追憶の中の真珠星 〜Unraveled Asterism〜

魔法学園RPG ハーベスト
シナリオ「追憶の中の真珠星 〜Unraveled Asterism〜」

推奨人数 3人
推定時間 5~6時間
推奨リベラルアーツ
フォース、ルクス、ブリンガー、オペレイトスライム、エクスプロード
イメージソング Stella-rium[鹿乃]
スピカ[aimer]

■今回予告

誰かの中で生まれた想いが、春風に吹かれて、夏の足音を探し、紅葉のように色を変えて、雪のように積もっていく。

変わっていたのは季節だけじゃなかった。

いつだって、「大丈夫」って声が聞こえてくる。
君が君であることを思い出す明日が来るまで。
拾い集めた星の屑が、君の明日を照らしているから。

魔法学園RPGハーベスト
「追憶の中の真珠星 〜Unraveled Asterism〜」

魔法の時間は、まだ終わらない。

◆シナリオハンドアウト
pc1 コネクション:スピカ 推奨関係:恋人/好意
君は、魔法学園ハーベストの学生だ。
君がハーベストに入学したとき、スピカという少女に出会った。
元気で明るい彼女と共に過ごす学生生活は、君にとって充実したものだった。
君は、彼女に不思議なほど惹かれてしまい、彼女と恋人同士になる。
しかし、数日後、君が目覚めてハーベストに行った時、スピカを知っているはずの皆が、誰も、スピカのことを覚えていなかった。

pc2 コネクション:垰沙羅(あくつさら) 推奨関係:恋人/後輩
君は、魔法学園ハーベストの学生だ。
君には、最近魔導次元に来たばかりの垰沙羅という友達がいる。
ある日、君は彼女に呼び出されたかと思うと、突然、彼女から愛の告白をされた。
君はそれを受け、彼女と付き合うことになったが、
ある日、君は、友人から、彼女の悪い噂を耳にしてしまう。

pc3 コネクション:ドロシー・フロム・オズ 推奨関係:自由
君は、魔法学園ハーベストの学生だ。
君は、ある日、ドロシーに呼び出されたかと思うと、とある事件の解決を依頼される。
それは、伝説の八大魔法使いとして名高いルイズ・マーガレットの詩の一編が盗まれた事件だった。
ドロシーによると、事件の解決のために、ルイズから学生を派遣してほしいと要請があったらしい。
君は、ドロシーのお願いを断ることもできず、事件の解決に動き始めることとなった。

◆シナリオインフォメーション
以下の用語について、知っておくとシナリオがさらに楽しいものになります。
・パラレルリンカーについて
特異点(パラレルリンカー)は、時間的あるいは空間的に、別の次元空間から現れた者である。別世界から、魔導次元を訪問した者は、時々、次元的な特異性を見せることがあった。また、何らかの理由で時空を超越し、遠い過去や未来から魔導次元に現れた者にも、同一の特異性が見られた。彼らのような異次元からの訪問者が、「特異点(パラレルリンカー)」である。
・デモンズタイムについて
七つの大罪の欠片が、人の手に渡り、人の意思を支配しようとしたとき、
逆に、「強い人の意思」が七つの大罪の力を上回り、力を飲み込んでしまう場合があります。そのとき、その人間は「デモンズタイム」という大魔法の術式により、悪魔の力を扱うことができるようになります。デモンズタイムを発動すると、その人間は、半人半魔のような、悪魔の特徴が身体に刻まれます。

◆オープニングフェイズ
シーン1 神隠し(マスターシーン)
一台の車が、森の中を走っていた。
高校生くらいの、黒髪ポニーテールで、黒縁眼鏡をかけ、学校指定のジャージを着た少女が、後部座席で、退屈そうに景色を眺める。
「ねぇ、引っ越し先にはいつ着くの?」
「あと1時間くらいかかるな」
「沙羅、おとなしくしてなさい」
前に座っている父親と母親が彼女をなだめるようにそう言う。
「えー、1時間もかかるの・・・?暇すぎなんだけど・・・」
少女はまた景色を見る。いくら走っても変わりない森の中、山道を車が走っていく。
「・・・何か、面白いことないかな」
彼女がそう呟くと、突然車が止まる。
「あれ・・・前来たときは、こんなトンネル無かったのに」
「ちょっと、道に迷ってない?」
「いやでも、一本道だったよ。先進んでみるしかないかな」
「こんな薄気味悪いトンネル、行きたくないわ。間違ってるわよ道。」
母親と父親が会話しているのを、少女はぼーっと聞き流してスマホを見つめる。
「行くだけ行ってみよう。最悪引き返すだけさ」
父親がそういって車を走らせる。真っ暗なトンネルの中を進んでいく。暗闇を超えて、徐々に光が見えてくる。
「・・・ここは初めて見るな。」
トンネルを抜けると、また森が広がっていた。
「やっぱり道を間違えたのよ。戻りましょ?」
「ちょっとまって・・・あれ・・・くっそ。こんなときにエンスト?」
「ちょっと、どうするのよ。こんな山の中で、遭難なんて嫌よ」
「あそこに屋敷がある。ちょっと助けを呼んでくるよ。僕」
「私も行くわ。沙羅はどうするの?」
「私待ってる。」
車の中で寝転がってマンガを読みながら、少女はそう答える。
両親が車を出て、近くに見える大きな屋敷に向かう。さびれた感じもなく、人が暮らしているように見える。すぐに戻ってくるだろう・・・
両親が車を出て、しばらく経つ。1時間ほど経つが彼らは帰ってこない。

「・・・?」
不審に思って、少女が車の外に出ると、そこに、父親と母親の後ろ姿があった。
「どうだったの?」
声をかけるが、彼らは反応しない。
「お父さん?お母さん?」
少女が近づくと、両親の姿は、徐々に虫のような姿に変貌していった。
「・・・きゃ、きゃあああああああ!!」
慌てて、尻餅をつく。少女に、かつて両親だったものがにじりよる。
そのとき、少女の目の前に、空から桃色の髪の少女が下りてくる。
少女は、とんがり帽子に黒いローブ、そして大きな箒を持った、魔女っ娘のような恰好をしている。
「君、名前は?」
「あ・・・あ・・・あく・・・あくつさら・・・」
「ねぇ、沙羅ちゃん。君のお父さんとお母さん、私が助けてあげる。」

シーン2 運命の出会い(PC1)
PC1がハーベストの入学式に臨む日のこと。
通学で空を飛んでいた途中、突然、後ろから声が聞こえる。
「あ、ごめんなさいごめんなさい!どいてくださいー!!」
君は、後ろを振り返ったときには、箒に乗って、急スピードで突っ込んできた少女にぶつかってしまう。
「いたた・・・ご、ごめんなさい!」
「あれ・・・君、もしかして、PC1くん?」
「わたし、スピカだよ。覚えてる?」
茶髪のショートで、赤いシルクハットを被った女の子。君は、彼女に見覚えがない。だがどこかで、同じような状況を見たことがあるような気がする。デジャブのような感覚に襲われる。
「・・・ほら、昔いっしょに、遊んだスピカ・・・だよ?思い出せない?」
「うー・・・でも仕方ないか、あんなにちっちゃかった頃だからね。わたしは覚えてるけど・・・」
「それにしても、PC1くん、おっきくなったね。すごいかっこよくなってる。昔はあんなに可愛かったのに。」
「あれ、そういえば、もしかして、PC1くんも、ハーベストに入学するの?じゃあ、一緒の学校なんだ・・・!」
「なんか、今こうしてまたPC1くんに会えるなんて、思ってもいなかった。嬉しいな。」
「これからよろしくね。PC1くん。」
桜の木をバックに、彼女は笑顔で君に振り向いた。

シーン3 彼女の夢(PC全員)
それからしばらく経ち、PC1は、ドロシー・フロム・オズによる、魔法決闘ダブルス演習の講義に参加していた。
「はーい、みんなごちゅうもく~。みんなご存知の通り、みんなのヒロイン、ドロシーだよ!今日から半年間よろしくね~!」
「えっとー、この演習は、ダブルスでやります!パートナーと、しっかり息のあったコンビネーションプレイができるよう、普段からみんな仲良くしてねっ!」
「じゃあさっそくペアつくっちゃうね・・・PC1くんと、スピカちゃん!それから、PC2くんと、PC3くん。ペアになってね」
PC1は、名前を呼ばれ、前に出る。君の隣にスピカという少女が立つ。
茶髪ショートの赤いシルクハットの女の子。この前ぶつかってきた女の子だ。
「あ!PC1くん久しぶりだね。PC1くんもこの授業とってたんだ?」
「わたしたちペアだってさ。私、戦闘魔法はあまり得意じゃないんだけど・・・PC1くんは?」
「じゃあ、わたし、いっぱいPC1くんのこと応援してるから!PC1くんは、わたしのこと、守ってくれたら、嬉しいな・・・なんて。」
魔法決闘は、PC2・PC3が勝ったものとして処理する。
「・・・ごめん、PC1くん。わたしのせいで負けちゃって・・・」
「でも、今日の授業で、わたし、夢が出来ちゃった。」
「わたし、いつかPC1くんを守れるくらい、強くなるよ。」
「だから、待ってて。」
そういって、彼女は少し悔しそうに微笑んだ。

