シナリオ「終止符(ラスト・ピリオド)」

1.概要

魔法学園RPGハーベスト 
シナリオ「終止符(ラストピリオド)」
形式:大学院シナリオ
雰囲気:シリアス。情報、展開ともに重い
推奨人数 PL3人
推定時間 6~8時間
推奨リベラルアーツ なし(ただし、リベラル値5以上が望ましい)
※複数のエンディングがあります
エンディングソング 『FREEWAY』 by はなP∞

2.今回予告

空洞の墓穴を見つめる

あの日々を思い出す

心の穴から痛みが染み出す

イヤだ……

イヤだイヤだ!

こんなエンディング、絶対に嫌だ!

―――――――――――!

魔法学園RPGハーベスト「ラストピリオド」

エンディングの、後の後の後へ

3.シナリオハンドアウト

※全員院生想定、必要な10点がなければ配布する。

※GMの許可があればさらに0~10点目安に経験点を使っても良い。

※PC同士の関係をあらかじめ作っておくこと。

PC1:関係:常夜桜(とこよ さくら)(推奨関係:友人、腐れ縁、親友)

研究科指定:儀式魔導研究科 ※PC1のラストピリオドに使用想定があります。

指定:現実世界出身(導入想定あり)

君は現実世界出身の大学院1年生である。ある日、一冊の日記が落ちてくる。何となく見てみると、日記には未来の日付でこれからおこる出来事が書いてあった。しかも、これからハーベストに降りかかる大きな戦いについても書かれている。さらに、そこには君や友人の死も含まれていた。

常夜桜 20歳前後 女

学部からPC1の学部からの友人。機械魔導学科から儀式魔導研究科に進学し、PC1と同じ学年である。発動体はクマさんストラップが特徴のスマートフォンである。クリーチャーハントとゲームが大好きで、よくPC1を誘い、断り続けると強制的に連れていく。まめな性格で、日記を取るのが好き。おちゃめで頑固な一面も。

PC2:関係:廻崎吹雪(まさき ふぶき)(推奨関係:先輩)

君はカース対策委員の大学院一年生である。君には廻崎吹雪という学部からの友人がいる。陽気で親切な奴だったが、2年前のある日カース事件を起こし、それ以降は療養生活をおくっている。しかも、まだ原因のクリーチャーが見つかっておらず、死ぬ日も近いかもしれない。君は友人としてできることを探し、暇な時があれば会いに行っている。

廻崎吹雪 20歳前後 男

学部からPC2の友人。邪眼魔導学科であったが今は休学、入院している。両親を幼いころに無くしており、“廻崎夏”という名前の姉と2人で暮らしてきたが、その姉も在学中に亡くしている。発動体はサードニクス色の邪眼。

PC3:関係:嵐谷巌(あらしたに いわお)(推奨関係:トラウマ、敵視、上司)もしくはドロシー・フロム・オズ(推奨関係:憧れ、庇護など)

君はアマリリスのスパイだったが、ハーベストの思考に賛同する(などの理由で)普通のハーベスト大学院生として過ごしている。嵐谷は当時のアマリリスのリーダーである。君は7年前、アマリリスにいたとき、任務中に不必要にハーベストの女性研究員を殺めてしまったことがトラウマになっている。リーダーの嵐谷は褒めてくれたが、君にとっては悪い記憶だ。そんな君はある日、不審な視線を感じるようになった。

※アマリリスのデータを初期作成として作成し、院進学をさせること。

※元アマリリスだったことは、他PC2人は知っているが、他の生徒には秘密にしていることになる。もちろん、ドロシーなどの先生陣は知っている。

嵐谷巌(あらしたに いわお) 40歳前後

アマリリスの若輩者のオーガン。リーダーシップや作戦指揮に長け、敵には冷酷だが、仲間想いで部下を大切にする。自分の任務では死者を出さないことを目標にしている、もちろん味方のみである。

4.はじめる前に

PC1~PC3どうしでコネクションを結んでもらう

5.  オープニング(PC1)

5.1.1.  シーン1「運命」(PC1)(7年前)

8年前の4月1日 春

君は現実世界でいつも通り、退屈な日々を過ごしていた。ある日の昼,君は誰もいない道路を歩いていると、トラックが結構な速度で来る。運転席を見ると……なんと、少女が足で運転しているではないか!彼女も君に気付いたようで、急いで減速するが間に合わない!と思ったが、君に衝撃がくることはなかった。

君は気付くと、草原に仰向けで倒れていた。目を覚ますと、さっきのトラックの少女と、白衣に赤紙の女性が君を覗き込んでいる。

夏「桜……彼は大丈夫なのかね?」

桜「はい……本当にひいてしまったわけではないはずなんですけど……」

夏「おや、目を覚ましたかい」

桜「えっと……ごめんね?大丈夫?死んでない?」

「よかったー!引いちゃいそうだったから、こっちに連れてきたの!」

「あ……ちなみに、ここどこかわかる?」

「ここは魔導次元ってとこだよ。私達、魔法が使えるの」と言って彼女はスマートフォンを出すと、その先っぽから炎を出す。

「ここはすごいんだよ~何でもできるの!しかもねぇ!魔法を教えてくれる学園だってあるんだよー。そっちの世界に住んでる子たちもたくさんいる!」

「どう?入ってみない?魅力的じゃない?あなたもやってみたいことあるんじゃない?」

(快諾)「そう!?やったー!私は常夜桜でーす!あなたの名前は?」

「PC1……いい名前ねー!よろしく!で、こちらの白衣の人がナツ先生って方」

夏「まあ、私のことはいいだろう。相手してやってくれ、常夜。私はいろいろな手続きを進めておいてやろう」

夏「ああ……そうだ、その前に君にいいものをあげよう」

「私が研究しているクリーチャーはね。『運命を変える者の前に現れる』といわくがついている。ま、ただのクリーチャーがそんなケッタイな力をもっているはずはないんだがね」「それにちなんだお守りを作ったんだ。君にもあげよう」「そうだ、発動体につけておくといいだろう……どんな形がいい?(邪眼なら伊達眼鏡など)」(運命を操る力を増大させてくれるやつ)

桜「あー私もさっき同じやつもらったんだー!」とスマートフォンについているストラップを見せてくる。

夏「このお守りはね……たまに光るんだ。頻度は数十年に一回くらいだ」

「いつ光るのかは私にも分からない。10秒後に光るかもしれないし、壊れるまで一生光らないかもしれない。ロマンの塊だろう……!」「もろもろの処理はやっておいてやるから心配しないでくれ……やれやれ今日くらい顔を見せてやろうと思ったんだが、帰れそうにない」とぼやきながら彼女は研究所へ去っていく。

「そうだ!学園や街を案内してあげるよ!」

そんなこんなで、君は発動体や備品を揃え、魔導次元に住むことになりました。

5.1.2.  シーン2「友情」(PC2)(8年前)

8年前の4月1日

桜が舞うハーベスト。君は春季新入生としてここに来ていた。さて、講堂に向かわなければいけないが、どこかわからない。桃色の髪の少女に地図を書いてもらったが、雑すぎてどこが講堂か全然わからない……。

君が困っていると、通話しているハーベストの生徒がいた。黒髪の青年で、手すりに足をのせている。

「え?迎え?まあいいけど……っと」彼は、君と君の地図の方を見る。

「ごめんよ姉ちゃん、ちょっと迷子の子猫ちゃんを案内してやんねえといけなさそうだ……俺が行っても微妙だろ?一晩くらいいいよ。じゃっ」

電話を切ると君に話しかけてくる。

「やあ君、迷子?」

「これドロシー学長だよなぁ……運がないな君も」

「あ、俺、廻崎吹雪ってんだ。よろしく」と言って手を差し出してくる。

「PC2ってんだ!かっこいい名前じゃん。おっけー案内していやるよ」と彼は講堂まで君を案内してくれる。

「こまったことがあったら何でも言えよな!俺好きなんだ!世話焼くの」彼は手を振って別れる。

5.1.3.  シーン3「記憶」(PC3)(8年前)

8年前の某月某日

ハーベストのとある研究所に奇襲作戦をかける。PC3の初舞台で、他の団員も声を掛けてくれる。

8年前、君がアマリリスでいつも通り過ごしていると、ブレインであるトト・フロム・オズから呼び出しがかかる。

執務室の扉を開けると、トトが真剣な顔で出迎えてくれる。その隣には、ガッチリとした軍人風の男がおり、腕を組んで君を見ている。

「やあ、PC3、元気かい?君はここに来てどれくらいだったかな?」

「君は大分ここになれてきたね。それに魔法の腕も評価している。そこでだ、話というのはね、君を本日から『クリーチャー解放隊』の工作員に任命する。引き受けてくれるね?」

