シナリオ「拡大する絶望(カオス・インフェクション)」

魔法学園RPG ハーベスト
シナリオ「拡大する絶望~chaos infection~」
推奨人数 4人
推定時間 6~8時間
推奨リベラルアーツ
ブリンガー テレポート フロート ペネトレイト エクスプロード 各種オペレイト系
※PC全員に経験点30点を配布する。このうち10点は必ず院生に進学するためだけに使い、残りは普通に成長に使ってよい。余った分は消滅する。

◆今回予告

例え、どんなに深い絶望が世界を覆い隠そうと

進むべき道がわからなくなったとしても

月の希望の光が明るい未来を照らしてくれる…

でも、もしも月が落ちて、太陽が昇らなければ?

暗闇と絶望に落ちた世界を、一体何が照らすというのだろう?

それでも、絶望に押し潰されず、諦めないで前を向けば

いつかきっと、道は開けるから

魔法学園RPG ハーベスト
「拡大する絶望~chaos infection~」

魔法の時間は、まだ終わらない

◆シナリオハンドアウト

PC1 コネクション:魔界の大公爵アスタロト   推奨関係:師弟/尊敬  指定クラス 禁呪魔導研究科
君は魔法学園ハーベスト大学院の禁呪魔導研究科の学生だ。
君は過去に一度アスタロトに助けられたことのある身だ。そんな君はアスタロトの事を尊敬している。
君の直接の主任講師という事もあり何かとアスタロトに頼られる事が多い。
そんなある日、君はアスタロトに呼び出される。

PC2 コネクション:ドロシー・フロム・オズ   推奨関係:想い人/親友
君は魔法学園ハーベスト大学院の学生だ。
君はここ最近よくドロシーに夜呼び出され、ゲームや暇つぶしに付き合わされている。
しかしそんなある日、ふと、普段と違う様子の彼女から「今日は思い出話しよっか」と、切り出される

※PC2はドロシーコネクションのシナリオを通過している事を軽く推奨

PC3 コネクション:ディアナ・ミカエル     推奨関係:上司/友人
君は魔導テロリスト「アマリリス」のスパイとして、魔法学園ハーベスト大学院に入学している学生だ。
君はハーベストにあるクリーチャー飼育施設の世話をしてよく過ごしている。
そんなある日、生物魔導養成班チーフであるディアナ・ミカエルから突然の忠告を受ける。

※PC3のデータは通常ハーベスト作成或いはアマリリスからの院進となります

PC4 コネクション:ルエ・フリーゲ       推奨関係:友人/親しみ
君は魔法学園ハーベスト大学院の学生だ。
君にはよく一緒に過ごす友人、ルエ・フリーゲという禁呪魔導研究科の友人がいる。
性格は活発で努力家ではあるがお世辞には成績が良いとは言い難い彼女はよく君に勉強を教えて欲しいと頼み込んでくる。
そうして彼女と過ごしていたある日、やっと七つの大罪の欠片を扱えるようになったと報告してくる。

NPC情報
「魔界の大公爵アスタロト」
禁呪魔導研究科の主任講師であり、元「八つの枢要罪」に所属していた魔界出身の悪魔。
詳しくは公式サイト「NPC一覧」を参照。

「ディアナ・ミカエル」
魔導テロリスト「アマリリス」所属であり生物魔導養成班チーフ。
「七つの大罪」の一人、ルシファーと深い関わりにある存在でもある。
詳しくは公式サイト「DS追加NPC」を参照。

「ルエ・フリーゲ」
魔法学園ハーベストの大学院生の禁呪魔導研究科に所属している。
緑髪に明るい緑色の邪眼が特徴の女の子。
性格は活発で努力家ではあるが成績が良いわけではなく、PC4にいつも助けを求めている。
学部時代は邪眼魔導学科の生徒でアスタロトに憧れを抱いているらしい。
頑張り屋であるが成果が実らないことが多く何かと落ち込みがちなところもある。

◆オープニングフェイズ

シーン1:信頼の証 PC1
君は今日もいつも通りの生活をしていた所、アスタロトに呼び出された。
こういう呼び出しは最近多く、何かと忙しいアスタロトに頼まれごとをされるのだ。
研究室へと入るとアスタロトは何かの道具、美しいクリスタルが付いた振り子のような物を持っていた(ペンデュラム)
「来たか…PC1」
「これはちょっとした道具だ、気にするな」
そう言うとアスタロトはその道具をしまってしまう
「それより、お前に頼みたいことがある」
「私は次の講義までに少々準備がある、その間に準備室にあるカースストーンを講義室に運んでおいて欲しい」
「頼めるか?」
「そうか、礼を言おう」
準備室の鍵を取り出し、君に手渡す
「鍵はこれだ…ふむ、用事の度に何度も何度も渡すのも面倒だ。持っておいて構わん」
「PC1ならば、心配もいらんだろう」
「ふっ…では、頼んだぞ」

シーン2:思い出話 PC2
君は今日もいつもの如くドロシーに学長室に呼び出されていた。
君がドロシーに呼び出されるのはいつものことで、暇つぶしに話やゲームに付き合わされていた。
学長室へ向かう道すがら、ふと君は何かが足りないと感じる。普段であればすぐ来るように急かすような連絡が入るのだが…
学長室へと訪れれば、普段の巫山戯た雰囲気とは別に、何処か儚げで…
「あ、来てくれたんだ、PC2くん」
「こんばんは、ごめんね呼び出して、でもPC2くんと話したかったから」
「今日はゲームとか、面白い話、とかじゃなくて、私達の思い出とか、話したいな~って」
「なんだか色々夢で思い出しちゃってね?それでせっかくだから話したかったの」
「だめかな…?」
控えめにより掛かり、上目遣いで見詰めてくる
「やった♪ありがと!」
「最初に会ったのは確か~」
君の返答を聞き大袈裟に喜び、話し始める…
・ここからは通過シナリオを踏まえてRPを挟んでも良い
「ほんとに色々あったね、数年前のことなのに、なんだか凄い昔みたいに感じちゃうなぁ」
「あ、それってそれだけさ、私と君の思い出が一杯積み重なってるってことだから、凄い嬉しい」
「でもやっぱり…思い返すと、一杯私PC2くんに助けられちゃってるね、ホントは学生に迷惑はかけたくないって思ってるんだけど…」
少し眉を下げながら悲しげな表情になり…
「そっか…ありがとね」
君の一言でドロシーはいつもの表情に戻り
「お話、付き合ってくれてありがとね、ほんとに嬉しかった…」
「おやすみ、PC2くん」

