シナリオ「機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)」

魔法学園RPGハーベスト
シナリオ「機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)」
レギュレーション 初期作成+0~10点、院進は不可
推奨リベラルアーツ  フォース、ステルス、アンロック、ブリンガー、テレポート、フロート、ミュート、ララバイ、ティックル、テイム、各種属性魔法

今回予告

奇跡なんかじゃ変わらない

どんな意思も届かない

それでも望まずにいられない

だから、何にだって縋ってやる

それで、君が救えるのなら

魔法学園RPGハーベスト シナリオ「機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)」

魔法の時間は、まだ終わらない。

シナリオハンドアウト

PC1 コネクション:臼木出 真奈(うすきで まな) 推奨関係:幼馴染/恋愛
指定クラス:機械魔導学科 指定大魔法:機械仕掛けの神
君はハーベストに通う学生だ。およそ二年前、君の幼馴染、臼木出真奈はカースに感染してしまった。
カース特別対策委員会によって対応が行われ、それ以上の感染被害は起こらなかったがクリーチャーは結局討伐されなかった。
もちろん君もクリーチャーの捜索に協力したが一切の成果を上げられなかった。
それから君は、彼女を救う方法を探し続けている。

PC2 コネクション:牧場駿介 推奨関係:後輩/弟分
君はカース特別対策委員会のメンバーだ。君の後輩である牧場が入学する前、君はあるカース事件の捜査に関わったが解決できなかった。
ある日、君はその時のことを牧場に尋ねられる。一通り説明した後、なぜそんなことを尋ねるのかを聞くと、
彼は「……その症状を引き起こすクリーチャーに、心当たりがあります」と答えた。

PC3 コネクション:イマヌエル・カント 推奨関係:上司/師弟
君はカース特別対策委員会の新人だ。君は研修も兼ねて過去のカース事件の書類を整理していると、二年前の事件の資料を発見した。
それが未解決で終わっていること、再調査が考えられていることを知った君は、調査への協力を提案する。

オープニングフェイズ

シーン1 PC1の過去1

マナ「PC1ーっ!!」
ハーベストの食堂。君を呼ぶ声がする。
君の幼馴染、臼木出真奈だ。長く真っすぐできれいな黒髪、そしてぱっちり開いた金銀妖瞳(ヘテロクロミア)が特徴の少女である。
マナ「ほらほら、お昼食べよ?」
手作りの弁当を広げて君を向かいに座らせる。

この時、君と彼女の間には幸せな時間が流れていただろう。

シーン2 PC1の過去2

ハーベスト管理下の精神病院の病室。君はカースに感染したマナを見つめている。
ハーベストにはカース事件の対処のための委員会、『カース特別対策委員会』がある。
彼らに任せておくだけではいられなかった。君は、自らも事件を解決するために駆け出す。

シーン3 PC1の導入

君はハーベスト管理下の精神病院にいる。君の目の前で横になっているのはマナだ。
2年前、彼女はカースに感染しそれ以降こうして君は定期的に彼女のところに足を運んでいる。
「あ……PC1、今日も来てくれたんだ」
「そういう優しいところ、好きだよ」
彼女は君に向けて両腕を伸ばす。
・PC1が応じるなら
 「大好き、PC1……私、離れたくないよ……!!」
・PC1が応じないなら
 「行かないで……!!ずっと傍にいてよ……!!」と言って無理やり抱き留める。
いずれにせよ、彼女は面会の時間いっぱい君に甘える。
面会時間が終わり、君が退室しようとすると彼女はより力を込めて君を抱き締める。
「嫌だ……!!離したくない……!!」
看護師が介入し、彼女を君から引きはがす。
君は彼女の「行かないで……!!お願い!!私のものでいて!!」と言う叫びを背に病院を後にする。

シーン4 PC3の導入

君はカース特別対策委員会としての研修を兼ねて、資料室をカントと訪れていた。
「ここにはクリーチャーの生態やカースの特徴についての資料、
 そして過去に起きたカース事件の資料が纏めてあるんだが、先日学長が調べ物をしたらしくてね……」
資料室の本棚は空白が目立ち、その空白を埋めるべきファイルや図鑑が机を埋め尽くしている。
既に何人かの生徒が整理を始めており、その様子を眺めながらカントは続ける。
「過去の事例やクリーチャーについて知るいい機会でもあるし、君にも手伝ってもらいたいと思ってね。
 もちろん委員会の仕事の一環として報酬は出る。……お願いできるかな」