「よし。詳しいことはそこにいる嵐谷が説明してくれるよ」

「嵐谷だ。話は聞いているぞ。今日からよろしく」

こうして君は、嵐谷指導の下しばらくの間、様々な訓練・実習をみっちり受けた。そして……今から8年前、4月1日、朝、君はアマリリスにある開けた場所に集められていた。これから、作戦が実際に始まるのだ。参加工作員は5名ほど。実習で見たような顔もあるが、初めて見る人もいる。全員が集まったことを確認すると、嵐谷巌が号令をかける。

「よし、全員集まったな。事前に説明した通りだが、俺がクリーチャーを解放する。お前たちは研究員を捉えろ……一人も逃がすなよ」

それからは長かったようであっという間だった。

少し離れた森で待機、夜の帳が下りてから研究所を襲撃、あっという間に火の手が上がり、仲間が研究員たちを次々拘束していく。詠唱、爆発音、うめき声、鉄の音……。君も混乱する現場でなんとか研究室を見つけ、その中に入り込むことができた。

その中には赤髪の女性研究員いた。彼女は君に背を向けた状態で、必死にバッグに検体を詰めている。そんなに大きくない部屋で、デスクにはクリーチャーのものと思われる羽、目玉、脚……など検体がたくさん置かれている。バッグからは巨大な卵がはみ出しているのが見える。

(声を掛けると)「ひっ……」彼女は驚いた表情を見せたが、すぐに右目の邪眼を光らせて応戦する。

(PC2は適当に魔法の演出をしても良い)

彼女の発動体が壊れ、右目から血が出る。彼女はバッグを掴むと逃げ出そうと研究室の外へ駆けていく。君の脳裏には嵐谷の訓練が蘇ってくる:「発動体を破壊したら、足を攻撃しろ。文字通り足を奪うんだ」。

(攻撃すると)しかし、強すぎた。軌道がそれ、魔法は彼女の胸を貫く。赤髪の女性は倒れ、しばらくバッグに手を伸ばそうとしていたが、息絶える。

「PC3!大丈夫か」

(死体を見て)PC3の肩を叩くと「よくやった。お前はテロ組織として正しいことをしたんだ」「死体の処理はお前の仕事じゃない。俺に任せておけ」

その後、君は無事にアマリリスに帰った。

5.1.4.  シーン4「離反」(PC3)(1~8年前)

~年前の某年某月某日

君はトトに再び呼び出される。

「この前はご苦労だったね」

「次はハーベストへのスパイに行ってほしい頼まれてくれるね?」

君はハーベストで過ごしていると、この生活の方が心地が良くなってくる。だんだんハーベストにいたいという気持ちが強くなり、ドロシーに自分のことを打ち明けることを決意する。

ドロシーはニコっと笑って……。

「ようこそ!魔法学園ハーベストはどんな人であろうとあなた歓迎します!」

君を受け入れてくれる。以降、君はドロシーにたまに呼び出されると、いろいろ気にかけてくれるようになった。

5.1.5.  シーン5「魔道決闘の練習」(PC2)(2年以上前)

2年以上前の某月某日

新しく入学したばかりのPC2に、吹雪が魔法を教えてあげるシーン。

「いいか、PC2?魔導決闘ってのはいくつか定石はある、とにかく先に動いてパワーを出す、相手の魔法を撃退する、味方を強くする、相手を弱くする……。いろいろあるんだ」

「PC2、お前は何がやりたい?」

「おお!いいな!きっとできるようになる」ようしやってみろ!

と言い、吹雪は君から少し離れたところで向かい合う。

「遠慮するなよ。魔法で人が死ぬわけじゃないんだからさ」彼は無邪気に笑う。

(PC2の魔法の演出)

「おおっこれはすごいな……。お前にはこれが合うって!」

その後も、一通り魔法を練習した後、

「じゃあ、帰るか~!」

「今何時だっけな」と電話を付けた彼だが、一瞬浮かない顔をする。

(指摘されると)「俺、姉ちゃんがいるんだけど」「クリーチャー研究所で働いてたんだけど、昔そこ、襲われちまってさ。アマリリスの連中によ」「俺の姉ちゃんだけ行方不明なんだ」「ごめんなーこんな話して。俺が笑顔でなきゃねえちゃんも帰ってこれねーよなー」と言って笑う。

(指摘されないなら)「あ、ごめん、俺、変な顔してた?」

5.1.6.  シーン6「仲良し」(PC1~PC3)

1~2年前の某月某日

PC1~PC3が出会ったシーン、または仲良くするシーン。シナリオ前に決めてもらった関係性を基にシーンを作り、自由に演習すること。

→27日の後に合流シーンとして作っても良い

5.1.7.  シーン7「クリーチャーハント」(PC1)(ちょっと前)

ちょっと前年の某月某日

PC1は朝、ドンドンドン!というドアを叩くけたたましい音で目が覚める。

「大変だー!大変だー!」女の子の声がドアの外から聞こえてくる。

「はやくここを開けてくださーい!たいへんでーす」どんどん

君がドアをあけると、そこにいたのは常夜桜だった。

「あ、PC1おはよ。元気?」彼女は平然とした顔で挨拶する。

「ねぇ、クリーチャーハントいかない?」彼女は発動体のクマさんストラップ付スマートフォンを君に見せながら聞く。

(いくと言う)「お、行ってくれるんだね!じゃあすぐ用意してよ!ご飯作ってあげよっか?」

(いかないと言う)「お、行ってくれるんだね!!!!!!!じゃあすぐ用意してよ!ご飯作ってあげよっか?」

(飯作って)「うん!腕が鳴るなー!」→コーラご飯ができる(この世の終わりかと思うくらいマズイ)。

(ご飯の感想を言う、飯作るを断る)「あ!それ日記に書いちゃおー」彼女は赤色の表紙の日記を取り出す。

「次の日記の色、何色にしよっかなー。ねえ、PC1さぁ、何色が、好き?」

(PC1が何か色を言うと)

「あっ、ごめん。もう青色(PC1が言った色以外)のやつ買ってたわー。次の次にするね!」彼女は一ミリも申し訳なさを包んでいない感じで謝罪した。

「準備できた?ご飯で力もついたし、いこっか!」

今日の依頼は、なぜか大量発生したアトラクナクア10体の討伐である。場所は、学園の実習などでもよく使われる黒き森である。

そういう訳で、君たちは黒き森へと向かった。

君たちは黒き森へ着くと、さっそくアトラクナクアの乱獲を始めた。

PC1の方にも一匹のアトラクナクアが来る。(適当な演出で倒すこと)

そんなこんなで夕方。君と桜は10本の黒い糸が入った袋を手に、帰路につく。

「なんとかあつまったねー!なかなかやるじゃんPC1」

そんな感じで歩いていたのだが…。

上を向いて常夜がピタッととまる。

「PC1…あっあれ…見て…」と、呆気にとられた様子で空の一点を指す。

君もそちらの方を見ると、遠くの空に超巨大なクリーチャーがいた。細長い蛇のようなクリーチャーで、灰色の鱗に覆われている。特徴はなんといっても大きさは、全長100メートルほどもありそうだ……。胴の太さは直径10mほどもあるだろう。あのような巨大なクリーチャーは、肉眼ではもちろん図鑑でも見たことない。

「あんなの…見たことある?」

「だよねぇ…不思議」

そんなこんなで君たちは無事、家に帰ってきた。

5.1.8.  シーン8「お見舞い」(PC2)(現在)

君は現在カース感染で療養している廻崎吹雪の元へとやって来た。彼はカース事件を起こして以来、2年近くたっており、もう命も危ないかもしれない。

「ああ、PC2さん、来てくださったのですね」見慣れた受付嬢が吹雪の病室へ通してくれる。

君が部屋に行くと、吹雪が身体を起こす。手は鎖で拘束されており、自由に動かせるが部屋の外には出れないようになっている。

「よう、PC2」彼は手を挙げて君を迎え入れる。カースの衝動を抑えているようだ。

「最近どうだ?PC2」

「そうか……俺はもうそろそろダメかも知れない。原因のクリーチャーすら見つからないし……」

「なあ……死ぬ前にお願いだ……俺をこんな目に遭わせたクリーチャーだけでも……探してくれないか?」

「きっと難しいが……倒せとは言わない。きっとお前も危険になる」

「ただ……知りたいにんだ……知って……う……ぶっ壊してやりたいねえ!」と叫ぶと彼の容体が急変する。医者がすぐに飛んできて彼を鎮静化させる。

受付の人が君のところへ来くる。

「残念ですが、今日はもうお引き取りを……」

5.1.9.  シーン9「~色の日記」(PC1)

