消えゆく瞳

魔法学園RPG ハーベスト
シナリオ「消えゆく瞳」 作:こーや
推奨人数 3人
推定時間 3~5時間
推奨リベラルアーツ ルクス、ステルス、ララバイ、エクスプロード、他オペレイト系魔法
備考 本シナリオは「初期作成+経験点20点」の環境を想定している。また、GMの裁量でさらに10点の経験点を加えても良い。

◆今回予告
「まあ、気長に待っていてくれ。…君たちは君たちにしかできないことがあるからな。なんせ、この事件……もしかするとこの学園、いや魔導次元全土が…(ブツ」ここで電話が途切れた。

魔法学園RPGハーベスト「消えゆく瞳」

魔法の時間は、もうすぐ終わる。

◆ハンドアウト ※全員大学院想定
※必ずではないがPCどうし知り合い同士であるとスムーズ。

PC1:ドロシー・フロム・オズ 推奨関係:憧れ、庇護、など
君は現実世界出身で、大学院に入って優秀な成績を修めていた。そんな君はある日、学長であるドロシー・フロム・オズに呼ばれる。彼女は君が優秀な成績をとっていることを褒めると、あるお願いをする。それは新種の魔物の素材を取ってきてほしいという、ありきたりな仕事と、「もし私がいなくなったら学園をお願い」という、なんとも彼女らしからぬ話だった。

PC2:ファンシー 推奨関係:友人
君は学校に忘れ物をした。それは君の大切なものだ(発動体、サイフなど、なんでもいい)。流石においておくわけにもいかないので、君は仕方なく夜の学校へと出向く。夜の学校で君は一人の少女と出会う。ドロシーとよく似た姿の彼女は、自らをファンシーと名乗った。君たちは友達となり、ときどき現れる彼女と散歩に行き、いろいろな話をした。そんなある満月の夜、ファンシーは君に「魔導次元が危険かもしれない」と告げた。

PC3:フリード・フィリップス 推奨関係:上司
君はカース特別対策委員だ。最近、学園の生徒が失踪するという事件が起きている。しかし、失踪した生徒は数日たたずに、ひょっこり帰ってくる上、学園にいた記憶はキチンとあるらしい。君はこの奇妙な事件の解決をフリードから依頼された。
◆NPC紹介
ファンシー
背格好がドロシーによく似た少女。とある学園の学園長をしているらしい。温厚で丁寧な性格で、授業は分かりやすいと評判とのことだが、魔法はそこまで得意ではないらしい。

————–以下,PLに未公開情報となります————–
◆GMの方へ:シナリオ設定に関する諸注意(読み飛ばしても問題ありません)
このシナリオは少々複雑な設定があり、初見で読みながら回すことも確かにできますが、GMがシナリオを読み込み、我が物顔で展開を起こすことができれば真の楽しみを得られると思います!なお、シナリオのネタばらしは情報収集シーンにある「カント先生の手記」に全て書いてあります。設定を読み、納得できない場合、わからなかった場合、単に変えたい場合は、GMの好きなように調整するべきだと思います。
また、このシナリオはGMの事前の準備、またはその場のアドリブを取り入れて、足りないシーンを補完することを想定しています。補完するシーンとしては、人が“突然消えたり現れたりする”という事象を活かし、PCの大切な人を消したり、全くの別人みたいにしたり、PCが亡くしてしまった人を登場させたりすることを想定しています。
回し方ですが、基本的にはシーン通りに進めれば大丈夫です。ただし、GMは遊びとして、魔道次元と第四次元の時空の揺らぎを利用して、次のような演出をしても良いと思います。これらは、ロールプレイに繋がるだけでなく、PL達に驚きと推理の手助けを与えることになるでしょう。
・アナザーの人間が普通に(または半透明など不完全な状態で)見える。
・PCの友人、知り合いをアナザーの人格(GMが好きに設定してよい)と入れ替える、または少しの期間だけ第四次元に飛ばす。
・PCを少しの期間だけ第四次元に飛ばす。
・その他
ただし、ドロシーだけは上記の演出で人格を入れ替えたり、飛ばしたりしてはいけません。なぜなら、ドロシーは、第四次元に飛ばされることに無意識で抵抗しているからです。また、カント先生はアナザー次元に飛ぶシーンがあります(シーン4の最後のところ)。

最後に、ハーベストの公式HPのFD世界観とNPC紹介の項目そのものが本シナリオのネタバレとなっているので、PL達に読まないよう呼び掛けてもよいと思います。すでにみんながFDの設定を知っているのなら、「PCを振り回すこと」「“ある存在”の正体そのもの」をシナリオの楽しみにすると良いと思います。

◆PC設定に関する注意
PCがスタイル:パラレルリンカーで、第四次元を出身地にしようとした場合は必ず断ること(GMの調整にもよりますが)。PC1がこれまでの継続キャラだと、事件後に思い出話をすることで、エンディングが綺麗になると思います。

1 オープニングフェイズ
シーン1 任務(PC1)
君はこの魔法学園ハーベストの大学院生である。それなりに優秀な成績を修めており、他の先生にも名前が知られているほどだ。ある満月の夜、君は突然ドロシーから学長室に呼び出された。これまでにも、ドロシーには散歩やゲームなど言ってしまえばくだらない理由で呼び出されたことが何度もある。
ド「入っていいよー」
中に入ると、ドロシーが迎えてくれた。いつも通り、とんがり帽子に黒いローブを着ている。
彼女は珍しく机に向かい、書類の山を片付けていた。
ド「まあ、最低限のことはやらないとね」
ド「そうそう!PC1は大学院に入っても絶好調みたいだね!すごいよ!」
ド「あ、今日呼んだのはね、ちょっとやって貰いたいことがあるの。はいこれ!」
と言って、魔物狩りの手配書を見せる。
ド「書類を漁ってたらたまたま出てきたんだけど……最近、黒き森で新種のクリーチャーが発見されたの。それもただの新種じゃなくって、今いる種の色違いなんだって!面白くない!?」
黒き森とは、ハーベスト近辺にある存在する森のことで、クリーチャーがそこら中にいるが、奥に入らなければそこまで危険ではなく、よく授業の実習にも使われている。
ド「でね!新種のクリーチャーについて調べてきて欲しいの!」
ド「その新種がどれくらいの魔力を持っているかはわからないけど……君なら絶対に大丈夫!」
ド「でも黒き森は暗くて怖いから、何人か協力者がいるといいかなー」
ド「そいえばPC1、明日、私の授業あるよね?ふーん」
彼女は意味深げに言う。
ド「仕事はいったん終わり!ゲームしようよ!」
ドロシーは書類の山をほっぽり出して、お菓子の沢山入ったバスケットを持ち、テレビをつける。
ゲームを始めた彼女だったが、どこか浮かない顔をしている。
(指摘すると)ド「ふふっ分かる?なんかね、悪い予感はするんだけど、何か忘れちゃってる気がするんだけどそれが何のことか分からなくって」
ド「あと、もう一つだけお願いしてもいいかな?」
ド「もし、ちょっとだけ私がこの学園を離れるようなことがあったら…その時はお願いね。」