シーン3:お世話 PC3
君はいつも通りクリーチャーの世話をしに飼育施設へ訪れていた。
ハーベストではクリーチャーは実験の為のものであったり、カースを生成しない弱いクリーチャーなどが飼われており。
クリーチャーも生き物ではある以上食事、排泄、睡眠が必要不可欠であり、飼育する以上は世話をする人物も必要だ。
君はアマリリスであり、クリーチャーへの苦手意識も薄いため良くこの役割をよく請け負っていた。
世話用の用具や餌などを持ってそこへ入れば多くのクリーチャーたちが歓迎するように騒ぎ始める
君が世話を始めれば、一匹の猫のクリーチャーが君にすり寄って甘えた声を出す。
「にゃ~」
カースを生成しないクリーチャーは小柄な者が多く動物に似ている物も多く居る。
猫を境に他にも何度も世話をしに来る君に懐いている多くのクリーチャー達が集まってくる。
ハムスターのように小さなクリーチャーや、大型犬サイズの者など
その多くが甘えるようにすり寄って来る。

ある程度もふもふしたらシーン終了

シーン4:勉強  PC4
君は講義が終わり、空いた時間に廊下を歩いていると誰かに背後から声をかけられる
「あっ、PC4~!」
その声の主は授業のテキストやレポートらしき大量の書類を抱えたルエ・フリーゲだった
彼女は君に駆け寄り横に並ぶと歩きながら何処か申し訳無さそうに
「講義終わり?」
「そっかぁ…ねぇ、この後の時間って、空いてる?」
「あの…ね、このレポートとかちょっと私一人じゃ全然解けなくてさ…」
軽く首を傾げながら曖昧な笑みで…
「また、教えてほしいんだよね…だめかな?」
「本当!?ありがとう、ごめんね、何度もこんな事頼んじゃって」
「でも、ほんとに助かるの、私一人じゃ全然わかんないことも、PC4に教えてもらえるとちゃんと理解できるし…」
「良かったらなにか今度お礼させて、いつもお世話になっちゃってるし」
「えっと、まずわからないのが…」

シーン5:デモンズタイムについて PC全員
君達が各々の時間を過ごした数日後、君達はいつものように授業を受けていた。
授業名は「カース応用論A」講師は禁呪魔導研究科主任のアスタロト先生でカースが孕む危険性と圧倒的な力について学部よりより深く学べる為、生徒達に人気が高い。
君達が席につき授業の開始時間を待っていると、時間丁度に教壇の方に魔方陣が描かれアスタロトが現れる
「講義を始める」
彼が一言そう言うとレジュメの束が各生徒達に配られ始める。

説明が必要であれば→(アスタロト先生の講義は、所謂パワーポイントなどを使わず、大量のレジュメで話を進めていくタイプのものである。
講義内容が面白いため、真面目に聞く学生がいる一方、難しい言葉を多用するために、寝てしまう学生もいる、そんな講義である。)

「今日のテーマは大罪の欠片と大魔法【デモンズタイム】についてだ」
デモンズタイムという言葉に複数の学生が首を傾げる
「君達の中にはデモンズタイムが何かを知らない生徒もいるだろうが先に欠片から説明しよう」
「七つの大罪の欠片とは、文字通り大罪達の力の欠片だ。数百年前に行われた魔界大戦の際にバラバラの欠片となって封印された大罪達の力の一端だ」
「厳密に言えば、七つの大罪の力が封印されたマジックアイテムでそれらは魔導次元の各地で厳重に管理されている」
「しかし、封印も完璧ではない。今までにも何度か欠片自らが力によって管理を抜け出し、人の手に渡りその人間を支配し事件を起こすこともあった。勿論力に目がくらんだ人間の手によって盗まれることもな」
こほんと一つ咳払いをし
「要約すれば、強力な力を秘めたマジックアイテムだがそれらは人間の意思を乗っ取り、七つの大罪としてこの世界に顕現しようとする…七つの大罪の欠片とは、そういうものだ」
「だが中には欠片の力を扱いこなすものもいる…禁呪魔導研究科の人間にも数える程度ではあるが、欠片の所持者は存在する」
「質問は?」
一度講義室全体を見渡し、再度レジュメに目線を落とす
「では、次…次はデモンズタイムについてだ」
「デモンズタイムとは、簡単に言ってしまえば七つの大罪の力を取り込む事によって一時的に七つの大罪の悪魔の力を得るというものだ」
「七つの大罪の欠片が人の手に渡り、人の意思を支配しようとした時、逆に「強い人の意思」が七つの大罪の力を上回りその力を飲み込む場合がある…
その時その人間は「デモンズタイム」という大魔法の術式により悪魔の力を扱うことができるようになる、デモンズタイムを発動すればその人間は半人半魔のような、悪魔の特徴が身体に刻まれる」
「デモンズタイムとは、非常に希有(けう)なものだ。まず欠片の力を使うにしても飲み込まれる危険性があるだけでその力を逆に飲み込むことは基本ありえない。そしてそのありえない現象こそが、大魔法【デモンズタイム】だ。」
「デモンズタイムの副次効果として、デモンズタイムを発動している人間はカースに感染しない。理由は一時的に悪魔の力を得たことによってカースへの強い耐性、元いデモンズタイム自体がカースを生み出す事ができる力だからだ。」
そこまで言い切るとアスタロトはレジュメを置いて一息つき
「今回の講義の内容については以上だ、何か質問は?」
「ないな、次の講義は来週だ、また会うとしよう」
アスタロトの立つ教壇に魔法陣が展開され、何処かへと消えていく。