シーン4 ふたりきり(PC1)
君は、夕方、図書室で一人、本を整理しているスピカを見つける。
大量の本に囲まれて、彼女はおろおろしているように見える。
「あ・・・PC1くん。えっと・・・えへへ。ごめんね。助けてもらっても・・・いいかな?」
「実は、ドロシー学長に頼みごとされちゃって、本の片づけなんだけど、それが結構時間かかっちゃって・・・」
「ドロシー学長も、すごい謝りながら頼んできたから、きっと、何か大変な用事があったんだと思うの。」
「PC1くん。ごめん。いっしょに本の片づけ、手伝ってくれないかな・・・?」
君は、スピカと一緒に本を片付けながら、お話しをした。
「ねぇ、PC1くんって、夢とかある?」
「わたしはね。全然、夢とか考えたことなかったんだけど。ついさっき思ったの。PC1くんを守れるくらい、強くなりたいって。」
「だから、魔法も、いっぱい勉強するし、PC1くんにだって、負けないくらい強くなるよ。」
そういいながら、本棚に本を背伸びしながら入れようとするスピカ。
体勢を崩して、PC1の方にもたれかかる形で倒れる。
「いたた・・・ごめんね、PC1くん・・・あ・・・えっと・・・」
「わ・・・わたしなんかで・・・ごめんね」
赤面しながら、彼女はそう告げる。
「そ、そういえば、PC1くんは、好きな人とかいないの?」
「いないんだ・・・よかった・・・え?な、なんでもないよー。」
「わ、わたしはね・・・その・・・。内緒ですっ」
そこに、ドロシーがやってくる。
「わわ。ごめんね!PC1くん、スピカちゃん!今日どうしても見たい生配信があってさ・・・」
スピカの方を見ると、彼女は、恥ずかしがるように目を背ける。
かと思うと、ドロシーに聞こえないように、君に耳打ちする。
「ね、今日のお礼、今度させてくれないかな?」
「今度の日曜とか・・・空いてませんか?」

シーン5  落とし物(PC2)
ある日、君が用事を終え、帰宅しようとしていた際、すっかり暗くなったハーベストの図書館に、物音と人の泣いている声がするのを聞いた。
「ない・・・ない・・・!どこにいっちゃったの・・・」
そこには、一人の黒髪の女の子がおり、本棚を漁りながら必死に何かを探しているようだった。
「あ・・・ご、ごめんなさい。気にしないでください・・・」
その顔は、涙に濡れていて、今にもくしゃくしゃになりそうだった。
「わ・・・私・・・大切な本を無くしてしまって・・・とても大切なものなんです・・・」
「あれが・・・あれがないと私・・・私は・・・」
彼女は、ぽろぽろと涙を流しはじめる
「ここに、落としたはずなんです、でも、もしかしたら、誰かが片づけてしまったのかもしれなくて・・・」
「・・・一緒に、探してくれるんですか?」
「赤い本です。タイトルは、『焔の女』。私にとって、とても大切なものなんです・・・」
「・・・お母さんと、お父さんの・・・」
彼女はじんわりと涙を流す。
「・・・形見・・・みたいなものだから」
彼女はそういって、また本棚を漁り始めた。
君も一緒になって本棚を探してしばらくすると、見つかりにくい本棚から焔の女と書かれた本を、見つけることができた。
「あ・・・これ・・・これです!本当にありがとうございます。」
「あ・・・あの!」
彼女が、顔を赤らめて貴方の服の裾を掴む。
「えっと・・・今度、もしよかったら・・・お礼させてもらえませんか?」
「私は、沙羅。圷沙羅と言います。・・・よろしく、お願いします。」
君は彼女と会う約束を取り付けた。

シーン6 古き仲(PC3)
君は、ドロシーフロムオズに呼び出される。いつものことだ。
君が扉の前に立つと、何やら、怪しげな声が聞こえてくる。
「あっ・・・んっ・・・そ、そこはだめぇ・・・やぁっ・・・あん!」
君が部屋に入ると、そこには、部屋のど真ん中に陣取られたマッサージイスにドロシーが座って震えている光景だった。
「あっ・・・PC3くん。入って入って・・・あっ・・・ごめんね、ちょっとまっててね」
「あうううううう」
ドロシーは暢気に震えている
終わると、彼女はソファーに座り、君と向き合う
彼女の手には巨大なタピオカミルクティーが握られており、ドロシーはそれを気ままに吸い込む
「えとね、ずぞぞ・・・PC3くん。もぐもぐ。」
「実はね・・・もぐもぐ、大変なことがあってね・・・」
「んん、食べるのやめてしゃべるね。実は、窃盗事件があったんだ。」
「ねぇ、PC3くんは、伝説の八大魔法使いって、わかる?」
「昔々、わるい悪魔をすごいつよい8人の魔法使いが撃退したの。」
「その8人っていうのが、ソフィア、シヴュラ、刹那、フェイト、ルイズ、クラウス、そして私とアスタロト」
「その、ルイズって子がいるんだけどね。私に、お願いごとをしてきたの」
「彼女、最高級の魔導書を自作できる魔導書作家なんだけどね。」
「なんか、彼女が書いた詩の魔導書が、盗まれたんだって。」
「だから、私に、誰か暇そうな学生を派遣してっていってきてさぁ」
「ね、お願い。PC3くん、もしよかったら、ルイズのとこいってきてくれないかな?」

シーン7 好き(PC1)
待ち合わせ場所の、学園近郊の街の時計台に向かう。
するとそこには、可愛らしいフリルのついた服を身に着け、ナチュラルメイクをしたスピカが立っていた。
「あ・・・PC1くん!」
「ぜんぜん待ってないよ。ふふ。楽しみすぎて、早く来ちゃって・・・」
「あ、あの・・・今日は、よろしくね?」
そういって、深々と頭を下げるスピカ。
「えっと・・・今日のわたし、へんじゃない・・・かな・・・?」
「ほんと・・・?嬉しい・・・」
「あのね、今日は、わたしがお礼しようと思ってお誘いしたの。だから、しっかりPC1くんのことエスコートするから!」
「じゃあさっそく・・・PC1くんって、甘いもの大丈夫?あの、すっごい美味しいパフェが食べられるお店があるんだけど、そことか・・・どうですか?」
「よかった・・・でも、もし嫌でも、今日はいろいろ考えてきたから、いっぱい楽しんでくれたら嬉しい。」
「それにその・・・わたし自身も、キミと一緒に過ごせるの・・・すごく・・・う、嬉しいし・・・」
「う、ううん。なんでもないっ」
さっそく、カフェに向かう。内装はインテリアでおしゃれな雰囲気を醸し出し、店内はカップルやOLで溢れている。
「あのねあのね、ここの、このパフェがすっごくおいしいの!」
スピカはメニューを顔の前に持ってきて、君に見せる。
「その、もしよかったら・・・一緒に、食べませんか?」
スピカはぱーっと明るい顔になって、店員さんを呼んで注文すると、にこにこしながら君の顔を見つめてくる。
「ふふっ、ハーベスト以外で君に会うのって、なんだか新鮮で・・・」
「PC1くんのこと、独り占めしてるみたいで、なんか、嬉しい。」
「ね、PC1くんも、わたしのこと、独り占めしてるんだよ?」
頭を机の上に伏せ、あざとい感じで彼女は君のことを覗いてくる。
「あ、来たみたい。わー!何度見ても可愛い!」
「一緒に食べよ!」
パフェが来てテンションが上がるのが見てわかるようだ。
食べながらも君たちは学校のことや、普段の生活のことを話した。
今度はペットショップに行って動物を二人で見たり、偶然やっていたイベント型のお化け屋敷(もちろん魔法による演出がすごい)に入ってみたり、ゲームセンターで遊んでみたり。
そして、夕方になってきたころ。太陽がほぼ沈み切ったくらいの時間。
「ね、もうこんな時間だけど、もう少しだけ、時間貰ってもいいかな?」
「あれ。どうしてもPC1くんと一緒に乗りたいの」
少し真剣な表情になって、スピカは、街の中でゆっくりと動く観覧車を指さした。
受付を済ませ、観覧車に乗ると、スピカは君の座った反対側に座る。
そして、少しの沈黙の中、観覧車は動き始める。
「ね。PC1くん。」
「今日は、お礼っていったのに、私の方がいっぱい楽しんじゃった」
「もしよかったら、また、今度こそちゃんとお礼させてほしいな」
「君の好きなものをいっぱい教えて?苦手なものも、やりたいことも、行きたいところも」
「全部、時間も感情も、君と共有したいの」
「だから、もしよかったら、もう一度。今度は、恋人として・・・デートしてくれませんか?」
「・・・わたし、PC1くんのことがすきなの」
PCの返事を聞いた後、スピカが笑顔でPC1に抱き着いた。