シーン2 テディベア(PC2)
・GM向けのシーンの解説:ファンシー視点から見たこのシーン
ファンシー(ファンシー・フロム・アザ)は、第四次元のハーベストの学長である。彼女は夜、散歩中に講義室の近くを通りかかった。すると、そこには人影(PC2のこと)がいた。学園長として注意しに行ったが、どうにもおかしい、自分のことを知らないようだ。PC2と話してみると、本物のハーベストの学園長、「ドロシー」をしっているらしい。そこでファンシーは気付く、PC2は魔導次元側の人間であると。ファンシーは、元々第四次元の創造主であるゲネシスが魔導次元に何か悪いことをしようとしていることを知っていた(実際に何をしようとしているかは知らない)。

・シーン本編
PC1のシーンから一週間ほど前、まだ新種の魔物とか、失踪事件とかの噂が立ち始めてもいないころ。
ある日の夕方、君がいつも通り過ごしていると(PC2は夕方どんなことをして過ごしているか聞きましょう)。
君は電撃のように思い出す。君はドジをしてしまい、なんと○○(PC2に決めてもらうことを想定しています)を講義室に置いてきてしまった!さすがに取りにいかないわけにはいかない。

君は大学院生の権力を行使して、夜の学園に入った。ほとんどの棟は真っ暗だが、研究棟にはちらほらと明かりがついている部屋がある。まず、警備室にやってきたが、目的の落とし物はないようだ。直接、講義室に行くしかなさそうだ。
真っ暗な講義棟に入り、足音が響く階段を上り、誰もいない廊下を通り、君はとある講義室にやってきた。(電気は故障しているのかつかない)とても大きい講義室で、席が階段状に続いている。当たり前だが中には誰もおらず、人の気配も全くない。PC2が昼間座っていた席を見たが、君の大事な○○(忘れ物)はそこにはなかった。あれ?どこにいったのだろうか?

と、誰かが君の肩をちょんちょんと叩いた。それはとんがり帽子に、水色のローブ、青色のティディベアを抱きかかえた少女の姿だった。
ファ「こんばんは、こんな時間に何をしているのですか?」
ファ「ああ、もしかして、こちらではございませんか?」と言う彼女の手には○○(PC2の忘れ物)が。
ファ「どういたしまして。あなたお名前は? あまり学園では見かけないような」
ファ「そう、素敵なお名前」
(名前について聞くと)ファ「私はファンシーっていうの」
そういうと、彼女はしばらく君をじろじろと見つめると、「…もしかしてあなた、ドロシー・フロム・オズさんって知ってる?」
「まあ、やっぱり、……少し私とお話してくださらない?」
君たちは、ファンシーとしゃべった。ファンシーはとある学園の学園長をしていることや、君と出会えたことは全く偶然で合ったこと、魔法は苦手であることなどを話す。
(学園のことを聞くと)ファ「あなたは知ってると思うけど、行ったことはないどこかの学園よ」
(アマリリスがどうか問われると)ファ「それは違うは、あそこは…ええっと、たしかトト・フロム・オズさんという方が長を務めているのよ」

ファ「あら、すっかり遅くなってしまったわね。今日はお話してくれてありがとう。とっても楽しかったわ。また、こうやってゆっくりお話ししてほしいのだけど」
ファ「ふふ、ありがとう、バイバイ」
そう言うと、彼女はどこかへ歩き去り、気付くと姿が見えなくなっていた。

それから1週間ほどたった。(この辺りから新種の魔物や失踪事件がささやかれ始める)君とファンシーはその後も何度か会い、そのたびにいろいろな話をした。そんなある日の夕暮れ、君はまた、ファンシーに出会った。
ファ「こんばんは、久しぶりね」
ファ「最近、周りで変わったことはない?」
(失踪事件とかについて話す)
(無いというと)ファ「どんな細かいことでもいいの。特に失踪事件が起きていないか知りたいわ。あと…変な色のクリーチャーが現れた、とか」
ファ「やっぱり……。詳しいことは分からないのだけど。聞いて欲しいことがあるの」
ファ「もう少しでハーベストが、いえ、魔導次元全体そのものが、危ないかもしれないの」
(詳しく尋ねる)ファ「私はよくわからないけれど、ある存在が動いてて、彼はそれで魔導次元そのものをどうにかするつもりらしくて……こんなところかしらね。意味が分からなかったらごめんなさい」
ファ「それでね、あなた、魔導次元を救いたい?」
ファ「そう、分かったわ。それじゃ、協力者を探して欲しいの。新種のクリーチャーや失踪事件について調べている人よ。時が来たら、私も協力できると思うわ」
ファ「巻き込んでしまってごめんなさい。」
そう言うと、ファンシーは消えたようにいなくなる。