シーン6:不穏な気配と信頼 PC1
君はまたアスタロトから呼び出しを受け、研究室へ訪れていた
「PC1か、入れ」
「何度も呼び出して悪いが、今回は大事な話もある」
「学園内からカースの気配を感じる、研究科が使うカースは対処できるようにどんなものか全て把握してあるがあれは…」
そこアスタロトは言いよどみ
「恐らく、学園内に入り込んだ通常のカースだ」
解説:ベルゼブブのカースだからなんとなく感じた覚えがあったが薄い状態の為わからなかった
「この話は直ぐにカース特別対策委員会に通す予定だが一つ問題がある…これだ」
懐から君が数日前目撃した、美しいクリスタルの付いた振り子、所謂ペンデュラムを取り出す
「以前、不自然な動きをする宗教団体があった、それらは全員マモンの息がかかった連中で発覚次第欠片を回収したがそいつらの抱えていた物が問題だった」
「これはカースを増幅させる機能を持つアーティファクトだ。直ぐに封印する予定だが、それも今すぐにとは行かん、準備が必要だ」
「まだ憶測の域を出ないが、七つの大罪或いはそれに親しい者がこれを回収しに来る可能性がある」
「その場合既に学園内にカースが侵入している可能性が高い、それはカース特対も含めてだ」
「PC1、頼めるか?」
「ふっ、そうか、頼んだぞ」

シーン7:不穏の影 PC2
夜、君は寮に帰ろうと僅かに街頭に照らされる薄暗い夜道を歩いていた。
誰も居ない夜道、ふと、君は背後から羽音のようなものを微かに聞こえ、続けざまに殺気、悪寒のような物を感じる…。
振り返ろうと何も居らず、曲がり角に一瞬何かが消えていったような気がした。
→追い掛ける場合
君はすぐさま追いかけ、走り出した…しかし、その気配は実力者である君ですら感知できない速度で消えていった…

GM情報:ベールゼブブが生み出した(蝿)部下がハーベスト近辺を彷徨いている。

シーン8:緊急連絡 PC3
君が普段の様に部屋の寮で過ごしていた時、コンコンと何かが窓を叩く音がした。
そちらを見てみれば、アマリリスにおいてハーベストへの潜入など普通の手段では連絡が取れない時、緊急の手段として使われる鳩に似たクリーチャーが窓を叩いていた。
クリーチャーは口に何か手紙を咥えており、アマリリスである君にはそれが緊急の連絡だとわかるだろう。
手紙の中身は「今日、夜に黒き森の入口付近に来て…ディアナ・ミカエルより」と記されていた

シーン9:ディアナ・ミカエルの忠告 PC3
時刻は深夜、黒き森の入口付近
君が指定された場所へと訪れれば、そこには彼女の特徴でもあるロリータファッションを身に纏う金髪碧眼の少女、生物魔導養成班チーフ ディアナ・ミカエルの姿があった
「ちゃんと…来てくれて…よかった」
独特の途切れ途切れの喋り方だが言葉、表情の節々に純粋に君を心配していたと感じる
「もしかしたら…PC3が、危ないかも、知れないの…」
「ハーベストで…何かが起きてるかもしれないって…ルシファーが言ってたの…」
「だからPC3も…帰ってきたほうがいいかもって…」
「でもPC3、帰れない理由…ある?」
心配そうに顔を覗き込んでくるミカエル、そして君の頭にはハーベストの飼育施設の君に懐いているクリーチャー達の姿が浮かぶ。
「そっか…わかった…じゃあ…オーガンのめーれー…ちゃんと生きて帰って、きて」
「頑張って…ね」
(PCがクリーチャを殺すのに抵抗がありそうなら蠅のシーン様に強いクリーチャーが出てもバレ無いように戦う振りはするように言っておくこと)

シーン10:朗報 PC4
君はハーベストの広く長い廊下を歩いていた、すると、正面から見覚えのある一人の少女が走ってくる。
ルエ・フリーゲだ、彼女は君を探していたようで、君を見つけるとパッと表情を明るくさせて駆け寄ってくる。
「あ、PC4、いい報告があってね」
「私やっと欠片の使用許可が降りたの、ちっちゃいのだから全然強くはないんだけど…」
そう言いながらも明らかに嬉しそうに頬を緩ませて
「それでさ…いつもPC4に助けられてるから、その、強くなったの見てほしいなぁって…探し回ってたんだけど」
「良かったらクリーチャーハントどうかなって…この後の講義は空きでしょ?」
「あ、勿論私の自己満足だから、全然PC4は気にしなくてもいいんだけど」
捲し立てるように言った言葉を咄嗟に両手を出して誤魔化す
「ほんと…?よかった…凄い嬉しいや」
「じゃ、早速行こ!」

