シナリオ「想像力の翼(イマジナリー・ウイング)」

魔法学園RPG ハーベスト
シナリオ「イマジナリーウイング」
推奨人数 4人
推定時間 5~6時間
推奨リベラルアーツ なし

□今回予告

夢、希望、憧れ…
全ての願いを背負い、「彼ら」は生き続けた。
しかし
全てがつくりものの世界の中、君の心から”魔導次元”は
―――消えてしまうのか?

魔法学園RPGハーベスト
「イマジナリーウィング」

―――変身。

シナリオハンドアウト

PC1,PC2,PC3,PC4 全員が全員+彰浩と友人 学科指定:変身魔導学科 性別指定:全員男 年齢指定:15歳以上、19歳以下 継続キャラ禁止
あなたたちはハーベスト入学時に知り合い、その後毎日のように一緒にいた。
毎日のように困った人たちを助け、毎日のように事件を解決し、毎日のようにバカをやり、毎日のようにクリーチャーに襲われたり倒していた。
いつものようにハーベストにて学園生活を送っていた君たちであったが、諸事情により現実世界へ向かう管理ゲートをくぐった。
だがその世界は、君たちの知るものとはかけ離れたものであった。
魔導次元の存在を現実世界の多くの人間が知っていたのだ。
そしてハーベストは、紙の上でサイコロを振り、演技をして楽しむTRPG
“魔法学園RPGハーベスト”となっていたのだ……

NPC紹介
甲谷 彰浩(カブトヤ アキヒロ)
変身魔導学科所属のハーベストの学生。
正義感の強い君たちの友人。いや悪友。

※色々あるので全部読んでから回してください。

オープニングフェイズ

シーン1 ※マスターシーン

空に浮かぶこの大陸に、そびえ立つ巨大な城。
ここは魔導次元。そしてあれが…

「魔法学園、ハーベスト」

小高い丘から遠くに見えるその城を見据えながら、漆黒のローブを身に纏った男がそうつぶやく。
口角を少し上げ、彼は城を背にし森へと入っていく。

「この魔導次元と魔法学園ハーベスト…その長い歴史が今―――終わりを告げる。」

シーン2 全員

ここは、魔法学園ハーベスト。
大きな立派な正門をくぐるたくさんの生徒が見える。
今日は魔法学園ハーベストの入学式。
あなた達は今日から正式に、この学園の生徒となるのだ。
(誰もRPをしないようだったらGMが順番に呼び掛けて何かしらのRPをさせ、校門をくぐらせる)
そうしてあなたたちは、新たな生活への第一歩を踏み出した…!

シーン3 全員

入学式が始まった。
あなたち新入生は、盛大な音楽と共に講堂へと向かう。
用意されたパイプ椅子の前へと全員が行ったところで、音楽が止む。
………。
それから、静寂。
何も起こらないまま、しばらく講堂には無音が続いていく。
その無音の空間に、小さな声が響く。

「…学長!…学長?!学長の出番ですよ!」
「……んえ?あ!ああ!」

講堂の隅のほうで、教員たちが固まっている場所があった。そこから飛び出し、あわててステージへと上がっていく、大きなとんがり帽子をかぶった桃色の髪をした少女。
ステ―ジの上に上がると、全力疾走で少し乱れた服装と髪を整え、にっ、と笑う。そして、マイクを構えてあなたたちに呼び掛ける。

「やっほー!新入生のみんな!魔法学園ハーベストへようこそ!」

…………。
また、静寂。

「あ…れ?ええっと…やっほー!!新入生のみんな!!」

PCのうち誰かが元気な反応をした場合↓
「おっ!君ぃ~いいね!いいよ!学長うれしいな!そういう子いてさ!じゃあ、みんな座って座って~」

誰も何も言わない場合↓
「……ま、まあいいや…あはは…は、はい、みんな座って座って~…」

全員が座ったことを確認した学長が、再び口を開く。
「えー改めてみんな!魔法学園ハーベストへようこそ!私の名前はドロシー!ドロシー・フロム・オズ!この学園の学長やってるよ!みんな、よろしくね!」
「…えーっと。まあ、この学校に来たってことは…パンフレットか何か見たんだよ、ね。うん。私も…そんな長々と話すのはいやだし…これでおわり!はい!」

そう言い残すと、ドロシー学長はステージを飛び降り、頭を抱える教員たちの元へと帰っていく。

「じゃ、みんなあとはよろしく!あたし海行ってくるから!海!ばいばーい!」

と、講師達にそう言い残すと、ドロシー学長は自分の足元に魔法陣を出現させ、そのまま消えてしまった。
魔響音の残響だけが講堂に響く。
そのうち講師のうち一人がマイクをもち、話し始めるだろう。

「…えー、まあ…にゅうがくしきはこれで終わり…です。
あとは…まあ…学科分けや授業は明日からなので、今日は校内を好きなように見学していってください。」

そうして、静まり返っていた講堂が一気に騒がしくなる。
席を立ち、講堂を出ていく新入生が何名かいるのを君たちは見るだろう。
(全員が講堂を出るという宣言をしたらこのシーンはおわり)

シーン4 全員

PC1,PC2,PC3,PC4は色々な場所を巡ったのち、最後に正門の桜を見ようと考えた。(考えさせる)
そうして、さまざまな方向から、桜へと君たちは集まっていくだろう。
桜の下。ばったりと君たちは出くわす。
(合流&会話シーン)

(ある程度会話を進めると)
と、君たちは話していると、桜にまた一人、誰かが近づいてくるのが見える。「んおー綺麗に桜咲いてるなー」という声も聞こえる。
その人物は、入学式で見覚えがあった、君たちと同じ新入生だ。
彼は、君たちが桜の前で集まっているのを見ると、声を上げる。

「あれ、入学式で見た人だー」
「ああ、俺も新入生だ。」
「え何?ここ新入生たちの憩いの場所だったりするの?」
「あ違うの?」
「ほぉん。偶然か。じゃあもはや運命だな運命!じゃあこの機会だし自己紹介だ。」
「俺の名前は甲谷 彰浩。変身学科入ろうと思ってるんだ。」

彰浩は、こぶしを突き出す。
こぶしとこぶしを軽くぶつける。
(ある程度会話を終わらせたら)
こうして、彼ら五人の魔法学園での生活が、幕を開けるのであった………

シーン5 全員

それからッ!3年の月日が経過したッ!(元気に勢いよく言おう)

5人は、一年も留年することはなく、無事に四年生になっていた!
現在、彼らはとある事情のため、黒き森へと入っていた。

「ないなぁ…ヤケク草…」

彰浩がそうつぶやく。

「PC!そっちは?!あったかー?!」

ない。

「ないか…PC2の方は?!」

ない。

「…じゃあPC3!」

ない。

「……PC4?」

もちろんない。
(GMの裁量であったら面白そうなものを出してもいいが、ヤケク草はない。)

「困ったなー…このまま見つかんなかったらなんて言えば…って、元はといえばPC〇があんなことを言い出すから!」

はてなんのことだか。

「忘れたァ?!お前…薬草学の授業の先生が「ヤケク草ないと授業にならないなーでも時間もないしなー」って言ったら「じゃあ俺達とってきますよ!」って言ったじゃないか!」

「まあ…それは…乗り気だったが…でもこんなレアものだって知ってたら探さなかったって!なあ?!PC〇!(元凶のPC以外の名を三人呼ぶ)」

(同調して文句を場合)
一人目)「だよなあ!はぁーもう…どれだけ歩いた事か…」
二人目)「やっぱりお前もそう思うか。だよな。同志だ。」
三人目)「四人揃ったぞ!もう帰ろうぜ!なあ帰ろうぜ!」

(反対してプラスなことをいう場合)
一人目)「ぬぅ…お前まで…」
二人目)「現に見つかってないからこうなってんだよなー」
三人目)「…はぁ、もうちょい探してみるか…」

と、そんなことをやっていると、PC1は地面に、目的の草らしきものが生えているを発見する。
彰浩を呼んだ方がいいと考えるだろう。

「ん?どれどれ…?」

と、彰浩はリュックから図鑑を取り出し、その草が何かを確認する。

「これ…は、間違いなく…ヤケク草だ!ついに見つけたぞ!」

「イヤッタァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

「さ、こいつを持って帰ろう!この袋に入れて!ほら!」

「よし!これで今回も無事解決だな!さーて帰ろ……待て。何か聞こえないか?」

遠くから、ズシン…ズシン…と、大きな足音のようなものが聞こえてくる。
それは徐々に近づき、地面も揺れてくる。

「…あー、なんか嫌な感じだ。とても。」
「でも…俺たちも強くなった。なんとかなるかもしれない。だろ?」

そして巨大な咆哮とともに、自分たちの体の何十倍もの大きさの、恐竜のようなクリーチャーが木々をなぎ倒しながらこちらに向かって生きたのだ!

「無理無理無理無理無理無理!!!!イヤァアア!!!!!」

と、彰浩あは一目散に逃げだす。
(魔法を当てても、まったく効かない)

そしてあなたたちは逃げる!