(3月27日はPL達に日記の内容が本当に起こることを知らせるシーン。もちろん、PC1にいろいろ改変させても良い)

3月27日

君は朝、起きた。なぜなら、顔に何かが落ちてきたからである。ドサッと。

なんだなんだと見てみると、それは~色(前のシーンでPC1が言った色)の日記である。

名前は書かれていない。誰のかわからないので、とりあえず開いてみることにした。

最初のページにはこう書かれている。

・3月27日—————————————————-

午前 PC2が自販機で困っていたので助けてあげた! めっちゃ感謝された いいことしたなぁ……

午後 学長室の前をたまたま通りかかるとPC3がドロシー先生に呼び出されていた そこでわたしはPC3の衝撃の秘密を知ることになる 消されないかな……わたし

————————————————————-

これ以降のページは真っ白ではないが、ぼやけていてよく読めない。

これは今日の日付だ。日付を間違えて書いたのだろうか。君は気になって、これが本当か調べることにした。(この行為には不思議と疑問が起きなかった)

5.1.10.  シーン10「自販機」(PC2、PC1)(現在)

3月27日 午前

君はたまたま学園内をゆるゆる歩いていた。(どんな用事?)

どうしても喉が渇いたので、自販機を使うことにした。(何を飲む?)

(PC1はどこかで見ている)

君がお金を入れ、ボタンを押すが……飲み物は出てこない。

すると、一人の少女が君に声を掛けてくる。

「どうかされましたか?」儀式魔導研究科で見たことあるような気がする。(PC1はそれが常夜桜であるとわかる)

(自販機のことを話す)「ああー!そうなんですよ!それよくつまるんです!」

そう言うと桜は自販機の前にゆっくりと歩いていく。そして……

「えいっ!」

と自販機を殴りつけると、『ガコン』と音がしてPC2が飲みたかったやつが落ちてくる。

「いえいえどういたしましてー!」と(PC2が何も言わなくても)そう言って帰っていく。すごい上機嫌だ。

5.1.11.  シーン11「ドロシー」(PC3、PC1)(現在)

3月27日朝

今日は講義がない日だ。君は朝、起きた。(何時くらいですか?)

そんなとき、君は窓の外から何かを感じ、そちらを見る……視線?そちらを見ると、何かが引っ込んだ……いや隠れた?気のせいだろうか?

それより、午後からはドロシーに呼び出されている。準備しなければ。

(PC1は隠れてみている。登場してもよい)

午後になり、君は学園長室の前にやってきた。

「やっほーPC3!元気?」

ドロシーに調子を尋ねられる。

「最近どう?アマリリスの方からは何もちょっかい出されてない?」

(視線のことをを話す)「そうなんだー。うーん何か関係あるのかなー」

「それがね!聞いてよー!PC3!最近、トトがしょっちゅうちょっかいかけてきてね。どうぶ〇つの森がしたいよーPC3~」彼女は君に寄りかかってくる。が、すぐに真剣な表情に戻って。

「まあ、トトに対抗できるのは私くらいだしね。それは向こうにいた君なら良く分かってくれると思う」

「他に困ったことあったらなんでもいってね!」

「生徒たちが無理して背負うことなんてないよ」

「あと、ス〇ブラあるんだけどやってく?」

PC3が帰り際、扉を開けると、常夜桜がいまにも入ろうとしていた。手には書類を抱えている。

「あ、どうも……」

5.1.12.  シーン12「すやあ」(PC1)

(3月28日はPL達に日記通りに動かなくても良いことを理解させるシーン。常夜を起こすか?忠告するか?などの細かいことを聞きながら進めること)

3月28日朝

PC1はいつもどおり起きる。今日は午前、午後とも講義がある日だ……忙しい。

PC1が何気なく日記を開くと、3月28日のページに文字が浮かび上がっていた。不思議だ……。その部分にはこう書かれている。

3月28日 午前——————————————-

演習代表としてカント先生が何人か生徒を呼び出す PC1、PC2、PC3、私である しかし私は突っ伏してぐっすり眠っていたのであった…… ちくしょーーーーーー

午後

PC1は講義なので今日はひとりでクリーチャーハントにいった 新しい獣道を開拓していると廃墟があった 一軒家でもう間違いなく誰も使っていないようだった 中に入って見つけてしまった…… あそこはリビングだろうか…… 映像が 匂いが 脳裏にこびりついて離れない 一生モノのトラウマだ……

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準備ができたら君は講義に向かうことにした。

途中で桜と会う。

「あ~PC1~一緒にいこうよ~」

彼女はすごく眠そうである。

「昨日、夜通しクリーチャーハントしてたからねっむいわ~。講義中に寝ればいっか」

(指摘すると)「そんなの確率でしょ?あたったら諦めて恥かくわ」

「そういえば、今日はPC1は午後も講義だっけ?」

「そうなんだー……ねー授業サボって午後からクリーチャーハント行こうよ~」

5.1.13.  シーン13「講義」(全員)(合流シーン)

今日はイマヌエル・カント先生の『クリーチャー研究概論』の講義である。PC2、PC3も出ている。

「この世界にはいくらか巨大クリーチャーがいる」「例を挙げよう。アトラクナクア、ドラゴン、あと、私も見たことないが、ウルボロスというクリーチャーもそうだ」「そうだ、どんな魔法が効くのかをちょっと演習してみよう」と言うと名簿を取り出す。「きっとカッコよく決めてくれるんだろうね。じゃあ……PC1、PC2、PC3、常夜桜」

しかし、桜は寝ている。「おい、常夜?いないのか?」

(起こす場合)「ありがとう…PC1。一生の恩人だわー」

(起こさない場合)「は、はい!!」と起きる。まわりからは笑われている。

「君も演習代表だ。前に来なさい」「は、はいーすみません……」

「演習はね、簡単だ。私がクリーチャーだと思って攻撃しなさい。それに私も対応しよう」

と言うと、カントは君たちの向かいに立ち、杖を両手で構える。

「役割分担も済ませておくんだな。講義室だからって遠慮しなくていい。私が傷一つ付けさせない」

(適当に魔法の演出をする)

「こんなもんか?カーディナルコスモス!」(宣言通り教室に傷はつけない)

「よーし。よくやった。みんな、演習者に拍手だ!」

(適当に合流シーンに使って良い)

「じゃ、PC1一緒にクリーチャーハントいこっか!」と桜がPC1の午後の講義を忘れたかのような顔で聞いてくる。

(行く)「お、じゃあれっつごー」

(行かない)「なにー!真面目だなー。一人で行くもーん」

5.1.14.  シーン15「廃墟」(PC1)

3月28日 午後

(PC1が来なければマスターシーン)常夜桜は雑木林を進むと、一軒家の廃墟を見つける。そして、その一室に入ると、悲鳴を上げ、ハーベストへ逃げるように帰っていく。その後、教員たちを連れて戻ってくる。そして、教授たちはそこで、白骨化した遺体を発見した。

(マスターシーンではない場合:PC1がいるとき)

「今日はさ、新しい獣道を発見していきたいと思うんだよね」

そう言うと彼女はずんずんと雑木林と進んでいく。

「この辺は強いクリーチャーもいないし、怖いものなんてないーよー」

そんな感じで歩いていくと、一軒家を発見する。どう見ても廃墟だ。

「おー廃墟だ……うん、入ろっか!」

と言ってスタスタ入っていく。

君と桜は玄関に立っていた。廃墟の中はホコリが舞っている。汚い。普通の一軒家だが、二階建てで、めっちゃ狭い訳ではない。ほぼ家具はないため、普通の家より広く見える。玄関入ってすぐ右にリビングがあるようだ。リビングの奥の方は死角になっており、見えない。

「広いね~」

「そうだ!2人で分担して探索しよっ!PC1は一階か二階のどっちに行きたい?」

「はーい!」

(2階の場合)上には部屋が3つある。2部屋はどこを覗いても何もない空間だ。カーペットやカーテンなどもなく、本当にサッパリしている。しかし、1部屋だけは机、タンス、ベッドが置かれており、昔人が住んでいたことが伺える。どれもかびているが。……暫くすると、下の階から悲鳴が聞こえてくる。「きゃああああああ」降りるとリビングの方だと分かる。