シーン3 危険な賞金稼ぎ(PC3)
PC3はある日の昼休み、フリード・フィリップスから連絡を受ける。
フ「もしもし、PC3さんですか?フリードです。今よろしいでしょうか。依頼を頼みたくって。」
フ「生徒の失踪事件の調査と、できれば解決です。ここ一ヶ月くらいのことなんですが、突然、生徒が授業を欠席するということが増えたんですよ。不真面目な生徒も、真面目な生徒も、ですよ。で、あまりにも多いので調査が行われたんですよ。結果から言います。もちろんただ単にサボっただけとか、用事があったという生徒もいたんですが、中には一日中、または数日間もどこに行ったのか分からない生徒がいたらしくて。それで、最近噂の失踪事件が発覚したのですが……。」
フ「奇妙なのはここからで、数日後に失踪したハズの生徒がひょっこり帰って来たんですよね。話を聞いてみたんですが、殆どの生徒は『自分は普通に生活していた』って言うんですよ。『悪夢を見ているようだった』と言った生徒もいたんですが、大学で普通に生活していたという点は同じ見たいです」
フ「お願いできますか?受けたくないんならいいんですけど……今回は込み入ってますし、危険そうなのでー、依頼だから頼むなら学院生くらいかなと思ってるんですよね。で、学院生の方ってやっぱりエリートで、しかもそんなに人が多い訳じゃないじゃないですか?だから結構依頼料いいんですよねー チラッチラッ」
フ「ありがとうございます。じゃあ失踪事件の捜査と、その解決をお願いします。失踪した生徒の連絡先を送っておきますね。あと先ほどの調査についてはカース特別対策委員の方がやってくださったみたいなので、イマヌエル・カント先生に聞けば何か分かると思います。それでは。」
電話を切ると、すぐにメールが届く。そこには失踪した生徒と、その日付と連絡先が書かれていた。既に帰ってきた生徒はその日付も書いてある。今のところ3日以上居なくなった生徒はいない。失踪の日にちが最近になるほど、帰ってくるまでの時間が長くなっているように感じる。
(リストは10人くらい)

シーン4 ドロシー先生のありがたい授業(全員)
・GM向けのシーン解説
授業のシーン。合流シーンとして使ってください。
カント視点:カント先生は第四次元のことについて調べ、あらかた書留め、ドロシーとPCたちに共有しようとしたところで第四次元に飛ばされてしまった。代わりに第四次元から田中先生が飛ばされてきている。ちなみにフリードはそれより前に飛んでいる。

・シーン本編
ドロシー・フロム・オズが担当する、第八魔導概要の講義だ。専門的な内容とは別に、大学院生全員が第八魔導の最低限の理解をすることを目的としている。
大学院生の授業ということで、元々受講者は少ないが、今日はさらに少なく感じる。
授業の時刻になってちょっとすると、とんがり帽子に黒いローブ、手には指さし棒を持ったドロシーが入ってくる。
「みんなおはようー、みんなのアイドルドロシーだよっ!今日はいつもより少ないねー。じゃ、早速授業を始めよっか」
「じゃあ、さっそくだけど、3人くらい出てきてくれない?素敵なご褒美もあるよ!」(お菓子の沢山入ったバスケットを見せる)
「誰もいないのー?じゃあ、(PC1~3の名前を呼ぶ)」
「よろしくねー。まずは皆で普通のマナを使った魔法がどんな感じで発生するのか見てみようー。」
という感じで授業が進む。
講義が終わると、ドロシーが皆を集めてお菓子を配る。
「みんなありがとうー」
(PC1に小声で)「ほらっほらっ」と勧誘を促す。

(合流シーンをやってもらい、ひと段落したところで)
PC3の携帯が鳴る。カント先生からだ。
カ「もしもし、PC3くんか?フリードから話は聞いておるよ。」
カ「それでそのフリードなんだが。昨日の夕方から連絡が取れておらん。何かしらんか?」
カ「ふーむ、心配だ。私は例の事件で手が離せそうにない。すまないが見てきてくれないか?フリードは昨日の夕方、魔物討伐の生徒と共に黒き森の方へ向かったと聞いている」
カ「あと、例の失踪事件だが。まだ確定はしとらんがこいつはどうもカース事件なんかとは違うらしい。まあ、気長に待っていてくれ。…君たちは君たちにしかできないことがあるからな。そうだ、君たちにも私の傑作を見せてやった方がよさそうだな。あとで私の部屋に来ると言い。あまり気長に待てそうにもないがな。なんせ、この事件……もしかするとこの学園、いや魔導次元全土が…(ブツ」電話が途切れる。

(もしカント先生の部屋に行った場合)カント先生ではない男性の教授がいる。PC達は見たことがないような気がしている。彼はぼんやりしているようだ。
(会話すると)「何か僕に用かな?」「え?カント先生…あ!ここはカント先生の部屋か。すまない。何で間違えたんだろう」と言って彼は出ていきました。

EXシーン 悪夢(PC2)
このシーンは、PCが行く前に失踪した生徒に話を聞きたいと言ったら発生する。いくつか質問できる。
『悪夢と言った生徒から聞けること』↓
悪夢について→「私が友達に普通に声を掛けたんですよ。そうしたら誰?って言われて。外見は間違いなく友達なのに。からかっている様子もなかったです。」
失踪した日にあったこと→「うーん、友達が変だったこと以外は思い出せません。起きてすぐに目の前がクラッとしたような」
『普通に過ごしたという生徒から聞けること』↓
失踪した日にあったこと→「とくに変なことはなかったっす。何か頭がクラクラしたくらいですかね」
変わったこと→「ドロシー先生の授業を受けたんすけど、授業の時は真面目で丁寧なんすねえ」

シーン5 黒き森(全員登場)
真昼だがそれなりに暗い。新種のクリーチャーを探す為、君たちは太陽の光届かぬ黒き森へと足を進めた。少し奥に進むと、クリーチャーの群れが出てくる。
ハーピィの群れが出てくる。しかし、よく見るハーピィとは色が違い、虹色の羽毛を持っている。

【レインボー=ドン・ハーピィ、レインボーハーピィ×2との中間対戦】

ハーピィから素材を回収して顔を上げると、遠くに3つの人影が見えた。
1人はとんがり帽子に水色のローブ、手には青いテディベアを抱いた女の子。PC2はファンシーと分かる。もう一人は、杖を持った青髪の青年と初老の男性。フリードとカントに見えなくもない。3人は君たちに気付くことなくどこかに消えてしまった。
君たちがハーベストに帰ってくると、時刻はもう夕方になっていた。回収したハーピィの素材を分析をしてくれる研究員に渡すと、すぐに分析にかけてくれる。ただし、結果が出るまで、丸々一日かかるらしく、明日の夕方(授業後)に来るよう言われる。