「どうしてこうなるんだよぉおおお!!!!!!!!!」
と叫んで、シーンをブチ切る。

シーン6 全員

「…で?あの巨大クリーチャーを学園までもってきて、大混乱に陥れたって?」

ここは学長室。
君たち五人の前には、腰に手を当て、あなたたちを見据えるドロシー学長がいた。

「……スミマセン…」

「ま、だれもけが人がいなかったのはよかったんだけど」

「そのせいで紋章学科の授業も遅れたんだけど」

「これからは無断で黒き森への侵入はやめてね?」

「ハイ…気を付けます…」

「ってことで、君たち五人は反省文を書いて提出!いいね!」

「ええ?!反省文?!」

「文句言わない!」

「ハイ…ワカリマシタ…」

そうして、君たちは学長室を後にした。
(RPがなければ次のシーンへ向かう)

シーン7 全員

君たちは授業のため、教室へと入っていた。
今日は全学科共通の薬物学の授業だった。
授業の時間になるまで、生徒たちは準備をしたり、雑談をしていたりしていた。
君たち五人は、偶然にも5人が近くに固まった席になっていたので、席に座りながら会話をしていた。

(適当に会話をさせる)
「あっ、そうだ先生にちゃんとヤケク草、渡しといたから。」
と彰浩から伝えられたりもする。

…と、君たちが会話をしていると、どこからかこんな話をする女子生徒たちの声が聞こえるだろう。

「…でさ、聞いた?あの五人の話。」
「何?またやらかしたの?」
「黒き森に無断で入って、大型クリーチャー連れて学園まで逃げ帰ってきたんだってー」
「あーあれあいつらのせいだったんだ…」
「で、反省文だってさ。笑えるよね」
「ざまあないね」

(文句を言いに行くPCが現れたら
「やめとけやめとけ。いつもの事だろ?」
と彰浩が止める。)

そして授業の開始を告げる鐘が鳴り、教室に先生が入ってくる。
「はーいみんな席ついて~授業始めるよ~」

美人で男子生徒からの人気も高い、薬物学の先生だ。
教壇に立つと、教室を一目、見渡すと、君たち五人に向かって軽く微笑み、ウィンクをしてくれた。

「…それじゃあ今日は教科書第三章に入るよ~今日は…」
と、授業が進んでいく。

彰浩は君たちの方を向き、小声で
「…やった甲斐、あったな。」
と言ってくるだろう。

(ある程度RPさせたら)

その後も授業は続いていった…

シーン8 全員

君たちは授業を終え、達成感に浸りながら廊下を歩いていた。

「…見たか?リマ先生の微笑み。ウィンク。」

「俺達、やっぱり正しいことしてたんだよ…なあ…」

と、そんな会話をしながら廊下を歩いていると、突如目の前に、君たちをにらみつける大勢の男子生徒の群れが現れた。

「…なんだあれ」

その群れの中から一人の生徒が前に出て、君たちに話を始める。

「我々はリマ様ファンクラブ。お前たち…我々に無断で好感度を上げたな?」

「…は?」

「ましてや、貴様らは筋金入りの劣等生!規律を守らない不良組!
よって、今この場で貴様らに正義の名をもって聖なる鉄槌を下す!」

と、その言葉と共にその男子生徒の群れ全員が発動体を構える。

「な、なんだァ?!リマ先生ファンクラブ?!お前らそんなことしたってリマ先生喜ぶわけねえだろ!」

と彰浩が言うと、群れは激昂し、
「何ぃ?!貴様がリマ様の気持ちを勝手に語るな!全員かかれッ!!!」
と言い放ち、群れは君たちに襲い掛かる。

「おいおいおいおいおいおいおい!!!ああ!ダメみたいだ!この人数じゃ勝てるわけがない!逃げよう!」

と、君たちはその場から走り出した…

シーン8 全員

君たちは群れから逃れるため、廊下を全力疾走していた。
廊下のいたる分岐点から、激昂した男子生徒の群れが次々となだれ込んできて、背後から追ってくる群れはとんでもない規模となっていた。

「クソーっ!何でこうなるんだ?!おかしいだろ!」
(しばらくRPをさせると)
「あっ!おいおい!前!前!!!」

と、君たちが話し込んでいる間に、目の前からも男子生徒の群れが迫っていた。
廊下で挟み撃ち。
もはや、逃れられる場所はない。

「…なあPC1?PC2?マナプロテクションがあっても…命の危険を感じるぜ」

群れの足音がどんどん大きくなっていく。

「ッス―――………PC3、PC4…夢に向かって飛ぶか…?(?)」

熱気が両側から伝わってくる。

「よし。みんな。ここから飛び降りて中庭に行くぞ!」

二つの群れが君たちに衝突する寸前、隣の窓を両手を開け放ち、そこから飛び出す――!!!
彰浩はフロートの魔法を軽く展開し、着地の衝撃を和らげながら中庭に降り立つ。

「よし。これでしばらくは大丈夫だろ…う?!」

と、彰浩が驚いた声を上げる。

中庭を突っ切り、たくさんの男子生徒がこちらに向かってくるのが君たちにも見えるだろう。

「クソッ!この学園に安全な場所はないのかッ―――?!」

「皆!こうなったらヤケだ!管理ゲート!管理ゲートに行くぞ!現実に逃げるんだ!」

「死ぬのとどっちがいいんだ?!ああ?!」

「だろ!どうせこの後は授業ねえんだ!明日にでも帰ってくれば問題ないだろ!」

「関所は強行突破だ!死ぬよりマシだろ!」

「一番近い管理ゲートはすぐそこだ!行くぞ!」
と、君たちは彰浩の案内に従って管理ゲートへと向かう。

廊下を次々と曲がり、群れから逃げ、そして管理ゲートへとたどり着いた。
青白く光り輝く円形の鏡のようなもの。そしてその前には、暇そうな顔をした管理人が立っていた。
君たちがゲートへと近づくと、
「あー学長からの許可証を…」
と管理人が言うが…

「ブレイジングキャノン!」

「ゲフォァ!」

と、管理人を吹き飛ばし、そして青白く光り輝く円形の鏡のようなものの前に立つ。

かなり近く方から声が聞こえる。
「こっちだ!こっちの角を曲がったぞ!」

「チッ、新たな人を呼ばれた!早くいかないと本当に死ぬぞ!」

「よし…1,2,3で飛ぶぞ…1!2!3!」

そして君たちは、ゲートへと飛ぶ。
青白い光を発する中心部に指が触れる。
その時、自分以外の世界が、歪むのが見えた。
そして視界は白い光に包まれ――――――

君たちは、意識を失った。

シーン9

「………い!…ぉい!……きろよ…!PC!…PC2…!おいPC3…!PC4…!」

遠くの方から、誰かの声が聞こえる気がする。これは…彰浩の声だ。

「起きろ!」

と、はっきりとした彰浩の声で、君たちは驚いて目を開けるだろう。

「はあ。よかったよ。全く…転移で失神なんてはじめてだったからさ…もしかしたらって思ってよ…」

「ああ。俺もついさっき目が覚めたんだ。」

「ここは…どこだろうな?」

君たちは、辺りを見渡す。
そこからは、川と草原が見えた。どうやらどこかの河川敷のようだ。

「さ、現実観光でもしようぜ?」

そう言い、彰浩が立ち上がる。

「……あー…まあ…一日くらい何も食わなくても大丈夫だよな…」

と、彰浩は自分に言い聞かせるようにそうつぶやく。

「いやだって現実なんて来るとは思ってなかったからよ。準備もしてねえって」

「まあまあ。明日戻るんだから。いいだろ別に。人間そんな貧弱じゃねえって!」

「おーし行くぞ!おー!」

そうして君たちは、どこへ行くかもわからないままどこかへと向かうための一歩を踏み出した…

シーン10 全員

「………ぁ゛あ゛~~~~~~~~」

彰浩が、絞り出してようやく出たような声を上げる。

君たちは、空腹で動けなくなっていた。

(現金を持っていると言われた場合)
君はどこにコンビニがあるか知らない。少なくとも、今まで一度も見ていない。自動販売機もだ。

ここはどこかの住宅街。
既に日も暮れ、あなたたちは電柱に寄りかかって地面に座り込んでいた。

「ああ……コンクリが冷たい…」

「だって……こんなことになるとは…思わねえだろ…俺達って、無意識にマナから栄養補給も行ってたって事か…?」

「なあ~PC3~?魔導次元に帰る方法ってなんだったっけか…?」

「あー………それじゃあこんなところじゃあ帰れねえよなぁ…学長とか来てくれねえかな~………」

と、君たちが街灯に照らされながら絶望に浸っていると、誰かの声が聞こえる。

「あのー………大丈夫?君たち…」

その声には聞き覚えがあった。
それは、君たちの学び舎の長…
ドロシー学長の声に類似していた。

「あ…学長…?」

だが、その声の主が近づくと、それは学長ではないことが簡単に分かった。

長いブロンズの髪、桃色の髪留め、やさしそーな顔のお姉さんであった。

「…学長じゃないわ…」

と、彰浩はため息と同時にそんな言葉を小さく吐き出す。

「…ずいぶんやつれてるね君たち…ほんとに大丈夫?」

と、声がかかる。だが君たちが何か言う前に、

「いやっ!全然!全然らいじょうぶっす!ええもう!げんきまんたんっすよ!」

と、彰浩がヤケクソ気味にそう言い放つ。

「…何も大丈夫じゃなさそうだけど」

「まさか君たち家出か何か?」

「…よくわかんないけどとにかく…帰る場所がないってこと?」

「ふぅん……」

「私の名前はみく。山田みく。君たちは?なんていうの?」

「ふうん。PC1君にPC2君…PC3君とPC4君…それと…彰浩君。なるほどねー?」

「ね。どうせ君たち行くとこもないんでしょ。うち。来なよ。」

「まあー…うち弟が結構いるからうるさいかもだけど…それでもいいってなら。」

「何?それともあたしのせっかくの善意を受け取れないってーの?」

「よろしい。さ、行こっか?こっちこっち。」

と、みくさんは君たちを導く。

(このシーンで「ここはどこなんだ」とPCから質問があった場合以下の描写を入れる)
「ここ?えーっと…ここは日本の○○県○○町だけど…」
現実出身のキャラは、日本にそんな地名は存在しないことをわかっていい。

(PC達が錯乱する様子を見せた場合、以下の描写を入れる)
みくさんが、不安そうな顔で君の頭に手を当てる。
「…どこか打ったの?頭大丈夫?」

シーン11

君たちはみくさんに連れられ、住宅街を歩いていく。
そして、とある家の前でみくさんは足を止める。

「ここね。」

それはこの住宅街の中では少し目立つ大きな一軒家であった。
鍵を回して扉を開ける。
月夜と街灯だけで照らされていた外とは変わって、温かい光が漏れ出す。

「ただいまー!!」

とみくさんが玄関で言うと、家の奥からは「「オカエリィーー!!」」と、複数の元気な子供の声が聞こえた。

「ほら、上がって上がって」

と、君たちを家にあげるだろう。
君たちが全員家に入ると、廊下の先から一人の小さな男の子が走ってきた。

「おかえりねーちゃん!…あれ?なにそいつらー?」
「ああこれ?あのね。ひろってきたの。」
「へえ!俺この(PC1の外見的特徴)がいい!」
(金髪のキャラだと「俺この金髪がいい!」と言われる。)