シーン11:新たなる力 PC4
ルエに連れられクリーチャーハントに来た君は黒き森へと足を踏み入れていた
ご機嫌に前を歩くルエは視界を塞ぐ小枝をどけながら
「今日はPC4が前でなくても大丈夫だよ?私が倒すからっ」
「ねぇ、この前言ってたお礼ね…良かったら…なんだけどさ…」
そう言いかけた所で大声で
「あ!いたっ!」
ルエの視線の先には4体のワイバーン達の姿があり、ルエは既に臨戦態勢に入っている
「い、行こう!PC4!」
茂みから飛び出し、ワイバーン達の前に立ち
「二匹は受け持つから、半分お願い!」
彼女はそれだけ言うと二匹の狙いを受け持ち、得意の風魔法で君と離れた所で戦闘を始める
PCの演出で撃退
君が彼女の方へ視線を戻すとワイバーン二匹の攻撃を受ける直前、グリーンガーネットの瞳が妖しく煌めき
「『全て喰らえ暴風よ、そして破滅が訪れる エリアルレイヴ』」
一瞬、視界を覆うほどの激しい暴風が吹き荒れ、ワイバーン達を塵も残さず容易く切り刻むが本人は呆けた様子で
「す、すごい…こんなに凄いと思ってなかったや…」
「うっぁ…」
突然右眼を抑えてうめき声を上げる
「う、ん…大丈夫、それより、次に行こ?まだいっぱいいるみたいだし」
正面へと視線を戻せばまた多くのクリーチャーたちが君達を見詰めていた
ルエはクリーチャー達に向かって駆け出し、暴力的な圧倒的力でクリーチャー達を次々と屠り、数分の内に全て倒しきったルエは君に満面の笑みで
「あっははは、ねぇ、クリーチャー殺すのって、楽しいねっPC4」
「え…あ、れ?う、うん…だい、じょうぶ…」
茫然自失といった様子でふらふらとしている
「と、取り敢えず、今日は帰ろっか、付き合ってくれてありがとね…」

シーン12:ドロシーの思い PC3
君はミカエルから忠告を受けた後、またハーベストのクリーチャー飼育施設へと訪れていた
中へと入ればそこには思いもよらない人物がいた、ドロシー・フロム・オズだ
「あ、PC3ちゃん、やっほー…」
しかし普段のドロシーとは違い、おちゃらけた雰囲気はなく余り元気を感じられない、寧ろ必死に普段の笑みを作っているようだ
「PC3ちゃんはこの子達のお世話?」
「そっかー」
「PC3ちゃんは偉いね!私はね、ちょっと考えたいことがあって」
「クリーチャーって、不思議でさ…私達人間みたいに良い人もいれば悪い人もいるみたいに、悪いクリーチャーと、良いクリーチャーが居るの」
「それってね、当然のことなんだけど…やっぱり、この子達みたいに仲良くはできないのかなって」
「あ、PC3ちゃんクリーチャーの事嫌いだったらごめんね…こんな事あんまり話さないんだけど、クリーチャーのお世話してるから、好きなのかなぁって」
「私ね、人間とクリーチャーって仲良くできるんじゃないかって思ってるんだ…まだみんなはそうじゃない、みたいだけど…」
「この子達から私達は仲良くしてる、とは思われてないんだろうけど、こうやって小さいところからクリーチャーとの距離を縮めるのが大事なんだって思うの」
「変な話しちゃってごめんね?それよりほら、餌あげよ!」

シーン13:ドロシーの悪夢 PC2
君はしばらくして、また夜にドロシーから呼び出しを受けていた。
その日もまた珍しくドロシーから急かすような連絡が入ることはなかった。
「あっ、PC2くん、来てくれたんだ…入っていいよ」
入るとドロシーは部屋の隅の方で毛布に包まれていた、どことなく顔色も悪そうに見える。
「ちょっと調子悪い…ていうか、ね…怖くて仕方ないの…」
そういうドロシーの身体は少し震えている
「たぶんね、今七つの大罪が近くに来てるの…アスタロトや他の先生達にも伝えたんだけど、それでもずっと不安でさ」
「だから、ごめんね。PC2くんがいてくれると、少しだけ安心できるから…呼んじゃった」
「迷惑だったかな…?」
「そっか…ありがとね、PC2くん」
彼女は控えめに君に抱きつき
「悪夢を見るんだ。昔はこういうときは決まって故郷が燃える夢だったんだけど」
「最近はね、みんなが、ハーベストが壊されちゃう夢を見るの…泣いても、叫んでも、何をしたって止まらなくって
私はそれを見てるしかできないの…私がみんなを守らなきゃいけないのに…」
普段のドロシーからは考えられない弱々しい姿は年相応の少女に見える
「お願い…助けて…」
消え入りそうなか細い声で君に助けを求める

シーン14:異変     PC4
ルエにクリーチャーハントに連れられた翌日
講義を終えた君は友人と雑談していた、そこに普段ルエと話している姿をよく見る女子学生が君の方へとやってくる
「ねえ、PC4くん、ルエちゃん見てない?今日どの講義にも出てなくって」
「うーん…ずっと見てないから心配なんだよね、休みの連絡もないみたいだし…」
君達二人が話しているところに友人が
「何?フリーゲさん探してんの?確かクリーチャーハント行ってたぞ?すげー楽しそうに」
「欠片の使用許可が降りたって凄い喜んでたから、やっぱりはしゃいでるのかも」
女子学生は少しばかり心配そうに顔を暗くし
「ごめんねPC4くん、私はちょっと午後用事があって行けないんだけどぉ、良かったら私の代わりにルエちゃんの様子見てきてくれないかな?」
「ありがと、助かるよ~」

