさんのこともっと知りたくて、だから、とにかく、俺にとってもう生きる意味くらい好きなんです!」
「告白はきっかけ作りみたいなものですよ!話しかけたいけど、どうしていいかわからないし…」
「振られてもいいんです!それでも好きだから…!」
「ついてきたらダメですよ!俺、一人で頑張るんで」
そう言うと神田は一気に昼食を平げ「失礼します!!」と勢いよく駆けて行った。
シーン9:告白(GM)
セシルは昨日、神田信太という人物から手紙をもらった。
内容は『話があるので16時に屋上に来てください』と言うもの。
夕闇の中、屋上へと続く階段を一つ一つ踏み締めるように上がっていく。
階段を上がるたびに、鋭い痛みが全身を駆け巡る。
この痛みが苦しみが自分が生きていると感じさせてくれる。
壊れた器に水がとめどなく流れているような湧き立つ感情が溢れて止まらない。
頬が緩んで仕方ない。
そのまま、屋上の扉を開ける。
背の小さな可愛らしい男の子が緊張した様子でこちらを見ていた。
彼に一歩一歩近く、彼にも苦しくなって、生きてるって感じて欲しい。
彼も苦しんで生きなくてはならない。
「用って何かしら?」
「あの、実はセシルさんにお話があって・・・」
「ええ、何でもどうぞ私とても愉快で、今なら何でも出来そうなの」
「そ、そうなんですね?セシルさん…あの、俺セシルさんのことが好きでずっと見てました…!!」
「へぇ…あなた私のこと好きなのね。嬉しいわ」
「はい!あの、セシルさん綺麗で強くて、可愛くって本当にその」
「じゃあきっと私の神様のことわかってくれると思うの」
「え!?か、神様・・・?」
「そうよ!神様!神様はね私たちに苦しみを与えて、生きてるって感じさせてくれるのよ。だから私たちは神様のためになることをするの」
「すいません。俺、セシルさんが何を言ってるのかさっぱりわからないです…ごめんなさい」
「……わからないの…そう…なら仕方ないわね」
セシルはそう呟くと、綺麗な夕焼けが闇に飲み込まれていく、セシルの瞳もそれに呼応するように赤く染まっていく。
「…セシルさん、もしかしてカースに…!」
「カース?違うわ。神の力よ。話だけでわかってもらいたかったのだけど、仕方ないわ」
セシルは発動体であるタロットカードを構えると、複数のカードに禍々しい呪いの魔法を纏わせ神田に向かって放った。
神田も素早く鉄の杖を構え
「くそっ…セシルさん今助けますから…」と魔法を払い除ける。
その様子を見てセシルは
「中々やるじゃない。あなたを選んで正解だった」とにやりと怪しく笑う。
すると、セシルは更にタロットカードにマナを込め
「あなたも神の世界へ、ラビリンス」と強力な呪いの魔法を放つ。
神田は炎の壁で防ごうとするが、壁は砕かれ、神田の体は宙を舞い、地面に打ち付けられる。
セシルはその様子を見て満足そうに神田へと近づいていく。
「くるしい…たすけて…先輩っ…」
「はははっ苦しいって最高でしょ?助けられる必要なんてないわ」
セシルはそう言って足元に倒れ込む神田に最後の魔法を放った。
神田を飲み込んだ闇が蠢く。
しばらくすると魔法が消え、神田の姿が現れた。
ふらふらと神田が立ち上がる。
「俺が間違ってました。セシルさん」
と神田は涙をこぼしながらセシルに微笑んだ。
「そうよね。わかってくれて嬉しいわ。さぁ私といきましょう」
シーン10:いつもの講義(全員)
ある日の魔法学園ハーベスト。
PCたちはいつものように講義を受けていた。
授業名は「クリーチャー学概論A」、講師は魔導書魔導学科主任のガンディー・アイアンガーである。
(PC2、PC3はいつも真面目に講義に参加しているセシル・ビリーバー、神田信太がいないことに気づきます)
講義が始まってしばらく経つと眠っている生徒が少しずつ現れる。
「ここからが大事なところだ。今日の講義は、君たちにカース感染者とクリーチャーについて学んでもらおうと思う」
「カースはクリーチャーの心臓で生成され、クリーチャーから人に感染する。カースとは人の精神を汚染するものだ。カースに感染すると欲望が増幅され正気を保つことが難しくなる。そしてそれは、人間界でいう『精神疾患』というものに近い。