と、PC1の手をつかまれる。そしてブンブンと振りながら
「ね!ね!遊ぼう!遊ぼう!(PC1の外見的特徴)!!!」

みくさんはちょっと困った笑い顔をしながら
「ごめんねPC1君…ちょっと弟とあそんでやってくれないかな…?」

「ほんと?いやー助かるよ~」

と、君はみくさんの弟に連れられ、リビングへ連れていかれるだろう…
(PC1はこのシーンから離脱)

「…と、まあ…こんな感じだけど…ゆるして?」

「うん。もしよければ、君たちにも弟達と遊んでもらえると助かるかな~なんて」

「ありがと。」

と、君たちもみくさんと共にリビングへと向かうだろう…

シーン12 PC1

君は男の子に手を引かれ、リビングへと連れていかれた。
そして扉を開き、廊下から部屋へと入る。
その部屋の中心には大きなテーブルがあり、その上には何かが書かれた紙、そしてサイコロがいくつも転がっている。その周りを取り囲むように、5名の小さな子供たちがいた。どうやらみんなでボードゲームのようなものをやっているらしい…
―――と、君はその時聞くだろう。
“ここ”で聞いてはならない単語を、いくつも。

「よーしまずはオリジンで…こうするだろ?そして…インフェルノストライク!」
「うわー!やばいやばい!」
「よし!おれ!おれリアクションするから!アイリスで…こうして…こう!ポセイドンビローだ!」

君が学園で習っている…様々な魔法の名前を、叫んでいるのだ。
テーブルの上には、「魔法学園RPGハーベスト」と書かれた本が乗っている。

「今な!みんなで模擬戦やってるんだ!お前もやろうよ模擬戦!お前のマイキャラ!どんなのだ?」

と、ここへ連れてきた男の子がそう君に言ってくる。
その言葉で、他の子どもたちも一斉にこちらを向く。
そして、期待の目を向けるだろう。

(ハーベストを知らないと言った場合)
「えっ…ええええええええええええ!!!!!!!!!!!!ハーベスト知らないの?!?!?!?!」

(マイキャラが無いと言った場合)
「えっ…ええええええええええええ!!!!!!!!!!!!マイキャラないの?!?!?!?!」

と、一瞬の静寂の後、全員がそういう言葉を叫ぶだろう。

「なっ…ハーベスト知らない人なんて…いたんだ…かわいそー…」
「ええ…マイキャラ…持ってない人いるんだ…かわいそー…」

「…なら、俺達がおしえてやるよ!」
と、ほかの男の子が部屋の奥から何かが書かれた紙とペンを持ち出し、君に渡してくる。

「これ!キャラシ!」

君がキャラクラーシートをペン持つと、テーブルへと案内される。
そしてルールブックを開きながら全員が話し始める。

「じゃあ変身を…」
「いや紋章でしょ!」
「邪眼…」
「邪眼なんて駄目だよ!楽器を…」
「札やろう!札!」
「紋章でしょ!」
「もう!まずは杖でしょ?!」

そして、君のキャラ作成が始まった…

シーン13

君たちはみくさんと会話をしながら、リビングへと向かっていた。

「――でね、親がもう二人とも失踪しちゃったから一番上のあたしが弟達の世話や面倒見てるわけ。」
「そ。まあでもみんなそれぞれ自分の事はだいたい自分でできるから。あたしの負担はそんなに大きくないんだけどね~」

と、みくさんがリビングへとつながる扉を開いた…
そこで、君たちはとんでもない光景を目にする。

「―――で、スーパーノヴァとブレイジングキャノン!これつよいから、やったほうがいいよ!」

PC1が、6名ほどの子供たちに囲まれ、何か紙に記入している。
その紙には、自分たちが学んできた魔法の名前が記入されていっている。

その様子を見て、彰浩が口を開く。
「……PC1?何…やってんの?」
「ハー…ベスト…?………???????????」

困惑する君たちを見て、子供たちが言う。
「えっ、まさか…この(PC2の外見的特徴)と(PC3の外見的特徴)と(PC4の外見的特徴)とあと…げっそりしてる人も…ハーベスト知らないの?!」

「あーこの人たちどうやら頭打ったみたいでさ。記憶が一部抜け落ちてるみたいなんだよねー」
とみくさんが言う。

「なんだ!じゃあキャラシつくってみんなで模擬戦しようぜ!!!」
と子供たちが君たちにキャラシとペンを渡してくる。

「ちょっと?そのまえにご飯だから、テーブル片付けてよ?」
「えー!何で!模擬戦!」
「だめ!ご飯終わったら!」
「はーい……」

と、そう言ったみくさんが君たちに向かって「もうすぐご飯にしようと思うから。それまで待ってて」
と言い、リビングに面しているキッチンへと向かった。
テーブルでは、しぶしぶといった感じで戦闘シートやらなんやらを片付けている子供たちの姿が見える。

(ハーベストのルルブを見ると言った場合)
君は「魔法学園RPGハーベスト」と書かれた本を開いた。
そこには、君たちが学校で教わったマナの由来や魔法の成り立ち、そしてハーベストの歴史…さらには、ドロシー学長やフリードなどの有名な人達の情報、さらには七つの大罪、クリーチャーなど、君たちも知らない情報などがずらりと事細かく書いてあるだろう。

シーン14

完成したキャラシを持ち、君たち五人とみくさんチーム、その他の子供たちチームに分かれた。

「で…さすがに6VS6だと時間かかっちゃうからさ、2VS2くらいにしようかなって。あたしはサポートに回るから、君たちの中から二人、キャラ出してほしいな」
とみくさんが言うと、テーブルの向かい側に座っている子供たちが一斉に「えーっ姉ちゃんと戦いたいのに!」と叫ぶ。

「まあ…あたしのキャラはどれも…初心者には見せられないようなものばかりだから…さ?ね?」
と、みくさんは苦笑いする。

「あ、じゃあ俺まだ完成してないから、俺は見学に回るよ」
と言いながら彰浩が一歩下がる。

(適当に話し合ってPLの中から二人出させる)
「…きまりみたいだね。じゃ、戦闘開始!まずはPC〇君の番かな?移動は?」
と、みくさんはPC〇を見る。

「次は特技。何をやる?」

「それだね。じゃ、ダイス振って。君は…5つだね。」

君はダイスを振る。
その出目を見ようと、みくさんが背後から近づき、君の肩ごしに前にある君の振ったダイスを見た。
顔のすぐ隣にみくさんの顔が近づく。

「じゃーオリジンだね。出目の動かし方はわかる?」

「じゃ、いっしょにやろうか。えーっとまずは…」

と、みくさんは背後から手を回して君の腕をつかみ、目の前のダイスをいじりはじめた。

「これがこうでしょ?それで…こうだから、こう。わかった?」

「よろしい。じゃ、これで…この魔法が撃てるね。」

…そうして、模擬戦は続いていった…

シーン15

模擬戦を終え、君たちはみくさんに連れられ家の中を移動していた。

「いやぁー惨敗だったね、惨敗!ごめんねーうちの弟達手加減ってものを知らないからさ!」

「…と。ここ。」

といい、一つのドアの前で立ち止まる。

「ここはー元々ガラクタを置いてあったところなんだけど。今さっき弟たちに運ばせて、五人分の布団を敷いてあるの。まあ、無駄に広い割には大した使い方してなかったから、ちょうどいいかな、って感じ。あ。ガラクタ…とは言ったけど、掃除とかもちゃんと毎日してるからね?」

そういいながらその部屋の扉を開ける。

確かに、大した汚れも見当たらない、一見普通の部屋だった。
床にはフローリングが敷いてある。五つの布団以外に、何もない。

「何もないけど、許して?」

「じゃ………ゆっくり休めるかわからないけど、とにかく…ゆっくり休んでね。じゃ!おやすみ!」

少し足早にその部屋を出ていき、部屋の照明を落としてドアを閉めるみくさん。
その後、その部屋には静寂が訪れる。

しばらくした後、その静寂を打ち破るように彰浩が口を開く。

「………俺達、これからどうなるんだ?」

「俺、あのルールブックってのを見てみたんだ。そしたら…授業で習ったいろんなことのほかにも、学長や生徒会長とかの個人情報、過去に…クリーチャーや魔界、七つの大罪とかの情報も細かく載ってたんだ。多分…全部事実だ。」

「俺達って…あの世界って…本当は全部作り物だったんじゃないのか?」

「…でも、いつまでもみくさんの世話になるわけにもいかないよな。」

「やっぱり…この世界の情報が少なすぎる…よな。もう少し、色々知ってから何か行動を起こそう。」

「俺は寝るぞ。…寝れるかわからないが…寝るよ。」

暗闇の中、君たちはどうなるかわからない不安の中…目を閉じた。

シーン16

君たちは、ダダダダダダッ!という、何かが階段を駆け上がる音で目を覚ました。
そして突如、部屋の扉が勢いよく開け放たれる。

「おきろー!(PC1の外見的特徴)!(PC2の外見的特徴)!(PC3の外見的特徴)!(PC4の外見的特徴)!あと…げっそりした人!」

五名の子供たちはそれぞれ眠る君たちの上にまたがり、布団を引っ剥がそうとする。

「おきろー!おきろー!はやくおきるんだよー!」

そんなことをやっていると、慌ててまた誰かが階段を駆け上がる音がする。
そしてまた扉が開かれ、こんどはみくさんが入ってくる。

「ちょっと?!何やって…あ―――っ!起こしちゃダメって言ったのに!」

「しっかり休んでもらわなくちゃダメなの!ほら!離れる!」

「えーっ!なんで!」

「なんでじゃないでしょ!」

そうして布団に張り付いている子供たちをみくさんは一人ずつ剥がしていく。

「あはは…ご、ごめんね、こんな騒がしい目覚めで…」

よく見ると、子供たちもみくさんも、外出するのか、洒落た洋服を身にまとっている。

「ん?ああ、今日はね隣町でハーベストの大会があるの。地区大会。だから、子供たちもあんなにテンション高いんだ…」

そこまで話すとみくさんの背後から子供たちが顔を出し、「(PC1の外見的特徴)達も行こうよー!大会!!」と言ってくる。

「あー…あたしは、あたし達の事は気にせずゆっくりできるかなーと思って起こさずにおこうと思ったんだけど…どうする?行きたい?」

「じゃ、決まりだね。」

「んーと出発は…あと五分後だから。急いでね。それじゃ!」

そう言い残し、みくさんと子供たちは部屋から出て行ってしまった。

シーン17

車で二時間ほど走り、たどり着いた街の商店街。
そこに、特設のステージが用意され、たくさんの人が集まっていた。
子供からお年寄り、男女関係なく、さまざまな人が。
そして、サングラスにメタリックな衣装を着た司会のような人がマイクを持ち、ハイテンションで大会の開始を告げる。