シーン15:ルエ・フリーゲ PC全員(最初PC4)
君は午前の講義が終わり、ルエの様子を見に向かっていた。
そしてその途中、中庭を通る所で正面から歩いてくるルエを目撃する…血塗れの。
真っ赤に濡れた髪に服、フラフラと幽鬼の様な立ち姿で周囲の生徒達はそれを見ると驚いて道を開け、その間を歩いてく来る。
(ここにPC全員)
「あ、PC4…なんだか、さ…おかしいの」
「PC4の事、殺したくてしょうがないの…」
明らかに異様な様子でワナワナと手を震わせながら涙を流し
「ごめんなさい!ごめんなさいっ…でも、殺したくて仕方ないの、抑えるために、ずっとクリーチャーを殺してたのっ…」
「こんな事、おかしいってわかってるのに、ほんとは嫌なのに…やだやだっいやっ!」
半狂乱で髪をかき乱し叫ぶ、そしてふわりと、一陣の風が舞ったかと思うとピタリと動きを止め
「ふふっ、あははははあは!何、迷ってたんだろPC4の事殺せば、私が強くなったって、ちゃんと見せられる…」
「私の力見せてあげるね」
彼女の周囲に魔法陣が展開されたかと思うとそこから強力なカースを放つ蠅の様な中型のクリーチャーが大量に出現し、近くの生徒へ襲いかかろう魔法を放ち始める
中庭は一瞬にして混乱に満ち、逃げ出すもの、立ち尽くすもの、戦うもの。魔法を使おう狭い中庭では他の生徒を巻き込んでしまい、多くのものが混乱状態にあった
そして、発動体を破壊され逃げ場を失った生徒が一人、壁に追い詰められ、ジリジリと蠅のクリーチャーが距離を詰め…止めを刺そうと攻撃を放つ
「や、やめっ」
放たれた風の刃は確実に生徒を軌道に捉え…
「『虚無へと返せ暗澹の輝き ブレイクスルー』」
しかしその攻撃は突然現れた闇によってはじめから無かったかのように分解され解けてなくなり
中庭の上空に魔法陣が描かれたかと思うとそこに銀色の長髪を靡かせたアスタロトが出現する
「やはりこのカースは…いや、後だ」
混乱に満ちた中庭によく響く声で
「戦闘不能の者は避難しろ!まだ戦える者はルエ・フリーゲの対処を!蠅共は私が受け持とう」
アスタロトの指示により混乱していた生徒達は落ち着きを取り戻し、避難を始める
「あははっ、やっぱりアスタロト先生はすごいなぁ…でも、PC4を殺したら、きっとPC4も、先生も、みんなも私の力わかってくれるよね」

〈中間戦闘:ルエ・フリーゲ 蠅の騎士×2〉

戦闘終了後、発動体の邪眼を破壊されたルエは糸が切れたようにその場に崩れ落ち、それと同時に周囲の大量の蠅たちも消えていった
「ご苦労だった…カース特対の者はいるか?この生徒を運べ……お前達は付いてきて貰おう」

シーン16:作戦会議 PC全員
君達はそのままアスタロトに連れられ、会議室へと訪れた。
普段教員たちの会議などに使われる部屋で、勿論現在は使用されておらずガラリとしている。
「ここで待っていろ」
その一言だけ残し、アスタロトの姿は魔法陣の中に消えていった。
→ここで軽くPC同士の自己紹介を促す、一通り終わったら描写
暫くするとまた魔法陣が描かれ、そこからアスタロトとドロシーが現れる
「これから、お前たちに重要なことを話す」
「ここから先の内容は相手が教師であっても、他言無用だ」
「今、学園は危機にさらされている…七つの大罪の一人暴食の罪、ベールゼブブにによって…
「奴は以前接触した時に感じたが、欠片のとしては強力すぎる、復活を遂げているかもしれん」
「私は今、とある事情によりカースの力を増幅させるアーティファクトを所持している。奴の狙いは私の持つアーティファクトとこの学園だろう」
「そして、さっきお前たちが見た通り既にベールゼブブのカースはこの学園内に及んでいる、カース特対の人間も動いているが、解決は見込めん…何より、カースに感染している可能性がある人間は使えん」
だが、と一泊置いてから君達へと目線を向け
「お前たちは少なくともさっきの戦闘に参加していた時点でそのカース感染の疑いを逃れた。故にお前たちをここに呼んだのだ」
「今、この学園において私が安心し頼れるのはお前たちだけだ…この学園を守るために力を貸して欲しい」
「私からもお願いっ!この学園を、ううん、みんなを守る為に君達の力を貸してほしいの…」
「うんっ、ありがとう、みんな!」
「恩に着る、早速で悪いが直ぐに調査を頼んだぞ、私はドロシーが動けん以上、さっきのようなことが無いよう対策する必要があるからな…何より、やつを警戒する必要がある」
アスタロトはそのまま扉へ歩き出したかと思うと振り返り、PC1の方へと近寄ると黒いペンダントを手渡す。
「念の為だ、これを渡しておこう」
「気にするな、ただ肌見放さず持っておけ、ではな」
内容については何も語らず、アスタロトは魔法陣の光りに包まれ消えていった

シーン17:ドロシーのお願い PC2
PC2が調査に動こうと会議室を出ようとした所、ドロシーから呼び止められる
「あ、ま、まって」
服の袖を力なく掴み、君の方を見つめる。
「あの時は、助けてって言っちゃったけど…PC2くんも、大切な生徒だから」
「だから、絶対無事に帰ってきてね…」
「約束だよ?私PC2くんと遊べなくなったり、話せなくなったりしたらやだよ…」
「約束破ったら絶交だからね…」
「また、お月見しながらお話しようね!」
ドロシーはいつも通りの笑み向け、君を送り出してくれる

シーン18:情報収集
1 ベールゼブブについて
「七つの大罪」の一人、暴食を司る悪魔。
現在はハーベスト付近に潜伏していると思われる。しかしこの事件以前は全くと言っていい程情報がない。そして完全ではないにしろ以前の力を取り戻している様だ。
かつての魔界大戦を引き起こした張本人でもあり七つの大罪の中でもサタン、ベリアルに次ぎ、ルシファー アスタロトと並ぶ実力を持っており、アスタロトの脱却以前もアスタロトの事を嫌っていた。
ベールゼブブの持つカースは「誰かを殺したい」という欲望を増幅させる。