(1階の場合)リビングっぽい部屋の他に、小部屋が2つある。小部屋には何もない。カーペットやカーテンなどもなく、本当にサッパリしている。

(リビング)薄暗いそこは、太陽の光が薄っすらとしか入ってこない。他の部屋同様に何もないが、空気が異様に重い。そして、窓際に、何かある。細長いそれは2mくらいの布がかぶせられている。

(布を取る)そこには、白骨化した遺体があった。よっぽど時間が経ったためか、もう虫すら興味を失ったようだ。腹や顔の一部は損傷が激しく、ボロボロになっている。……学園に報告した方が良いだろう。

(どうしても廃墟に入らなかった場合、もしくは遺体を見つけなかった場合)無事に帰り、夜PC1にメールが届く。「今日見た廃墟覚えてる?あそこから遺体が見つかったらしいの!しかも白骨だって!ひゃ~もし見てたら一生モノのトラウマになっていたわ…… PC1のおかげだね~」

5.1.15.  シーン16「面会」(PC2)

3月29日 午前

その日、PC2はたまたま、学園内の人通りの少ない道を通っていた。真昼だというのに人通りは全くなく、うっすら暗い。

そんな君を、一人の青年が見ていた。それは、ここにいるはずのない人間。

「PC2……見つけちゃったから、お前からぶっ壊すことにするよ……」

それは、ここにいるはずのない人間、廻崎吹雪だった。(シーンエンド)

5.1.16.  シーン17「日記の全容」(PC1)

君は朝起きると、今日の分の日記を見る。

3月29日—————————————————-

午前:PC1とクリーチャーハントに出かけた!帰りにアマリリスの工作員を見つけたので、ドロシーに伝えることにする。見つからなくてよかった…… クリーチャーハントの首尾は上々 今週も贅沢できるぞ

午後:いままでで一番ショックといってもいい話題だ…… 同級生のPC2が死んだ 原因はカースの暴走をした友人の廻崎吹雪に殺されてしまったのだ 午前中のことだ 廻崎は今は落ち着いているらしい 私達はクリーチャーハントに出かけていて何も知らなかった…… どうしようもないよね知らなかったんだもん

————————————————————-

と同時にそれ以降のページに文字が現れる。

※これ以降、PC1は残りの日記をいつでも見て良い。(PCが見ることを要求した場合は、めっちゃ下にある『日記』の内容を全て開示すること)

読み終わると、桜からメールが来きていた。「PC1~!今日は暇? クリーチャーハントいかない? ていうか既に森にいるんだ 来なかったら一人で寂しく行ってやるもんね!!」

(断ると)「ばーか!」とメールが来る。

(PC1が行動を起こしたら描写してシーン終了)

(他のところへ行くとか言い出したら、PC2が死ぬことを伝えて脅すこと)

6.  ミドルフェイズ

6.1.  シーン18「戦闘」(PC2、PC1)

3月29日

(想定:PC1がPC3を連れてPC2の元に現れる)

ミドル戦闘:吹雪(カース)

駆け付けている途中のPC1にメールが届く、桜からである。見るのであれば『一通目』を参照。

「ようぅ……PC2……驚いたろ?」

「壊す壊す壊す……全部だ……『世界ごと』……ぶっ壊してやる!」

(廻崎吹雪と戦闘)

戦闘後、常夜からメールが来ていたことがわかる

一通目「アマリリスの男が研究所廃墟に入っていくのを見たんだけど なかなか不穏じゃない?」

二通目「みつかったかも」

三通目「死ぬかも ばかっていってごめんね」

待機/黒き森へ向かうなどしてしばらくすると、電話がなり、常夜桜の遺体が見つかったと報告を受ける。葬式は情報シーン中(29~30日の間)に行われる。

ドロシーに話すと探してくれる。遺体が見つかったと報告をくれる。

6.2.  情報収集

※この時点でラスピリの使用想定を説明し、消す事件の仮候補を決めて置いてもらうこと(クライマックスボスが大して喋らないことも併記しても良い):

情報収集は必ず3周。1周ごとに1日経つ。それ以上ならイベントが勝手に進む。(ドロシーから呼び出され、次のシーンへ)(日にちとしては3/30朝~4/1夕方)

初期

  • 常夜桜の死について

死亡時刻は昼頃。ちょうど、PCたちが吹雪たちと交戦しているくらいの時刻だ。魔法戦で発動体を破壊された後、魔法でひと突き。即死だった。また、死亡前にPC1へメールを送信している、内容はアマリリスの工作員を見たというものだ。→アマリリスの計画1

  • 廻崎吹雪のカース事件について

療養中だったはずの吹雪が逃走、PC2が襲われた。被害者はいない。なぜ、療養中のはずの吹雪が逃げたのかも謎。「世界を滅ぼしたい」という欲求が暴走しているらしいが、そのような欲望に感染するクリーチャーはどの図鑑にも載っていない。

  • 廃墟で見つかった遺体について

吹雪の姉の廻崎夏である。彼女は何者かに殺された後,ここに放置された。放置後、数年は経っているらしい。→廻崎夏

  • 桜の見つけた廃墟について(桜かPC1が遺体を見つけていない場合のみ発生し、その場合は『廃墟で見つかった遺体について』を消す)

廃墟のリビングから遺体が見つかる

→廃墟で見つかった遺体について

追加

  • アマリリスの計画1

裏切り者のPC3を確実に暗殺することである。実行者はオーガンの嵐谷巌である。彼は元クリーチャー研究所の廃墟を拠点とし、暗殺実行および“もうひとつの作戦”の指揮をとるようだ。さらに、ハーベストを混乱させるため、カース感染者をこっそり解放しているらしい。吹雪は実験台の一号といったところだろう。→アマリリスの計画2

  • アマリリスの計画2

ある『兵器』を使い、ハーベストに侵攻することである。兵器がどのようなものかは不明。ドロシーをおびきよせるために、トトが出向き、一部オーガンや上位ナーブたちが『兵器』とともに攻め込んでくるという計画。かなり強力な『兵器』があったからこそ、計画実行にまでこぎつけたようだ。

  • ウルボロスについて

超巨大なクリーチャー。体長100mとも言われている。街一つくらいなら滅ぼせるほどの力を持っているらしい。研究者によると『運命が変わるときに現れるクリーチャー』らしい。ここ200年ほど目撃されていない。カースも「世界を滅ぼしたい」という感染するかすら怪しいものである。その生態は未知であり、成体を映した写真は一枚も存在しない。廻崎夏という研究者が卵を手に入れていたらしい。その卵は既にヒビが入っており、7年前の時点で孵化しそうなものだったらしい。

  • 廻崎夏について

8年前に失踪届が出されているが、未だに見つかっていなかった。彼女は生前、ウルボロスというクリーチャーについて研究していた。幻のクリーチャーであったが、10年ほど前、その卵を偶然入手することに成功したらしい。しかしながら、その卵は現在、行方不明である。→ウルボロスについて

→8年前の事件について

  • 8年前の事件について

8年前の4月1日夜、アマリリスがクリーチャー研究所を襲撃し、保存クリーチャーを大量に開放した事件。さらに、ほとんどの研究データが盗まれている。首謀者は嵐谷巌と見られている。それ以降、研究所は廃墟となっている。

※これ以外でわからんことあったら情報項目を出す→行動権を消費せずに調べられる。(『わからない』と想定してある情報を出す必要はない)

6.2.1.  4月1日夕方(情報収集が終ったタイミングで)

ドロシーからメール:「現在、アマリリスのことで情報を集めています。協力できる人は学園長室まで!」

6.3.  シーン19「戦前会議」(PC1~PC3)

ドロシー、カント、フリードが出迎えてくれる。

ドロシーは呑気に「やっほー元気?メールを見てきてくれたのかな?」

(情報を話す)

ド「うん……うん……そっか、了解」

カ「これではっきりしたなドロシー……これから戦争になる」

フ「本当に…?サッパリ実感がわかないです」

カ「ああ、戦争だ。生易しいもんじゃない」

カ「お前たちに最重要任務を渡したい」PC達に向いていう。

カ「件の廃墟に出向き、嵐谷をとっちめてくれい。戦火を街まで通すことはできん。お前たちに任せるしかないのだ」

ド「これは魔導決闘とかじゃなくて、本当の闘いで、命を懸けることになるよ?本当に覚悟はできてる?あと、PC3はもうちょっと込み入ってるよね。そこらへんも入れて大丈夫?今は敵でも、昔仲良しだった人に刃を向けるのって……つらいんだよ」

(覚悟フェイズ)

6.3.1.  シーン20「戦争」(マスターシーン)