そしてこのようにクリーチャーから人間への感染を一次感染という。
また、同じ志を持つ人間から人間へと感染を繰り返す。これが二次感染だ。
感染者を止めるためには発動体を破壊する必要がある。
しかし、それだけではダメだ。感染源となるクリーチャーを止める必要がある」
「カース感染を止める方法については知られている限り、3つある」
「さて、誰かに1つ答えてもらおうかな」
「PC1わかるかね?」
正解の場合「そうその通り」
答えられないor間違い「そうだ、そうだ。すまん。PC1は最近入学したばかりだったな」
「1つ目は心臓の破壊だ。先ほど述べた通り、カースはクリーチャーの心臓で作られる。そのためカースの感染源となっているクリーチャーの心臓を破壊することが最も有効な手段としてとられている」
「2つ目はリライヴ・セレモニーと呼ばれる魔法だ。だがこの魔法は、まず、君たちには使えない。この魔法については後期のクリーチャー学概論Bで詳しく扱う。」
「3つ目はクリーチャー自身の意思によるカース供給の停止、皆も知ってると思うが、この学園の副学長であるアスタロト先生は、クリーチャーでありながら自らの意思でカース生成をストップさせ人間と共存している。つまり、クリーチャー自身にその意思があればカースに感染することはない。まぁ…その意思があるクリーチャーや、人間に対して攻撃する理由のないクリーチャーは、まずカース感染を起こしたりはしないだろうがなぁ…」
「よし、今日の講義はここまでとしよう。今の部分は必ずテストに出すから、きちんと復習しておくように」
ガンディーはそういうと、教科書をパタンと閉じ講義室を後にした。
(ここで、講義に出ていない神田や、セシルについて話をしても大丈夫です)
シーン11:ドロシーとの約束(PC1)
星空の輝く夜、PC1は突然ドロシーに「学長室に来るように!」とメールで呼び出された。
PC1は今学長室の扉の前に立っている。
PC1がそう言うと
「どうぞ〜!」とドロシーの声が聞こえ、扉が開いた。
学長室に入る。窓の外を見ていたドロシーが勢いよく振り返った。
「ごめんね。急に呼び出しちゃって」
「PC1くんとお話ししたくなってね!ねぇ、こっちきて!」
そう言うとドロシーはキミの手を引いて、学長室のバルコニーに出る。
今にも落ちてきそうなほど空一面に星が輝いている。
「ハーベストの星空も綺麗でしょ?」
「ねぇPC1くんは私と初めて会った日のこと覚えてる?」
「一緒に綺麗な夜景をみたよねっ!森で迷子になってたあの時のPC1くん可愛かったなぁ!」
「ふふ今も素敵だよ〜!」
「学校生活はどう?楽しい?」
「そうだよね!私と一緒で楽しくないわけないもん!」
「私もPC1くんとこうやって、お話したり、ゲームしたりするの楽しいよ!」
「そうそう、学校の講義の中でカースやクリーチャーのことも習ったかな?」
「PC1くんはクリーチャーのことどう思う?」
「そっかぁ〜!あのね、私はクリーチャーは倒すべき存在じゃなくて、共生することも出来る存在なんじゃないかって思ってるんだ」
「PC1くんにもいろいろ思うことはあるかもしれないけど、今の話覚えといて欲しいな」
「ね!今度ここで星空でも見ながら美味しいもの食べない!?」
「約束ね」
そう言ってキミは学長室を後にした。
シーン12:神の信託(全員)
PC1はドロシーの部屋を後にし、学生寮に向かって夜の校舎を歩いていた。
廊下を進んでいくと、目の前にゆらりと人影が現れる。
人影はゆっくりと近づいてきて、窓から差す月明かりがその人物を照らし出す。
黒髪の小柄な少年が立ってるが、PC1は見覚えがない顔だ。
「…あの、すいません」
彼の目は赤く、恍惚としているような苦しそうな違和感を感じる表情をしていた。
「…セシルさんにあなたを連れてくるように頼まれて」
「連れてきたら神様のためになるから、俺今すごく苦しいけど、セシルさんと一緒にいたいから、セシルさんを理解したいから…だから神様に祈らなきゃいけなくて…あ…いや、だから、あの、ついてきてください」
PC1の返事を待たず、彼は歩き出す。
仕方なくPC1は神田について歩いていこうとする。
すると神田の進む先の廊下にPC2、PC3がやってきた。