「ンではぁ!!これよりハーベスト公式模擬戦大会ィ!第24回ィ!○○地区予選大会をォ!!!はじめまァす!!!イエェエァ!!!!!」

その様子を見て、彰浩が苦笑いをしながら「こんなことを24回もやっているのか」とつぶやく。

司会がハイテンションでチームの組み合わせを発表しているところへ、みくさんが小走りで戻ってくる。

「おまたせ~!エントリー間に合ったよ~!」

「うん。えーっとPC1君、PC2君にPC3君とPC4君でチームだから。チーム名はとりあえず適当に、「チームマジカルフォース」にしといたから。」

そこまで言うと、彰浩が慌てて「ちょ、ちょっと待ってくださいみくさん?!俺はどうなったんです?!」と言う。

「あーごめんね、彰浩君のキャラシに不備があったみたいで…通らなかった。えへ。」

彰浩「そんな…俺の…晴れ舞台が…」

「まーみんな。彰浩君の分まで頑張って!」

(ある程度RPさせたら)

司会の声が聞こえる。

「さあ!この地区予選大会の第一試合を飾るのはぁ!期待の新人ルーキーイケメンチーム!『チームマジカルフォース』ヴァーサス!!!今年もやってきた優勝候補!チーム『ヤマダーズファミリー』だぁああああ!!!!!!!」

会場から歓声が沸き上がる。

「あっ。あちゃー…一回目で当たっちゃったか~…」

「うん。ヤマダーズファミリーってあたしとあと弟三人のチーム。世界大会には必ず行ってるくらいの実力者なんだよ?こう見えても。」

「とにかく、ステージ。行こう?ほら早く!」

慌てて君たちはステージに向かうだろう。

(その道中で、観戦しているおば様方からPC番号順に、顔や容姿を褒められる。)

「ふぅん…やっぱり、君たちけっこうモテるね。みんなからいきなり人気高いよ?」

「またまたぁ……でも、あたし達も負けるためにここに来たわけじゃないから―――全力で行かせてもらうね……!」

みくさんの眼が、『戦士』の眼になる。
用意されたフィールドシートに、それぞれキャラのコマを置いていく。

「では!始めてください!」

と司会が言うと、みくさんと子供三人は「レディ!」と言う。

「ナウ!」

と言ったとたん、かなり近くで爆発音と悲鳴が聞こえた。

その瞬間、会場は異様な空気に包まれる。

「爆発?」
「あっちみたいだぞ!」
「一体何があったんだ?!」

ざわめきはどんどん大きくなっていく。

困惑した、少しあせったような表情でみくさんがこちらに駆け寄ってくる。
「えっ…何、何が起こったのかな…?」

「とっ、とにかくここにいたらまずい気がする。みんな、逃げよう?」

そんなことをやっていると、彰浩が観客席から走り出しステージに飛び乗ってくる。
「PC1、PC2、PC3、PC4。誰かが危機にさらされてるんだ。行くぞ!」

君たちは爆発音と悲鳴が聞こえた方向に走り出した!

「…ちょっと?!そっち行ったらあぶないって!PC1君?!PC2君?!PC3君!PC4君!!!彰浩君?!?!」

背後でみくさんが叫ぶ声がするが…君たちは足を止めることはなかった。

シーン18

商店街の一角。
そこで、ある店が大炎上を起こしていた。
背後に巨大な炎が上がる中、頭が人間の、鳥のようなよくわからない怪物が、人々を襲っていた。

「ちょっと………!みんな…!何…!どうしたの…!はやく…逃げ…!」

走ってきたようで、息を上げながらみくさんが君たちにそう言う。だが、その化け物を見ると

「あれは…ハルピュイア…?ルルブに載っている…どうして………?」

「逃げなきゃ!クリーチャーだよあれ!」

「戦う…何を!魔法でも使えない限りあんなのどうしようもないよ!」

「何を…言って……?!」

(魔法を行使させる)

彰浩は「俺は街の人たちの避難誘導をする!持ちこたえてくれ!」と言ってその場を離れた。

―ハルピュイアとの戦闘―

PL側GM側両方ともすべてのキャラに、解除不可の沈黙Lv∞を付与し、特技使用を禁止する。

―戦闘終了―

シーン19

マナの薄いこの状況で、どうにかハルピュイアを倒した君たち。
しばらく静寂が続き、その間に君たちに群衆が忍び寄る。
そしてその後、大歓声が街に響く。

「すげえ!魔法だ!魔法使いだ!」
「あれ!あれ絶対(魔法の名前)だよな?!」
「魔法も!ハーベストも!本当にあったんだな!」

背後から彰浩がやってきて、PC1の肩にぽんと手を置く。

「やったな。」

「ああ。やっぱりマナが薄い。でも倒せたのはすげえよ。」

「しっかし…仕方ないとはいえけっこう目立っちまったな。こりゃ明日になったら新聞とかで大々的に取り上げられちまうぜ」

君たちが笑いながら会話をしていると、驚いた顔のまま、みくさんが君たちに近づく。

「き…君たち…ど………どうして…?」

「……………。」

みくさんは、何か思いつめた表情になる。
そして、決意を固めたように目を開き、君たちの手を取る。

「帰るよ」

「いいから!帰るよ!」

やけに強い力で手を引かれ、子供たちと一緒に車に詰め込まれる。
そして車は、荒い運転で街を出た…

その様子を、群衆の影から見つめる謎の黒いローブを纏った男…

「何故…魔法を行使できる者がまだ残っている…?
―――まあいい…エラーは…早急に、排除するまで…」

シーン20

みくさんと弟たち、そして君たちは家に帰ってきた。
ずっと黙ったままのみくさんがここにきてようやく口を開く。

「ご飯の準備するから、テレビでも見ててよ」

呆然としていると、突如リビングが騒がしくなる。
子供たちがテレビをつけたらしい。
でかいモニターの前には司会者が二人、そしてその周りを取り囲むように何名かの専門家が難しそうな顔をしながらしょうもない話題について話し合う番組…ワイドショーをやっていた。

だが、そのテレビから流れてくる音声に君たちは耳を傾けざるを得なくなった。

『…えー続いては、今日行われた○○町で起こったクリーチャーの事件ですね。突如、現実にルルブにも記載されているクリーチャー、ハルピュィアが現れ、人々を襲った事件。そこに突如魔法を使う生ねん四人組が現れ撃退していきましたが…専門家の○○さん。これについてどういった見解をお持ちでしょうか』
『そうですねぇ…もしかしたらハーベストは、どこかの平行世界の現実世界に魔導次元は実在していて、そこから何かしらの時空のひずみで彼らがこの世界に現れた衝撃でクリーチャーもこの世界に現れた…と言っていいでしょう』
『つまり…どういうことです?』
『我々のこの世界に魔導次元はありません。ですが、この世界と似た現実世界には、魔導次元がある…そういうことです』
『なる…?ほど…?ま、まあとにかく…何…いやどういうことです?』
『この事件で犠牲なった方々は、あの魔法を使う青年四人のせいで亡くなったと、そういうことです』
『よくわかりませんが、そういうことなんですかね』
『そうです、そもそも彼らのせいなのに駆け付けるのが遅すぎた、そういうk』

突然音声が途切れ、テレビの画面が真っ暗になる。
背後を見ると、エプロン姿のみくさんが乱暴にテレビのリモコンを床に投つけていた。
そして「何もわからないのに、勝手なことを…」とつぶやく。

大きな足音を立てながらまたキッチンへと向かっていく。
その様子を見ていた子供たち。みくさんの姿が完全に見えなくなると、子供のうち一人がPC1に近づく。

「…なあなあ。姉ちゃん、どうしたのかな」

「なにかしたのか?怒るようなこと」

「なんもやってない?ならなにかほかのことかなあ」

「んー…まあほかのことやってひまつぶししようぜ。新しいキャラ作ろう!」

シーン21 PC〇

その後も。出来上がったご飯を皆で食べているときも、その後も、みくさんは一度も声を発しなかった。
それが誰かへの怒りなのか、また別の感情なのか…それはよくわからない。
それだけが君は気がかりだったのか、ずっと眠れずにいた。
昨日と同じ部屋、同じ布団。
いつまでも同じ態勢で目を閉じているだけなのも飽きたので、少しだけ外に出てみることにした。
新鮮な空気を浴びれば、何かわかる気がしたのだ。

誰も起こさないように静かに扉を開け、廊下に出る。
足音を立てないよう、ゆっくりと階段を降りる。
そして、玄関の扉を開け、暗い月明かりが差し込む。
冷たく、澄んだ空気が肌を伝う。
そこに、シルエットだけでわかるあの人物が立っていた。
みくさんである。
彼女はどこかへと向かっていった。
(追わせろ)

シーン22 PC〇(前シーンと同一人物)

