星のない空に輝く光を ~Dance with Dead~

魔法学園RPG ハーベスト
シナリオ「星のない空に輝く光を ~Dance with Dead~」
推奨人数 3人
推定時間 5~6時間
推奨リベラルアーツ
フォース、ブリンガー、テレポート、ステルス、ミュート、フロート、各種属性魔法
イメージソング 星のない空に輝く光を[aimer]

今回予告

夜空を彩る星々は、いつの日か生まれ、そしていつかは消えていく
今は遠すぎて儚い六等星でも、生まれ変わって明日をきっと照らすだろう

戻れない過去に消えていったいつかの思い出と亡霊
死者と戯れ、朽ちていく者たち

心を夜空に例えるならば
終わらない夜に願いはひとつ

魔法学園RPGハーベスト
「星のない空に輝く光を ~Dance with dead~」

魔法の時間は、まだ終わらない。

◆シナリオハンドアウト
PC1 コネクション:ドロシー・フロム・オズ 推奨関係:想い人/憧れ
君は幼い頃、とある少女から子猫を託され、こっそりと一人でその猫を飼っていた。
そんなある日、その猫がどこかへ行ってしまう。
君が猫を追いかけて路地裏へ進んだ時、そこには、
かつて猫を託してくれた少女に似た魔法使いがいた。
「こんにちは。ようこそ、魔法学園ハーベストへ」

PC2 コネクション:シャルロッテ・ファン・ペルス 推奨関係:因縁/ライバル
君は魔法学園ハーベストの学生だ。
とある日の「魔法飛行入門」の授業で、飛行の練習をしていた際、
誤って女子学生寮の一部屋へと飛び込んでしまう。
そこには、札魔導学科代表生にして、生徒会副会長のシャルロッテがいた。
着替え途中の彼女の姿を見てしまった君に対し、彼女は突然の魔法決闘を申し込んだ。

PC3 コネクション:スバル 推奨関係:未練/執着
君は魔法学園ハーベストの学生だ。
君には、かつて、共にクリーチャーハントに励む相棒がいた。
しかし彼は、とあるクリーチャーとの闘いで命を落としてしまう。
そんな彼のことを忘れられない君の前に、死んだはずの相棒が現れた。

◆オープニングフェイズ
シーン1 PC1
3年前、君は、雨の日に、傘も差さずに立っている紫髪の少女に出会った。
少女はとんがり帽子にマントを着た姿で、ずぶ濡れのまま立っている。
手には、子猫を抱えており、その子猫は至るところが包帯で処置されている。
子猫は、綺麗な黄色と紫色のオッドアイをしていた。
彼女は君に気付くと、君に向かって微笑み、ゆっくりと近づいてくる。
そして君の前に来て、こう呟く。
「ねぇ、キミ。猫、好き?」
「今ね、ボク。この子を可愛がってくれる人を探してるの」
「もしよかったらこの子を大切に育ててあげてくれない?」
「ボクたち、遠いところから逃げて来たの。この子、悪い人たちに追われてて、
それでこんな酷いケガをしてる。身体だけじゃない、心だって、傷ついてる。
だから、優しくしてあげてね」
「君に、託したよ」
彼女は指を鳴らすと、彼女の目の前に大きな箒が現れる。
彼女はその大きな箒に跨ると、宙に浮いた。
「それじゃあ、さようなら。」
彼女はそのまま、空へ、雲の隙間へ飛んで行き、消えた。
君の腕に残った子猫は、声をあげて君に甘えてきた。