どうやら、講義にも出ず、部屋にも帰ってきていないセシルと神田を探しにきたようだ。
「先輩…」
PC3に気づくと怯えたような表情になった。
「俺、この人をセシルさんのところへ連れて行かなきゃいけないんです」
「もっと幸せになるために神様に祈らなきゃいけないから…もしかして、皆さん俺のこと邪魔する気ですか?」
「どうしよう…わかんない…でもセシルさんが」
いつもの明るく可愛らしい神田とは正反対の様子で、眉を寄せて苦しみながら、自分の髪の毛を乱暴に掴みブツブツと話し続けている。
「私の可愛い神田くんを虐めないでもらっていいかしら」
PC1の背後から声がする。
声のする方向を見ると、金色の長い髪に赤い瞳のセシルが立っていた。
セシルはニタニタと笑っており、明らかに異常な様子だ。
セシルの姿を見つけると神田はセシルの方へと走り出し、縋るように背後に隠れた。
「PC2も一緒なのね」
「あなたがいると気分が悪くなるわ」
PC2の言葉を聞かずセシルはPC1に対し話しかける。
「それで、PC1。単刀直入に言うわ。私、あなたにお願いがあるの」
「私、PC1にね苦しんで欲しいの。死ぬほどね」
「なんで…?そうね。神様がそう望んでいるからよ」
「私たちが今生きているのは前世で犯した罪を償うためなの。苦しみ続けて神様に許されることが必要なのよ」
「苦しむことで生きているって感じることができる。私たちは神様に感謝して、神様の望むことをしなきゃいけないの。PC2あなたならわかってくれるでしょ?」
「私たちが出会えたのも神様のおかげなのに、残念だわ」
と少し目を伏せ悲しそうな顔をしますが、すぐに笑顔に戻りPC3の方を見ると「じゃあ、PC3あなたは?神田くんに出会えたことも奇跡だって思わない?神様のおかげだって…」と問いかける。
「ふぅん…そう、残念だわ」
「出来れば穏便にすませたかったのだけれど」
そう話し終えると、セシルはタロットカードを構える。
「神田くん、できるわよね?」
セシルにそう言われ、慌てて立ち上がると怯えながらも発動体を神田は構えた。
「さぁ、苦しんで生きてるって感じましょ」
【中間戦闘】
戦闘に勝利すると、セシルは気を失い倒れた。
神田は意識があるようで「先輩、ごめんなさい…ごめんなさい…」と意識がなくなるまで繰り返し呟いていた。
シーン13:情報収集(PC全員)
PCたちは情報収集することになります。
情報収集では好きなリベラルアーツを発動することで、情報を1つ得ることができます。
初期に調べることのできる情報は情報1~3の3つです。
情報1「カース事件について」
セシル・ビリーバー、神田信太のカース事件では、一次感染者が発見されていない。
セシルと神田はカースに感染しながら、数日間を過ごしたが、攻撃を仕掛けたのはPC1にのみで、複数の生徒を襲うことはなかった。
情報2「セシル・ビリーバーについて」
セシル・ビリーバーは、カース感染において、二次感染者(人から人への感染)であることが判明した。
とある宗教を熱心に信仰している家系の人間であり、『この世に生まれたのは罪を償うためであり、苦しんで生きなければいけない』と両親に言われ続けていた。そのせいか、彼女は生きることは苦しむことだと思い込んでいた様だ。また、その宗教の聖書には神の使いとして美しい白い鳥が現れると書かれている。⇨情報4「ルエブガリについて」
情報3「神田信太について」
神田信太は、カース感染において、二次感染者(人から人への感染)であることが判明した。セシル・ビリーバーと2人になった際に魔法をかけられ、神田はセシルを崇拝していたため、ルエブガリのカースに感染してしまったようだ。
情報4「ルエブガリについて」
PC1が夢の中で出会った美しい白い鳥は『ルエブガリ』というクリーチャーである。
ルエブガリのカースは人々の生存欲、祈り欲を増幅させるようだ。
ルエブガリはハーベストの森の奥に生息していたが、その美しい見た目から人間に乱獲され、住処を焼き払われ絶滅したと言われている。
PC1はこのことについて忘れていることがありそうである。
ドロシー・フロム・オズが詳しいことを知っている。
→シーン14へ