君がみくさんを追ってたどり着いたのは、この世界に降り立った、あの河川敷だった。
みくさん草むらに腰を下ろし、月光が乱反射する水面を見つけている。
その横顔は、今まで日の光や蛍光灯に照らされていたものとは違い、月明かりの影響なのか…いつもの元気さがなくなり、物静かな感じに見えた。

君が話しかけると
「…なにやってるの、こんな時間に」

「寝れない?ふうん…」

「…こんな時間に外を出歩いちゃダメでしょ」

「あたしは大人だからいーの」

「………」

「今日はごめんね、ずっと何も言わずに…」

「あの時クリーチャーを撃退したとき、群衆の中から聞こえたの。「お前らがすぐこなかったせいでたくさん人が死んだんだぞー」とか。それで…腹立っちゃってて。」

「あたし…魔法って憧れだったからさ。君たちをすごい羨ましく思うな」

「あたしね、小さいころはここで近所の子供たちと一緒にハーベスト…魔導次元の事について考えてたの。何があるか…どんな人がいてどんな生活を送ってるかとか…ね。」

「小さい頃はみんな、ハーベストは本当にあるって思ってるの。でも…年を重ねていくごとに、ここで魔導次元の事について考える人は減っていったの。」

「今じゃ、ご覧の通り…あたし一人。」

「魔法学園RPGハーベストってのは、やっぱりつくりものだからさ…本当にあるって思うのは、ちょっと…イタいよね。」

「こんな年になってもあたし、魔導次元は実在するって信じてたの。」

「弟たちは……魔法の構築やコンボを見つけて、それで戦闘するって楽しみ方をしてる。だから、「魔導次元を信じてる人ないわー」とかうちで言うからさ…なかなかそういう時間家じゃあとれないわけ。」

「だからこうして、たまにここにきて空に浮かぶ大陸と…その上のお城みたいな学校を想像するの。」

「いつか行ける日を夢見てね。」

「みんな…戦闘ばかりして、ロールプレイっていう楽しみ方は数年前になくなっちゃったの。」

「だから…君たちがきてくれてよかった。」

「証明になったから。この世界じゃなくても、どこかに、魔導次元があるって。」

「あたし…なんていうか、君たちから普通じゃない何かを感じたの。だから誘拐…じゃない、拾った…でもない。えっと…」

「…まあそういうこと。だから…感謝してる。ありがと。」

次の瞬間、君の右手に何か違和感を覚える。
見ると、ほんの一瞬だけ、手にノイズのようなものがかかっていた。
空間と手の境界はギザギザのジャギーのような状態になり、いたるところで色がずれ、一部分が半透明なっている。
だがそれはほんの一瞬。すぐにまた元の手に戻った。

「さ、もう戻ろう?こんなところにいつまでもいたら風邪ひいちゃうよ」

「明日からいろいろ忙しくなるから。きっと。」

そうして君たち二人は、家路についた。

シーン23 全員

ピンポーン!ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン!ピポピポピポピポピポピポピンポーン!!!
「すみませーん!○○新聞ですけど!」
「○○TVという番組なんですけどもぉ!」
「取材お願いできないでしょうかぁ?!」
「いるんですよねぇ?!」

そんな騒がしい音で君たちは目覚めた。
外では、報道陣と思われる無数の人たちの叫びで騒がしい。
君たちはリビングに降りて行った。

そこではみくさんが少し優雅にソファに座っていた。
「あ、おはよ。起きたんだねー」

「むしろよく今まで寝てたねー、朝五時からずっとこんな感じだよ」

「ん?今?今ね、籠城の準備中」

その声のあとから、家の様々な場所からみくさんの弟たちが現れては、さまざまなことをみくさんに報告していく。

「ねーちゃん、窓ぜんぶしまってるよ」

「ねーちゃん、カーテン全部しまってたよ」

「ねーちゃん、電話線抜いといたよ」

「ねーちゃん、乾パンあったよ」

「ねーちゃん、今日の新聞とってきたよ」

そのすべてを聞き終わると、「はいじゃあ電気消して」とみくさんが合図し、弟のうち一人がリビングの電気を消す。

カーテンからわずかに漏れ出す光以外、なにもない暗室。

辛うじて至近距離の人の顔が見える程度だ。

「こんな状況じゃ、外なんて出られないからさ…ね。こうして人が少なくなるまで待とうって事。」

「夕方くらいになれば、人も少なくなるだろうし…そしたらあたしだけで買い物に出ようかなーって思ってるよ」

「危険?だいじょぶだいじょぶ。君たちは…あれだけど、あたしは…ほら。これ見て。」

みくさんが、今日の新聞を手に取り、ぺらぺらとめくる。
全ての面が、自分たちの話題で取り上げられていた。
その中の一つの面を、みくさんは指さす。
そこには「魔法少年たちをかくまうのは、なんと超絶美人おねえさん?!」という見出しがでかでかと印刷され、どこで撮ったのかみくさんの様々な写真も印刷されている。

「あたし、なんか人気高いみたいだし。むしろいい方向に働くかもー…かな?とか…思ってたり…?」

(しばらくRPをさせたら)

…と、君たちが話していると、いつの間にか騒がしかった外がシーンと静まり返っていることが分かるだろう。

「静かに…なったね。」

「ね、ユウタ、外覗いてきてよ」

みくさんにユウタと呼びかけられた、一人の子供が立ち上がり、カーテンの隙間から慎重に外を覗く。

しばらく外を覗いていたが、不思議そうな顔をしてこちらに戻ってくる。

「んー…なんか…みんなどっかを見つめてて…なんというか、ぼんやりしてる感じだよ」

と、報告されるだろう。

「ぼんやり…?よくわかんないけど…みんなもとりあえず見よ。」

みくさんに促され、君たちも窓の外を覗くだろう。

そこには、道いっぱいに、報道人たちがずらりといた。
だが、その誰もが一点を見つめ…目は虚ろで、何も考えていないように見える。

「…たしかに、ぼんやりしてるね」

と、君は気が付くだろう。道の奥から、人の壁を割り、道のど真ん中を堂々と歩く、黒いローブ姿の人物を。
いや…むしろ、その人の壁が自らの意志で、その黒いローブの男に道を譲っている…といったほうが正しいような気がした。

「なに、あれ…なんか、気味悪いんだけど」

そしてそのまま君たちが覗いている窓の目の前までその人物はやってくる。
フードを深くかぶり、顔は口元のみしか見えない。
その口が開かれる。
その瞬間、君たちの頭に声が流れ込んでくる。

『我が名はコア。世界の中心となるべき存在…』

それだけが聞こえた。
その後、コアと名乗ったその人物は、足元に魔法陣を展開し、その場から消えてしまった。
次の瞬間、虚ろな目をしていた報道人たちが意識を取り戻し、困惑した顔で辺りを見渡し始める。

その瞬間、君たちはみくさんに服を掴まれ窓から引きはがされる。
そして弟たちとの息の合った行動で、カーテンが再びきっちりと閉められた。

「…さっきの人、なんか…口パクで何か言ってたみたいだけど…君たち、何言ってるかわかった?」

→聞こえたことをいう場合
「ふうん…コア…世界の中心になるべき存在?…おかしな人もいるもんだね。」

→わからないと答えた場合
「だよね…何がしたかったんだろ、あの人…」

「んーーまー夕方までなんもやることないし。あたし寝るよ。」

そう言い、みくさんはその場にばたりと倒れこむ。

「皆も寝た方がいいんじゃない?ほら…カホーハネテマテ?って言うし。じゃ、おやすみー」

…そのまま寝息を立て始める。

「あー俺も寝るーねむいしー」

と、口々にそんなことを言いながら五人の子供たちも床に次々と倒れこみ、寝息を立て始める。

「そうだな、寝た方がいろいろありだよなー」

と、彰浩もまた床に倒れこみ、また眠り始める。

(誰かが何か行動を起こそうとした瞬間)
次の瞬間、君たちは全員猛烈な眠気に襲われる。
立っているのも困難なほどだ。
そして君たちは、床に倒れこみ…目を閉じた。

シーン24 全員

君たちは、窓から差し込むまぶしい西日によって目を覚ました。
空はすっかりオレンジ色に染まり、いつの間にか窓もカーテンも空いている。
君たちが目覚めたタイミングで、彰浩や子供たちも目を覚ますだろう。

「ん…あれー?ねーちゃんいないね。」
「買い物に行ったんじゃない?」
「だろうねー」
「新しいキャラ作って模擬戦しようぜー」

子供たちは、キャラシをもってテーブルを囲み、新しいキャラを作り始めた。

…PC〇は、みくさんが倒れていたであろう場所に、一つの紙切れを発見する。
それは、くしゃくしゃになっていてそのままでは判別できない。
ひろげる?