シーン2 PC1(PC2、PC3も登場)
3年後、君は少女に託された子猫をずっと飼い続けていた。
そして今日も子猫と戯れていたある日、猫は突然しっぽをぴんと立てて、どこかへ走り去ってしまう。
それを追いかけて君は、路地裏を進み、気が付けば、周りの風景が頭に入ってこなくなる。
自分がどこを走っているのかわからなくなったその時、気が付けば見たこともないところに出ていた。
ファンタジー世界で見た学園のような場所。街を行きかう人々は皆、不思議な恰好をしている。
そして君は、一本の木にもたれかかって座りながらホットドッグを頬張ってる一人の少女と目が合う。
「こんにちは、ようこそ、魔法学園ハーベストへ。」
「もしかして、キミ、ここに来たの初めて?」
「あ、じゃあ向こうの世界から偶然来たってことだよね。」
「私の名前はドロシー。ドロシーフロムオズだよ。あ、ホットドッグ食べる?」
彼女はそうして食べかけのホットドッグを差し出してくる
「あ、ほら、とりあえずこっち座って。説明しなきゃわからないでしょ?」
「ここは、魔導次元っていう、君が住んでる世界とは別の世界なの。」
「うんとね、簡単に言うと、魔法使いが住む世界。私もそう、魔法使いなの。」
彼女が指を鳴らすと、彼女の座っている地面が光り、一瞬でお花畑へと変わる。
「すごいでしょ?びっくりした?」
「ね、ね、君もこんな風に魔法使ってみたくない?楽しいよ?」
「私ね、魔法学園の学長やってるの。だから、君も私の学園で勉強すれば、すぐに魔法使えるようになるよ。どう?興味ない?」
「ふふっ。じゃあ一緒に今から入学しに行こうか。」
「あっと、その前に、まずは魔法の発動体を見繕いに行かないとね。ちょうど街にいるんだし、買いにいこっか」
「君の名前は?そうなんだ。何歳?」
「私の学園、魔法学園ハーベストっていうんだけどね、すっごく楽しいところだよ。いろんな先生がいて、いろんな生徒がいて、みんなの個性が輝いてるの。魔法の大会とかもあるんだよ。」
「猫を探してるの?じゃあ、その子を探すのも兼ねて、あとでこっちの世界のこと案内するね。捜索願いも出してみる。」
「あ、ここ。ついたね。発動体のお店なんだー。発動体っていうのは、魔法を使うために必要なものだよ。例えばほら・・・杖とか、カードとか、他にもいろいろ。君は何にする?何がいい?」
「あ、PC2にPC3だ。はぁい。あ、えっとね、こっちはうちの学生だよ。」
「この子は、さっき会ったの。現実世界から偶然来たばかりみたい。今うちの学園に来ませんかーって勧誘してた!」
「それで、発動体なんだけど、どれ使ってみたい?」
「じゃあこれにしてみよっか。外に出て魔法の実践だ!」
「ね、ちょっとPC2とPC3、PC1の初魔法の実験台になってよ!」
店の外の広場に出て、PC1の魔法の練習をする。
「じゃあ、まずはこの魔法、使ってみようか。簡単だから」
君はドロシーにそういわれるがままに、言われた通りにしてみると、いとも容易く魔法を発動することができた。
そしてその魔法はPC2とPC3に突き刺さる。
「あはは。PC1、すごいね。初めてでこの魔法使えるなんて、素質あるよ?」
「ね、PC2とPC3。PC1が入学したら、仲良くしてあげてね。」