シーン8 愛妻弁当(PC2)
ハーベストでの授業が終わって、お昼休みに入る。君は学園の中庭のベンチで、待ち合わせをしていた沙羅に出会う。
「あ・・・えっと・・・PC2さん。お疲れ様です。」
「大丈夫ですよ。そんなに待ってなかったから・・・」
「それより、ごめんなさい、お昼の時間、私に付き合ってもらっちゃって・・・」
「あ、えっと、今日なんですけど・・・その・・・」
「昨日の、お礼・・・はいっどうぞ、食べてもらえませんか?」
彼女は、鞄から、お弁当箱を取り出して、君に手渡した。
「あ、その、PC2さんって、お昼もしかしてお弁当ですか・・・?も、もしそうだったら、出直してきます・・・!」
「あ・・・食べて、くださるんですか?嬉しいです・・・」
彼女は、顔を赤らめて俯きながら、ふと君のことを上目づかいで見つめた。
二人横並びにベンチに座って、お弁当箱を開ける。
その中身は、家庭的なもので、手作りのおかずが綺麗に並んでいた。
君が弁当に手をつけはじめると、彼女はそれを食い入るように見つめてくる。
「あ、あの・・・おいしい・・・ですか?」
「よかったぁ・・・おいしいっていってもらえて、嬉しいです。」
「私、料理には自信があって・・・よく、お母さんとお父さんにも褒められてたんです」
「私のお母さんとお父さんは・・・今は、その・・・病気にかかっているんです」
「私、現実世界生まれなんですけど。お母さんとお父さんと、引っ越し先に向かって、車を走らせていたとき、不思議なトンネルを通って、こちらの世界にきました」
「そのとき、お母さんとお父さんは、クリーチャーに襲われて・・・」
「・・・ごめんなさい、これ以上は・・・」
「それより、PC2さんは、好きな食べ物ってありますか?」
「じゃ、じゃあ、明日はそれ作らせてもらってもいいですか?」
「嬉しいっ・・・♪」
彼女は、今まで見せたことのないような笑顔で、君に微笑む。
かと思うと、すぐに恥ずかしがって、君から目をそらす。
「あ、あの・・・い、嫌だったらいいんですけど・・・」
「よ、呼び捨てで呼んでみても・・・いいですか・・・?」
「あ・・・えっと・・・PC2・・・」
「ご、ごめんなさい!やっぱりはずかしいのでなし!なしです!」
君は彼女と楽しい時間を過ごした。

シーン9 ルイズ・マーガレット(PC3)
君は、ハーベストから離れて、電車で数駅走り、ルイズ・マーガレットのアトリエに向かった。
ルイズマーガレットは、教科書に載っている肖像画では、20代後半くらいの女性で、清楚な淑女といった面立ちだった。
自然の中に、目立って立つ、不思議な形の木造建築がそれだった。
ぱっと見、教会のような作りにも見える。
君が玄関をノックすると、「誰ー?」と小さな女の子の声が聞こえてきた。
「はい、何の用?」
少し不機嫌そうに、ドアを開けたのは、身長120cmくらいの小さな少女だった。
「私だけど」
「私、私がルイズマーガレットよ。」
「なによ。ただ姿を固定してるだけじゃない。ドロシーやカントと同じよ」
「で、何の用?私、執筆で忙しいんだけど」
「・・・ああ、私がドロシーに頼んだ奴隷ね。あなたがそれ?」
「なら、早く入りなさい。そこ、空いてるとこに座って」
少女は淡々と言葉を吐く。魔法でさっと紅茶を入れ、お菓子の乗ったティースタンドを用意する。そしてそれを自分の前に置き、豪華なソファーにぼすっと座る。
「ああ、ごめんなさい。私、落ち着いて話したいときは紅茶を飲む主義なの」
「本題に入るけどいいかしら?」
「そういえばあなた、名前をまだ名乗ってないわね。早く名乗りなさい」
「ふーん、つまんない名前。下僕って呼んでもいいかしら」
「冗談に決まってるでしょ。PC3。単刀直入に言うけど、あなたに私から命令よ」
「私のアトリエにあった、魔導書が盗まれたの」
「タイトルは、『焔の女』。赤い詩集よ。」
「それを、探して、取り戻してほしいの」
「というか、早く取り戻さないとまずいのよ・・・」
「本には特殊な魔法がかかっているの。人の記憶を、書き換えることができる。」
「こんな魔本が悪い魔法使いの手に渡ってしまえば、一瞬で悪用されてしまう」
「知らないの?私は、プロの魔導書作家よ、私が書く魔本は勝手にそうなるの」
「最近巷で噂になってる、コレクションみたいなものよ。現代の魔法学じゃ解明できない。だから私は伝説の八大魔法使いなの。」
「ともかく、人の記憶を自由に書き換えられる魔本なんて、封印して当然の代物だったんだけど・・・」
「何故か、その封印が無理やり壊されていたの。私がかけたものだから、そんじょそこらの一般人にはできないはずなのに」
「そうね・・・壊せそうなのは・・・私と同じ八大魔法使いか、七つの大罪。もしくはそのレベルの魔法使いよ。」
「まぁ。ということだからさっさと取り戻してきなさい。」
「七つの大罪っていっても、今は所詮封印された欠片の残留思念でしかない。あなたたち学生でも束になればギリいけるでしょ」
「まぁ、最悪、あなたが何か事件に巻き込まれて戻ってこれなくなったらちゃんと助けてあげるわ。」
「じゃあ、最初に言った通り、私は新作書くのに忙しいから。」
そういって、彼女はデスクに座って執筆を始めてしまった。

シーン10 スピカ(PC全員)
ある日、君が目覚めると、頭に激痛が走る。
そして、不思議なことに、君には、昨日の記憶がまったくない。
どこに居て、何をしていたのか、まったく覚えていない。
君が覚えているのは、一昨日の授業の内容、スピカとのデート・・・それ以前のことは全て思い出せる。
君は、ともかく、ハーベストに行き、いつも通り授業を受けようとした。
今日の最初の授業は、ドロシー・フロム・オズによる、魔法決闘ダブルス演習の講義だ。
「はーい。みんなおはよー!今日も一日、がんばるぞい!」
「じゃあさっそく、いつものペアに分かれてー!」
そこで君は異変に気付く、いつも、スピカと共に参加する講義に、スピカがいない。
そして、不思議に思っている君の隣に一人の少女が立つ。
「今日もよろしくお願いします。PC1さん。」
君の目の前に、見たことのない、黒髪に黒縁眼鏡の少女が立っていた。
PC2、PC3の記憶の中では、シーン1の中で、PC1と組んでいたのは、圷沙羅になっている。
「私ですよ。圷沙羅。PC1さん、どうしたんですか?」
「スピカ・・・って、誰ですか?」
PC1が困惑していると、そこにドロシーがやってくる。
「どしたのー?PC1くん。なんか変な顔してるよ?」
「学長になんでも相談して?私なら、学生のどんな悩みでも解決しちゃうよー!」
「・・・スピカちゃん?だれのこと?」
「え、え、でも、私、全部の学生の名前は記憶してるよ。自信あるもん。そのスピカちゃんって子、ハーベストの学生じゃないよね?」
君以外誰も、スピカのことを、覚えている者はいなかった。

シーン11 告白(PC2)
君は、ハーベストから人が少なくなり始める夕方ごろ、沙羅に呼び出され、校舎裏に来ていた。
「あ・・・あの、突然呼び出してごめんなさい。」
「で、でも、どうしても、PC2さんに伝えたいことがあるんです・・・」
「あの・・・あの・・・」
「え、えっと・・・は、はずかしくて、顔から火がでちゃいそうです・・・」
彼女はゆっくりと深呼吸して、君のことを見つめる。
「私、PC2さんが好き。もっとPC2さんのことを知りたい。触れたい。いっぱい私のこと、考えてほしいです。PC2さんを・・・独り占めしたいです。」
「ふぅ・・・言えた・・・けど、えへへ・・・やっぱり、照れちゃって顔見れないですね・・・」
そういって沙羅は顔を隠すように手を組む。
「えと・・・わたしじゃ・・・ダメですか・・・?」
「え・・・ほんと・・・ですか・・・?嬉しい・・・っ!」
沙羅が、突然PC2のことをぎゅっと抱きしめる。
「あの・・・このあとって・・・どうするんでしょう・・・?」
「えへへ・・・しばらく、このままでいさせてください・・・♪」