2 ルエ・フリーゲのカースについて
ルエ・フリーゲは「誰かを殺したい」というカースの一次感染者だった。
しかし、ルエ自体クリーチャーの接触はあったがどれも該当せず、感染の原因は別のものであると考えられる。
感染してまだ時間は経っていないが、恐ろしい感染速度で後数日もすればもう精神がまともには戻らない。

3 アーティファクトについて
アスタロトがマモンの息のかかった集団から回収したアーティファクト。
正式な名称は不明だが強力な力を有しているらしく、カースの力を増幅させることが可能。
「ペルセウスの涙」という大量のカースを生成するアーティファクトに匹敵するとされている。(詳しくは劇場版第三弾参照)

4 学園内の状況について
アスタロトの言っていた通り、既に十数人がカースに感染しているようで更にルエを除くカース感染者の内二人が「ベールゼブブの欠片」を所持しており、蠅を使役する能力も有している。
カース特対並びカース対策委員会最高責任者のイマヌエル・カントを含む多くの教員も動員され対処に当たっているがカース感染者はカースによって強力になることも相まって二次感染者は対処可能だが欠片所持者が対処できずに事件の収拾が今現在もついていない。
ベールゼブブの欠片の所持者は現在見つからない為ハーベスト外に逃亡したと考えられる。

全情報開示後 情報5「ベールゼブブの目的、居場所について」を開示する

5 ベールゼブブの目的、居場所について
→シーン19へ進めるようになる。
ベールゼブブの目的はアーティファクトの奪還、そしてハーベストの壊滅。
しかし、肝心の居場所の手がかりは掴めなかった…
→シーン20へ進めるようになる

シーン19:七つの大罪 マスターシーン
魔界の何処かにて、白いマントに二本の角を生やした男が強力なカースを放つ宝石に語りかけていた。
「サタン、マモンがしくじった…あのアーティファクトはどうするんだ?」
一見すればおかしな光景だが、その宝石からは重く、厳威(げんい)のある声が響く
「ふむ…そうか」
「はっ、前にもアスタロトに潰されて、またか?学ばないな」
「そのようなことは言うではない…しかし、そうか…ベールゼブブよ、頼まれてくれるか?」
「いいけど、やるからには好きにやらせてもらう、口は挟むなよ?」
「構わん」
「あぁ…待ってろよ、アスタロト」
心の底から楽しそうな声を上げ、バサリとマントを翻し、ベールゼブブは何処かへと消えていった。
「ベールゼブブ、お主は甘いところがある…保険はかけておくか…」
誰も居ない空間に、声が響いた

GM情報:ここでサタンはベールゼブブにデウス・エクス・マキナをかけました(詳しくはシーン24へ)

シーン20:八大魔法使いの占い PC全員
君達は徹底的に事件について調べ上げたがベールゼブブの居場所にまでは辿り着けず、警戒を含め校内を歩いていた。
そんな君達に突然聞き覚えのある声がかかる
「随分とお悩みの様子だね、僕が占おうか」
声の主は概念魔導研究科主任講師、伝説の八大魔法使いでもあるシヴュラだった。
彼はタロットカードをシャッフルしながら君達に問いかける。
「僕の占いは100%当たる」
そう言ってタロットカードが空中に散りばめられ、その一枚がシヴュラの手に収まる。
しかし、そのカードを見たシヴュラは苦い顔になり、君達の前にそのカードを差し出す
差し出されたカードは15番『悪魔』のカードだった。
「これは、余り良くないな…急いでアスタロトのところに向かったほうが良い」
「僕も共に向かわせて貰うよ、今は一刻を争う…それに、僕が必要だ」

シーン21:占い的中
君達が足早にアスタロトの研究室へと向かう途中、突然近くの壁が破られ爆発音が響き渡る
そこからゾロゾロと大量のカース感染者達が現れ、君達の行く手を阻む。

感染者達は各々が強力なカースを放っており、君達全員でかかっても撃退するのに時間がかかるのがわかるだろう。
しかし、時間がない君達へ感染者達は容赦なく強力な魔法が次々に放たれ…
「僕の前ではどんな法則も無駄だと教えて上げよう【ディバイン・プロヴィデンス(森羅万象の深理)】」
その一言と共にシヴュラの周りにタロットカードが展開され、飛来する魔法を全て消し去り
「だから言ったろう?僕が必要だと」
「さぁ、行きたまえ…このまま進めば案内人が居る…頼んだよ、学生諸君」
走り去ろうとする君達へ魔法が向けられるが光り輝くタロットカードが盾なってそれを防ぎ
「知っているだろう?僕は八大魔法使いだ。余り、舐めるなよ」

シーン22:案内人
廊下を走っていれば、アスタロトの研究室の方から焦った様子でヘッドホンを付けた一人の女子学生が走ってくる。
PC1は知っている、アスタロトの娘であるフォンダント・ショコラだ。
そしてショコラは息を切らしながら君達へと駆け寄り、一瞬PC1の持つペンダントを驚いた様子で見詰め。
「それって…」
「そんな事より…お願い、パパを助けて!」
「今、黒き森で七つの大罪と戦ってて…ッ!」
次の言葉を発しようとした瞬間、何かが空間を切り裂いて現れる。
見知らぬ生徒二人、胸元には妖しく翠に輝く石を掛けている。調べ上げた君達ならば、二人が欠片所持者であることはすぐに分かるだろう。
「お願いっ!黒き森に行って、パパを助けて!」
「ここは、私がどうにかするから!私は私を助けてくれたパパに恩返しがしたいの、だから、行って!」
駆け出した君達の背後で膨大な魔力が吹き荒れ…
「パパの力、借りるね…!」