その紙を広げると、そこにはこんな文章が記入されていた。

『山田みくは預かった。返してほしければ、○○時○○分に、緯度~~.~~~~~、経度~~.~~~~~に全員で来い。』

(彰浩を含めた全員に見させる。)

「こっ…これは!」
彰浩が驚きの声を上げる。

「クソッ!やられた!」

「…期限まであと12時間…とにかく、その場所がどこか調べないと…」

(PCが持っているデバイスは使用ができないので子供たちに借りよう)
―子供たちにスマホを借りた際の会話例―
「ん?スマホ?いいよ。何?何調べるの?」

「この場所ー?ここ。結構家から近いね。歩いて40分くらい。」

「こんな廃工場に何の用があるの?」

「ふーん…まいいや。」
――――――――

「……場所はわかったな…」

と、突然子供のうち一人が「あ―――ッ!!!!!」と、驚愕の声を上げる。
その子供は、君たちの方を見て、目を丸くしていた。
その声に反応し、ほかの子供たちもまた君たちを見て、また驚愕の声を上げる。

「えっ………(スマホを借りに行ったPCの外観的特徴)……!みんなも、か、体が…?!」

君たちは体を見る。
見ると、体にノイズのようなものがかかっていた。
空間と手の境界はギザギザのジャギーのような状態になり、いたるところで色がずれ、一部分が半透明なっている。
その現象は数秒続いたが、すぐに元に戻った。

「な、なんだ今の…」
「俺達、つかれてんのかな…」
「キャラ作って、模擬戦しようぜ…」

子供たちは不思議そうな顔をしながら、またテーブルに戻っていった。

「い…いまの…って…」

彰浩が自分の体をぺたぺたさわりながら、首をかしげる。

だが、その行動をすぐに終え、腕を下ろす。
そして、PC〇(シーン21で選択したPC)の方を向く。

「おい、PC〇…お前、何か知ってるんじゃないのか?」

「今の現象…お前はじめてじゃないよな?…なんだか落ち着いていた。」

「何か、知ってるんじゃないのか?今の現象と…コアってやつと…みくさんの関係について…」

「とぼけんなよ。俺は見たんだ。昨日、お前とみくさんが二人でどっかに行くところを。二人でどっかから帰ってくるところを。」

「その時、何か聞いてるんじゃないのか?ええ?」

「どうなんだって言ってんだよッ!!!」

PC〇の胸ぐらをつかみ、至近距離で彰浩がPC〇の顔を睨みつける。

「ッ…すまねえ………頭に血が上ってた…ッ…」

「クソ…こんなんでどうするってんだよ…一体…!」

(PC〇に、川の土手での出来事を、全て話させる。)

PC〇の話が終わるまで、彰浩は黙って聞いていた。
話が終わると、しばらく考え込んでから、口を開く。

「なるほどな…」

―ここからの彰浩のシーンは、この物語の核心について触れるシーン。PC達がなにも思いつかなかった場合のいわば答え合わせ。PC達が途中で気が付いて何か言おうとしたらすぐに黙ろう。―
「あの現象…俺たちの姿が消えかかるあの現象…あれは、この世界で俺達が不安定な状態となることなんだと思う」

「それで…この世界で俺たちを安定させているのは恐らく、みくさんだ」

「みくさんがハーベストを、魔導次元を夢見る力…それが、きっと俺たちを呼んだんだ」

「でも、夢見る力は、魔法を実際に目にしたことで薄れた。その結果、俺たちをこの世界にとどめる力が弱くなった…そういうことなんじゃないのか」

「夢見るだけで、別の世界から生命体を引っ張ってくる能力…元々みくさんはそれが強いのかもしれない。…それがこの世界に存在するのなら、クリーチャーがこの世界にいたのも納得がいく。」

「誰かが、夢見てクリーチャーをこの世界に召喚したんだ。」

「そして―――そのクリーチャーを呼び寄せた本人は、新たな魔法使いを召喚されることを恐れて…みくさんを始末するつもりだ。…ついでに俺たちも…」

「そのあとには…きっと、クリーチャーを大量に召喚し…この街を、この世界を破壊しつくすつもりだ。」
――答え合わせシーン終わり――

「だから、きっと…俺たちをこの世界に引き留めているみくさんがいなくなれば、俺たちは…元の世界に還ることが出来る。」

「俺たちはこの世界で、魔法に頼ることが出来ないんだ」

「あのコアとかいうやつ…あいつはこの現実世界で、アスタリスクを使っていた。それもあんな何でもないような場所でだ。おそらく、相当な熟練者だ」

「魔法もろくに使えない俺たちが、のこのこと向かうのは…無謀だ。俺たちで向かったら…多分死ぬ。これは罠に近いものだ」

「それでも…やるってのか…?」

(助けに行く流れです。それ以外ないです。)

「…PC1?」

「…PC2は…」

「…PC3。」

「…PC4も…」

「…フッ…どうやら、考えていることは、同じようだな!」

彰浩が立ち上がる。
そして、こぶしを前に突き出す。

(全員がこぶしを合わせたら)

君たちの間から、小さなこぶしが伸びてくる。
それはみくさんの弟たちであった。

「何がなんだかわからないけど…やろうとしてることはわかる。…姉ちゃんを、助けに行くんだよね」
「俺たちも、何か力になりたいんだ」
「一緒に、姉ちゃんを助けたいんだ!」

(承諾させる)

彰浩「期限まで、あと11時間。その間に…できる限りの準備をしよう。」

「ああ!やろうぜ、俺達で!」

「…で、何したらいいんだ」

「いや、現実で熟練した魔法使いと戦うなんて初めてだから…何すればいいかわからんだろ」

君たちが悩んでいると、子供たちが口を開く。

「現実で魔法を使うのがどれだけ難しいか、おしえてくれない?多分、バッドステータスってのがずっとついてる状態にちかいことが起こってると思うから、まずはそれを探ってみよう。」

「それがわかったら…新しいキャラを作って模擬戦しよう。」

「ただの新しいキャラじゃないよ。みんなの持ってる魔法を記入したキャラだよ。」

「じゃあ、準備してくる!」

シーン25 ※マスターシーン

ここはどこかの廃工場…
その中心に、縄で手足を縛られたみくさんが転がっていた。

顔をしかめ、そしてゆっくりと目を開けるみくさん。
体を起こそうとすると、手足が縛られていることに気が付き、じたばたと縄から逃れようとする。

「ちょっ?!なんなのここ?!何よこれ?!あたしに何する気?!」

そのみくさんの背後の闇から、黒いローブを身にまとった人物が姿を現す。

「目覚めたか…山田みく。」

「な…何なの…あんた…?!」

「我が名はコア。この世界の中心になるべき存在…」

「な…!」

コアと名乗ったその人物が、ゆっくりと倒れているみくさんの正面に回る。

「私は…魔導次元を消滅させるため、魔導次元の存在するあの忌々しい世界と最も近い、この魔導次元の存在しない現実世界を…夢を見る力で上書きした。」

「その結果、元あったあの忌々しいあの世界は消滅し、世界の数も一つ減少した…」

「だが…山田みく。お前の、その夢を見る力…いや、”創造力”が、上書きの瞬間、元の魔導次元の記憶を持つ五人の魔法使いを世界の上書きから救った…」

そういいながら、コアはゆっくりと、身動きの取れないみくさんの顎を指でなぞっていく。
そして次の瞬間、コアは彼女の腹部に容赦のない蹴りを入れる。

「ぅ…ッ!」

「私のッ!計画はッ!お前のッ!せいでッッ!!台無しだッツ!何もかもッッッ!!!!」

激昂しながら、コアは身動きの取れないみくさんの全身を何度も力強く蹴る。
廃工場に、鈍い音と痛みに耐えるみくさんのうめき声が何度も響く。

「元の!あの!忌々しい世界の記憶を持ち合わせた人間が!五人も!そのせいで、上書きした世界は不安定さを増している!!」

コアは蹴るのをやめ、縛られたロープごとみくさんの体を持ち上げ、そのまま顔面を力強く殴り、吹き飛ばす。

「ぅ˝ぁ…ッ!」

殴り飛ばされたみくさんは固いコンクリートに背中を強く打ち、肺の空気を強制的に排出されながら、苦しみの声を漏らす。

「大した力も持たない魔法使いならまだしも…現実世界でああも戦える魔法使いを…それも五人も…それだけの創造力を持つ生命体が、私以外に存在したことが驚きだ………だから、一刻も早く、つぶさなければならない…」

「だがその前に、貴様にはあの五人をおびき寄せるための餌になってもらう…貴様を始末するのはそのあとだ、山田みく…」

「…フフフ…フハハハ!ハハハッ!!!そして貴様らを始末した後にはぁ!この世界をクリーチャーで埋め尽しぃ…私がその王となる!この世界を我が物に!誰もが私を崇め!称える!そんな世界を実現できるゥ!!!」

「――――…ってんのよ」

何かをみくさんが小さくつぶやいた。

「…何?」

首を上げ、コアを力強く見据え、今度は叫ぶ。

「あんたなんかに!魔導次元が…ハーベストを完全に消すことなんてできない!」

きめ細かく美しかったその顔のに肌は、今や痛々しい打撲跡や赤い擦り傷が目立っていた。
そんなみくさんが、言葉を続ける。

「ハーベストは…魔導次元は!誰もが夢を見る場所!夢が見られる場所、夢を見ていい場所!」

「…黙れ」

「そんなあんたみたいな腐った汚れ切った願望なんかで!あの世界は消えたりしない!」

「黙れ!黙れ黙れ黙れ黙れダマレダマレダマレダマレダマレダマレダマレダマレダマレダマレダマレダマレ!!!!!」

激昂したコアが、またみくさんを蹴り飛ばす。

「貴様に何が分かる!実際に見たことも、聞いたこともない魔導次元を、ハーベストを!なぜ推測の段階でそこまで断言する!その自信は!その証拠は一体何だ?!」

「証拠…自信…?そんなの関係ない。…逆にあんたは、見たものしか信じないの?」

「な…?」

「あるから信じるんじゃない……信じるから、あるの…!それが希望を抱くって事…夢を見るって事なのよ!」

「ッ…!」

その言葉を聞き、またコアはみくさんを蹴り始める

「貴様らはいつもそうだ!二言目には夢だの希望だの…!そんな言葉が一番必要ないんだ!現実性のない!ただの虚無なんだァアアッッッ!!!!!!!!!」

シーン26 全員

君たちは、用意された自分のキャラデータを使い、模擬戦を行っていた。

「聞いた話によると、やっぱりついてるのは沈黙だけで間違いなさそう…だね。」
「特技も使用できてないんでしょ?」
「…やっぱり致命的だよ。よく勝てたと思う…本当に。文字通り運任せだよ」
「マナを増やす方法も、ダイスを増やす方法もこれ以上存在しないか…」
「うーん」

頭を抱え子供たちがうなる。
時計を見ると、期限まであと6時間となっていた。

(このシーンでは、現実しか見ていない子供たちに夢を語る想定)