シーン14:ルエブガリとPC1の繋がり(全員)
皆はドロシー・フロム・オズのいる学長室へと来た。
「どうぞー!」
「さて、みんなどうしたのかな?」
「そっか!なるほど、そのことについてね。ねぇPC1くん。前もお話ししたけど私と初めて会った日のこと覚えてるよね」
「キミはあの森で美しい白い鳥を追いかけて迷子になった」
「そう、それが、ルエブガリ。彼の仲間たちはハーベストに住む人間に捕まえられて、しかも、その美しい存在を独占したいからって捕まえられなかった仲間も住処と一緒に全て燃やされたの。何もかも奪われて、必死に逃げたあの子だけが現実世界のあの森に逃げ込んだの」
「それと…ごめんね。キミから少し記憶を消したんだ」
「これがキミの記憶。返すね」
ドロシーがパチンと指を鳴らす。
皆の前に鏡が現れ、鏡の中に映像が流れ始めた。
シーン15:PC1の記憶(PC1)
PC1の幼い頃の回想
PC1はいつも家の近くにある森の中で遊んでおり、その日の昼間も、PC1はいつものように森の中で遊んでいた。
すると、あたり一面の緑の中に一瞬白い塊が見えたような気がした。
PC1がそちらに向かうと、草の陰に美しい白い鳥が横たわっているのが見えた。
美しい鳥は力なくぐったりしている様子である。
(PC1の心情と行動をそのまま描写)
すると、鳥が輝き、みるみるうちに元気を取り戻していく。
PC1の腕の中ですっかり元気になった美しい白い鳥は、PC1の方を見てお礼を言うように一鳴きした。
(PC1さん何か名前をつけてください)
キミは美しい白い鳥に(名前)とつけ、PC1は毎日、(名前)とともに森の中で遊んだ。
かくれんぼをしたり、追いかけっこをしたりと日が暮れるまで毎日、毎日。
(名前)はPC1に懐いており、テレパシーのようなもので会話もすることができた。
とにかく楽しくて楽しくて仕方ない様子で2人は遊びまわっていた。
一緒に過ごすうちに、少しずつ(名前)の記憶に触れることができた。
(名前)は、美しい泉がある森の中で、沢山の仲間と暮らしていた。
何年も前から少しずつ仲間がいなくなることがあったが、自然の中ではよくあることのようで(名前)は気にしていなかった。
しかし、その時は突然訪れた。
夜、(名前)が眠っていると、大きな叫び声を上げる仲間の声が聞こえ、(名前)は目覚める。
その異様な声に驚き、様子を見ようと森の中で一番背高い木に移動した。
周りを見渡すと、色々なところで鮮やかな閃光が放たれては消えるのが見えた。
閃光が輝くたびに仲間の異様な叫び声が聞こえる。
何が起きているのかわからないのは皆同じなようで、仲間の1人が飛び立ち逃げ始めたので、(名前)と多くの仲間もそれに続いた。
すると今度は地上から飛び立った仲間達に閃光が放たれ、仲間が1人また1人と撃ち落とされていく。
(次は自分かもしれない…)
そう思いながら、(名前)は振り向くのをやめ必死に逃げた。
しばらく逃げていると後ろから大きな爆発音がして、森があっという間に焼けていくのが見えた。
そこで(名前)の記憶は途切れている。
(名前)はPC1に縋るように体を寄せた。
その目はどこか悲しく辛そうに見えた。
シーン16:ドロシーのお願い
現代
鏡の映像は止まり、再度ドロシーが指を鳴らすと鏡は光となり消えた。
PC1は(名前)との記憶を思い出した。
(名前をつけなかった場合ルエブガリ)
「本当は私はあの日、お気に入りの場所に行きたかったんじゃなくて(名前)を魔導次元に戻すためにあの森にいたの」
「でも、(名前)を見つけた時にね、キミと(名前)が仲良く遊んでた」
「キミをみた時びっくりしたの!すごい魔力の量で、全くコントロールができてないんだもん。それを(名前)が吸い取ってることもその時わかったの。キミと(名前)、引き離すのはかわいそうだけど、あのままにしてたら(名前)も魔力のコントロールができなくなって、キミがカースに感染しちゃうと思った。だから、キミから記憶を消して、(名前)を魔導次元に戻したの」
「PC1くんにとっての大事な思い出を勝手に奪ってしまってごめんね」
「ありがとう。やっぱりPC1くんは優しいね」