シーン12 犯人(PC3)
君は、ハーベストの中でいろいろと自分なりに調査をしてみたが、「焔の女」に関する情報は何一つ見つからなかった。
君がハーベストで黄昏ていると、急に後ろから背中を押される。
「何をしてるのよ。この私があなたに頼んだのよ?ちゃんと働きなさい。」
「それとも、本当に下僕って呼ばれたいのかしら?」
「忙しかったけど、あいつに呼ばれたのよ。」
そういって、ハーベストのお城のようになっている建物の一番上、学長室を指す。
「さぁ、行くわよ。PC3。だいたい話の内容は予想できるから、貴方も来たほうがいいわ。ほら、早く。」
ドロシーの部屋の前に着くと、彼女はノックもせずに扉を開けた。
するとそこには、ブランケットを目いっぱい身にまとうドロシーがいた。
「みてみて!怪人ブランケット!アニメでみたの!最近流行りなんだって!!」
「はぁ・・・久しぶりだけど相変わらずね、ドロシー」
「ルイズも変わりないねぇ。相変わらずクールで毒舌。あと貧乳。」
「黙りなさい。それより本題に入るわよ。そのために下僕も連れてきたんだから」
「あ、PC3くん、座って座ってー」
ブランケットを被ったままのそのそと動くドロシー
どこから出したのかアフタヌーンティーの準備を始めるルイズ
「そろそろ出たんでしょ?」
「出たんだよ・・・まいた菜穂先生のちゃおコミックス!12歳。の最新巻が!!きゅんきゅんだよね!!」
「・・・」
ルイズは紅茶を一口飲むと、無言でドロシーを睨みつける。
「・・・ご、ごめんなさい」
「冗談いう余裕があるなら、大丈夫そうね。帰るわ私。」
「まってまって!ルイズの言う通りだから!ほんとに出てるのー!!」
「・・・最近、校内で七つの大罪の気配を感じるの」
「たぶんこれは・・・」
「「アスモデウス」」
「おー。ルイズ、どうしてわかったの?」
「私のアトリエへの侵入経路、封印の解き方、使われたマナの残滓から。大罪の奴ら、個性的すぎてそのへんわかりやすいのよね」
「PC3は、アスモデウスのことは知ってる?」
「アスモデウス。七つの大罪の色欲の大罪を司る悪魔よ。生物の精神を入れ替える能力を持つの。あと、魔界大戦以後、ドロシーの身体をのっとることに執着してるわ。」
「ほんときもちわるい・・・きえてほしい・・・」
ドロシーがブランケットの中に隠れる。
「とはいっても、アスモデウスがドロシーの身体を乗っ取ることはほぼ不可能じゃない。貴方には星空色の翼があるんだから。」
「あの翼があれば、全ての魔法・物理攻撃・精神攻撃は効かないんでしょう?」
「そりゃそうだけどさぁ・・・何考えてるかわかんないんだもん・・・PC3くん。私のこと、ちゃんと守ってね・・・?」
「PC3、とにかく、アスモデウスがハーベストに絡んできてることは間違いないわ。普段以上に、変わったことや、カース事件には注意して。そうすれば、きっと私の本もすぐに見つかるはずよ。」

シーン13 幻影(PC1)
君は、一人、帰り路を歩いていた。
あれから君はスピカを知っている人に出会えなかった。
「・・・PC1くん。PC1くん!」
君は、スピカの声が聞こえた。
「私、ここにいるよ。ここに・・・」
「ここにいるから、私のこと忘れないで・・・!」
すると、少しずつ、君の目の前に、スピカの姿が薄っすらと浮かび上がる。
「あいたい・・・会いたいよ・・・PC1くん・・・」
スピカに呼びかけると、ふと目の前にいるのが、スピカではなく、圷沙羅であることに気付く。
「・・・え?PC1さんどうしたんですか?」
「今、私のこと、スピカって・・・」
「そういえば、さっきもスピカって、言ってましたよね?どなたなんですか?」
スピカの姿は、君の視界から消えてしまっていた。

シーン14 噂話(PC2)
君は、講義が始まるまでの間、友人と雑談をしていた。
そこに、同じ学科の知り合いのチャラ目の男の子が声をかけてくる。
「なぁ、PC2。ちょっと聞いたんだけどさ」
「お前って、圷さんと付き合ってるって、マジ?」
「マジで?最近仲良いって噂すごかったから、やっぱ付き合ってんのな」
「でも、これだけはお前の為に言っとくけど、正直耳が痛いかもしんないけどよく聞けよ?圷は、やめとけ。」
「あいつ、他に付き合ってる奴がいるって噂があるんだよ。二股だよ二股。」
「それに結構いろんな男に声かけてるとか・・・すぐ家に連れ込むとか・・・まぁ確かに美少女だから誰だってその気になるかもしんないけどな」
「さぁ、まぁあくまで噂だからどこまで信じるかはお前次第だけどさ。」
「もし気になるなら、本人に聞いてみればいいんじゃねーかな。圷には聞けないだろうけど。」
「圷沙羅の彼氏、〇〇学科のPC1って奴だって聞いたぜ。」
すると、君の友人もそれに付け加えるように話す。
「あー。確かに同じ授業で見たことあるけど、仲良さげだったな。ペア組んでるし。おいおい、PC2大丈夫か?あの女に遊ばれてないか?」

シーン15 不審な事件(PC3)
君は、カース事件について話を聞こうと、イマヌエル=カントの元にやってきた。
「こんにちは、どうぞ座ってくれ」
「それで、学長から少し話は聞いているが・・・ルイズさんの本が盗まれたんだって?」
「詳しく話を聞かせてもらってもいいかな?」
「・・・ふむ。そうか、少し待っていてくれ」
カント先生はパソコンを触り、何かを魔法で印刷し始めた。
「ここ数日のカース感染に関する被害リストだ。」
「この中に少し、気になっているものがあってね・・・」
「ああ、ここだ。同じような不審な事件が連発しているんだ。まだ調査中で、解決していない。」
「共通点として、感染者は皆、二次感染者であること。一次感染者が見つからないから、どうしてもクリーチャーの特定まで行けていない。調査が難航しているんだ。」
「そして、感染者の誰もが、誰かの名前を叫んでいる。」
「その叫ばれている名前は、人それぞれ異なっていて、かつ、感染者の近辺にはそのような名前の人間はいないケースが多くてね。調査も非常に難航している。」
「そして、もう一つ、最も調査が進まない理由がある。」
「そのリストを見ていて、何か気付かないかな?」
よく見ると、リストの中の感染者の名前と、報告者の名前に、同じものがある。
「この事件を調査している人間が、少しずつ感染していっている。」
「これには、何らかの実力者の意図を感じざるを得ない。学長とルイズさんの言う通り、恐らくは、七つの大罪」
「ここまで来ると、正直、手詰まりに近い困難事例だ。手がかりそのものはあるんだが・・・」
「君は、ここに来たということは、この事件を調査しようとしていたということだろう。だが、先ほども言った通り、この事件は非常に難解で、調査者が危険に晒される可能性が高い。・・・それでもこの事件を調べてみようという覚悟が、君にはあるかい?」
「そうか、それなら、一つだけ手がかりを君に教えよう。」
「・・・この少女だ。」
カントから提示されたのは、圷沙羅の写真だった。
「調査者を含め、感染したものが皆、彼女と接触している。」
「それも、ほとんどが恋人関係にあったらしい。」
「くれぐれも気をつけて、彼女について調べてみてくれ。もし君も感染してしまったなら、そのときが私が行く。」

シーン16 修羅場(PC全員)
君たちは、ドロシー・フロム・オズによる、魔法決闘ダブルス演習の講義に参加していた。
「はーい。今日は、ハーベストじゃなくて、黒き森で探索も兼ねた演習だよ。二人一組で、自由に行動していいからね。もしクリーチャーに襲われそうになったら、二人のコンビネーションで撃退してね!じゃあ、まずは広がって準備体操ね~」
相変わらず、PC1のペアは沙羅だ。
「あ、PC1さん。準備体操しましょう。」
「・・・どうしたんですか?私の顔に何かついてますか?」
「それより、準備体操しましょ?私の背中ぐーって押してください」
「あっ・・・痛い・・・もう少し優しくしてください・・・」

PC2が何か絡みに行きたければいってよい。ただし、そこに行く前に、一人の男子生徒がPC1の元に行く。
「おい、PC1。お前さ・・・沙羅と付き合ってるって、本当か?」
「とぼけんなよ。お前と沙羅が仲良くデートしてるとこ見たって奴がいるんだよ。」
「どうせお前が沙羅を無理やり誘ったんだろ?人の彼女に手出そうとするとか、最低だな、お前」
すると、別の男子がそこに来る。
「待ってよ。沙羅さんはボクと付き合ってるんだからな。ねぇ、そうでしょ沙羅さん!」
「何を申すか!沙羅殿は拙者の恋人にござる!」
「はぁ・・・お前ら見苦しいな。ほら、沙羅、こっちにおいで」
沙羅は、男子の方を見回して言う。
「・・・ごめんなさい。私、皆さんからの好意が嬉しくて・・・断ることができなくて・・・でも、ここでちゃんと、はっきりと言います。私が本当に好きなのは、たった一人だけなんです。」
沙羅は、ちらっとPC1の方を見る。
「ね、PC1さん。行きましょう?」
「そんな・・・俺とは遊びだったのか・・・沙羅・・・」
と、崩れ落ちる男子たちを横目に、PC1は沙羅に半ば無理やり連れていかれる。
PC1と沙羅は、少し離れた森の奥に行く。他のPCはついてきてよい。
「・・・ふぅ、ごめんなさい。」
「皆さん、私のこと好きって言ってくれて嬉しいんですけど・・・私、付き合うって言ったつもりはないんですよね・・・」
「ああ、私が好きなのは、PC1さんじゃないですよ。安心してください。ただ、あの場から離れてしまいたくて・・・」
「それに、PC1さんが好きなのは、スピカさんなんでしょう?」
「私、実は、PC1さんのこと、ちょっといいなって思ってたんです。優しくて、かっこよくて・・・ペアになれてよかったって正直思いました。」
「でも、スピカって人のことが好きなんだなって、すぐわかりました。恋してる人って、なんかキラキラして見えるんです。・・・だから、スピカさんのこと、大切にしてあげてくださいね?素敵なPC1さんなら、きっとできますから。」
そう話している沙羅の背後に狼型のクリーチャー、ウェアウルフが突然現れる。
「きゃ・・・きゃああああっ!わ・・・わたし・・・やだ・・・!やめて!こないで!!」
PC1がそれを助けようとした直前、PC1と沙羅の間を割って入るように、また別のウェアウルフが飛び込んでくる。
「やだ・・・やだっ!こないで!こわい・・・!いやあああああ!!」
尋常じゃなく、涙を零しながら叫ぶ沙羅。PC2は、沙羅を助けるロールプレイをすること。
「・・・PC2・・・さん・・・」
<中間戦闘:ウェアウルフ×2>