シーン3 PC2(PC1、PC3も登場)
君は、魔法学園ハーベストで、「魔法飛行入門」の授業を受けていた。担当教員はドロシー・フロム・オズ学長、常習的なサボりによる自習が多く、単位認定の適当さでも有名だ。
「はーい。じゃあ授業始めまーす。とりあえず最初に連絡することあるよー。」
「えっとね、こちらに居られますのは、昨日魔導次元に来たばかりの新入生のPC1くん!」
「今日は体験ってことで急きょこの授業に参加してもらうことにしたから、みんなよろしくね。」
「じゃあはい、PC1。自己紹介して」
「んとね、今日はこの授業で初めての実践的な飛行練習を行うんだけど、流石に最初はひとりだと危ないから、チームを組んでやってもらいます。チームは、上級生1人と、下級生2人のチームにするね。もし練習中に何かあったら、チームを組んでる子がすぐに私に知らせてね。」
「んーと、PC1は・・・じゃあ、PC2とPC3! 二人とも、PC1とペア組んでもらっていい?」
君は、新入生と共にペアを組むことになり、飛行の練習をすることになった。
PC2が飛行の練習で空を飛ぶ際、誤ってスピードが出てしまい、女子学生寮のある方向へ飛んで行ってしまう。
そして、派手に窓ガラスを割って、君はとある一室に飛び込んでしまう。
衝撃の後、目を開けたとき、キャミソール姿で君の方を向いて赤面している女の子が見えた。
「・・・さ、最低ですわ・・・この不埒者!!」
綺麗な金髪に、貴族めいた衣装を手に持っている彼女に、君は見覚えがあった。
魔法学園ハーベスト、札魔導学科で最も名の通っている代表生であり、さらに生徒会で、副会長を務めている優秀で人望のある存在。シャルロッテ・ファン・ペルス。
「私の部屋に断りもなく飛び込んでくるなんて、いい度胸していますわね・・・」
「完膚なきまで、叩きのめしてあげます。」
「シャルロッテ・ファン・ペルス。貴方に魔法決闘を申し込みますわ!」
そして、君たちは授業終わりの休み時間、広場にて、魔法決闘を行うことになった。
そこには取り巻きとして、PC1やPC3以外にも、たくさんのシャルロッテのファンの女子学生たちや、楽しそうだからと見に来たドロシーなど、大勢の人たちがいた。
「先に確認させていただきますわ。貴方が勝てば、さっきの出来事はまぁなしにしてあげてもいい・・・しかし、私が勝ったら、貴方はもうこの学園ではまともに生活できないと思いなさい?」
「ところで貴方、私の実力は知っているのかしら?」
「私は生徒会副会長にして、札魔導学科代表生。その真骨頂は、絶対防御。
断言します。貴方は、私に傷1つつけることもできませんわ」
「それじゃあ、覚悟はいいかしら。Ready?・・・Now!」
PC2は演出で、シャルロッテの発動体に傷をつけることができます。
「・・・そんなっ!この私が・・・こんなことって・・・!?」
「・・・いいですわ。認めてあげます。私は先ほど、傷1つつけられないと断言した。そのこと、忘れるような私ではありませんわ。」
「お、覚えておきなさい!次は必ず、貴方に勝ってみせますわっ!」
この出来事を通して、PC2は少し有名になる。

シーン4 PC3
君は、スバルという男の名前が刻まれた墓の前に立っている。
君は静かに目を閉じて、彼のことを思い出していた。
君が彼と初めて出会ったのは、確か6年前。君がハーベストに入学したその日だ。
入学式を終えた君は、ハーベストの正門から、少し離れた淵にある、一本の桜の木を見つける。
そこに彼はいた。桜の木の枝に腰かけ、君の方を見て、声をかけてくる。
「おーい!そこの人!助けてくれー!」
「俺、こいつを助けるために上ったはいいけど、降りられなくなってさ。」
と、彼は両手に抱える子猫を掲げ、君に見せる。
君は彼を助けると、彼は君に頭を下げる。
「ありがとな。俺はスバル。今日からハーベストの3年生になるんだ。お前は?」
「お前、新入生なのか!じゃあこれからもよろしく!」
彼は笑顔で君に握手の手を差し伸べる。
「あ、そうだ。せっかくだし、この桜の木で写真撮らないか?」
そういって、彼は魔導機械のカメラを取り出し、半ば無理やり自撮り形式で写真を撮る。
「ありがとな!これからもよろしく!」

シーン5 PC3
そして時は立ち、それから3年後、今から3年前、君は、とあるカース事件の解決のためのクリーチャーハントとして、相棒となったスバルと共に、そのクリーチャーが発見された、ハーベストから遠く離れた山に向かうため、学園を出発するところだった。
学園を出るとき、スバルは君にこういった。
「なぁ、PC3。悪いんだけど、学園を出る前に行っておきたい場所があるんだけどいいか?」
そういって、彼についていくと、あのときの桜の木の場所に着く。
「・・・覚えてるか?ここは、俺とお前が初めて会って、友達になった場所」
「俺とお前の、思い出の場所だ。」
「懐かしいよな、ここで全てが始まって、俺たちはこうして良き相棒になれた。」
「あの時からずっと、俺はお前を信頼してる。だから、お前も俺を信頼してくれ。相棒。」
君たちは、ハーベストを出発した。