「でもね、記憶を消して、キミ達を引き離して、私は安心していたけど、それだけじゃダメだった。キミたちはもっと深いところで繋がってる」
「君たちが離れた後もキミの魔力は(名前)に流れ続けていた。そして、キミも長い時間をかけてカースに感染した」
「そう、キミが今回のカース事件の一次感染者なの」
「だから私はPC1くんを魔導次元に連れてきた」
「キミが正気を保てているのは、その力は(名前)の力じゃなくほとんどはキミの力だからじゃないかな」
「ここからは推測だけど魔力の量に器である(名前)は魔力の量に耐えられなくなっちゃったんだと思うの。苦しくてどうしようもなくて、君から感染させたセシルちゃんと神田くんを使った」
「PC1、あの子と自分を救うのは君にしかできないことだよ。一度助けたあの子をもう一度助けてあげて欲しい」
「PC2も、PC3も、大事な人を傷つけられた怒りがあると思うけど…お願い!」
「PC1の助けたい気持ちと(名前)の生きたいと思った気持ちも何も悪くないの。ただ、偶然2人の気持ちが不幸な方向に転がってしまっただけ」
「だから、2人の優しい気持ちを不幸な道に転がしたままにしたくないの!」
「ハーベストに来て、君はもう魔力のコントロールもきちんとできてる。それに、心臓の破壊以外にもカース供給を止める方法は習ったよね?君がきちんとあの子と向き合えばうまくいくはずだよ」
「皆んなありがとう!!私も危険がないようついてくからね…!」
「PC1くん、これ渡しておくね」と、PCたちが今まで見たことがないほど魔力の込められたマナクリスタルを手渡す。
「これ、逆説的真理が使えるようにマナを込めたの。(名前)を助ける時に使って」とドロシーは微笑む。
それを受け取ると、PC1、PC2、PC3、ドロシーは(名前)のいる森の奥地へと向かった。
シーン17:クルドサック(PC全員)
1、濃霧
解除方法:ルクス、フロート、オペレイトエルフ
ペナルティ:3点ダメージ
2、炎の矢
解除方法:ステルス、テレポート、属性魔法
ペナルティ:3点のダメージ・火傷レベル1
3、ルエブガリの咆哮
解除方法:ミュート、オペレイト系魔法
ペナルティ:衰弱レベル1
シーン18:クライマックスシーン
君たちが森の奥にたどり着くと、焼け野原に大きな黒い鳥が佇んでいた。
君たちに気づくと激しい咆哮をあげる。
その声が辺りに響き渡ると、沢山のルエブガリに似た虹色の影が大きな鳴き声を上げ現れた。
「みんな!私は影の相手するから、みんなは(名前)のことよろしく頼むね!」
「きっちり助けてあげてね」と最後に大きな声でPC達に伝え影の方へと走り出した。
【クライマックス戦闘】
シーン19:みんなの答え(合同エンディング)
(名前)は戦闘に敗れ、悲痛な叫び声を上げながら、大量の闇に包まれた。
闇に包まれたルエブガリが段々小さな球体に形を変えると、闇が晴れ突風が吹く。
焼け野原の上に昔と同じような姿で(名前)が倒れていた。
PC達にどこからか声が聞こえる。
『PC1ごめんね。僕、みんなに迷惑かけちゃった』
『PC1を通してずっとみんなのこと見てた。PC1もセシルも生きることがとても楽しそうで、羨ましくて妬ましくて苦しめてやろうって…』
『PC2、PC3もキミ達の大事な人を傷つけてしまってごめん』
『僕、あの時の人間達みたいに、君たちを傷つけて…僕はあの時、仲間たちと一緒に死んでいたらよかったのかな…』
『住処も失って…仲間ももう1人もいない…』
『PC1、君の手で終わりにして、じゃないとみんな元気にならないんだよね?』
『死ぬのは怖くて嫌だけど、苦しくても生きていたいけど、僕のせいでこれ以上みんなに苦しい思いをさせるのは嫌なんだ』
(名前)は覚悟を決めた様に目をつぶっている。
*大魔法はルエブガリの救出と焼け野原の再生に使ってもらいたい。
*もしくはルエブガリの魔力はほぼ0に近い状態で瀕死の状態ですが、魔力コントロールができるようになったPC1が魔力を与えることによって助けることができます。
*PC1が行動に迷っている様だったら…
そこでPC1はガンディー先生の講義を思い出す。
カース感染を止める方法は3つある。
「1つ目は心臓の破壊」
「2つ目はリライヴ・セレモニー。だがこの魔法は、まず、君たちには使えない。」