シーン6 ドロシー先生のありがたい授業2(全員)
・GM向けの解説
このシーンのドロシーは、中身だけファンシーと入れ替わっている。ゲネシスはずっとドロシーを第四次元に呼び寄せており、ドロシーはそれに抵抗してきた。その結果として中途半端に中身だけ入れ替わってしまったのがこのシーンである。また、このシーンのファンシーは自分がドロシーと入れ替わったことには気づいていないし、たとえ気付いていても一般の生徒に事件のことを話して混乱を招くような真似はしない。
・シーン本編
リベラルアーツの授業だ。欠席したイマヌエル=カントの代わりに、ドロシーが講義を行うらしい。
授業開始の時刻ピッタリにドロシーは講義室に入ってきた。とんがり帽子に黒いローブ、手には指差し棒を持っている。彼女は講義しつの真ん中まで来るとペコリとお辞儀をしてこう言った。
「イマヌエル=カント先生がお休みですので、私が講義を変わりに行います。皆さま、午後最後の授業となりましたが、最後まで気を抜かずに頑張りましょう。それに、何やら悪い噂も流れていますが、皆さんは惑わせれないように」
「それでは、リベラルアーツの授業を始めます。教科書の~ページを……どうしたのですか?」
“ドロシー”は生徒が閉口しているのも構わず、授業を続けた。

翌日、連絡があり、大学は今日の全講義を休講とするとのこと。教員の欠席が理由らしい。
また、虹色ハーピィの分析結果が出る。
虹色ハーピィの分析の結果→なんと、虹色ハーピィはこの魔道次元及び、現実世界には存在しない物質が含まれていることが分かった。このことについてもっとよく調べる必要がある。

・シーン7「情報収集」
情報収集シーン。時間がかかりすぎるとペナルティ(3シーン目以降、シーン開始時にTPが1D6減る)があることを伝えること。最初から調べられる項目は、項目1~項目3まで。

項目1「この世界には存在しない物質」
正確には、魔導次元に元々あった物質を模倣して生成された。魔法を帯びており、既存のマナの中で言えばドロシー・フロム・オズが提唱した「人属性」に一番近い。

項目2「失踪した生徒の証言」(既に生徒から話を聞いている場合はシーンが始まってすぐに開示される)
失踪して帰ってきた生徒の話を聞くと、次のようなことが分かった。:失踪した生徒は、いつも通り学園で生活をしていた。しかし、次のような違いがあったという。
・よくつるんでいる友人、知人と会えない。よく見知ったはずの友人、知人が自分のことを覚えていない。
・講義の担当教授が変わっていた。全く知らない先生がいる。
・ドロシーを見かけた生徒が一人もいない。
・近所に知らない人間がいる。
また、彼らにどのような魔法的処置を施しても、夢を見た、催眠術などを施した、という結果はでなかった。

項目3「カントの行方」
表ざたにはされていないが、イマヌエル=カントは失踪した。原因は不明。失踪時刻は今日の昼頃。つまり君たちが黒き森に行く直前とのことだ。このことは生徒に他にも失踪した教授は何人かいるという噂が立っている。また、カントが失踪の直前に書き残したとされる手記が見つかった。
→項目4と項目5を追加

項目4「教授が失踪したという噂」
この噂は本当である。失踪した教授は、いずれも魔法の面で秀でた人間ばかりだ。いずれも原因不明かつここ1~2日で起きた。学園の最上部組織である『理事会』は生徒間の混乱を避けるためにこの情報を秘匿した。しかし、この理事会には会長であるドロシー・フロム・オズは出席していない。

項目5「カントの手記」
イマヌエル・カントの部屋の本棚から見つかった。論文形式で書いてある。下記に内容を記す。
(とてつもなく長いので、読むのはシーンの最後に読むことを推奨)

PCたちがカントの手記を読み終えるころに、PC1の元にメールで“ドロシー”から呼び出しがかかる。
メールの内容「皆様 カント先生の手記はご覧になりましたでしょうか? 読み終わりましたら学長室までお越しください」

以下、カントの手記の内容。
『親愛なるドロシー・フロム・オズ、もしくは魔法学園ハーベストの先生方、もしくは生徒諸君へ

◆はじめに
まことに信じられないことだが、失踪事件での生徒の証言、大昔の書籍、新種のクリーチャーの存在から、私は次のような結論をだした。それは、魔導次元は一つではないということだ。少なくとも、我々が今いるこの魔導次元よりもできの悪いものがもう一つは存在するらしい。

私がこのような結論を下した根拠として、以下を挙げる。
・生徒が夢を見ていたり、洗脳にかかったわけではないということ
・独立した生徒の証言が共通しているということ
・新種のクリーチャーが既存種の亜種らしいということ
・失踪した生徒の証言と、拾い物の文献(手記の最後に示す)に共通点が多数あるということ

もう一つの魔導次元とやらについて、詳しいことは省くが、魔界大戦より前からいた“ある存在”によって作られたらしい。“ある存在”の産まれた原因や、どれくらいの魔力を持っているかは分からなかったが、そいつの計画やもう一つの魔導次元のことについてある程度情報が集まったので、まとめる。もし、私の話を信じ、何かしらの対抗策を打たねばならないと思うのであれば、以下を見るといい。
(以下、我々の魔導次元をヒア、もう一つの魔導次元をアナザーと略す。)

◆もう一つの魔導次元(アナザー)について
・アナザーは、大昔、ヒアを模倣して“ある存在”によって作られた。
・アナザーは、ヒアとは次元的に離れたところに作られた。
・アナザーは、現実世界や魔界とつながっていない。
・アナザーに生活している人間は“ある存在”によって作られた人間の姿をしただけの人形である。ただし、人形の中には自我を持ち、己の意志で行動する固体がある。
・意志のない人形は、“ある存在”が好きなように操ることができる。
・アナザーにも、魔法学園ハーベストは存在する。
・アナザーハーベストの学園長の名前は『ファンシー・フロム・アザ』、彼女は意志のある人形であると思われる。