シーン6 PC全員
ある日の魔法学園ハーベスト。PCたちはいつものように授業を受けていた。
授業名は「クリーチャー学概論B」、講師は魔導書魔導学科主任のガンディー・アイアンガーである。固い授業のため、寝ている生徒もいれば、真剣に聞いている生徒もいる。
「今日の講義は、君たちにクリーチャーの心について考えてもらおうと思う。」
「PC2、君は、クリーチャーには心があると思うか?」
「ふむ、では君はどうだい。PC3」
「教科書的な回答をすれば、クリーチャーにも心はある。もちろん心の定義を何とするかという話にもなってくるだろう。しかし、クリーチャーには明確な目的と意志があることは確かだ。皆も知っている通り、クリーチャーの多くは、動物に近い。だからその多くは本能を目的としている。しかし、クリーチャーによっては、知能指数の高い者もいる。邪眼魔導学科のアスタロト大公爵だって、はっきり言ってしまえばクリーチャーだ。だが彼のように、人間を理解し、自らのカース生成量を極端に減らすことで人間と共存できる者もいる。」
「つまり、彼らに心があるのは、彼らが生きているからだ。そして、生きとし生ける者には、皆、本能と理性から成る行動のアルゴリズムが存在している。それを、クリーチャー学では『心の夜空』と形容する。」
「なぜ、夜空なのか。それは、とある魔法によって、この行動のアルゴリズムを目に見える形で表出させることができ、そのとき、それが、小さな夜空のような姿となって現れる。だから、『心の夜空』と呼ばれるのだ。この夜空は、クリーチャーのものを映し出すと、大抵が真っ暗で、輝きの無い空のように見える。そして、ただ映し出すだけではなく、魔法によって輝きを与え、「優しさ」や「思いやり」など、あたたかな感情を加えることすらできる。
そうすることで、まず、クリーチャーの中に溢れるカースそのものを消しさることができる。さらに、クリーチャーと心を通じ合わせることも可能だ。」
「この魔法は、リライヴ・セレモニーと呼ばれる。だがこの魔法は、まず、君たちには使えない。なぜなら、この魔法の第一条件として、クリーチャーの心の夜空を表出させるのに、大量の魔力を必要とするからだ。そしてその魔力を持つのは、この学園では、そうだな。・・・ドロシー・フロム・オズ。学長くらいだろう。その大量の魔力を持つ者が、20分間詠唱し、まず、クリーチャーの『心の夜空』を見える形として引きずり出す。これが「イクスプレス」、表出の段階だ。それから、さっき第一条件といったからには、もちろん第二条件がある。この魔法の発動には、魔法使いが5人必要なのだ。これは、君たちでも大丈夫だろう。この5人の魔法使いが、一斉に、心の夜空に向かって、光を放つ。それを「ライトアップ」、点灯の段階と呼ぶ。このときの詠唱文がこうだ。『星のない空に、輝く光を』」
そうガンディーが呟くと、彼の持つ書物から、眩い光が生まれ、講義室を明るく照らす。
「さて、これで寝ている学生も目が醒めたかな。今回の講義のところ、必ず試験に出すから、聞けなかった生徒は、講義が終わったら周りの人に頼んでレジュメを見せてもらいなさい。それでは、次の話に・・・」
と彼が呟いた瞬間、講義室に、「にゃーーー」と大きな鳴き声が響き渡る。
その声で講義室が静まり返った次の瞬間、一番目の前の席で講義を聞いていたシャルロッテ・ファン・ペルスが突然「きゃああっ」と大声をあげる。
彼女の膝の上に、子猫が飛び乗り、彼女にじゃれついている。
皆の注目が突然集まる中、彼女は、「わ、私猫は飼っていませんわ!」と叫ぶ。
PC1は、その子猫が、現実世界で飼っていて、いなくなってしまった猫と同一であることに気付く。
猫は素早く様々な生徒の膝に移動し、PC3にダイブしたと思うと、PC3を蹴り上げ、講義室の窓にダイブし、外を駆け抜けていく。
「PC1、猫を捕まえるのは後にしなさい。それと、猫は授業に持ち込み禁止だ。」
ガンディーのその言葉で場は茶化され、再び講義は始まった。