ウェアウルフを倒したPC2に、急に沙羅が抱き着く。

「・・・あ・・・はぁ・・・はぁ・・・助けてくれて・・・ありが・・・と・・・」
「あ、えっと・・・違いますごめんなさい。ありがとうございます、PC2さんっ」
急に笑顔を作ったような顔で、沙羅はPC2のことを見つめる。
「ちょっと、びっくりして腰が抜けちゃって・・・あはは。私、クリーチャーが怖いんです。もしよかったら、PC2さんも、PC3さんも、私たちと一緒に行ってくれませんか?なんて・・・えへへ。だめですか?」

シーン17 情報収集(PC全員)
1.スピカについて
スピカという学生は、ハーベストに所属していない。それどころか、スピカという人間がこの世界に生きていたことを証明することができるものが何も存在しない。PC1は、現在、スピカの声や姿を幻視する機会が増えてきている。(それは沙羅に重なったものと限ったわけではない。)
2.圷沙羅について
美少女。ハーベストの中に、圷沙羅と付き合っていると話す男子生徒が、ここ数か月で非常に増えている。特に、カース事件の感染者は、皆、圷沙羅と付き合っていたと周りの人間が証言している。そして何故か、圷沙羅と付き合っていると話していた男子たちは、どういうわけか、自分が圷沙羅と付き合っていたという記憶を忘れている。なお、圷沙羅は、しばらくハーベストに登校してこなくなった。。
3.カース事件について
感染者が叫んでいる名前の人間は、感染者の周りには存在せず、ほとんどがハーベストの中に同姓同名の学生が存在しないパターンであった。ほとんどが男性が感染しており、女性によくある名前を叫んだり呼んだりしている。感染者のほとんど全員が圷沙羅と恋人関係にあったと証言されており、彼らは彼女が住んでいるという『屋敷』に誘われた後に事件を起こしているとの情報があった。また、このカース事件から検出されたカースは、アスモデウスのカースであると判明した。
4.アスモデウスについて
七つの大罪の一人、色欲を司る悪魔。七つの大罪は、ドロシーによって封印された欠片では、不安定なため、器となる生物を探すことが多い。アスモデウスは、強大な魔力を秘めるドロシーに執着しており、彼女の身体を手に入れることを目的としている。また、アスモデウスのカースは、「好きな人と恋愛がしたい」というものである。

シーン18 桃色の影(PC全員)
沙羅の屋敷は、黒き森の比較的安全なエリアにあるそうで、そこに向かおうとすると、道中、君たちは空に浮かぶ大きな箒に乗った、とんがり帽子に黒いローブの少女、ドロシーフロムオズが見える。
「あれ。みんな。どうしたの?」
「沙羅ちゃんのおうち?あ、私知ってるから道案内してあげるよー!」
「でも、何しにいくの?」
「そんなことがあったんだ!でももう安心だねっ!だって、私もついてくんだから、例えどんなクリーチャーが出てきても、敵なしだよ~」
君たちは、ドロシーと一緒に行くことになる。

シーン19 クルドサック:黒き森(PC全員)
1.闇の植物
解除方法 ルクス、フォース、エクスプロード
ペナルティ 5点のダメージ
2.森火事
解除方法 オペレイトスライムのみ
ペナルティ バッドステータス:火傷レベル5
3.集中豪雨
解除方法 フォース、ブリンガー、オペレイトスライム
ペナルティ バッドステータス:衰弱レベル2

シーン20 スピカの輝き(PC全員)
君たちが屋敷に向かって歩いていると、PC1に、スピカの声が聞こえる。
「ここ・・・ここだよ!PC1くん・・・っ!会いたい・・・触れたい・・・感じたい・・・!」
「わたしのこと・・・わたしの名前・・・呼んでっ・・・!」
スピカの名前を呼ぶと、君の目の前に、スピカの姿がはっきりと現れる。
その姿は、PC2にも、PC3にも、はっきりと見える。
君がそのスピカに触れようとすると、スピカの姿は、光の粒のように消えてしまう。
「・・・今の、何?」
ドロシーがそう呟く。

◆クライマックスフェイズ
シーン21 沙羅の真実(PC全員)
君たちは、沙羅の屋敷につく。すると、その屋敷の中から、沙羅が現れる。
「・・・あれ?どうしたんですか?皆さん。」
「・・・何か、私に聞きたいことでもあるんですか?」

「・・・いやぁ、沙羅ちゃん。実はさぁ」
「この子たち、どうやら入りこみすぎちゃったみたいなんだよね」
ドロシーがふわりと浮かんで、沙羅の方へ飛んでいく。
「だから、消しちゃって。記憶。」
「・・・はい。仰せのままに。」
沙羅は突然懐から本を取り出す。『焔の女』と書かれた赤い本を。
「安心してください。全部の記憶を消すわけじゃありませんから。それに・・・」
「PC1さん。貴方には、スピカと幸せになってもらわないといけませんから」
「ほら、早く、消しちゃってよ。沙羅ちゃん♪」
「・・・」
沙羅が口を開く、しかし、何も起こらない。
「・・・どうしたの?沙羅ちゃん?まさか・・・」
ドロシーが何かを言おうとしたとき、君たちの後ろから、もう一人『ドロシー・フロム・オズ』が現れる。
「・・・私の生徒に何してるのよ。アスモデウス!!」
ドロシーは、震える身体を抑えながら、普段聞くようなことのない声で叫ぶ。
「あはっ♪バレちゃった。」
そういうと、ドロシーの姿をしていた少女が、とんがり帽子を脱ぎすてた。
「皆、あれは、私じゃないよ。私の姿をした、七つの大罪。アスモデウス。」
「まぁいいか、どうせ記憶は消すんだし」
「ほら、沙羅ちゃん、早く」
「・・・」
沙羅は、黙ったまま、身体が動かないでいる。
「・・・沙羅ちゃん、お父さんとお母さん。殺しちゃうよ?」
アスモデウスがそう言うと、沙羅は、口を開く。
「・・・嫌だ・・・嫌だ嫌だ嫌だ!!お母さんもお父さんも、私が助けるの!!」
「ちゃんとあなたの言うことを聞くから!だから!」
「なら、早くその詩を読んで、彼らの記憶を消してみてよ。」
「・・・できない・・・なんで、なんで、なんでなんでなんで!!なんでなの!!」
涙を流しながら叫ぶ沙羅。
「・・・あの子、カースに感染してる。身体から、カースが溢れてきてる・・・」
「なんで?・・・やっぱり沙羅ちゃん。発症しちゃったんだ。あははっ♪」
「誰かのこと・・・本気で好きになっちゃったんだ?ダメじゃんか。恋を知らないキミだったからこそ、今まで私のカースが感染しても、発症はしなかったのに。」
「何が目的なの・・・アスモデウス!」
「貴方に決まってるじゃない。ドロシー。私は貴方が欲しいの」
「そのために、沙羅ちゃんを使って、今、私は、大切な器を育てている最中なの。もうそろそろだと思うけど・・・」
そういうと、アスモデウスはチラりとPC1の方を見て、近づく。
「ダメ!!逃げて!!!」
沙羅が叫ぶと、ほぼ同時に、ドロシーが、叫ぶ。
「アスタリスク!」
PCたち全員と、沙羅は、魔法陣でどこかへと転送されていった。
「あーあ。逃がしちゃった。恐怖で頭がいっぱいのはずなのに、私の前でよくあんな魔法使えるなぁ。ドロシー。」