ハーベストの教師と生徒が陣取る。アマリリスの工作員がはっぱをかける。大量の人数でもう無茶苦茶になる。学園前は混とんと化していた。魔法の光が飛び交い、双方の陣営で爆発が起こる、水流が襲う、風で押し流す、地面が盛り上がる……そこは見慣れた魔法学園の日常とはかけ離れていた。

そこから少し離れた場所で、とんがり帽子2人の少女が激しい戦闘を行っていた。目に見えない、理解できない速さで飛び交い、魔法を放つ。完璧に拮抗する2人。それぞれは自分の仲間全ての運命を背負って戦っていた。

7.  クライマックス

4月1日 夜

君たちは研究所廃墟と繋がっている広場にやって来た。桜はほとんど開いており、ゆっくりと散り始めている。

「きたか……」

研究所廃墟の入口にいた巌が君たちの方に来る。

「そんなんじゃねえかと思ってたぜ」彼は発動体のコンバットナイフを構える。

(戦闘開始:嵐谷巌)

8.  エンディングの後の後

・巌は殺したり、捕まえたりしてくれればよい(「馬鹿野郎これは戦争だぞ」捕まえるなら、その前に隠し持っていた爆弾で自害する。マナプロテクトでPC達に傷はつかない)

君たちは巌を倒した。しかし、ウルボロスの卵はそこにはない。と、ハーベストのある方角からけたたましく風を切る轟音が響きわたる。体長が何メートルもありそうな巨大な龍のクリーチャーが体をもたげ、上空へ飛んでいく。100mはありそうだ。その後、そいつはハーベストの方へと飛び去って行った。(PC1は見覚えがあっても良い:桜と一緒に目撃したあのデカいクリーチャーだ)

「くくく……俺自身は止められちまったが、作戦は止められなかったようだなぁ……!」

「あとは口封じだけか……」

「PC3、お前、なかなか見どころある奴だっただけに残念だったよ」

(一通り話すと)巌は口の中に隠していた仕掛けを起動させる。

次の瞬間、巌の身体が爆発する。爆弾を仕込んでおいたのだろう。マナプロテクトで君たちには傷一つ付かないものの、巌自身の身体は木端微塵だ……後には何も残らなかった。

しばらく、ハーベストの方から火の手が上がる。大きな爆音や魔法陣がちらちらと見える。まさか……ハーベストで戦いが起こっているのだろうか?

生徒会会長のフリードから全員に通信が来る。

「もしもし、こちらフリード・フィリップスです。皆さま無事ですか?」

「ハーベストでは激しい戦闘が始まっています。PC2さんとPC3さんは帰ってきください。PC1さんはそちらに残ってください。研究所廃墟を探索し、アマリリスに有利になるような資料、武器がないか確認を……うわ!」といったところでフリードからの通信が途切れる。PC2とPC3は指示通り帰ることにした。PC1は残る。

8.1.1.  「炎」(PC3の個別エンディング)

君が学園に向かうと、100mほどの龍が学園内を暴れまわっていた。遠くの方では、魔法を使った戦闘が行われているのか、爆撃、風、水、詠唱の音、そして悲鳴がうっすら聞こえる。辺りを見回してみると、君が短い学園生活をおくって来た建物は破壊され、残骸が転がっている。残骸だけではない、人間も転がっている。思わず目を覆いたくなる傷を負った者、痛みにうめく者……。その中には、ハーベスト、アマリリス問わず、君が知っている、あるいは一度くらい見たことがある者もいた。

「ま……待ってくれ……」誰かが君の足を掴む。ハーベストの制服を着た青年だ。

「もう……俺たちは終わりだ……」

「死んだんだよ……イマヌエル……カント先生が」

「私がどうしったっていうのかね?」PC2が振り向くと、カント先生が立っていた。両手を広げ、無事であることをアピールする。

「はっはっは!どうした2人とも!幽霊でも見たような顔をしおって!どうやら私が一発貰ったくらいで死んだとはやまったようだな」そう言うと、カントは倒れていた生徒に魔法をかけて、傷を治す。と、PC3の肩を軽く叩く。

「大丈夫か、PC3。戻ったばかりで悪いが聞かせてくれ、嵐谷巌はどうなった?」

「……そうか。君は少々複雑な気持ちだろう」

「その気持ちを否定してはいかんよ。君は戦闘区域外で負傷者の手当をしてくれ。ハーベストの生徒だけでなく、アマリリスの奴らもだ」

ニッと笑って「こういうときはお互い様なんだよ。それに、回復すれば捕虜になる。頼んだぞ。私もちょっと休憩したら……いかねばならん」

そう言うと、カントは壊れた学園へと歩き出していった。

8.1.2.  「死」(PC2の個別エンディング)

君が学園に向かうと、吹雪がいる宿舎が半分ほど消し飛んでいた。彼は無事だろうか?君の足は自然とそちらへ向かう。

宿舎に着くと、いつも笑顔で出迎えてくれていた受付の人が、カウンターに突っ伏している。血が流れており、どうやらもう、間に合わなそうだ。

君が風さらしの宿舎を見回すと、吹雪の部屋はまだ無事だった。部屋に入ると、ベッドで吹雪がいる。意外と無事そうだ。彼は苦痛と衝動で顔を歪め、君に話掛けてくる。

「よう……PC2、ぶん殴りてえくらい元気だな」

「あいつら、カース感染者の拘束を外して回ってたんだぜ」ホラ、と彼は外れた手錠を君に見せる。

「お前に…最後に言いたいことが……ぐあ……ぐああああ」

吹雪が苦しみ始める。「ぐ…ぐあああああああ」身体からドス黒い斑点がこみ上がってくる。それは数分で頭のてっぺんまで届く、そして、その時にはもう、廻崎吹雪は絶命していた。

8.1.3.  「エンディングの後の後」(PC1の個別エンディング)

君は一人、広場に取り残された。さっきまで起きていた戦闘が嘘みたいな静けさだ。そこに遠方から爆発音や悲鳴が薄っすらと聞こえる。これが君たちの未来……?君が思わず目を落とすと、発動体につけられた○○(廻崎夏が作った形)のお守りが光る。それはこう訴えているように感じた:「運命を変えてくれ」。

大魔法の使用想定:ラストピリオド

説明:これまでに起きた事件・事実を1つ消すことができる。消えた事件・事実に基づき、未来も変わる。ただし、改変前の記憶を保持しているのはPC1だけになる。

ただし、現在進行形で進んでいるこの事件は大きすぎて消すことができない。消せるのは以下の事件など(これら以外はGM裁量)。消した事件・事実はその後、本日に至るまで起きることはなくなる。

・8年前の研究所襲撃事件

・吹雪がカース感染したという事実

・吹雪が起こしたカース事件

・常夜桜が死亡した事件

・嵐谷巌によるPC3殺害未遂事件

・その他

PCがどの事件を消すか宣言すると、次のシーンが入る。

8.1.4.  「エンディング」(PC1、常夜桜)

(シーン内容:あの日記が常夜桜の大魔法の力でできたことが示唆される)

突然、君の目の前が真っ白になる。と思うと、次に現れた景色は君がいた研究所廃墟前の広場である。空は真っ青で明るく、ピンクの桜が綺麗に舞っている。しかし、さっきまで君がいた場所とは少しだけ違う。広場には大量の墓がある。そして、君の前にある墓には……“PC1”と刻まれている。

「PC1~!」

振り返ると、一人の少女がいた。常夜桜だ。

「助かってよかった~」と抱き着いてくる。

「私のお陰だよ?感謝してよね?」

「日記だよ~。見たでしょ?未来に何が起こるのか書いてあげたじゃん!」

「(察しないなら)とろいな~!私なのーあれやったの!とっておきの魔法でさ!」

(大量の墓とPC1の墓石を指して)「だって嫌でしょ?こんなエンディング!」

「あ……」桜の身体が徐々に薄くなっていることに気付く。

「そろそろ消えないといけないみたい……」

「とりあえず、PC1だけでも助かってよかったかなーー。あ、あとPC2とPC3も助かったんでしょ?おめでとう、もう十分じゃん、自分に胸張っていこ」桜は君を元気づける笑顔で言う。

そして、桜が消えていく。風景も薄れていく。

「ごめん……やっぱ言わせて……私PC1と離れたくない……!」桜は君に手を伸ばすが、消えてゆく。

8.1.5.  「終止符(ラストピリオド)」(PC1)

君は再び、爆発音や悲鳴が響く、暗い広場に戻される。相変わらずお守りは光っている。

(PC1にラストピリオドの演出をしてもらう)