「3つ目はクリーチャー自身の意思によるカース供給の停止」
『本当に?僕、死ななくていいの?』
『カースの供給を止める…?わかったやってみるよ』
(大魔法演出)
(描写)
魔力を与えられた(名前)の傷は癒え、大きく翼を広げ飛び上がる。
(名前)はあの日と同じ様に自由に空を駆けている。
『ありがとう。PC1。キミのおかげで僕はまだ生きられるよ。』
『PC2も僕を許してくれてありがとう』
『PC3も僕を倒さなきゃいけない立場なのに助けてくれてありがとう』
『もう会えないかもしれないけど、みんな元気で』
(名前)はそう言うと大きく飛び上がり、輝く月へと飛び立っていった。
そこにドロシーが戻ってくる。
「みんな!怪我はない?」
「よかった〜この様子だともろもろ上手く行ったみたいだね!」
「よし!帰ろー!」
そう言うドロシーに連れられ、PC1、PC2、PC3はハーベストへと向かった。
シーン20:エンディング(PC3)
想定1:病室
想定2:事件数日後、場所自由
基本はGMとPLの裁量に任せます。
下記の台詞は言っても言わなくても問題ありません。
・「すみません。PC3先輩迷惑かけて」
・「俺、セシルさんと同じくらいPC3先輩のこと好きですよ」
・「これからもよろしくお願いしますね!」
シーン21:エンディング(PC2)
想定1:病室
想定2:事件数日後、場所自由
基本はGMとPLの裁量に任せます。
下記の台詞は言っても言わなくても問題ありません。
・「PC2、あの…ごめんなさい」
・「あなたにひどいことしたわ」
・「ねぇ、私の家のこととか知ったのよね…?」
・「でもね、誤解しないで欲しいの。苦しみながら生きなきゃいけないって、自分から苦しみに飛び込むってことじゃなくて、色んな感情や沢山の葛藤や苦しみを感じながら生きなきゃいけないってそう言うことなのよ…」
・「だから、何が言いたいかって、言うと、その…私のこと嫌いにならないで欲しいの…」
・「・・・そう。安心したわ」
シーン22:エンディング(PC1)
キミは学長室のバルコニーで満点の星空をみながら、ドロシーとお茶をしていた。
「じゃじゃーん!ハーベストで今一番人気のお菓子屋さんのショートケーキです!」
「学長権限で買おうとしたらね!並んでくださいって言われて、朝から並んだんだー!」
「食べて食べて!」
「美味しい?」
「じゃあ、私もー!」
「わー!本当においしいね!」
「PC1くん。今回の件、きちんと解決できたね」
「また生徒の成長に一役買っちゃったなぁ〜!」
「ほら!ショートケーキだけじゃなくて、モンブランもあるよ!ほら!食べて!」
「今日はPC1くんのお祝いだからね!」
「(名前)もどこかで元気にしてるかな」
「そうだね。そうだといいなー!」
「ね!これからも私と、ゲームしたり、お話したり、お出かけしたりして遊ぼうね!」
「遊ぶことが私の生きがいだからね!」
「約束だよ」
PC1とドロシーが談笑していると、聞き慣れた鳥の鳴き声が頭上から聞こえた。
PC1が夜空を見上げると星に紛れて美しい白い鳥が2匹飛んでいるのが見えた。
PC1とドロシーはその様子をみて目を合わせ微笑む。
2人はそのあとも仲良く談笑し、星の様に輝く時間を過ごした。
ー終ー
エネミーデータ
「セシル・ビリーバー」
主体属性:地・光 クラス:札魔導学科
能力値「アクション:4」「リアクション:5」「リベラル:3」
【特技】
A『ソリティア』TP1 次の自分のアクションフェイズまでの間、自分以外の味方が魔法攻撃の対象に選ばれたとき、自分がその魔法攻撃の対象でなければ、代わりに自分が魔法攻撃の対象になることができる。
R『デスティニー・ドロー』TP2 このリアクションフェイズでの発動ダイス数に+1する。
R『ライブラリアウト』TP3 魔法攻撃の範囲に、自分の味方が1人以上居る場合、魔法攻撃の対象を自分1人に変更する。
【アイテム】
黒猫のチョーカー(SS+2)
【発動体】
タロットカード (「ソリティア」の消費TPを0にする)
攻0 防2 HP45 TP15 SS4 移動1
【魔法】
「アイリス」「カース」「ハーベストムーンR」