シーン22 スピカの真実
ドロシーとPCたちと沙羅は、教会のような場所に飛ばされた。
「はぁ・・・ごめんね、恐怖で上手く魔法がコントロールできないの。そんなに遠くには飛べてないかも・・・あいつの目的もわからなかったし・・・これからどうしよう。」
「私が全部話すわ。」
沙羅が君たちに向かって話す。
「私は、現実世界から魔導次元に来たの」
「でもその時、お母さんとお父さんが、クリーチャーの魔法によって、姿を虫に変えられてしまった。そこに、アスモデウスが現れて、お父さんとお母さんを助けたければ、私に協力しなさい、と言ってきた。だから、私は必死であの人に協力していた。」
「あの人の目的は、ドロシー、あなたの身体の支配。」
「ただし、あの人、アスモデウスは言っていたわ。あなたの精神は、どんな魔法でも外部から操作できないって。」
「そこで、思いついたらしいの。ドロシーの精神を、内側から支配する方法を」
「パラレルリンカーって、知ってるかしら。ごく希少にしか現れない、ある次元と別の次元を自由に行き来することができる存在よ。例えば、ゲートを通らずに現実世界と魔導次元を行き来したり、第四次元と呼ばれる別の世界と行き来したりすることができる。」
「彼女はその作用に着目したわ。精神の中を世界と定義するならば、人の精神世界と現実世界を行き来することができる存在が作れるんじゃないかって」
「そこで、彼女は、精神世界に架空の人格を作り、それを自分のカースで実体化することを思いついた」
「その1つが、スピカ。そして、スピカは唯一の成功例なの」
「私は、ハーベストで、人と恋愛するのを繰り返す。そして、この本を使って、『私と付き合っていた記憶』を、全て『架空の存在』、『その人の理想像』と付き合っていた記憶に書き換えるの。」
「貴方の場合は、スピカがそれだった。そして、案の定、貴方は記憶を書き換えられた後、貴方の『理想の少女』であるスピカに会いたいという気持ちから、カースに感染し、発症している。」
「そのカースが今、貴方の精神世界にいるスピカを、はじめは幻覚として、でも今は確実に実体として、この世界に表現しているの。そうすると、スピカは精神世界にも現実世界にも存在する人格。つまり、パラレルリンカーとして覚醒する。」
「そして、そのスピカをアスモデウスが器として乗っ取ることで、スピカのパラレルリンカーの力で、ドロシーの精神に内側から侵入し、内側から精神を支配する。それがアスモデウスの目的」
「そして私は・・・そのために、人との恋愛を繰り返して・・・様々な架空の人格を作ろうとしてきた・・・何か不都合があったときは、この本で誰かの記憶を消して・・・」
「・・・でも、今の私は・・・カースを発症してしまった。」
沙羅が、PC2の方に向き直る。
「貴方のことを、本気で好きになってしまった」
「だから、カースのせいで、お母さんやお父さんより、あなたのことを優先して・・・ほんとは、嫌なのに。お母さんもお父さんも助けるためにここまでやってきたのに・・・どうして・・・どうして貴方のことなんか・・・っ」
「どうして、なんで私は、あなたの記憶を消せなかったのよ・・・っ!」
「あなたも同じように、私以外の人を好きになった記憶だけ残して、私のこと、忘れてしまう。ただそれだけなのに・・・!」
「なんで・・・なんでこんなに苦しいの・・・苦しいよ・・・助けて・・・PC2・・・っ」
PCたちが、一通り喋った後。
突然教会のステンドグラスが割れ、ドロシーの姿をしたアスモデウスが降ってくる。
「PC1も沙羅ちゃんも・・・私のカースに感染してるんだよ?居場所なんてすぐにわかる。」
「さぁ、PC1くん。あなたの中の、スピカを私にちょうだいっ♪」
そういうと、アスモデウスが一気にPC1の中に入りこむ。

シーン23 虚構が消えるとき(PC全員)
PC1は、見知らぬ白い空間にいた。
目の前には、スピカが立っている。
「PC1くん・・・」
「・・・ごめんね。わたしのことなんて・・・好きになれないよね」
「だって、私は、所詮、存在しない存在。ただの虚構でしかないから・・・」
「幻滅・・・したよね・・・」
泣きそうな顔で、必死に笑顔を作りながら、君に微笑むスピカ。
「・・・どうして」
「どうして・・・こんなわたしでも・・・好きでいてくれるの?」
「わたし、PC1くんのこと好きでいていいの?」
「好きになってもらっても・・・いいの?」
「PC1くんのこと・・・もっと・・・」
「知りたい・・・触れたい・・・感じたい・・・」
「わたしは・・・PC1くんが、好き・・・」
「大好きだよ・・・」
そういった彼女の身体に、アスモデウスが後ろから魔法でできた剣を突き刺す。
「・・・ぁ・・・っ・・・PC1・・・くん・・・っ・・・」
「残念だけど、貴方は、幸せにはなれない」
「だって、元々は私のために作られたんだから」
「さよなら、スピカちゃん。」
スピカの身体は、光の粒となって、宙へと消えていく。
「PC1くん・・・わたしのこと、好きになってくれて・・・ありがとう」
「君がいたから・・・わたし・・・わたしは・・・」

シーン24 そのとき生まれたときめき(PC全員)
眩い光が産まれたかと思うと、アスモデウスは、PC1の隣に、スピカの姿で立っていた。
「あはっ。やった。ようやく完成した。これがパラレルリンカーの器かぁ」
「さて、ドロシー。あなたの身体を貰うからね。大丈夫。優しくしてあげるからっ!」
「や・・・やだっ!きもちわるいっ!こないで!!こないで!!」
そういって、アスモデウスのスピカの身体は、ノイズが入ったかのように消えた。
そして、次の瞬間には、ドロシーの身体が、どくんと跳ねた。
「・・・はぁ・・・っ・・・これがドロシーの身体・・・すごく気持ちいい・・・」
「あはっ。手に入れた、私はドロシーを手に入れたんだ!あははっ♪」
ドロシー、いや、アスモデウスが、君たちに滲みよる。
「・・・さて・・・まずは・・・」
「ねぇ、沙羅ちゃん。」
沙羅がびくんと反応し、PC2の後ろに隠れる。
「・・・貴方は、私との契約に背いて、PC2のことを好きになってしまった。」
「だから・・・もうこれ、要らないよね」
アスモデウスは、魔法を発動したかと思うと、異空間から、小瓶のようなものを取り出す。
その小瓶の中には、小さな虫が2匹飛んでいた。
「・・・ダメ!!やだっ!お母さん!!お父さん!!やめてっっ!!」
「やーだ。止めてあげない。光栄に思いなさい。最初にこの身体の魔力を試すのに、貴方の両親を灰にしてあげる」
そういうと、アスモデウスから、大量のマナが噴き出る。
「やだっ・・・やだよ!やめて・・・やめて!!いやああああああ!!!」
かと思うと、突然マナの供給が止まる。

<このあたりでStellariumを流すと綺麗になります>

「・・・っ・・・な、何・・・だれ・・・っ?私の中に・・・」
「ドロシーね。ドロシーが邪魔して・・・無駄よドロシー。貴方の精神は私の籠の中。すぐに抑え込んであげる・・・」
「っ・・・!?な・・・違う・・・これ・・・は・・・だれ・・・?この感情はいったい・・・っ?」
スピカの声が聞こえてくる。
「・・・PC1。私には、夢があるの。どうしても叶えたい夢が」
「貴方を守れるくらい、強くなりたい」
「だから、待ってて。PC1くん。」
「・・・デモンズタイム。」
突然、アスモデウスが頭を押さえて苦しみだしたかと思うと、眩い光が彼女を包み込んだ。
そして、そこから、『スピカ』が分離した。実体として、アスモデウスの前に立っている。
ただし、髪が普段の彼女と比べて非常に長く、眩いオーラを身にまとっている。
「・・・会いに来たよ。PC1くん。」
PC1の方を見て、見慣れた眩しいほどの笑顔で微笑むスピカ。
「そんなっ・・・私の意思を、虚構の存在が上回ったっていうの・・・?そんなこと・・・ありえない!!」
「・・・ふん、でも、貴方一人が抜け出してきたところで、ドロシーは私のものなんだから!」
またアスモデウスは、大量のマナを溢れさせようとする。
「嫌っ!やめて!お母さん!お父さん!!」
そこに沙羅が飛び込もうとする。
マナが弾けようとした瞬間、アスモデウスに向けて、スピカが手を掲げる。
「無駄よ」
小瓶を、眩い光が包み込む。
「・・・なにをしたの・・・っ!?」
「貴方の能力は、もうわたしが奪ったから。」
「・・・小瓶の中の、二人の意識は、元の身体に戻したわ」
「な・・・なんですって・・・!そんな・・・本当に・・・」
沙羅は、スピカに向かって涙を流す。
「あ・・・ありがと・・・う・・・」
スピカは、沙羅に笑顔を向ける。
そして、PC1の方を向き直る。
「ねぇ、PC1くん。わたし・・・キミを守れるくらい、強くなれたかな」
「わたしは・・・それを証明したい」
「・・・いっしょに、たたかってくれないかな?」
アスモデウスは、激高して小瓶を叩きつける。
「あーもうっ!ドロシーはわたしのものなんだから!!貴方たちなんかには止められない!この溺れるくらいの魔力で、貴方たちをぶち殺す!!」
<最終戦闘:アスモデウス・シールドドロシー>
※なお、この戦闘には、セカンドレイヤーが存在し、セカンドレイヤーのPC側初期配置3×3マスの真ん中のマスにスピカが存在する。スピカは、PC側の味方として戦闘を行う。