◆アナザーがヒアに与える悪影響について
・アナザーは、“ある存在”の力によってヒアに近づいている。
・アナザーは近づくにつれ、ヒアと一体化しつつある。
→この現象により、ヒアの人間が急にアナザーに消えたり、逆にアナザーの人間がヒアに来ることがある。これが生徒失踪事件の原因であろう。同じく、新種のクリーチャーが発生した原因でもあろう。アナザーのクリーチャーがヒアに来たわけだ。また、お互いの次元の様子が短時間だけ見えることもあるようだ。

◆“ある存在”の計画について
・“ある存在”の計画はヒアを乗っ取ることである。
・“ある存在”は、アナザーでは魔力が急激に上昇する。ドロシーやアスタロトですら勝てるかどうか分からない。少なくとも、少し力があるくらいの者には絶対に勝てない。
・“ある存在”はドロシーや、力の強い教授をできるだけ自分の土俵であるアナザーに呼び寄せている。代わりに、意思のない人形をヒアに飛ばすようだ。
・“ある存在”は、ヒアとアナザーの一体化を進めるため、今、どちらの次元にも存在する状態になっている。つまり、アナザーはもちろん、ヒアにも存在する。地理的場所は全くもって不明である。“ある存在”を見つけ、倒すことができればアナザーの接近は止まり、元あった位置に戻るだろう。我々の勝利だ。

◆最悪の場合
アナザーはヒアと完全に一体化した時である。“ある存在”の強力な魔力により、ヒアは今いる位置から弾き飛ばされる。そうなれば、ヒアは、我々は時空を永遠にさまようこととなるのではなかろうか。逆にアナザーは元々ヒアのあった場所に収まる。

◆終わりに
これらは、生徒の証言、あいまいな記述による情報から導き出した結論であるため、まだ確実な情報とは言えない。少なくとも新種のクリーチャーについて明らかになれば、話は変わってくるだろう。私はあれらがアナザーのクリーチャーであるとにらんでいる。

非常に悔しいことだが、これらの計画は長い年月をかけて慎重に行われている。そのため、計画が始まり、アナザーの接近が始まるまで、誰もこのことを知ることはなかった。兆候は大昔からあったというのに……。今となっては遅すぎなかったことを祈るしかない。

著 イマヌエル=カント

参考文献として、『暖炉横で見た夢』、『約400年以上前に書かれた名もない手記』を上げておくが、残念ながら、読者殿がわざわざ確認するべき情報は乗っていない。
(完)』

◎まとめ→
・この事件の犯人は“ある存在”が引き起こした。ある存在についての一切は不明。
・“ある存在”はもう一つの魔導次元(アナザー)を作り出した。
・アナザーは何から何まで魔導次元にそっくりだが、中の人間は“ある存在”が作った人形である。アナザーにも偽ハーベストはあり、その学園長がファンシー・フロム・アザ。
・“ある存在”の狙いは、アナザーを使って我々の魔導次元を乗っ取ることである。
・“ある存在”が魔導次元を乗っ取ろうとした副作用で、魔導次元とアナザーの人間が入れ替わったり、どっちかの人間がもう片方に行ったりした。また、魔導次元からアナザーにいる人間を幻視することもあった。これが、失踪事件の真相である。また、人間の失踪と同じく、アナザーのクリーチャーが魔導次元に移動したことが新種のクリーチャー発見の真相である。
・“ある存在”を倒せれば、乗っ取り計画を中止できる。幸い、ゲネシスはアナザーでは強いが、魔導次元では少しは弱いらしい。
・“ある存在”の地理的場所は分からない。しかし、必ずこの魔導次元のどこかには存在する。

(↓非公開情報)
『ある男の見た夢』→ある貴族の男がうたたねで見た夢を書き綴ったという夢日記。もう一つのハーベストの生徒のことや、学園長であるファンシー・フロム・アザのこと、彼女から見聞きした話が書かれている。
『名もない手記』→魔界大戦前につづられたメモ。突然消えた仲間の謎を追いかける中で、最終的には魔導次元の次元位置的な解釈とアナザーの存在の推測にまで至っている。

シーン8 ファンシー・フロム・アザ(全員)
学長室のドアを開けると、そこにいたのは、水色のローブを着て青いテディベアを持ったファンシーの姿だった。
ファ「ドロシーさんはもうこの魔道次元にはいません。私がこの次元にくるのと同時に、もう一つの魔導次元に行ってしまわれました。」
ファ「皆様、カントの手記は読まれましたか?」
ファ「では、ようやく私がお役に立てる場面ですね。それは、“ある存在”、私はゲネシスと呼んでいますが、その地理的場所です。なんとなくですが、私は掴んでいます」
ファ「ですがその前に……本当に行かれるのですか?ゲネシスの力はべらぼうに強いのです。もしかしたら死んでしまうかもしれません。それでも行かれますか?皆様には逃げるという選択肢もあるのです。その危険まで犯して……魔導次元を守りたいのですか?」
ファ「わかりました、新種のクリーチャーが最初に現れた場所、黒き森、の最奥にいるはずです。案内いたします」

シーン9 黒き森の像(全員)
こうして、君たちは再び陽の光がとどかぬ、暗き森にやってきた。森を進んでいく途中、君たちは薄っすらと人影を見た。それはドロシーである。箒に乗っており、黒き森の最深部へ、君たちが目指している方角へ飛んで行った。
ファ「あれはもう一つの次元にいるドロシーさんでしょう。ゲネシスの元へ向かっているようです」

シーン10 クルドサック(全員)
1「虹色の触手」
リベラルアーツ「ルクス、エクスプロード」
ペナルティ「8点のダメージ」

2「虹色アラクネの群れ」
リベラルアーツ「ステルス、ララバイ」
ペナルティ「5点のダメージと、3点のTP消費」

3「小型アトラク=ナクア」
リベラルアーツ「エクスプロード、ステルス」
ペナルティ「バッドステータス:怯み1、怨念2、毒3を全て受ける」

シーン11 ゲネシス(全員)
暗い森の最深部。そこには10メートルもある巨大な人型の像が置かれていた。像には細やかな装飾が施してある。像からは巨大な魔力を感じる、こいつがカントの言っていた“ある存在”と見て間違いなさそうだ。道中見えたドロシーの影もいる。
(話しかけられなければ黙っている)
ゲ「来たのか。どちらの世界にも」
ゲ「理由など知らぬ。私は気付いたときには魔導次元を手に入れる準備をしていた。」
ゲ「長きが過ぎ、肉体は朽ち、理由は永劫へと消え、目的のための手段だけが入力された身体こそが私だ。」