R『ホワイトバリア』光2 防御力+3、また、敵の攻撃に光属性の魔法が含まれていれば防御力をさらに+1
R『ビートディフェンス』光1闇1 防御力+2、さらに自分にグッドステータス:鼓舞レベル1を与える。
R『フォトンライン』地1光1 防御力+2、さらに自分のいるマスを地形:聖域レベル1に変更する。
C『ラビリンス』地1呪1 攻撃力+3、さらに攻撃範囲のマスを地形:黄泉レベル1に変更する。
R『ムーンライトイグニス』火2光1 防御力+4、さらに味方1人のHPを3点回復し、魔法攻撃の発動者に2点のダメージを与える。
R『ジェネレイトプラズム』地1火1光1 防御力+4、さらに自分のTPを2点回復し、魔法攻撃の発動者のTPを2点減らす。
R『エンジェルフェザー』 風1光2 防御力+4、さらに自分にグッドステータス:飛行レベル1を与える。
R『ヴォルテックヒート』火3光1 防御力+8、さらに自分の周囲全方位1マスにいる味方以外のオブジェクト全てに5点のダメージを与える。
R『セイクリッドイージス』光4 防御力+15
R『ヘヴンオアヘル』地5 防御力+12、さらに光属性か闇属性のマナを合計4つまで発生させる。
「神田信太」
主体属性:火・闇 クラス:杖魔導学科
能力値「アクション:5」「リアクション:4」「リベラル:3」
【特技】
A『万物は流転する』TP2 このアクションフェイズでの発動ダイス数に+1する。
A『永遠の相のもとに』TP3 このアクションフェイズでの攻撃力に+8する。1シーンに1回使用可能。
A『知は力なり』TP3 このアクションフェイズでの発動ダイス数に+3する。1シナリオに1回使用可能。
【アイテム】
なし
【発動体】
鉄の杖(アクションフェイズでの魔法攻撃の対象が1体の場合、攻撃力+4)
攻2 防0 HP40 TP20 SS4 移動1
【魔法】
「オリジン」「カース」「ハーベストムーンA」
A『スチームカーテン』水1火1 攻撃力+1
さらに攻撃範囲を自分の左前、前、右前に変更し、対象にバッドステータス:衰弱レベル1を与える。
A『ファイアボール』火1闇1 攻撃力+2
さらに自分にグッドステータス:興奮レベル1を与える。
A『フレイムボルト』火1光1 攻撃力+2
さらに自分のTPを1点回復する。
R『グレイシアリンク』水1闇1 防御力+1
さらに自分にグッドステータス:浄化レベル1を与える。
A「ヘルブラスト」闇2火1
攻撃力+9、さらに攻撃範囲を前方1マスに固定する。
A『ナイトメア』水1闇1呪1 攻撃力+4
さらに自分にグッドステータス:浄化レベル2とグッドステータス:興奮レベル2とグッドステータス:鼓舞レベル2を与える。
A「ハイドロハリケーン」水1光1闇1
攻撃力+3、さらに対象にバッドステータス:衰弱レベル2を与え、自分にグッドステータス:興奮レベル2を与える。
A『カオスオブアンビバレンス』地1闇3 攻撃力+9
さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスと、前方5マスに固定し、この発動タイミングで、魔法のコストとして使用したマナの数だけ攻撃力を上げる。
A『ヴァーミリオンコスモス』火5 攻撃力+15
さらに攻撃範囲を戦闘空間上の全てのマスに変更し、対象にバッドステータス:火傷レベル3を与える。また、この魔法の効果によって受けたバッドステータスは、戦闘終了時まで回復されず、レベルの増減も起こらない。
【エンハンス】
A『ソーラーイクリプス』地1火1光1 攻撃力+2
さらに自分のTPを1点回復する。敵全体に2点のダメージを与え、味方全員のTPを2点回復する。
A『デビルズソウル』火1風1闇2 攻撃力+3
さらに攻撃範囲を自分の左右1マスに変更し、自分にグッドステータス:飛行レベル1を与える。自分にグッドステータス:憎悪レベル3を与える。
「ルエブガリ」
主体属性:火・風・光 クラス:クリーチャー
能力値「アクション:6」「リアクション:5」「リベラル:4」
攻3 防3 HP100 TP40 SS7 移動2
このクリーチャーは2(横)×1(縦)のオブジェクトである。
大魔法:ヴァイス・ヴァーサ(逆説的真理)、イマジナリーウイング(想像力の翼)