9.  歴史の再構築を行う

やりやすい場面は、『7年前の事件で夏を殺す場面』『魔導決闘後に浮かない顔をする吹雪』『ウルボロスを見るPC1と桜』など。その事件が消えたことでどうなったのかの過程を描写し、RPさせる。

・「8年前の事件」を消した場合

(改変シーン)

8年前の某月某日

アマリリスの執務室で2人が話している。

トト「最近あいつが黒き森に出始めてね」

嵐谷「ドロシーの奴ですかい」

トト「そうさ。例の襲撃なんだが、当分延期した方が良さそうだね」

嵐谷「かしこまりました」

・「吹雪の死」を消した場合

→カース感染しなかったことに

→PC2と吹雪で協力して戦争を生き残る

・「常夜桜の死」を消した場合

→巌から逃げきれたことに

→PC1と桜で協力して戦争を生き残る

10.  エンディングの後の後の後

ラストピリオド発動後の4月2日以降の出来事を描写する。

10.1.1.  PC3~PC1(やらなくても良い)(PCが希望すれば)

消えた事件などを基に、関係を構築し直す。平和なシーンをやる。

※改変前にあったことについて記憶をもっているのはPC1のみである。

10.1.2.  個別エンディング想定

PC3:ドロシーと話す(ハーベストに残るなら)or嵐谷巌およびトトと話す(アマリリスに残るなら)

(アマリリスに所属する場合)

スパイ任務を終えた君はアマリリスへと帰還する。

トト「ご苦労さん、よくやってくれた。しばらく休むといい」

と言ったあたりで嵐谷巌が任務の報告に入ってくる。

巌「トト、新しい首尾が……と、帰ってたのかPC3」

巌「今度何かおごってやる。ハーベスト臭くなってねえか見てやるよ」

(ハーベストに所属する場合)

スパイに耐え切れなくなった君は、ドロシーにスパイであることを明かす。

ド「そっか……。苦しかったね。でも大丈夫!ハーベストはあなたを歓迎します!」

PC2:廻崎吹雪、夏と話す(生きていれば)or墓参り(死んでいれば)

(2人とも生存)

カフェまったり話す。

夏「そうだ、君にこれをあげよう」とクマさんストラップを出す。

夏「これは私が研究しているクリーチャーをイメージして作ったんだ」

夏「こいつはな……なんと数十年に一度だけ光るんだ!ロマンの塊だろう?」

吹雪「こんな姉弟(きょうだい)だけどさ、これからもよろしくなPC2」

(吹雪のみ生存)

君と吹雪は無事に戦争を勝ち抜いたが、その代償は大きすぎた。君と吹雪は研究所廃墟の広場にやっと作られた廻崎夏の墓を見る。

「姉ちゃん……」

「俺、ずっと独りだと思ってたんだけどさ、お前がいたわ!いっけねー忘れてらあ」彼はニッと笑う。

「これからもよろしくな、PC2」

(2人とも死亡)

君は無事に戦争を勝ち抜いたが、その代償は大きすぎた。君は研究所廃墟の広場に作られた『廻崎吹雪』『廻崎夏』と刻まれた墓の前に立つ。

PC1:桜と話す(生きていれば)or墓参り(死んでいれば)

(生きていてかつハッピーエンドの場合)

4月2日 PC1は自室で目を覚ます。部屋の窓から外を見ると……綺麗なハーベストが広がっていた。ぼうっと眺めていると、君の部屋のチャイムが鳴る。

「ぴんぽーん!クリーチャーハントの押し売りでーす!」

それはいつもの調子の常夜桜だった。

(生きていてバッドエンドの場合)

君と桜は無事に戦争を勝ち抜いたが、その代償は大きすぎた。君は常夜桜と壊れ果てたハーベストを回る。

「でもさ……私、PC1だけでも助かってよかったって思うんだよね」

「これからも頑張って生きていこうね」

(死亡している場合)

君は研究所前の広場の『常夜桜』と書かれた墓の前に立つ。彼女を救うことは叶わなかった。

(シナリオ終了)

11.  日記

3月27日

午前 PC2が自販機で困っていたので助けてあげた! めっちゃ感謝された いいことしたなぁ……

午後 学長室の前をたまたま通りかかるとPC3がドロシー先生に呼び出されていた そこでわたしはPC3の衝撃の秘密を知ることになる 消されないかな……わたし

3月28日

演習代表としてカント先生が何人か生徒を呼び出す PC1、PC2、PC3、私である しかし私はぐっすり眠っていたのであった…… ちくしょーーーーーー

午後

PC1は講義なので今日はひとりでクリーチャーハントにいった 新しい獣道を開拓していると廃墟があった 一軒家でもう間違いなく誰も使っていないようだった 中に入って見つけてしまった…… あそこはリビングだろうか…… 映像が 匂いが 脳裏にこびりついて離れない 一生モノのトラウマだ……

3月29日 

午前:PC1とクリーチャーハントに出かけた!帰りにアマリリスの工作員を見つけたので、ドロシーに伝えることにする。見つからなくてよかった…… クリーチャーハントの首尾は上々 今週も贅沢できるぞ

午後:いままでで一番ショックといってもいい話題だ…… 同級生のPC2が死んだ 原因はカースの暴走をした友人の廻崎吹雪に殺されてしまったのだ 午前中のことだ 廻崎は今は落ち着いているらしい 私達はクリーチャーハントに出かけていて何も知らなかった……

3月30日 午前・午後

今日はなんにもない良い一日だった!

3月31日 夜

また悲報だ PC3が殺されていたらしい アマリリスの工作員にやられたらしく、ハーベストの教員が到着したころには既に死んでいたらしい 私があの日みかけた工作員だろうか…… もうちょっとちゃんと伝えていれば……

4月1日 午前

この曇天のような気持ちを晴らすのはクリーチャーハントしかない! 私はPC1と現地へ向かった!

午後

PC1は私をかばった 逃げてきた私は臆病者だ すぐに救護部隊の方々が駆け付けた そのときには既にPC1は死んでいた クリーチャーハントなんてやらなければよかった

よる

巨大な身体をもたげ あれがハーベストで暴れている 炎を吹き 建築物を破壊し 人々を潰す アマリリスも一緒だ 私は学園の隅でガタガタ震えているしかなかった 臆病者 臆病者 臆病者

※ひどく震えた字でかかれている

4月2日

4月3日

4月4日

戦争が終わった 皆はハーベストを守り切ったのだ しかし作るべき墓標はあまりにも多い こんな終わりは受け入れられない……受け入れたくない

12.  エネミーデータ

12.1.  中間戦闘

廻崎吹雪(カース)

主体属性:呪、壊

クラス:人間

大魔法:フィロソフィ・アアイズ×3

【フィロソフィア・アイズ(哲人王の眼)】

表:誰か一人の大魔法または使用制限のある特技の使用回数を1回増やす。

裏:邪眼を対象に向けることで、誰か一人に好きな命令を一つだけ行使させることができる。

サードニクス+意志 攻5 防4HP35 TP50 SS15 移3 シーン間、味方1人のSS値を2倍にする。1シナリオに1回使用可能。自分が戦闘不能になったとき、戦闘不能を解除し、HPを全回復する。1シナリオに1回使用可能。

黒猫のチョーカー×2(反映済)

主体属性:壊、呪

カース値:7

スペシャル値:6

リベラル値:5

・特技

「コミックリリーフ」消費TP3 種別A
このアクションフェイズでの攻撃力に+SS値する。1シーンに1回まで使用可能。

「アイデンティティ」消費TP1 種別A/R
この後の発動タイミングで人属性のマナを1つ生む。

・魔法

「カース」全属性1
発動タイミングの好きなマナ1つを呪属性に変更する。

「ディストラクション」全属性1
発動タイミングの好きなマナ1つを壊属性に変更する。

・アクション

「アンビシャス」呪2

攻撃力+3、さらに対象は次のアクションフェイズで、移動タイミングを行えない。

「イクリプス」呪1火1

攻撃力+5、さらに攻撃範囲に自分の前方3マスを追加する。

「アンビリーバブル」呪3

攻撃力+6、さらに対象は次のアクションフェイズで、準備タイミングを行えない。

「インセイン」呪2水1
攻撃力+6、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更し、対象にバッドステータス:混乱レベル1を与える。

「トラジディ」呪2光1
攻撃力+6、さらに攻撃範囲に好きな横列1つを追加し、対象の現在のHPが最大値と同じ場合、その対象に対してのみ、この魔法の攻撃力上昇効果を2倍にしてダメージ計算を行う。