【ゲネシスとの戦闘】
※PC1に一回だけ「ドロシーインフィニティ」を使う権利を与えても良い(幻影のドロシーが撃ってくれる)。

◆ゲネシスを無事に倒し、グッドエンドの場合
像は粉々に砕け、その破片たちは空の彼方へ飛んでいく。そして、もう何も言わなくなった欠片からは、魔法の力を感じない。アナザーは接近をやめ、元の位置へと戻っていく。
それと同時にファンシーの姿がどんどん薄くなっていく。

ファ「皆さま、本当にありがとうございました。PC2さん、あなたの勇気は忘れないわ。さようなら」

(以下、個別エンディング)

シーン12 フリードと話す(PC3)
フリードに事件の報告をする。
「ありがとう、やっぱり君にたのんでよかったよ。今度、君たち3人とカント先生が表彰されることに決まったんだ。楽しみにしててね。あ、それはそうと、まだちょっとアナザーとやらの影響があるかもしれないから、調査に向かえっていう依頼がきてるんだけど。報酬、はずむよ?」

シーン13 異次元からの手紙(PC2)
ゲネシスとの決戦から君が帰ってくると、君の部屋に青いテディベアがあった。そこには手紙がくくり付けられており、こう記されてある。
「あなたと話したことは忘れません。私があなたの隣にいるかもしれないことを、忘れないでください。愛をこめて、ファンシー・フロム・アザ」

シーン14 ドロシーとの思い出(PC1)
「君は本当にたくましくなったよ。」「ねえ、月を見に行かない?」
一緒に月を見に行く。
「PC1って本当に頼もしくなったよね」
「君に頼んで本当によかった」
(PC1が継続で作成していた場合)「そういえば、君がこの学園に入って、何年になるっけ。最初はアトラクナクアに苦戦してたよね。月下舞闘会にも出たよね。あと……」君たちの思い出語りはとまりませんでした。

◆ゲネシスを倒せず、バッドエンドの場合
PCたちは全員ひれ伏し、意識を失う。ゲネシスは戦闘不能となった君たちには目もくれず、ドロシーと戦う。完全にゲネシスが圧倒しており、ドロシーが崩れるのも時間の問題だった。
ド「そんな……。私、守れない…ごめんなさい…“師匠”」
膝をつくドロシー。もうダメかと思ったそのとき…。
???「まったく、しょうがないなぁ、ドロシーは」
ボロボロのドロシーの隣に、緑の翼をもつ男が舞い降りる。
ド「あ、あなたは……」
(結末)
PCたちは学園の保健機関で目を覚ます。君たちは黒き森の奥から救出され、その後1~2日ほど寝こんでいたらしい。どうやら、ゲネシスは倒され、例の事件は完全に解決したらしい。既にファンシーの姿はない。そして、ドロシーは行方不明となっていた。現在、ドロシーの代わりに、戻って来たカントが学園を仕切っている。ドロシーの行方について捜索が続いているが、未だに見つかる見込みはない。

(以下、個別エンディング。PC2、PC3はグッドエンドと同じ想定)
シーン12 フリードと話す(PC3)
シーン13 異次元からの手紙(PC2)
シーン14 再会(PC1)
例の事件から一か月ほどたったある日の夜。満月が夜空に輝いていた。
ふと、君は散歩がしたくなり、ひとり外へ。
PC1が歩きながら満月を見ていると、ドロシーを思い出す。学園に入学したときのこと、くだらない理由でドロシーに何度も呼び出されたこと、ドロシーに学園をお願いと言われたときのこと…。
気付くと君は、学園の正門にまで来ていた。そのとき、ドサッと。何かが足にあたった。
ド「うーんむにゃむにゃ」
それは人間だ。とんがり帽子に黒いローブ、大きな箒を抱いて酔っ払いみたいに眠っている彼女は……。

2 ◆エネミーデータ
「レインボー=ドン・ハーピィ」
主体属性:地・風
クラス:アザークリーチャー
大魔法:なし

能力値「アクション:6」「リアクション:5」「リベラル:3」
特技
「砂塵の竜巻」消費TP3 R 敵一人が受けているグッドステータスを1つ消去する。
「超危機感」 消費TP3 A アクションフェイズダイス数+2、戦闘に他の味方クリーチャーがいないときのみ発動可能。
「掠める者」 消費TP5 A この魔法攻撃に対して、リアクションフェイズを行うとき、その発動ダイス数を-2する。
「虹のはためき」 消費TP3 A アクションダイス-1。アクションフェイズ時、人属性のマナを一つ出す。
「仲間を呼ぶ」 消費TP5 A ハーピィを追加する。同じフィールドに存在できるハーピィは2体まで。このスキルは1シーンに(PC数)回まで使える。