君はさっそく整理に取り掛かる。と、しばらくして一冊の資料束を見つける。
解決済み資料には必ず貼ってあるシールが貼っておらず、未解決であることを示していた。

シーン5 PC1の過去3、PC2との邂逅

PC1とPC2の初対面シーン。
PC達の要望に応じて軽く情報を出しながら描写すること。

シーン6 PC2の導入、シーン4の数時間後

君は今日の講義を終え、廊下を歩いている。
すると後ろから声を掛けられる。カース特別対策委員会での後輩、牧場駿介だ。
「先輩、さっき資料室で見つけたんですけど……先輩もこの事件、捜査してたんですよね」
彼の手にある資料は2年前に未解決となったカース事件の資料だ。
「ちょっと気になることがあって……どんな事件だったんですか?」
ここでカース事件の概要をPLに明かす
・感染者は自分の大切なものを独占したいという欲望を増幅される。
・感染者は一次、二次合わせて10人ほど。今のところ、確認されている限り全員存命
・カース特別対策委員会の資料にも前例がないため、捜査が打ち切られていた
君が知る限りの内容を一通り話し終える。何故そんなことを尋ねるのかと聞くと
「……そのカースを生成するクリーチャーに、心当たりがあります」

シーン7 PC全員 シーン6の翌日

翌日。PC達、カント、そして牧場駿介と、君たちの知らない女子生徒が一人、委員会の会議室に集められていた。
カント「集まったようだね。牧場くん、説明を」
牧場「はい。えっと、こいつは時氏クェスって言います。その……元々……」
時氏「……アマリリスから、逃げて来たんです。お世話をしてたクリーチャーからカース感染しちゃって、
   薬品の投与も間に合わなくて、記憶を……消されるのが怖くて……その、クリーチャーを……!!」
  「えっと、資料を見せてもらったんですが、恐らくそのクリーチャーは『シュトリ』って言う豹のクリーチャーです。
   私もシュトリのつがいをお世話してました……『何かを独占したがる』って言うカースの特性から言って、ほぼ間違いないと思います」
カント「シュトリというクリーチャーの存在自体は前から知られていたが、そもそも希少でカース感染した事例もなかった。
    しかし、土壇場ぎりぎりではあるがこうして解決の道筋が見えたのは僥倖だ。
    ……無論、例の一件を引き起こしたシュトリがどこにいるかはまだわからない。それでも」
   「再度捜査する気は、ないかね?」

シーン8 情報収集

・シュトリの生態について
 シュトリは黒き森の一角、ごく狭い区域にのみ現在生息が確認されている。主として樹上で生活。
 現実世界における豹同様、高い敏捷性を持つ。群れは作らない。
・シュトリの目撃情報について
 もともとハーベストの学生があまり立ち入らない一角であるということもあり、元々目撃情報は多くない。
 しかし、あのカース事件以降さらに目撃情報は減少傾向にある。
・シュトリの研究について
 カース感染した記録がなかったこと、希少であることなどから優先度も研究者の関心も低く、
 専門で研究している機関は見つけられなかった。

シーン9 情報共有

PC達に情報を共有させる。
カント、牧場、クェスも登場させて、適宜軌道修正と補足を入れる。
シュトリの生息区域の調査に向かうことをPC達が決定したら次のシーンへ。

シーン10 クルドサック

PC達はキャンプを挟みながら黒き森を進む。

「行く手を塞ぐ大岩」
フォース、ブリンガー、テレポート、フロート
TP2点
「轟く雄叫び」
ミュート、ララバイ、ティックル、テイム
怯みレベル1
「クリーチャーの群れ」
ステルス、各種オペレイト魔法
5点ダメージ

シーン11 中間戦闘

クェス「この先、もう少しです」
君たちの視線の先には、複数の人影。……アマリリスだ。
アマA「な、こんなところにハーベストの連中が!?」
アマB「シュトリは死守する!!急ぎ、かつ丁重に拠点まで運べ!!」
二人のアマリリスは運搬を援護するべく君達に襲い掛かってくる。
中間戦闘:アマリリスA&B