「サイレンス」呪1風1水1
攻撃力+4、さらに対象にバッドステータス:沈黙レベル1を与える。

・リアクション

「ヒートマイン」火1地1
防御力+1、さらにこのリアクションフェイズ終了後、魔法攻撃の発動者のいるマスを地形:溶岩レベル1に変更する。

「ミラージュグレイド」壊2
防御力+3、さらに味方1人にグッドステータス:憎悪レベル1を与える。

「フィンブルヴィンテル」壊2
防御力+3、さらに敵全員にバッドステータス:重圧レベル1を与え、自分にグッドステータス:鼓舞レベル1を与える。

「ガーネットコスモス」壊4
防御力+12、さらにこのリアクションフェイズ後に、魔法攻撃の発動者を対象として、自分のアクションフェイズの発動タイミングを行う。この魔法によるアクションフェイズの発動タイミングにリアクションフェイズは発生せず、自分はこの魔法の効果では行動済みにはならない。さらに、このアクションフェイズの発動ダイス数に+5する。

・戦術

戦闘開始直後に『サードニクス』の効果を使い、自分のSS値を2倍にする。自分のアクションフェイズは準備タイミングで『コミックリリーフ』を使い、カースコーリングをして攻撃する。『コミックリリーフ』の使用制限は『フィロソフィアアイズ』で増やす。リアクションフェイズは補助タイミングで『アイデンティティ』を使い、『ガーネットコスモス』を狙う。ガーネットコスモスの追加効果では準備タイミングがないことに注意すること。

12.2.  クライマックス戦闘

嵐谷巌

※院初心者相手の場合は『アンブレイカブル・フォートレス』と『魔陣破壊』は封印する。

主体属性:地,水,火,風,呪

クラス:人間

大魔法:

アンブレイカブル・フォートレス

表:このリアクションフェイズの間、味方全員が受ける実ダメージを0にする。

裏:カースを蔓延させ、キャラクター以外の好きな数の対象に、カースを感染させることができる。

ラストピリオド

表:即座にこのラウンドを終了させる。
裏:現在、または過去に起こった出来事や物1つの存在そのものを無かったことにできる。

イマジナリー・ウイング

表:味方1人を対象に、即座にアクションフェイズを行わせることができる。さらに、この効果によるアクションフェイズの発動ダイス数に+3する。ただし、この行動では、行動済みにならない。

※イマジナリーウイングが2回同時に発動した場合、ss値の高い順番でアクションフェイズを行う。もしss値が同じ場合、イマジナリーウイングの対象はダイスを振り、出目の大きい順番で行動する。

裏:想像力を力に変え、壊れたり、傷ついたりした人や物を好きなだけ元に戻すことができる。自分の思い描いた姿に新たに変化させることも可能。

能力値:「アクション:8」「リアクション:8」「リベラル:8」

攻8 防4 HP140 TP100 SS18 移動3

アイテム効果:

『魔陣破壊』:次のアクションフェイズを消費することで、自分の上下左右1マスにいる敵1人が発動した『自分を対象に含まない』魔法攻撃を無効にする。これは1シナリオに1回まで使用できる。

・特技

「スコープ」A 消費TP5

さらに、このアクションフェイズでの攻撃範囲を好きな1マスに変更し、魔法攻撃力を「対象までのマス数×8」点上げる。(1ラウンド1回まで)

※攻撃力決定後に対象までの距離が変わっても攻撃力は変化しない。

「ステルス」A消費TP5

戦闘空間にトラップを1つ設置する。さらに、このアクションフェイズでの攻撃範囲を前方1マスに固定し、このアクションフェイズでの魔法攻撃力を10点上げる。

「ブリンガー」A 消費TP10

このラウンドのSS値0でもう一度アクションフェイズを行う。この行動では、行動済みにならない。ただし、この追加のAFでは攻撃範囲を前方1マスに固定する。(1ラウンド1回まで)

「エクスプロード、オペレイトスライム」A 消費TP10

戦闘空間にトラップを2つ設置する。その後、このアクションフェイズで「ストレイシープ」と「ミスティックキリング」を発動する。(1シナリオ1回まで)

「ミスティックキリング」闇3光1
攻撃力+9、さらに敵全員の受けているグッドステータスを全て消去する。

「ストレイシープ」風3光1
攻撃力+7、さらに味方全員が受けているバッドステータスを全て回復する。

「フロート」R 消費TP2

以下の効果から1つを発動する。

●魔法攻撃の発動者にバッドステータス重圧Lv2か毒Lv5か火傷Lv5のどれか1つを与える。

●魔法攻撃の発動者のグッドステータス1つを消去する。

・アクション魔法

オリジン、カース

「アムネシア」呪1風1
呪属性のマナを3つ発生させる。また、この発動タイミングではもうアムネシアは発動できない。

「イビル」呪1闇1
攻撃力+3、さらに今回の発動タイミングで消費しなかったマナを呪属性のマナとして、次の発動タイミングのときに発生させることができる。

「レジストスパイラル」風2水1
攻撃力+3、さらに対象の持つグッドステータスを1つ消去する。

「ブレイクエンドボム」火1風1地1
攻撃力+4、さらに攻撃範囲に2マス前方とその周囲全方位1マスを追加する。

「アンビリーバブル」呪3
攻撃力+6、さらに対象は次のアクションフェイズで、準備タイミングを行えない。

「ディザイア」呪2火1
攻撃力+9、さらにこの攻撃に対する対象のリアクションフェイズの発動ダイス数に-1する。

「バイオレンス」呪2闇1
攻撃力+7、さらに自分にグッドステータス:暴走レベル1を与える。

「ナイトメア」呪1水1闇1
攻撃力+4、さらに自分にグッドステータス:浄化レベル2とグッドステータス:興奮レベル2とグッドステータス:鼓舞レベル2を与える。

「サイレンス」呪1風1水1
攻撃力+4、さらに対象にバッドステータス:沈黙レベル1を与える。

「スーパーノヴァ」火3闇1
攻撃力+8、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル2を与える。また、この魔法の効果によって受けたグッドステータスは、戦闘終了時まで消去されず、レベルの増減も起こらない。

「フリージングサイクロン」水3風1
攻撃力+7、さらに攻撃範囲を好きな2×2マスに変更し、対象にバッドステータス:氷結レベル3とバッドステータス:衰弱レベル3を与える。

「サーヴァントカーニバル」地3闇1
攻撃力+7、さらに戦闘空間のオブジェクトの存在していない好きな1マスにオブジェクト:グレイブを召喚する。

「エアレイド」風4
攻撃力+10、さらに戦闘空間の好きなマスに移動後、自分の周囲全方位1マスを攻撃範囲に変更し、対象を1マス好きな方向へ移動させる。

「セカンダリーオブザダフトプリズン」地5
攻撃力+10、さらに次の自分のアクションフェイズでの発動ダイス数を2倍にする。ただし、大魔法で増えたダイスは除いて2倍にする。この効果は重複しない。

「アクアエクスカリバー」水5
対象のTPを10点減らし、さらにバッドステータス:発狂レベル1を与える。

「スカーレットコスモス;air」火5
攻撃力+15、さらに攻撃範囲を戦闘空間上の全てのマスに変更し、戦闘空間上の全てのマスを地形:溶岩レベル3に変更する。また、味方全員にグッドステータス:飛行レベル1を与える。

「エリアルレイヴ」風5
攻撃力+12、さらに戦闘空間のオブジェクトの存在していない好きなマスに移動後、自分の周囲全方位1マスを攻撃範囲に変更する。また、好きな数のオブジェクトを自分のいるマスに移動させ、その衝突により受けるダメージを3倍にする。このとき、自分は衝突によるダメージを受けない。

「インヴォーク」呪5
攻撃力+15、さらに一般クリーチャーの中から好きなクリーチャーを1体戦闘空間のオブジェクトの存在しない好きなマスに召喚し、キャラクターとして使役する。
召喚されたクリーチャーは戦闘終了時に消滅する。

「エレメンタルクロス」火1地1水1風1
攻撃力+7、さらに地属性、水属性、火属性、風属性のマナをそれぞれ1つずつ発生させる。また、この発動タイミングではもうエレメンタルクロスは発動できない。
※オリジンと同時に使用することはできない。

「フォボス&ダイモス」地1水1火1風1光1闇1
攻撃力+20、さらにこのシナリオの間、「特殊特技:七つの大罪」または「特殊特技:八つの枢要罪」の中から1つを選択し取得する。
※既に特殊特技を取得している場合は、その特殊特技を別の特殊特技に変更することができる。
※この魔法による特殊特技は1つのキャラクターにつき、1つしか取得できない。(特技を変更することは可能である)
※オリジン及びアイリスと同時に使用することはできない。