攻14 防5 HP80 TP50 SS10 移動2

魔法「オリジン」「アイリス」「アハト」
※このクリーチャーの「人属性マナ」を「虹」と呼称する。
A「エアロスプラッシュ」風1水1
攻撃力+1、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更する。
A「ダストストーム」風1地1
攻撃力+1、さらにダメージ計算後、対象を1マス好きな方向へ移動させる。移動させたマスにオブジェクトが既にあった場合、衝突が発生する。
A「グラビティゾーン」地1闇1
攻撃力+1、さらに攻撃範囲のマスを地形:重力場レベル1に変更する。
A「ハリケーン」風2地1
攻撃力+3、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更し、自分がいるマスと攻撃範囲のマスを地形:暴風レベル1に変更する。
A「ゴッドプレッシャー」地1光1闇1
攻撃力+3、さらに戦闘空間上の全ての特殊地形のレベルを+1または-1する。
A「ブレイブフェニックス」火1風1光1
攻撃力+4、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル2とグッドステータス:会心レベル1を与える。
A「エアレイド」風4または虹3
攻撃力+10、さらに戦闘空間の好きなマスに移動後、自分の周囲全方位1マスを攻撃範囲に変更し、対象を1マス好きな方向へ移動させる。
この魔法の効果による移動先に既にオブジェクトが存在している場合、それを自分の周囲全方位1マスに移動させる。
A「カオスオブアンビバレンス」闇3地1
攻撃力+9、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスと、前方5マスに固定し、この発動タイミングで、魔法のコストとして使用したマナの数だけ攻撃力を上げる。
A「エアリアルスラスト」風5または虹4
攻撃力+12、好きな1マスに移動。全方位1マスを攻撃範囲に変更。3つまで好きなマナを生み出せる。
R「フェアリーサークル」風1光1
防御力+2、さらに味方1人のHPを2点回復する。
R「アスファルト」闇2地1
防御力+3、さらに地形変化しているマスの数だけ防御力を上昇させる。

「レインボーハーピィ」(ダイスなし、特技と固定値で殴る。)
本クリーチャーは処理の簡易化がされた特別なデータを持つ。アクション値がなく、その代わりに準備タイミングに1D6を振り、下の表の結果で攻撃する。また、リアクション値もなく、代わりに魔法攻撃をうけるごとに防御力に+1D6する、この効果はリアクション魔法が発動不可のときは発動しない。

攻15 防4+1D6 HP30 TP15 SS戦闘開始時に(1D10)で決定 移動1 効果:1ダイスペナルティにつき攻撃-3。また、属性を参照する必要がある場合は、風属性と地属性の攻撃をしたことにする。

・特技
「魔陣連携」A消費TP0 1D6を振り出た目によって以下の効果を1つ得る。
1: 攻撃+7
2: 攻撃+1、攻撃範囲を全周囲1マスに
3: 攻撃+2、攻撃範囲を前方2マスに
4: 攻撃+5、自分は1マス移動できる
5: 攻撃+4、味方全員の体力を3回復
6: 攻撃+3、対象に10点のダメージを与える

「ゲネシス」
主体属性:地水火風光闇呪偽
種別:古代像
大魔法:イマジナリーウイング、アンブレイカブルフォートレス、アルヴム・インフィニタス

アルヴム・インフィニタス(無限光)
表:任意の大魔法1つを発動する。この大魔法はいかなる場合でも無効化されない。
裏:誰か1人の好きな記憶を消すか、元に戻す。
※この大魔法は第四次元出身の者しか発動できない。

HP500 TP200 攻撃15 防御15 SS1 移動値0 効果:移動フェイズを消費することで、準備タイミングを1回増やすことができる。このオブジェクトはいかなる場合でも移動することはない。
このオブジェクトの大きさは、3×3である。

・特技
「ニヒル」 消費0 A 自分の全てのバッドステータスを同じLvの衰弱に変更する。ただし、この効果で自分にかかる衰弱LVは累積する。
「ウーナ」 消費1 A 好きなオブジェクト1体を召喚する。ただし、この効果で召喚した耐久値21以上のオブジェクトは、このラウンド中サーヴァントに変成できない。
「ドゥオ」 消費2 A/R 自分のいるマスにある全ての特殊地形を黄泉にする。レベルは変更前の地形レベルと同じ。
「トリバス」 消費3 A/R 好きなマナを3つまで選び、この発動タイミングで発生させる。ただし、この発動タイミングのダイス数-3。1ラウンドに1回まで使用可能。
「ラクエウス」 消費4 A 戦闘空間にトラップを2つ設置する。
「トレース」 消費5 A 戦闘空間上の好きなオブジェクト1体を対象とし、対応するサーヴァントに変成する。このとき、対象が自分が召喚者であるオブジェクトなら、もう1体まで変成できる。
「ヌルム」 消費6 A 敵全員は次のアクションフェイズ間、攻撃力上昇、攻撃範囲以外のレベル2以上のアクション魔法の追加効果がなくなる。1シナリオ1回まで使用可能。
「デケム」 消費10 A 敵のグッドステータス、自分のバッドステータスを合計10種類まで選び消去する。ただし、このアクションフェイズの攻撃-10。1シナリオ1回まで使用可能。