シーン23:クルドサック
外へと出てみれば、悪魔のカードの暗示の通り、悪い未来を示すように大雨降っていた…しかし、歩みを止めるわけには行かない君達は黒き森へと、向かうだろう。

豪雨
・ペナルティ 
衰弱Lv3 重圧Lv3
・必要リベラルアーツ
ブリンガー テレポート オペレイトスライム

大嵐
・ペナルティ
怯みLv2 狼狽Lv2
・必要リベラルアーツ
ペネトレイト フロート エクスプロード

落雷
・ペナルティ
火傷Lv3 麻痺Lv3
・必要リベラルアーツ
各種オペレイト系のみ

シーン24:大罪の戦い マスターシーン
雨が降り注ぐ黒き森にて
黒き森の闇に紛れるように黒いマントを羽織ったアスタロトが何かを待つように雨の中佇んでいた。
そして魔法陣が展開され、白いマントを羽織ったベールゼブブが現れる。
「何をしに来た」
「このクソッタレな世界をぶっ壊しに来たんだよ」
「お前のような悪魔に、そのようなことはさせん」
「お前だって、同じ悪魔だろうが…それも、裏切り者のな」
「ふんっ、同じ様な会話で同じ様な展開はつまらないぞ?」
「前回みたいに行くと思うなよ…!」
言葉を交わしながらも互いのマナがぶつかり合い、空間を歪ませ、一瞬それが収まったかと思うと暴風がベールゼブブの中心に渦巻き、暗い闇がアスタロトの身体を覆う。
「『全てを喰らえ狂飆(きょうひょう)よ!ブラックホール!」
横薙ぎに振るわれた腕から黒い嵐が生まれ周辺の木々を巻き込み、アスタロトに飛んで行く
「『全てを覆え漆黒よ、そして虚無へと還れ パーフェクトキャンセル』」
周囲の空間を丸ごと飲み込むような嵐へ向けられた手のひらから闇が流れ出し、嵐を飲み込み、何事もなかったかのように消え去る。
だがそれも当然であるようにベールゼブブは続けざまに強力な魔法が放ち、アスタロトがそれを迎え撃つ、ほんの僅かの戦闘で黒き森には大きな空白の空間が生まれていた。
一度、互いにタイミングを探るように手が止み、均衡状態が訪れる。
「次で終わらせてやるよ!」
「戯言をッ…」
ベールゼブブの周りを黒い風が漂い始め、アスタロトからも普段は抑えているカースが漏れ始める。
「死ねッ!アスタロト!『全てを喰らえ暴風よ、そして世界を飲み込め!エリアルレイヴ!』」
「『守り隠せ月の箱庭、そしてその内にて私と踊れ フルインストールインビジブル』」
集約された巨大な魔力が全てを喰らい尽くす暴風へと姿を変え、アスタロトを襲う。
しかし、アスタロトはそれを溢れ出した呪いの魔力によって抑え込む。
「なっ…!」
絶対的な、互いの全力を懸けた一撃を防がれたベールゼブブは驚き、刹那の間硬直する。
ほんの僅かな間だった、しかし、七つの大罪という圧倒的実力者同士の勝負においてその一瞬は致命的だった。
今まで守りに徹していたアスタロトは時間を切り取ったようにベールゼブブの目の前に現れ。
「終わりだベールゼブブ…『アスタロトの名の元に、具現せよ中秋の名月!ハーベストムーン!』」
どんなに暗い絶望が覆い隠そうと、道を探せるように、とある少女が授けた魔法がベールゼブブに叩き込まれる。
空に浮かぶ月から降り注ぐ光によってベールゼブブは地面に叩きつけられ…起き上がることは、なかった。
ベールゼブブの元にアスタロトが降り立つ
「く、そ…がぁ…あすた、ろとぉ…」
「終わりだ、ベールゼブブ」
止めを刺そうと、アスタロトの手に魔力が集い、腕を振り下ろす…。
七つの大罪 暴食の罪 ベールゼブブが討たれる…そのはずだった…しかし、何処かから時計の針の音が聞こえる。
歴史が歪む、刻まれたはずの過去が書き換えられてゆく…
「なっ!?まさかっ!」
突然ベールゼブブの傷が癒え、いや、消え去るその事実にアスタロトは困惑を隠せず、目を見開き硬直する。
至近距離で生まれた致命的な隙き、僅かな時間を縫うようにしてベールゼブブの魔法がアスタロトを貫く。
「かはっ…」
アスタロトを貫いた腕を引き抜かれ、どろりとした液体がアスタロトの口から流れ出す。
「糞爺が、邪魔しやがって…」
「横やりは入ったが、勝ちは勝ちだ、消えてもらおう…アスタロト」
ベールゼブブの手のひらがアスタロトに向けられ…

シーン25:例え絶望が世界を覆い隠そうと 
空は暗く月は雨雲に覆い隠される中、君達が黒き森へとやってきた。
そこには最早森と形容できるだけの物はなく。あるのは破壊の限りを尽くされた後と…そして、倒れるアスタロトと、それに手を向けるベールゼブブ。
→PCに反応をさせてから
君達が阻止しようとも間に合わず…
「じゃあな、アスタロト」
アスタロトが、ベールゼブブの手のひらへ吸収され、消えてなくなる、まるで何も最初からなかったかのように。
そして君達を気にする様子もなくアーティファクトを拾い上げ
→PC達が良い感じの言葉言った場合
「そうか、でもアスタロトは死んだ…」
「さぁ、ぶっ壊して、ぶっ殺してやるよ!お前が守りたかったもの全部!ぶっ壊れろ!【カオス・インフェクション(拡大する絶望)】!」
アーティファクトからカースが溢れ出し…そして世界を絶望が覆う、世界に希望なんて最初からなかったのだと、世界は…暗闇へと、堕ちる。
君達の中には、何の活力も、希望も湧いてこない。何故今自分がここに立っているのか何故生きているのか、希望なんて無いのに何故こんな無意味なことをしているのか
きっと死んだほうがマシだという思考が湧き出し、頭の中を支配する。
もう全て終わりだと、君達は絶望の中で理解するだろう…頭の中に過るのは今まで歩んできた記憶、歴史、希望に満ち溢れた過去。