(夢を与えてもらったら)
「そうだよね…見たものだけを信じて全てを決めつけるのも…よくないよね」

「ねえ…僕たちに、魔法を教えてくれないかな」

「あと6時間。その場しのぎのちょっとした防御魔法だけでもいい…とにかく、僕らもみんなの助けになりたいんだ」

「出来るようになる!きっと!いや、必ず!」

子供たちのその言葉に反応するように、周囲のマナが光輝いたような気がした。

そうして、君たちの魔法講座が始まった…

シーン27 全員

期限まで40分。もう家を出なければ間に合わない。
家の壁はいたるところに穴が開いていたり、黒焦げになっていたりした。
これはすべて、子供たちの成果によるものだ。

周りを見渡せば、ここにいる誰もが、同じ目をしていた。
決意、希望、夢に満ち溢れた目。

(ある程度RPさせたら)

そして君たち10人は、扉を開いた―――

シーン28 全員

ここはどこかの廃工場。指定された場所だ。
その廃工場の内部の中心には、ロープで手足を縛られたみくさんが横たわっていた。

「姉ちゃん!」
子供のうち一人が倒れているみくさんに向かって走り出す。

(止めなかった場合)
走り出した子供の足元が突如爆発し、それに巻き込まれた子供は吹き飛ぶ。そして積まれているドラム缶に激突していった。

「罠と気が付けないとは…貴様らもまだまだ甘いな、魔法使い…」

工場の奥の暗闇から、黒いローブを身にまとった、あの人物が現れた。

(止めた場合)
「ほう…さすが、魔法使い…罠と感づいたか」

工場の奥の暗闇から、黒いローブを身にまとった、あの人物が現れた。

「10人…フン、手駒を増やしたか…だが、たかがその程度」

「山田みくを返してほしければ…それ相応の対価が必要となる…」

「貴様らの命をもらおう、魔法使い…!」

コアが右腕を上に掲げる。
その瞬間、廃工場の床の至る所から、暗闇があふれ出す。
そしてその闇からは、たくさんのクリーチャーが姿を現した。

「やれ、クリーチャー。魔法使いたちを全て蹴散らせ!」

その言葉に反応し、召喚されたクリーチャーは君たちを取り囲む。

コアは、物を収納する魔法を使ってみくさんを次元の狭間に放り込む。
その次元の狭間はコアの手元に収縮していったかと思うと、それは小さな紫色の石となる。
そして漆黒の翼を展開したかと思うと、そのまま廃工場の天井を突き破り、ものすごい勢いで空へと舞いあがった。

「PC1!PC2,PC3,PC4!奴を追うんだ!」

彰浩が叫ぶ。

「奴は何かをしようとしてる。これ以上の事だ!ここは俺が食い止める。お前たちは行け!」

その言葉に続くように、子供たちもまた木の枝でできた杖を取り出し、クリーチャーに対峙していく。

「飛ぶんだ。俺たちの翼で!イマジナリー・ウイング!!!」

彰浩のその声に答えるように、君たちの体を純白の翼が包み込む。
そしてそれは大きく広がり、また天井を突き破り、大空へと舞い上がった―――!

シーン29 全員

ビルの間を縫うように飛行するコアを、君たちは追っていく。
都会の空に、白と黒の翼が入り乱れ、そして軌跡を遺してゆく。
ものすごい速度で飛行するが、突如コアはそのまま君たちの方を向き、何個かの魔法を放ち、飛行を阻害しようとする。
(阻止させる)

空中でいくつもの光が爆ぜ、そしてまた生まれていく。
白と黒の軌跡が複雑な線を描き、それが通り過ぎた後にはガラスは割れ、強風が吹き荒れる。
そんなことをやっていると、君たちを包み込んでいた翼の色が徐々に薄まっていく。それと同時に、速度も落ち始めていた。
だが一向に、コアは速度を緩める様子はない。
(大魔法使用想定1)

さらに翼を展開した君たちを見て、コアは漆黒の翼を四対に増やす。
そして今までの何倍もの速さで君たちを突き放す。
(大魔法使用想定2)

君たちの翼がまた二枚増える。もう少し速度が高ければ、追いつけるはずだ。
(大魔法使用想定3)

君たちは速度を上げる。空を駆け、先に見える漆黒に近づいていく。
じわじわと接近する君たちに、コアは強力な魔法を次々と放っていく。
それは現在の君たちには遅すぎるものだった。
難なくそれを回避していき、そして君たちは飛行するコアの真上にたどり着く―――!!

その手には、みくさんが封印されていると思われる、あの紫色の石が握られていた。

(腕をぶった切るなりなんなりして奪おう。)

君たちは(何かの方法)でみくさんが封じ込められている紫色の石をコアから奪い取った。
その衝撃で、飛行するコアはバランスを崩し、都市に向けて急降下を始めた。

(追わせよう)

コアは原則が間に合わず、大きな道路の真ん中に突っ込んでいった。
落下の衝撃で、巨大な土煙が舞い上がり、事件が揺れる。

君たちは、地面に降り立つ。その瞬間に、魔法の効果が切れ、君たちを覆っていた翼が消える。

土煙の中で、よろよろと力なく立ち上がるコアの姿が見える。

「ぐはっ」

だが、ダメージが大きかったのか、地面に膝をついて倒れかける。
その瞬間、紫色の石が輝き始め、次元の狭間からみくさんを吐き出した。
(ロープをほどくと言えばほどける。)

みくさんが目を覚ます。
辺りを見渡し、そして君たちに目線を向ける。

「君たち…来てくれたんだ」

みくさんの顔や腕、さまざまな場所に、打撲や擦り傷などの様々な怪我が目立っている。

「あたしは大丈夫。…来てくれるって、信じてたから」

「…こんなことに、みんなを巻き込んだのは、あたしのせいなの」

「だから、ごめん」

(ある程度RPさせたら)

「フフフ…ッハハハハハハハハハハ!!ッハッハハハハッハハハッハハハハハッハアアァアア!!」

突如、まるで壊れたかのようなコアの笑い声が辺りに響く。

「勝ったつもりでいるようだがァ……それはお~きな誤算だぁ…これを見ろ!」

そしてコアが、上空を指さす。
それは、君たちがコアを追いかけ飛行していた時の魔法の軌跡だった。

「ありがたいなぁ?魔法使い…貴様らのお蔭で…魔法陣がより強固なものになったんだからなぁ!!!」

その魔法の軌跡は、よく見るとこの街を取り囲むように、巨大な魔法陣のようなものを作っていた。

「そして今ぁ!この陣は起動する…まずはこの街を!クリーチャーであふれさせ…俺が君臨する!!!」

「はぁああああああああッッ!!!!」

コアが両手を空に掲げる。
その瞬間、空中に描かれた魔法陣に、邪悪な赤紫色の光が走る。
そして、空には黒い雲が出現し、太陽を、青空を覆い隠す。
光が閉ざされた世界の中、地面の至る所から闇があふれ出す。
そしてその闇からは、無数のクリーチャーが出現する。
クリーチャーは近くの人間を攻撃し、そして惨殺していく。
黒い雲からは雷が降り注ぎ、建物を次々と破壊していく。
そして建物があった場所からは、生物的なデザインの、曲線を多く含んだ建造物が地面から生えてくる。

笑い続けているコアの足元から、他よりも巨大な建造物が形成されていく。
そうしてコアがいた場所には、この街で最も巨大な塔が立ち、その最上階に向けて、町中から紫色の煙のようなものが吸い込まれていった。

君たちが塔の最上階へ向かおうとすると、それを阻止すべく大量のクリーチャーが君たちの元へ集まってくるだろう。

「みんな!早く行って!」

どこから拾ってきたのか、鉄パイプ片手にみくさんがクリーチャー達と対峙する。

「少しでも役立てるんだったら、あたしだって戦うんだから!」

みくさんのその決意に呼応するかのように、周りの人々も様々なものを手に取り、こちらに駆け寄ってくる。
そしてまた、近づくクリーチャーたちと対峙する。

「俺達だって、ただ見てるだけじゃないんだ!」
「この人たちに夢をもらった!今度は僕たちが返す番だ!」
「私たちも一緒に、この世界を守る!」

集結した様々な人たちの希望が、君たちの周りのマナを変化させていく。
重かったからだが、次第に軽くなっていくような感覚。
今ならまた―――飛べるはずだ。
(大魔法使用想定4)

そうして君たちは、塔の最上階へと飛び上がっていった!

シーン30 全員

君たちは、塔の最上階へとたどり着いた。
そこでは、コアが紫色の煙を吸収し終わったところであった。

「…あのクリーチャーの群れを突破しただと?とうて貴様らだけでは不可能なはずだが…」

「まあいい。…だが一足遅かったようだな、魔法使い」

「この街に召喚したクリーチャーすべてのエネルギーを今、全て吸収し終わった…いよいよ、私が神として…生まれ変わる時だ…!」

コアが、ローブを脱ぎ捨てため込んだ力を解放する。
それだけで、君たちは今にも吹き飛ばされてしまいそうなほどだ。

人の形を保っていたその体に、鎧のようなものが浮き出てくる。
黒光りする肌が装甲に置き換わり、その見た目は禍々しいものへと変化した。

「これが、最強の姿…お前たちも目に焼き付けるがいい。この世界を統べる…神の姿を。」

「我が力の前に、貴様らがどれだけ無力か――それを、今見せてやろう」

ゆっくりと、コアが右手を君たちに向ける。
そして次の瞬間、その右手から黒く輝く巨大な熱線が放たれる。

それは君たちすべてを巻き込んでいく。
手の中にある発動体に、大きなヒビが、次々と入っていく。
ものすごい圧で、少しでも気を抜けば塔の外へと吹き飛ばされてしまいそうなほどだ。

「どうした?…これが限界という事か。魔法使い。」

「遊びはここまでだ…終わらせてやろう。魔法使い…!」

浴びせられている熱線は勢いを増し、君たちを塔の外へと投げ出した。
その瞬間、発動体が粉々に崩れ去った。

そのまま君たちは、力なく落下していく。

脳裏には、君たち自身の青春が、描かれていった…

全ての始まりのあの桜
そこで出会った仲間たち
志を同じとし、人を助けていったあの頃から、今まで…
そして、この世界で出会った、心優しき人達。

それらの顔がどんどん遠ざかっていき、そして、視界は黒く染まってゆく。

「諦めるな!」

誰かの声で、黒く染まった視界に、金色に光輝く羽が一つ、現れる。

「頑張れ!」
「俺たちもあきらめてない!」

君たちへの声援が、ひとつ、また一つ増えていく。
そのたびに、金色の羽が現れる。
羽は翼を形作り、君たちを包み込む。
力が満ちるのを感じ、また目を開く。
翼は落下する君たちを支え、そして上昇させる。