能力値:「アクション:14」「リアクション:7」「リベラル:200」
魔法「オリジン」「アイリス」「カース」「アハト」
※このオブジェクトの第八魔導マナを「偽」と表記する。
A「アンビシャスの模造」偽2
攻撃力+3、さらに対象は次のアクションフェイズで、移動タイミングを行えない。
A「ナイトメアの模造」偽1水1闇1
攻撃力+4、さらに自分にグッドステータス:浄化レベル2とグッドステータス:興奮レベル2とグッドステータス:鼓舞レベル2を与える。
A「ライトニングボルト」偽2
攻撃力+3、さらに攻撃範囲を好きな縦列2つに変更する。
A「グラウンドゼロ」闇3
攻撃力+6、さらに自分にグッドステータス:覚醒レベル2を与える。
A「エレメンタルクロス」火1地1水1風1
攻撃力+7、さらに地属性、水属性、火属性、風属性のマナをそれぞれ1つずつ発生させる。また、この発動タイミングではもうエレメンタルクロスは発動できない。
※オリジンと同時に使用することはできない。
A「リヴァイアサン」光3水1
攻撃力+7、さらに攻撃範囲に自分の右前、前、左前を追加し、対象にバッドステータス:麻痺レベル5を与える。また、この魔法の効果によって受けたバッドステータスは、戦闘終了時まで回復されず、レベルの増減も起こらない。
A「ブラックホール」偽3
攻撃力+7、さらに戦闘空間の好きな1マスを選び、全てのオブジェクトをそのマスに移動させる。また、この魔法の発動中、味方は衝突のダメージを受けない。
A「アセンションの模造」偽3風1
攻撃力+11、さらに戦闘空間の好きなオブジェクトを好きな数だけ自分の周囲全方位1マスの好きなマスに移動させ、攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更する。
A「ヴェノムの模造」偽3地1
攻撃力+11、さらに戦闘空間のオブジェクトの存在していない好きな1マスにオブジェクト:グレイブを召喚し、その周囲全方位1マスの好きなマスに敵全員を移動させる。
A「ヴァーミリオンコスモス」火5
攻撃力+15、さらに攻撃範囲を戦闘空間上の全てのマスに変更し、対象にバッドステータス:火傷レベル3を与える。また、この魔法の効果によって受けたバッドステータスは、戦闘終了時まで回復されず、レベルの増減も起こらない。
+呪 インドラダヌス
この戦闘間、敵がバッドステータス:火傷によって受けるダメージは5倍になる。この効果は重複しない。
A「エアリアルスラスト」風5
攻撃力+12、さらに戦闘空間のオブジェクトの存在していない好きなマスに移動後、自分の周囲全方位1マスを攻撃範囲に変更する。また、3つまで、好きな属性のマナを発生させる。
+呪 アルコバレーノ
3つまで、好きな属性のマナを発生させる代わりに、地、水、火、風、光、闇属性のマナをそれぞれ1つずつ発生させる。
A「インヴォークの模造」偽5
攻撃力+15、「レインボー=ドン・ハーピィ」「虹色ハーピィ」のどちらか1体を好きなマスに召喚する。
A「ハーベストムーンの模造」(123456偽1)
攻撃力+20、さらにこの魔法の発動確定後、この発動タイミングにおける全ての発動ダイスをもう一度振る。また、この発動タイミングではもうハーベストムーンは発動できない。※オリジンと同時に使用することはできない。
A「ソルノクティス」(123456呪1偽1)
攻撃力+40、さらに攻撃範囲を戦闘空間上の全てのマスに固定する。また、この魔法および、このアクションフェイズの魔法攻撃はいかなる場合も無効化されない。さらに、この戦闘間、以下の効果を適用する(この効果は重複しない)。※レベル7以下の魔法と同時に使用することはできない。
●各ラウンド終了時、敵全員のHPを「自分の攻撃力と同じ数値」だけ減らす。
R「イエローバリア」地2
防御力+3、また、敵の攻撃に地属性の魔法が含まれていれば防御力をさらに+1
R「ブルーバリア」水2
防御力+3、また、敵の攻撃に水属性の魔法が含まれていれば防御力をさらに+1
R「レッドバリア」火2
防御力+3、また、敵の攻撃に火属性の魔法が含まれていれば防御力をさらに+1
R「グリーンバリア」風2
防御力+3、また、敵の攻撃に風属性の魔法が含まれていれば防御力をさらに+1
R「ホワイトバリア」光2
防御力+3、また、敵の攻撃に光属性の魔法が含まれていれば防御力をさらに+1
R「ブラックバリア」闇2
防御力+3、また、敵の攻撃に闇属性の魔法が含まれていれば防御力をさらに+1
R「タルタロス」偽2
防御力+9、さらに自分にバッドステータス:重圧レベル1を与える。
R「エレメンタルバリア」地1水1火1風1
防御力+7、さらに地属性、水属性、火属性、風属性のマナをそれぞれ1つずつ発生させる。また、この発動タイミングではもうエレメンタルバリアは発動できない。
※アイリスと同時に使用することはできない。
R「グランドフィナーレ」地5
防御力+12、さらに戦闘空間のオブジェクトの存在していない好きな1マスにオブジェクト:ピラミッドを召喚する。
+呪 ラースオブファラオ
この戦闘間、オブジェクト:ピラミッドにダメージが与えられる度に、同じ量のダメージを敵全員に与える。
R「ハーベストムーンの模造」(123456偽1) 防御力+20、さらにこの魔法の発動確定後、この発動タイミングにおける全ての発動ダイスをもう一度振る。また、この発動タイミングではもうハーベストムーンは発動できない。※アイリスと併用できない。

◆戦闘方針
遠慮はせずに、超攻撃力パンチを決めまくろう。アンブレイカブルフォートレスは、相手の火力大魔法に使う。院生初心者には、アルヴム・インフィニタスおよびラースオブファラオを使わないことを強く推奨。

3 おまけ:ファンシーについて
ファンシー・フロム・アザは、ハーベスト創立よりも大昔にゲネシスによって作成された意志のある人形である。彼女が作られた目的は、ドロシーをアナザー(第四次元)に呼び寄せるとき、入れ替えとしてヒア(本物の魔導次元)に飛ばすためである。そのため、ヒアに飛ばしたときでもゲネシスの脅威とならないよう、全ての魔力をはく奪されていた。これが彼女が魔法をほとんど使えない原因である。
当然ファンシー自身は、自分の作成目的など知らなかったが、何か巨大な存在が良からぬことを企んでいることは見抜き、調査と対策を始める。具体的には、アナザーや次元に関する研究を始め、自分で観測道具を開発する。そして、数百年にわたる研究の結果、アナザーを作った神であるゲネシスを発見し、ヒアを発見し、ゲネシスのだいたいの計画も突き止める。しかし、魔力も味方もいない彼女に、ゲネシスに抗うすべはなかった。
そのようなときに現れたのが、「暖炉横で見た夢」の作者の貴族風の男である。彼はヒアの出身で、夢で次元に干渉できるパラレルリンカーの一種であった。彼は眠った時にだけアナザーに来てしまう特殊な能力者であったが、そのことを自覚していなかった。このようなことは数百年間で初めてのことだった。
ファンシーは男に自分が知っているできる限りの情報を話した。男は半信半疑だったが、日記には書き留めていたようだ(この日記が「暖炉横で見た夢」)。そう、これこそが彼女にとって、ゲネシスに抗う唯一のすべであったのだ。男は書いた日記を公表するようなことはしなかった。しかし、男の死後、遺族が日記を出版社に寄稿したことで公にされることになる。しかし、内容は事実と受け止められず、小説として一部で人気になった程度である。
ファンシーは男の書いた日記がどうなったのか、知るよしがなかったが、ついにゲネシスの計画は始まる。ある日の夜、彼女が学園を巡回していると、ドロシーを知っているという生徒が現れる(本編のPC2)。ファンシーはゲネシスの計画が始まったことを悟り、彼または彼女に協力者探しと調査をするよう助言する。以降は本編の通りである。

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