◆エンディングフェイズ
シーン25 さよなら(PC全員)
戦闘終了後、アスモデウスは、ドロシーの身体から分離して、欠片となる。
「私が・・・負けるなんて・・・」
「でも、ドロシーの身体を一度でも味わえた。また必ず、ドロシーを手に入れてみせるわ。」
欠片は砕かれ、アスモデウスの魂は、どこかへと消え去っていった。
「・・・終わったね」
「ねぇ、私、PC1くんより、強くなれてたかな」
「・・・ふふっ、じゃあ、夢、叶っちゃった」
「よかった、最後に夢が叶えられて」
「ねぇ・・・PC1くん。夢を叶えられたお祝いをして欲しいの。」
「・・・私を、殺して。」
「・・・私、アスモデウスから分離するときに、彼女の力の半分を奪ったの」
「私も、もう、アスモデウスの一部のようなもの」
「だから・・・私も、消えないと、アスモデウスのカース事件は解決しないから」
「カースに感染した人は、治らなかったら、2、3年で、死んじゃうんだって」
「・・・私、PC1くんに、生きててほしいんだ」
「だから、私をころして。」
「大好きだよ。PC1くん。ありがとう。」
後の演出は自由に行ってください。

シーン26 PC3エンディング(PC3)
各自で行ってください。
想定はドロシー・フロム・オズと話すシーン。

シーン27 PC2エンディング(PC2)
各自で行ってください。
想定は、沙羅と話すシーン。

シーン28 運命の再会(PC1)
PC1は、あの事件の次の日、君はいつも通り、ハーベストに通った。
通学で空を飛んでいた途中、突然、後ろから声が聞こえる。
「あ、ごめんなさいごめんなさい!どいてー!!」
君は、後ろを振り返ったときには、箒に乗って、急スピードで突っ込んできた少女にぶつかってしまう。
「いたた・・・ご、ごめんなさい!」
茶髪のショートで、赤いシルクハットを被った女の子。君は、彼女に見覚えがある。
「あ、PC1くん!おはようー!!」
「・・・え?どうしたの?そんな不思議な顔して・・・」
「え!消えてなんかないよ!!あのとき、ハグして、キスして、これからも一緒にいようねってプロポーズみたいな約束したのに、忘れちゃったの!?」
「ふふっ、まぁとにかく行こうよ。早くいかないと、授業送れちゃうよ。」
「今日から、私、ハーベストに正式に入学するから。そして、PC1くんの授業のペアの座を沙羅ちゃんから奪還するの!」
「これからよろしくね。PC1くん。」
桜の木をバックに、彼女は笑顔で君に振り向いた。

シーン29 黒幕(マスターシーン)
ルイズのアトリエにルイズともう一人、一人の少女がいる。
部屋の電気はついていないが、外の月明かりが、部屋の中を眩く照らしている。
ルイズの手には、アスモデウスの欠片が握られている。
「・・・貴方の作戦通りよ。いい物を視させてもらったわ。小鳥。」
「・・・いえ、ご協力、ありがとうございました。ルイズ。」
「にしても、手の込んだ作戦だったわ。貴方のお願いだからやってあげたのよ。」
「ふふっ。でも、完璧ですよ。最後、彼らの記憶も、変えたんでしょう?」
「ええ、アスモデウスの欠片は、破壊された。その記憶を植え付けたの。この本で。ドロシーだけは記憶を変えられないけれど、まぁ特に問題はないでしょう。でも、カース事件はどうするつもり?」
「あれ、知らないんですか?七つの大罪の欠片を身体に取り込むと、そのカースだけは自由に制御できるんです。」
「ああ・・・そういえばそんなことアスタロトもやってたわ。・・・じゃあ、あとはお望み通り、貴方に、このアスモデウスの力をあげる。」
そういって、アスモデウスの欠片が渡される。
彼女は、手に持ったペスト仮面の裏面に空いた穴に、その欠片を埋め込み、仮面をつける。
「・・・ふふっ。これでまた一歩、夢に近づけました。」

◆エネミーデータ
「ウェアウルフ」
主体属性:風・闇 クラス:クリーチャー 大魔法:なし
能力値「アクション:5」「リアクション:3」「リベラル:3」
特技「変身!」消費TP2 A/R 発動タイミングダイス数+1
「月への咆哮」 消費TP0 R 自分のTPを全回復する。
「棘のような毛皮」 消費TP3 R この特技使用後、発動タイミングを行う代わりに、リアクションマジック値だけのダイスを振り、その合計値を防御力とする。
攻4 防0 HP25 TP15 SS7 移動1
魔法「オリジン」「カース」
「ファイアボール」火1闇1
攻撃力+2、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル1を与える。
「デモンズサーキット」風1闇1
攻撃力+1、さらに自分にグッドステータス:俊足レベル1を与える。
+火 サーキットブレイカー
自分にグッドステータス:会心レベル1を与える
「アンビシャス」呪2
攻撃力+3、さらに対象は次のアクションフェイズで、移動タイミングを行えない。
「アクセルブースト」火2風1
別のオブジェクトに衝突するまで前方向に移動する。この魔法の効果で移動したマスの数×2点だけ、自分が衝突したオブジェクトにダメージを与える。また、この魔法の発動中、自分は衝突によるダメージを受けない。
+闇 ブレイクスルー
「アクセルブースト」の衝突のダメージに、「アクセルブースト」の効果で移動したマス×3を追加する。
「グラウンドゼロ」闇3
攻撃力+6、さらに自分にグッドステータス:覚醒レベル2を与える。
「ヘルブラスト」闇2火1
攻撃力+9、さらに攻撃範囲を前方1マスに固定する。
+地 レストインピース
攻撃範囲を地形:重力場レベル1に変更する。さらに、バッドステータス:怨嗟レベル1を与える。
「インフェルノドライブ」火1水1闇1
攻撃力+4、さらに対象にバッドステータス:火傷レベル2を与え、自分にグッドステータス:興奮レベル2を与える。
「ダークネスグレイズ」風1地1闇1
攻撃力+3、さらに対象を別のオブジェクトに衝突するまで前方向に移動させる。また、この発動タイミングの終了時、戦闘空間の一番前の横列のマスにいるオブジェクトに6点のダメージを与える。
「イクスティンクション」呪1火1闇1
攻撃力+5、さらに攻撃範囲を自分の前方1マスに固定し、対象の防御力を無視してダメージ計算を行う。
「インフェルノストライク」闇3火1
攻撃範囲を好きな縦列1つに固定し、攻撃力を20に固定する。
「オメガクライシス」闇3風1
攻撃力+7、さらに自分にグッドステータス:俊足レベル2とグッドステータス:会心レベル2を与える。