塔の最上階へと再び舞い戻った君たち。

「何だ…何が起こっている?!貴様ら、何をした?!」

「この世界の人々全ての創造力…それが一つのを願ったというのか?!」

「お前たち…許さん…」

「絶対に許さんぞォオオオ!!!!!こんな!こんなしょうもない力ごときで!私を超えようなどとォ!!!!!!!」

―コアとの戦闘―

※バステなどの制限は一切ナシ

―戦闘終了―

シーン31 ※マスターシーン
一つの街を巻き込んで起こった大惨事。
この黒幕であるコアを撃破したことにより、クリーチャーに殺された人々は、その魂を奪い返すことに成功した。
そして、ある一人の創造力によって、この街は元の姿を取り戻したのだった。

シーン32 全員

全てが終わり、君たちは、この家から出ていく準備をしていたところだった。

準備が終わり、君たちはリビングへと降りる。
そこには、みくさんの弟たちが待っていた。

「…姉ちゃん、あの場所で待ってる…ってさ。」

君たちは、扉を開き、外に出た。

シーン33 全員

君たちは、この世界に降り立った、あの場所川の土手へと来ていた。
そこでは、草むらに腰掛け、満月の月光が乱反射し光輝く川の水面を見つめるみくさんがいた。

(だれでもいいけど話しかけよう)

「ねぇ、そこの旅人さん。どうして月はあんなに綺麗なのかしら」

「…そこはもう少し、ロマンティックな台詞を言って欲しかったなぁ。」

そういって君の方を見る。

「…やり残したこと…全部、終わったのかな」

「君たちのおかげだよ。この世界が救われたのは。」

「でも…この世界も、もう終わらせなきゃいけないの」

「この世界は、もともと魔導次元だった。私たちがいるこの世界は、ただのコピーにすぎないの」

「皮肉よね。作り物なのは君たちじゃなくて…本当はあたし達だったんだもの。」

「でも…それでいいと思ってる。」

「この世界に生まれた意味なんて分からないけど…この三日間。あたしは楽しかった。きっと、弟たちも…そうだと思う。」

「…いずれこの世界は限界がきて、崩壊する。」

「そしたら、君たちもハーベストに帰ることが出来るの。」

「でも…聞かせて。君は、どうしたい?…魔法の世界へ行くことを…望みますか?」

(Noと言ったらは?と聞き返してあげよう。)

「…そう、言うと思ってたよ。」

「君たち、どうせ向こうでも自分の事なんか考えもせずに、人助けしかしてないでしょ?」

「この世界の事はもう…大丈夫。………だから、君たちの世界で、君たちの助けを必要としてる人を…助けてあげて」

「あたしも、本当は一緒に行きたいけど…でも、あたしにはあたしにしかできないことがあるもの。」

「だから、ここでその責務を果たす。」

「そんな顔しないで!あたしも、この世界も消えてなくなるけど…きっと、ずっと君たちと歩むから。ね?」

「―――そろそろ、時間みたいだね」

みくさんや、草むら、この世界を構築している様々なものにノイズがかかる。
そして、君たちは上空に…いや、世界が君たちから、遠ざかっていく。

離れていくみくさんが、拳を君に掲げる。
そして叫ぶ。

「わすれないでね!あたしたちの事!絶対に!!」

その聞こえる声にもノイズがかかって、次第に聞き取りずらくなっていく。

そして君たちの視界は歪み…
(拳を合わせようとすると、その手はすり抜ける)

自分以外の世界が、歪むのが見えた。
そして視界は白い光に包まれ――――――

君たちは、意識を失った。

シーン34 全員

「…え……?…ぃじょうぶ…?……ぇったら…」

暗闇の中で、遠くから声が聞こえている気がする。
この声は、聞き覚えがある。
それは、君たち家の長…
山田みくに似ている…気がした…

「ねぇ?ちょっと…大丈夫?君たち…」

目を開けると、そこには、桃色の髪に大きなとんがり帽子…ドロシー学長が倒れている君たちをのぞき込んでいた。

「よかった…学園内で五人の生徒を80人くらいの男子生徒が襲ってるって話を聞いたから…慌てて全員無力化してきてみたら、君たちが傷だらけで中庭に倒れてるものだから…」

学長は回復魔法を君たちに当てていく。
あの世界で、あの激戦で負った傷が癒えてなくなっていく。

「…何したか知らないけど。これからは無茶をしないように。……いいね?」

君たちの返事を聞くと、ドロシー学長は学園に入っていった。

「あ―――――ッ!そうだ!」

突如、彰浩が大声を上げる。

「反省文!書かなきゃ!今って何時だ?!」

学園の壁にある巨大な時計は、午後5時を回っていた。

「あと一時間もない!はやく書き上げなきゃ今度こそヤバいぞ!」

「ほら!行こう!えーっと…まずは街で原稿用紙を買うところからだ!急げ急げ!!」

君たちは走り出す。
ふと、PC〇の肩に、白い羽が落ちてきた。
澄み渡る青空に、翼を広げて飛び立つ、一匹の白い鳥が君たちの頭上を通り過ぎていった。

―END―

―エネミーデータ―

「ハルピュイア」
主体属性:地・風 クラス:クリーチャー 大魔法:なし
能力値「アクション:4」「リアクション:4」「リベラル:3」

特技
「砂塵の竜巻」消費TP3 R 
敵一人が受けているグッドステータスを1つ消去する。 
「魔陣連携」 消費TP2 A 
アクションフェイズダイス数+(戦闘に参加している同一クリーチャー数)  
「掠める者」 消費TP5 A 
この魔法攻撃に対して、リアクションフェイズを行うとき、その発動ダイス数を-2する。

攻2 防0 HP30 TP15 SS6 移動1

魔法

A「エアロスプラッシュ」風1水1
攻撃力+1、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更する。

A「ダストストーム」風1地1
攻撃力+1、さらにダメージ計算後、対象を1マス好きな方向へ移動させる。

A「グラビティゾーン」地1闇1
攻撃力+1、さらに攻撃範囲のマスを地形:重力場レベル1に変更する。

R「フェアリーサークル」風1光1
防御力+2、さらに味方1人のHPを2点回復する。

A「ハリケーン」風2地1
攻撃力+3、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更し、攻撃範囲のマスを地形:暴風レベル1に変更する。

A「アバランシュブレイク」水2地1
攻撃力+3、さらに攻撃範囲を自分の前、右前、左前に変更し、対象にバッドステータス:重圧レベル2を与える。

A「ゴッドプレッシャー」地1光1闇1
攻撃力+3、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更し、攻撃範囲内に味方が居た場合、その味方にグッドステータス:俊足レベル1を与える。また、攻撃範囲のマスを地形:斥力場レベル1に変更する。

A「ブレイブフェニックス」火1風1光1
攻撃力+4、さらに攻撃範囲を好きな縦列1つに変更し、その列上のオブジェクトは別のオブジェクトに衝突するまで前方向に移動する。

A「ディストラクション」呪1地1闇1
攻撃力+4、さらに戦闘空間の好きなマス1つを地形:黄泉レベル2に変更し、対象にバッドステータス:怨嗟レベル2を与える。

R「アスファルト」闇2地1
防御力+3、さらに地形変化しているマスの数だけ防御力を上昇させる。

コア
大きさ:横1縦3
HP 300 TP 30 攻撃力2 防御力0
アクション:9
リアクション6

大魔法:イマジナリーウイング、ルインズウイング、アスタリスク

―特技―
創造力/20/AR/このシーンの間全てのダイスを+3する。重ね掛けができる。
ここからが破滅の時間だ/5/A/このシーンの間、自分は、全ての発動ダイス数に常に+1する。1シナリオに1回使用可能。

習得魔法

「アイリス」

A「マイグランファーザークロック」水3闇1
攻撃力+7、さらに敵全員が受けているバッドステータスのレベルを全て1上げ、味方全員が受けているグッドステータスのレベルを全て1上げる。

A「イルミナスメソッド」闇3水1
攻撃力+7、さらに味方全員にグッドステータス:浄化レベル2を与える。

A「ヘルブラスト」闇2火1
攻撃力+9、さらに攻撃範囲を前方1マスに固定する。

A「ヴァリアブルコード」闇5
攻撃力+12、さらに味方全員が受けているバッドステータス全てを消去し、それを全て敵全員に与え、敵全員が受けているグッドステータス全てを消去し、それを全て味方全員に与える。

R「タルタロス」風1地1闇1
防御力+9、さらに自分にバッドステータス:重圧レベル1を与える。

R「ポセイドンビロー」水3闇1
防御力+7、さらに好きな横列1つを選び、その横列にいる敵全てにバッドステータス:毒レベル3を与える。また、この魔法の効果によって受けたバッドステータスは、戦闘終了時まで回復されず、レベルの増減も起こらない。

R「ミゼラブルサクリファイス」闇5
防御力+12、さらに魔法攻撃の対象に好きな敵1人を追加する。

――――――

―GM対応集―

Q.年齢の制約について詳しく聞かせて!

A.「四年生」の時点で15~19であればいいです。なので最年少設定だと入学時は12歳になります。

Q.PL達がスマホを触り始めたよ!

A.電波がつながらない、と必ず言ってください。

Q.みくさんの手料理食わずにコンビニで買うって言い始めたよ?!

A.みくさんとっても悲しがるので食べてあげてください。

Q.コアの期限前に廃工場へ向かおうとしてるんだけど?!

A.彰浩に「期限前に行っても結界か何かで入れないと思う」と言わせておいてください。

Q.ここに書いてないことされて困ってるんだけど!

A.このシナリオの作者に聞きに行きましょう。寝ていてもたたき起こしましょう。

――――

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