シーン7 PC3
君は今日もスバルのお墓の前にいた。ここに来るのが、君の日課になっていた。
墓は、桜の木の近くに立ててある。君は咲き誇る桜の花を見ながら、あの時のことを思い出していた。

場所はハーベストから遠く離れた山、時は三年前。ターゲットのクリーチャーを探して、君たちは山道を進んでいた。ターゲットは未確認のクリーチャーであり、手がかりはスバルがハーベストから渡された「カース探知機」だけだった。探知機を便りに、君たちは山道を進んで、途中でキャンプもしながら、三日目が経った日の午後。
「なぁ、PC3。何か聞こえないか?」
スバルがそう君に囁いた。君には何も聞こえない。
「なんか・・・楽器のような・・・」
君が耳を凝らしたとき、大きな「トランペットの音」が鳴ったのが聞こえた。
「これは・・・?」
そのトランペットの音は君たちの近くから鳴り響き、音は徐々に大きくなっていく。
それと同時に、スバルが手にもつ「カース探知機」が鳴り響いた。
「PC3、伏せろ!!」
スバルがそう叫んだのを君は聞き、君たちは素早く身を伏せた。
その瞬間、熱線が君の上空を突き抜ける。
君たちの目の前に、巨大な蛇が現れる。
「こいつは・・・ターゲットじゃない。ウムガルナって名前のクリーチャーだ。」
スバルがそう呟くと、彼は後ろを振り向く。
彼が振り向く瞬間、彼に氷のつぶてが降り注ぐ。
彼のマナプロテクトは、それにより徐々に傷ついていく。
「PC3、これは相当やばいことになったぞ・・・」
後ろには、巨大な女郎蜘蛛がおり、その姿は君も知っている。アトラク=ナクアと呼ばれるクリーチャーだ。
気が付けば、君たちの周りには、ウムガルナやアトラク=ナクアだけではない、巨大なクリーチャーが何匹も君たちを囲い込んでいた。
「・・・ハメられたな」
「おそらくさっきのラッパの音は、ターゲットが俺たちを見つけて、行った奇襲攻撃の合図だったんだ。おそらく、他のクリーチャーを簡単に使役することができるほどの存在。相当強いか、お偉いか、どちらにせよやばいってのには変わりない。」
「どうにかしてこのことを学園に知らせたいが・・・っ」
君たちに対し、クリーチャーは強力な魔法を浴びせる。
スバルは手に持つハンドスピナーを回すことで、その魔法を全て消去した。
君は彼の防御の中、なんとかして一体のクリーチャーを倒した。
しかし、一体を倒しても、また次のクリーチャーがやってくる。
トランペットの音は鳴りやまない。
「攻撃は俺がなんとかして耐えるが、いつまで持つかわからない。」
「だからその間に・・・」
と彼が呟いた瞬間、彼の足場が、突然凍り付きはじめる。
「しまった・・・ッ!」
スバルがうろたえた瞬間、君の方向に、邪悪に黒く輝く大剣が飛んでくる。
スバルは君が反応するより早く、君の前に立ち、マナプロテクトで大剣を受け止める。
大剣はするりとスバルの身体に入り込み、彼の身体を蝕んでいく。
「うあああああああ!!!!」
彼は絶叫し、頭を抱えて崩れ落ちる。
「PC3・・・お前だけは・・・」
「こんな俺を、相棒って呼んでくれて・・・ありがとな」
「さよならだ。」
「アスタリスク」
彼は大魔法「アスタリスク」を発動し、君はその魔法陣の中で、君に背を向け、最期の力を振り絞って、ハーベストムーンを発動するスバルを見た。
「さて・・・後どこまでやれるかは分からねぇが、このままただで死ぬってのも嫌だな。
トランペットの奴に、絶対一撃食らわせてやる・・・来やがれ!!」
気がついたとき、君は桜の木の前にいた。