「アスモデウス・シールドドロシー」
主体属性:地・光・闇 クラス:クリーチャー 大魔法:アカシックレコード、アンブレイカブルフォートレス、ドロシーインフィニティ
能力値「アクション:8」「リアクション:8」「リベラル:8」
特技「無限の魔力」A/R 消費TP5 この発動タイミングにおいて、自分は全ての魔法が使用可能となる。
特技「恋月-ストロベリームーン-」A 消費TP13 この発動タイミングにおいて、自分はレベル6魔法「ハーベストムーン」をコストなしで発動することができる。シナリオ中1回
特技「七つの大罪;色欲」A 消費TP10 このアクションフェイズで、闇属性魔法レベル5「ディレクトオブオーバーロード」をコストなしで発動することができる。シナリオ中1回
攻0 防0 HP99 TP99 SS20 移動5
このクリーチャーは1(横)×1(縦)のオブジェクトである。
魔法「オリジン」「アイリス」「カース」
「ハーベストムーン」
「グラビティゾーン」地1闇1
攻撃力+1、さらに攻撃範囲のマスを地形:重力場レベル1に変更する。
+水 グラビティケイジ
対象にバッドステータス:怨嗟レベル1を与える
「フレイムボルト」火1光1
攻撃力+2、さらに対象にダメージが入った場合、自分のTPを1点回復する。
+地 ソーラーイクリプス
敵全体に2点のダメージを与え、味方全員のTPを2点回復する。
「アンビヴァレンス」光1闇1
攻撃力+1、さらに光または闇属性のマナを1つ発生させる。
「ファイアボール」火1闇1
攻撃力+2、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル1を与える。
「ブレイクエンドボム」火1風1地1
攻撃力+4、さらに攻撃範囲に2マス前方とその周囲全方位1マスを追加する。
「ヴォーパルディザスター」火1水1地1
攻撃力+4、さらに攻撃範囲のマス全てを地形:溶岩レベル2または地形:凍土レベル2のいずれかに変更し、自分にグッドステータス:興奮レベル2を与える。
「スターダストレイ」火1地1光1
攻撃力+4、さらに攻撃範囲を戦闘空間の好きな3マスに変更し、攻撃範囲に味方が居た場合、そのHPを3点回復する。
「ダイヤモンドダスト」風1水1地1
攻撃力+3、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更し、対象にバッドステータス:氷結レベル2を与える。
「ゴルドインパクト」風1地1光1
攻撃力+3、さらに対象1人の1マス前方に既にオブジェクトが存在していなければ、オブジェクト:グレイブを召喚し、その対象をオブジェクトに衝突するまで前方向に移動させる。
「ダークネスグレイズ」風1地1闇1
攻撃力+3、さらに対象を別のオブジェクトに衝突するまで前方向に移動させる。また、この発動タイミングの終了時、戦闘空間の一番前の横列のマスにいるオブジェクトに6点のダメージを与える。
「アイシクルコフィン」水1地1闇1
攻撃力+3、さらに対象のいるマスを地形:凍土レベル2に変更し、対象にバッドステータス:重圧レベル1とバッドステータス:衰弱レベル1を与える。
「ゴッドプレッシャー」地1光1闇1
攻撃力+3、さらに戦闘空間上の全ての特殊地形のレベルを+1または-1する。
「インフェルノドライブ」火1水1闇1
攻撃力+4、さらに対象にバッドステータス:火傷レベル2を与え、自分にグッドステータス:興奮レベル2を与える。
「ブレイブフェニックス」火1風1光1
攻撃力+4、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル2とグッドステータス:会心レベル1を与える。
「ボルテッカー」火1水1光1
攻撃力+4、さらに別のオブジェクトに衝突するまで前方向に移動する。ただし、この魔法の効果で衝突した場合、ダメージ計算後、そのオブジェクトを通過し、前方向に移動する。この魔法の効果で、自分が戦闘空間の一番前の横列のマスにいるオブジェクトに衝突した場合、自分はこの魔法の効果で移動する直前のマスに戻る。また、この魔法の効果によって、自分が衝突したとき、衝突した敵に与えるダメージに+3し、自分は衝突によるダメージを受けない。
「カイザージャッジメント」火1光1闇1
攻撃力+5、さらに敵全員のTPを3点減らし、味方全員のTPを3点回復する。
「フォトンストリーム」風1水1光1
攻撃力+3、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更し、対象を1マス好きな方向へ移動させる。移動させたマスにオブジェクトが既にあった場合、衝突が発生する。また、この衝突によるダメージを+2する。
「レイフォールゲート」風1光1闇1
攻撃力+3、さらに戦闘空間上の好きなオブジェクトを1つ選び、戦闘空間上のほかの好きなオブジェクト1つの1マス前方または1マス後方に移動させる。
「ハイドロハリケーン」水1光1闇1
攻撃力+3、さらに対象にバッドステータス:衰弱レベル2を与え、自分にグッドステータス:興奮レベル2を与える。
「エレメンタルクロス」火1地1水1風1
攻撃力+7、さらに地属性、水属性、火属性、風属性のマナをそれぞれ1つずつ発生させる。また、この発動タイミングではもうエレメンタルクロスは発動できない。
※オリジンと同時に使用することはできない。
「アポカリプスデイ」光3地1
攻撃力+7、さらに戦闘空間に存在するキャラクター以外のオブジェクトを全て破壊し、全てのマスの地形変化を無効にし、元に戻す。
「ミスティックキリング」闇3光1
攻撃力+9、さらに敵全員の受けているグッドステータスを全て消去する。
「ストレイシープ」風3光1
攻撃力+7、さらに味方全員が受けているレベル3以下のバッドステータスを全て回復する。
「ディレクトオブオーバーロード」闇5
攻撃力+12、さらに味方全員にグッドステータス:興奮レベル3を与え、味方全員が受けているグッドステータスのレベルを全て3上げる。
「イクスイプシロン」光5
攻撃力+12、さらに敵1人のHPの最大値を2分の1にする。(端数切り上げ)
「ドッペルゲンガー」地5
攻撃力+12、さらに戦闘空間のオブジェクトの存在していない好きな1マスにオブジェクト:シャドウを召喚する。
「アムネシア」呪1風1
呪属性のマナを3つ発生させる。また、この発動タイミングではもうアムネシアは発動できない。
「ルナティック」呪3光1
攻撃力+11、さらに自分のHPを10点回復し、全てのバッドステータスを回復する。
「ダムクリエイション」水1地1
防御力+1、さらにこのリアクションフェイズ終了後、自分の前後左右1マスのオブジェクトが存在していない好きなマスにオブジェクト:カタラクトを召喚する。
「フェアリーサークル」風1光1
防御力+2、さらに味方1人のHPを2点回復する。
「ビートディフェンス」光1闇1
防御力+2、さらに自分にグッドステータス:鼓舞レベル1を与える。
「グレイシアリンク」水1闇1
防御力+1、さらに自分にグッドステータス:浄化レベル1を与える。
「ロックガード」地3
防御力+5、さらに魔法攻撃の攻撃力を3点減らす。また、この戦闘間、「ロックガード」によって減らされる攻撃力の数字に+2する。
+地 エンタードキャッスル
戦闘空間の最後列の中から1マス選び、オブジェクト「ポーンモノリス」を置く。
+光 メタリックルーク
戦闘空間の好きな1マスにオブジェクト「シールドモノリス」を置く。
+闇 アイアンビショップ
戦闘空間の好きな1マスに、オブジェクト「フォースモノリス」を置く。
「セイントメガシールド」光3
防御力+9
+光 セイントクロスシールド
次の自分のリアクションフェイズの防御力に+4する。
+闇 ダークノヴァ
魔法攻撃の発動者に、グッドステータス:興奮レベル-2を与える。
+風 ヘヴンズバッシュ
好きな属性を1つ選ぶ。味方全員の次のアクションフェイズの発動タイミングで、その属性のマナを1つ発生させる。
「アンチスペル」闇3
防御力+5、さらに魔法攻撃を構築している魔法のうち、レベル4の魔法1つの発動を無効にする。
+闇 インターセプトクライシス
レベル2の魔法の発動を全て無効化する。
+光 シャーデンフロイデ
トラップを1つ置き、そのトラップの効果に「自分のHPを3点回復する」を追加する
+地 メタモルフォーゼ
戦闘空間に存在するオブジェクト:モノリスを1つ選び、破壊する。
その後、同じマスに好きな特殊オブジェクトを置く。

◆フレンドデータ
「スピカ」
主体属性:火・光 クラス:邪眼魔導学科
大魔法:デモンズタイムtype:アスモデウス(使用済)
能力値「アクション:5」「リアクション:5」「リベラル:5」
特技
「覚醒するもう1つの人格(パラダイムシフト)」消費TP7 種別R
魔法攻撃を無効化する。1シナリオに1回使用可能。
「想いを繋ぐ希望の道標(アルカンシエル)」消費TP3 種別A
味方全員のTPを2回復する。
「コーディネイトシフト」 消費TP2 種別A
戦闘空間上の好きな1マスを好きな特殊地形レベル2もしくは-2にする。
発動体「サードニクス」
シーン間、味方1人のSS値を2倍にする。1シーンに1回使用可能
攻3 防2 HP40 TP20 SS10 移動1(デモンズタイム計算済)
※デモンズタイム使用後のため、戦闘開始時、自分にグッドステータス:暴走レベル2、飛行レベル2、覚醒レベル2を与え、自分のアクションフェイズの発動タイミングに、呪属性のマナを1つ生むことができる。
魔法「オリジン」「カース」
「フレイムボルト」火1光1
攻撃力+2、さらに自分のTPを1点回復する。
+地 ソーラーイクリプス
敵全体に2点のダメージを与え、味方全員のTPを2点回復する。
「フェアリーズイン」風1光1
攻撃力+1、さらに攻撃範囲を自分の味方のいる1マスに変更し、攻撃範囲内の味方1人のHPを攻撃力分回復させる。
「フェアリーサークル」風1光1
防御力+2、さらに味方1人のHPを2点回復する。
「スターライトシグマ」水1光1
防御力+2、さらに味方1人にバッドステータス:麻痺レベル-1を与える。
+風 スターライトハイスピード
味方1人のSS値に+3する。
「ライジングサン」火2光1
攻撃力+4、さらに味方1人のHPを8点回復する。
「ミッドナイトシャイン」 光2火1
攻撃力+4、さらに自分以外の味方1人に、グッドステータス:覚醒レベル1を与える。
「スペリオルドラゴンフレア」火1風1闇1
攻撃力+4、さらに味方全員にグッドステータス:興奮レベル1とグッドステータス:鼓舞レベル1を与える。
「ホワイトナイツ」火3光1
攻撃力+8、さらに味方全員のHPとTPをそれぞれ5点ずつ回復する。
「ストレイシープ」風3光1
攻撃力+7、さらに味方全員が受けているバッドステータスを全て回復する。
「ファンタシスタ」光5
攻撃力+12、さらに味方全員にグッドステータス:浄化レベル3とグッドステータス:活性レベル3を与え、その味方のいるマスを地形:聖域レベル3に変更する。

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