ふと、PC1の頭の中に声が響く
『何を絶望している…私は言ったはずだ、頼んだと』
『ふっ、手のかかるヤツだ…だが、構わん。私が背中を押してやろう』
『私の力を使え、PC1!』
PC1の内側から、カースが溢れ出してくる、七つの大罪に匹敵する、強烈なカースが。
PC1は感じる、自身の内側から悪魔の力…いや、アスタロトの力が湧き出してくるのを、そして気付く、今自身から溢れかえるような力を使えば禁忌の大魔法カオスインフェクションですら、行使できると。
「何だよ…?その力はアスタロトの…けど所詮学生が欠片の力を得ただけだッ!」
→ここで大魔法使用想定
君達の中にあったはずの絶望は晴れ、希望への道が開けたと、そう確信する。
「は、ははは…そうか…お前はいつでも、俺の想像を超えてくるな…アスタロト…」
「だったら、今度は俺がお前の想像を超えてやるよ!!!」
「【デモンズタイム(悪魔化)】!!!」
ベールゼブブの中からアスタロトのカースが溢れ出し、ベールゼブブを支配しようと覆い尽くし、激しく苦しみだす。
「はあああああああああ!!!!!!!!」
「お前にはッ!負けられないんだよッ!!!」
叫び声が響き渡り、アスタロトのカースが全て晴れる。
現れたベールゼブブは内側にアスタロトのカースを取り込み、更に、アスタロトの様な長い牙と二対の黒い翼が生えている。
ベールゼブブは空に向かって天高く飛翔し、君達を見下ろし、翼をはためかせ。
「コレが、アスタロトの力か…さぁ、始めようぜ…」
「このクソッタレな世界を、ぶっ壊してやる」

〈最終戦闘開始:ベールゼブブ・type:アスタロト〉
※PC1はデモンズタイムtype:Reアスタロトを発動しています。
・カオスインフェクションの回数はデモンズタイムの力により再使用可能
【デモンズタイムtype:Reアスタロト(悪魔化)】
表:この大魔法の発動者は以下の効果を全て得る。
・自分にグッドステータス:暴走レベル2、飛行レベル2、覚醒レベル2を与える。
・この戦闘の間、自分のアクションフェイズの発動タイミングに、呪属性のマナを1つ生むことができる。
・攻撃力、防御力、ss値がそれぞれ2上昇する。
・自分を含め味方全員が不可知レベル3を任意で獲得できる。また、この大魔法の効果によって受けたこのグッドステータスは、戦闘終了時まで消去されず、レベルの増減も起こらない。
裏:他の大魔法の裏効果を対象及び範囲を拡大して発動することができる。
※ベールゼブブもデモンズタイムtype:アスタロトを使用している為、デモンズタイムの全ての効果を適応しておく事

シーン26:いつか暗い絶望は晴れて 合同エンディング
ベールゼブブが魔法によって撃ち落とされ、落下する。
「ははっ、負けたか…クソが…」
ベールゼブブの中に留まっていたアスタロトのカースがPC1の元に流れ、更にPC1のカースも外へと流れ出すと黒い靄が人形を型取り、アスタロトが現れる。
「私は私自身ではなく、この生徒達を信じたまでだ…」
「今回は俺が負けた…次は全部壊す…じゃあな、ハーベストのガキ共…アスタロト」
「次も、その次も変わらん…この学園は、私やドロシーだけではなく、生徒達自身によって守られている」
ベールゼブブは地面に紋章を描き、消えていった。
「追う必要はない、無駄だ」
一度手で制すと君達の方を振り向き
「しかし……本当によくやった、感謝しよう」
「特に、PC1お前は私の想像以上に頑張った」
「本来、この様な危険な事件に生徒は巻き込むべきではないのだろう、だが、私は私自身の判断でお前達を信じた」
「その結果成功したが、お前達、ひいては学園だけではなく魔導次元全体を危険に晒すことになった…すまなかった、どうか許して欲しい」
「だが、助かった、ありがとう」
「そうか…やはり、お前達を信じてよかった、PC1、PC2、PC3、PC4」
そう言って彼は普段は見せない、控えめな、それでも心からの笑みを浮かべる。

シーン27:個別エンディング(PC4)
想定はルエとの会話シーン

シーン28:個別エンディング(PC3)
想定はディアナとの会話シーン

シーン29:個別エンディング(PC2)
想定はドロシーとの会話シーン

シーン30:個別エンディング(PC1)
想定はアスタロトとの会話シーン

エネミーデータ

ルエ・フリーゲ https://docs.google.com/spreadsheets/d/1M0c2WpoadjJZ5D9d4y1eJ4JyxeHdrYxP/edit#gid=1282014537
蠅の騎士    https://docs.google.com/spreadsheets/d/1Qbv5bVa0-gW4H-WpZ8jXNIpqaf3LGgxousqvTeSidAo/edit#gid=0
ベールゼブブ・type:アスタロト https://docs.google.com/spreadsheets/d/1ssuHP7HiBNSEzGZ6-fRiZSDcl4zS0BfN1Mn36filRek/edit#gid=0

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