シーン12

アマリリス達は倒れる直前にテレポートで退却する(PC次第では走っての退却や殺害されることもあるでしょう)
クェス「……ここから先は本格的にアマリリスの活動地域です。
君たちは念のため周辺を捜索する。
しかし、彼らが連れ去ったもののほかにはシュトリは発見できず、
君たちは暫くの捜索の後、すごすごと引き上げることになる。

シーン13 情報収集

諦めきれないPC達は再度調査を行う。
・黒き森の痕跡について
 カース事件が解決していないことから、真奈にカースを感染させたシュトリの存命は明らか。
 そして周辺には一組以外の痕跡は一切存在せず、黒き森内での分布と照らし合わせれば
 連れ去られた二匹のうちのいずれかがカースの源泉であることは間違いない。
・シュトリの生息区域について
 黒き森の比較的深部であり、ハーベストの学生や研究者もまず近寄らない。
 あの辺りに日常的に足を踏み入れるのは、アマリリスくらいだろう。
 もし、再度あの場に出向けば大量の罠や待ち伏せを食らうに違いない。
・アマリリスたちの活動について
 アマリリスは近年特にシュトリの保護に力を入れている。
 シュトリは人に懐きづらく、出産率も高くないからだ。
 しかし衰弱死が相次いでおり、保護成果は芳しくない。

シーン14 守りたいもののために

カント「そうか……私も長らく彼らと戦ってきたが、これではあまりに、な……」
カント「しかし、被害者たちを救うためにはそうも言っていられまい。もう時間は残されていないのだ」
時氏「でも、きっと今はアマリリスの警備も厳重で、とても……」
ここで大魔法使用想定。
シーン11での戦闘の結果、アマリリスたちはシュトリの保護を断念。しかしPC達もシュトリを見失い、一度退却したことになる。

カント「……なるほど。これで今、あの場所にはシュトリが『いる』。
    他の委員も招集し、再度捜索を行おう。私も同行する、急ごう」

シーン15 再び黒き森へ

アマリリス達もシュトリの捜索を再開している。警戒は怠れない。
「アマリリスの哨戒」
ステルス、ララバイ、各種オペレイト・チェンジ魔法
5点のダメージ
「張り巡らされた罠」
フォース、アンロック、ブリンガー、エクスプロード
毒レベル2、火傷レベル2、重圧レベル1

シーン16 最終決戦

君たちの見つめる先、木の上に一組のシュトリのつがいがいる。
同時に君たちはアマリリスに発見される。
カント「彼らは私たちで引き受ける。君たちに手出しはさせない」
カントがテスタメントを使用。
PCたちとカント・牧場・クェスの間に一種の障壁が張られ、君たちはシュトリに集中できるようになる。

それは、奇跡の残滓か。願いの成就か。時間への干渉によるバグなのか。
PC1の影が、分離する。もう一人の君として、動き始める。
PC1は最終戦闘の間時空転移レベル∞を得る。
最終戦闘:シュトリ(オス)、シュトリ(メス)

シーン17 合同エンディング

アマリリス達は、シュトリの保護が成らなかったことを見届けるとこれ以上の交戦は無意味と悟り去っていく。
(望むなら会話をさせてもいい)
牧場「事件が解決して、なによりですが……これで、本当にシュトリは絶滅してしまったのかもしれません……」
いずれにせよ、PCやカント達はハーベストに帰還する。

シーン18 PC3のエンディング PLが望むエンディングorカントとの会話シーン

後日、初仕事を終えたPC3をカントが労うシーンを想定。
カント「急な話ではあったが、どうだったかな。カース特別対策委員会の仕事は」
カント「そうか。それならこれからもよろしく頼むよ」
カント「それで、さっそく次に取り掛かってもらいたい仕事があるんだがね……」