・リアクション魔法

アイリス

「フォトンライン」地1光1
防御力+2、さらに自分のいるマスを地形:聖域レベル1に変更する。

「マグネットキーピング」地1闇1
防御力+1、さらに魔法攻撃の発動者がいるマスを地形:重力場レベル1に変更する。

「ガイアブレイク」地2風1
防御力+3、また、戦闘空間のオブジェクトを1つを破壊してもよい。そうした場合、さらに防御力+5

「アクアサイキックシールド」水3
防御力+5、さらに魔法攻撃によって自分がレベル3までのバッドステータスを受ける場合、それを1つ回復する。(既に受けているバッドステータスは回復されない)
また、魔法攻撃の攻撃力と同じだけ、自分のTPを回復する。

「オーロラコンバージ」火1水1光1
防御力+4、さらに魔法攻撃の発動者にバッドステータス:盲目レベル2を与え、自分にグッドステータス:鼓舞レベル1を与える。

「エアルシールド」風3
防御力+5、さらにダメージ計算直前に、魔法攻撃の範囲にいる味方1人を1マス移動させる。また、この魔法の効果により味方が攻撃範囲内から攻撃範囲外に出た場合、その味方に魔法攻撃の効果とダメージ計算は適応されない。

「トランススペクタクル」闇3水1
防御力+7、さらに魔法攻撃の発動者にバッドステータス:発狂レベル1を与える。

「ミスティルテイン」地3水1
防御力+7、さらに魔法攻撃の発動者がいるマスと、その周囲全方位1マスを地形:凍土レベル3に変更し、自分にグッドステータス:飛行レベル1を与える。

「ヤクタレストアレア」光3水1
防御力+8、さらに味方全員にグッドステータス:覚醒レベル2を与える。

「アンジェロオンザピン」光3火1
防御力+8、さらにこのリアクションフェイズの終了後、魔法攻撃の発動者に5点のダメージを与え、1マス移動させる。

「エレメンタルバリア」地1水1火1風1
防御力+7、さらに地属性、水属性、火属性、風属性のマナをそれぞれ1つずつ発生させる。また、この発動タイミングではもうエレメンタルバリアは発動できない。
※アイリスと同時に使用することはできない。

「フォボス&ダイモス」地1水1火1風1光1闇1
防御力+20、さらにこのシナリオの間、「特殊特技:七つの大罪」または「特殊特技:八つの枢要罪」の中から1つを選択し取得する。
※既に特殊特技を取得している場合は、その特殊特技を別の特殊特技に変更することができる。
※この魔法による特殊特技は1つのキャラクターにつき、1つしか取得できない。(特技を変更することは可能である)
※オリジン及びアイリスと同時に使用することはできない。

・戦術

魔法攻撃の選択肢の広さとトラップで戦う。

アクションフェイズでの基本ムーブ:盾役に衰弱を入れる→追加アクションフェイズでダメージを出す。きつそうなら、興奮を入れる、衝突ダメージを空うちする、などで対応する。

アクションフェイズでの基本ムーブ:バステを防ぐ、リベンジでダメージを与える、バステを与える、グステを消すなどの手段で圧力をかける。

イマジナリーウイングは初めの方で使って圧力をかけてもいいし、敵行動の間に割り込んで邪魔に使っても良い。ラストピリオド、アンブレイカブルフォートレスは死にそうなときに使用する。

PCのどの大魔法を切らせるのが良いか考えながら戦うと良い。PC1のラスピリを

13.  付録:エンディング分岐

ハッピーエンド→想定は『8年前の事件』を消す。条件は「ウルボロスの卵をアマリリスの手に渡さないようにすること」である。(シーン3の『大きい卵』がウルボロスの卵)

姉が死ななくなる/帰省→巌がウルボロスを手に入れられなくなる→計画2が発動できなくなる→計画1も発動できなくなる。(人を殺さなかったPC3がハーベストかアマリリスどちらにつくかは自由に決めてよい)

バッドエンド→『常夜桜の死』または『廻崎吹雪の死』を消す。PCたちはなんとか戦禍を生き残り、失ったものを嘆きながらも未来へと進む。

これ以上ないくらいバッドエンド→常夜桜も廻崎吹雪も生き返らず、PCたちはなんとか戦禍を生き残り、失ったものを嘆きながらも未来へと進む。

14.  付録:常夜桜のRP:PC1に日記の話をされた場合

常夜桜は自分の日記をもっているので、ありとあらゆる方法で話を逸らす(そういう運命なのだ)。

普通の反応:「私持ってるよ?PC1のでしょ」「別の人のでしょ」

バックレる:「知らない知らなーい!」「はい、この話やめ」

話を逸らす:「ねえ、日記と私、どっちが大事なの?」

無理やり:「ごめん、ちょっとスマホいじってた……ねえ!見てみて!この新しいアンドロイドすごーい!」

15.  付録:日記の内容を他NPCに漏らした場合

教授陣にばらした場合

(29日目以前)→日記が本当がどうか確かめてくれと言う→通常ルートへ

(29日目以後)→これは……本当なんだな?(緊急対策を始める)PCには調査を頼む。

→この段階まで来たらアマリリスはハーベストにばれても作戦を止めない。通常通りシナリオ進行をすること。

PC達にばらした場合

→その場で信頼性などを議論、検証してもらえばよい。通常通りシナリオ進行をすること。

16.  付録:事件の時系列(本来なら起きた出来事)

10年くらい前 廻崎夏が現実世界で卵を発見する。

8年以上前 常夜桜が廻崎夏のところでバイト(ちょっとしたお手伝い)を始める。

8年前4月1日 PC1が常夜桜に連れられて現実世界に来る。PC2が入学。廻崎夏がPC3に殺される。巌が民家の廃墟に遺体を捨てる。このとき、ウルボロスの卵は巌の手に渡る(未公開情報)。

(未公開情報)7年前ほど前 アマリリスでウルボロスの卵が孵化。幼体は大事に飼育される。ハーベスト破壊の決定打(つまり『兵器』)として暴れてもらう計画を練る。

1~8年前 PC3がハーベストのスパイに出される。

(未公開情報)2年ほど前 廻崎吹雪が発狂し、アマリリスに単身乗り込む。捕まったが、ウルボロスのカースに感染したため、記憶処理を行い、そのままハーベストに解き放つ(この事実はアマリリスにより隠蔽される)。吹雪は捕らえられ、療養することに。

3月28日 常夜桜が廃墟で遺体を見つける

3月29日 午前 アマリリスの工作員が吹雪を解放。運悪く出会ったPC2が殺される。

3月31日 夜 PC3が嵐谷巌により暗殺される。

4月1日 午後 PC1が常夜桜をかばい、ウルボロスに殺される。桜は逃げ切る。

4月1日 夜 戦争が開始される。

4月4日 戦争が落ち着く。両サイドともに非常に大きな被害が出る。桜が大魔法を使い、PC達に未来を託す。

17.  付録:小ネタ・ネタばらし

・このシナリオは、日記にあったシナリオの最後(エンディング)に常夜が「デウスエクスマキナ」で過去を書き換えた結果起きたシナリオである。つまり、このシナリオの最後にもあるような事実の書き換え過程そのものが本シナリオ(エンディングの後)である。それをさらに本シナリオの最後(エンディングの後の後)にラストピリオドで事実を改変することでようやくハッピーエンド(エンディングの後の後の後)を迎えることができる。

・この上からさらに「ラストピリオド」で現実に改変を加えることで、やっと全員生存のエンディングにすることができる。

・今回予告の文は常夜のデウスエクスマキナの詠唱、想い。

・3月31日夜になにも起きないのは、カース感染者の解放の結果が振るわず、PC3を襲うくらい大きなスキを見いだせなかったため。戦争でやればいいかってなってる。

・両親も姉も失った吹雪は「世界なんか滅べばいい」という欲求をもってしまった。それを隠して普通に生きてきたが、カース感染することで発症した。

・いつ吹雪はウルボロスのカースに感染したのか:約2年前、独自の調査で姉の死を確信、単身アマリリスへ乗り込んだ。結果、ウルボロスのカースに感染し、記憶処理をされてハーベストに返された。

・常夜桜のクマさんストラップは夏の『お守り』である。デウスエクスマキナを打つ時には光った。

・なぜシーン17でようやく日記の内容を公開するか?:PC1が信じない内に死を予言され、PC2やPC3を説得しようとしてメタ系の攻略をやって欲しくないシナリオの意図である。

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