【特技】
聖なる翼 消費TP3 A
敵全員にバッドステータス:麻痺レベル2を与える。
神の囁き 消費TP3 R
魔法攻撃の発動者にバッドステータス:火傷レベル3を与える。
復讐の闘志 消費TP5 A
このアクションフェイズにおいて火属性のマナを1つ発生させ、火属性魔法の攻撃力に+2する。
【魔法】
A「オリジン」全属性1
発動タイミングの好きなダイス1つの出目を+1及び-1できる。
R「アイリス」全属性1
発動タイミングの好きなダイス1つの出目を+1及び-1できる。
A「カース」全属性1
発動タイミングの好きなマナ1つを呪属性に変更する。
レベル2
A「タービュランス」風2
地・水・火・風・光・闇の中から好きな属性のマナを1つ発生させる。
A「イグニッション」火2
攻撃力+4
A「ファイアボール」火1闇1
攻撃力+2、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル1を与える。
A「グランドリザレクト」地1光1
攻撃力+1、さらに自分のいるマスを地形:聖域レベル1に変更する。
A「エアロスプラッシュ」風1水1
攻撃力+1、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更する。
A「フレイムボルト」火1光1
攻撃力+2、さらに自分のTPを1点回復する。
C「イクリプス」呪1火1
攻撃力+5、さらに攻撃範囲に自分の前方3マスを追加する。
レベル3
A「クロスファイア」火2水1
攻撃力+4、さらに攻撃範囲を前方3マスに変更し、対象にバッドステータス:火傷レベル2を与える。
A「ダイヤモンドダスト」風1水1地1
攻撃力+3、さらに対象にバッドステータス:氷結レベル2を与え、自分にグッドステータス:興奮レベル2を与える。
A「ライトニングボルト」光2闇1
攻撃力+3、さらに攻撃範囲を好きな縦列2つに変更する。
A「ヘルブラスト」闇2火1
攻撃力+9、さらに攻撃範囲を前方1マスに固定する。
A「ハイドロハリケーン」水1光1闇1
攻撃力+3、さらに対象にバッドステータス:衰弱レベル2を与え、自分にグッドステータス:興奮レベル2を与える。
C「ナイトメア」呪1水1闇1
攻撃力+4、さらに自分にグッドステータス:浄化レベル2とグッドステータス:興奮レベル2とグッドステータス:鼓舞レベル2を与える。
レベル4
A「エレメンタルクロス」火1地1水1風1
攻撃力+7、さらに地属性、水属性、火属性、風属性のマナをそれぞれ1つずつ発生させる。また、この発動タイミングではもうエレメンタルクロスは発動できない。※オリジンと同時に使用することはできない。
レベル5
A「エアリアルスラスト」風5
攻撃力+12、さらに戦闘空間のオブジェクトの存在していない好きなマスに移動後、自分の周囲全方位1マスを攻撃範囲に変更する。また、3つまで、好きな属性のマナを発生させる。
リアクション
R「ホワイトバリア」光2
防御力+3、また、敵の攻撃に光属性の魔法が含まれていれば防御力をさらに+1
R「グリーンバリア」風2
防御力+3、また、敵の攻撃に風属性の魔法が含まれていれば防御力をさらに+1
R「レッドバリア」火2
防御力+3、また、敵の攻撃に火属性の魔法が含まれていれば防御力をさらに+1
R「ビートディフェンス」光1闇1
防御力+2、さらに自分にグッドステータス:鼓舞レベル1を与える。
R「ファイアウォール」火1闇1
防御力+1、さらに自分の前方1マスにいるオブジェクトに1点のダメージを与える。
R「スローリーファング」風2闇1
防御力+3、さらに自分にグッドステータス:鼓舞レベル2を与える。
R「セイントメガシールド」光3
防御力+9
【エンハンス】
R「クロスアクア」水1 火1 闇1
防御力+1、さらに自分の前方1マスにいるオブジェクトに1点のダメージを与える。自分の前方向に存在する敵全員に3点のダメージを与える。
R「ヘヴンズバッシュ」風1 光3
防御力+9、好きな属性を1つ選ぶ。味方全員の次のアクションフェイズの発動タイミングで、その属性のマナを1つ発生させる。