シーン19 PC2のエンディング PLが望むエンディングor牧場(望むならクェス)との会話シーン

後日、放課後に牧場とPC2がレポートを書くシーンを想定。
牧場「無事に事件が解決したのは嬉しいんですが」
牧場「レポートって、なんでこんなに面倒なんでしょうね……先輩はこういうの、得意ですか?」
牧場「先輩、僕……ちゃんと役に立てましたか?」
(PC2がサンプル1を通過済みの場合)
牧場「あの時いっぱい迷惑かけてしまった分、役に立てていれば嬉しいです」

シーン20 PC1のエンディング PLが望むエンディングorマナとの会話シーン

君は今日も病院にやってきた。
退院も目前に迫り、すっかり元気になったマナが出迎えてくれる。
マナ「PC1、私のために頑張ってくれたんだって、カント先生から聞いたよ。ありがとう。大好き」
そう言って彼女は君に抱き着く。
マナ「それで……どんなことがあったのか、聞かせてほしいな」
PC1がシュトリが絶滅したと思われることまで話す場合、
マナ「そっか……ねぇ、PC1」
マナ「私ね……わがままかもしれないけど、この事件に関わった人たちに、これ以上傷ついてほしくないの」
マナ「アマリリスの人たちだって、絶滅しかけてる動物を、クリーチャーを助けたかっただけだと思うから……」
マナ「お願い、PC1。もう一度、歴史を変えてほしい」
マナがフィロソフィア・アイズを発動。PC1の大魔法使用可能回数を1回増やす。
PC1が同意し、大魔法を使用するなら、
マナ「ありがとう、PC1」

君たちは知る由もないが。もしかしたら、誰も知らないところでシュトリはまだ生きているかもしれない。
あるいは、クェスの知らないところでまだシュトリはアマリリスに保護されているのかもしれない。
いずれにせよ、PC1はその可能性を残した。それだけで、この事件に関わったことで、不幸になった人間は確実に減っただろう。

GMメモ

2年前の事件
・クリーチャーハント中の学生がたまたまシュトリの生息領域に入った際に感染。
・その後、捜査は行われたもののアマリリスの拠点が近いことからハーベスト側は十全に調査が出来ず、調査中断を余儀なくされた。

大魔法による影響
・一回目の改変
 中間戦闘に至る経緯、及び結果が変わります。PC達はアマリリスがシュトリを確保(ララバイやテイムで大人しくさせるのでしょう)する前に彼らと接触、
 シュトリは森の中に消えます。PC達はアマリリス達を退けますが、牧場とクェスの提言、カントの命令により一時撤退となりました
(アマリリスの領域で長く活動するのは危険との判断です)
・二回目の改変
 PC達が倒したのが最後のシュトリ、という事実が改変されます。
 PLには明言しなくても構いませんが、アマリリスの保護活動が実っていた、というのを想定しています。
 必要であれば『曖昧な記憶』と言う形でクェスの口から語らせるのもいいでしょう。

NPC情報

臼木出マナ
一応ヒロインです。途中空気になりがちだけど。邪眼魔導学科。
元々お姉さん気質で押しの強い女の子をイメージしてます。カースに侵されているときのマナはさらに強欲になり、
片時たりともPC1と離れたくないと思っています。回想シーンと現在のシーンではそこを意識して演じてみるのもおすすめです。

時氏クェス
元アマリリスのフィンガーです。今は暫定的に杖か紋章か楽器辺りに通ってそう。
大魔法は恐らくそのままグランシェル・ルミエールを持ってるんじゃないかな。
弱気で控えめ、で色々抱えちゃって爆発するタイプな女の子をイメージしてます。

エネミーデータ

中間戦闘
アマリリスA https://docs.google.com/spreadsheets/d/1rIUb1xmzoq7NVJPmWDoxgu6H1rh66z_T5dBRWs__mKI/edit?usp=sharing
アマリリスB https://docs.google.com/spreadsheets/d/1ytW9yrliYRCI-Hehq0f4K5zoY-myIFkoLmMQbITXOfo/edit?usp=sharing

最終戦闘
シュトリ(メス) https://docs.google.com/spreadsheets/d/1XdvEon2KZ37x4JDkO9sYtIQdNHgQ4FKgH3HX_qYYetU/edit?usp=sharing
シュトリ(オス) https://docs.google.com/spreadsheets/d/1OgYN9os6lR6Wp4guwZNOtTouHLV3y4l3-PoP1joNJug/edit?usp=sharing

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