シーン8 PC2
君は、男子学生寮の自分の部屋で、寝床についていた。
なんとなく、眠れない夜、ベッドの上で、ごろごろしていると、
突然、君の部屋の窓を突き破って、何かが部屋に入り込んできた。
電気をつけると、そこには、シャルロッテが座り込んでいた。
「いたた・・・びっくりした・・・って、ここは・・・」
「へ・・・っ!?ど、どうして貴方がここにっ!?」
「そ、そうだったの・・・ごめんなさい。空を飛んでいたのだけど、ぼーっとしていて」
「って、これじゃあ、この前と逆じゃない。今度は私が決闘を申し込まれる番かしら?」
「ま、待ちなさい。ちょっと・・・話をしない?私、今夜は眠れそうになくて・・・」
「貴方、出身は?どうしてこの学園に来たの?」
「私ね、3年前に、両親を亡くしてるの。」
「それでさっき、悪夢を見て、怖くて、眠れなくなってしまって・・・気晴らしに、外に出ようと思って、空を飛んでいたら、ママとパパの声が聞こえたような気がしたの。それで、驚いていたら、貴方の部屋に・・・」
「って、どうしてこんなこと、貴方なんかに話してるのかしら。どうして・・・」
そう話すシャルロッテの目に、涙が溢れてくる
「あれ・・・おかしいですわ・・・こんな・・・」
シャルロッテは、それ以上何も語らず、泣きはじめてしまう。

シーン9 PC1
君は夜、ドロシーに呼び出される。
ドロシーはいつもと同じように、魔導次元で最も綺麗な夜景が見える学長室にいた。
「こんばんは。ごめんね。なんか、眠れなくて」
「最近はどう?授業とか楽しい?」
「ガンディーの講義受けたんだっけ?眠くなかった?」
「どんなお話しだったの?」
「PC1は、まだクリーチャーを見たことないよね。」
「私ね、一回考えたことあるんだ。クリーチャーって、ほんとにただ倒すだけでいいのかなって」
「っていうのも、私の友達がね、すっごい怒ってきたことがあったの」
「クリーチャーをいじめるなってね」
「私は、それまでクリーチャーのことを純粋な悪だと考えていたから、倒すのが当たり前、そう思ってた」
「でも、もしかしたら悪いのはクリーチャーじゃなくて、もっと根本的な物、カースそのものなんじゃないかって思ったの」
「クリーチャー自身も、自分の身体の中から出てくるドス黒いものに、心を支配されてしまう。だから、きっとクリーチャーもカースの被害者なんだと思う。」
「だって、クリーチャーにも心はあるから、いつかきっと、わかり合うこと、できるんじゃないかなって」
「だから、リライブセレモニーの魔法を開発したんだけど、全然使う機会がなかったの。」
「クリーチャーに恨みを持ってる人はいっぱいいる・・・からね。誰も、クリーチャーとの共存なんて望んでなかった。」
「今はまだ、その時じゃないんだって、思ったの。まだ、皆がそう簡単に変われるときじゃない。だから、私も、私のしたいようにしようって思ってる。今の私にとっては学園が一番大切だから、学園を脅かすクリーチャーは倒すし、そうじゃないクリーチャーは倒さない。それでいいかなって。」
「でもいつか、皆が幸せに暮らせる世界が出来たらいいな。人間も、クリーチャーも、一緒に。」

シーン10 PC3
君は今日もスバルの墓の前にやってくる。
ここで彼のことを考えると、今でも、彼の声や顔が、鮮明に思い出せる。
君は墓の前で、ひたすら考え、懺悔し続けていた。
「おい、PC3。」
突然、君の後ろから声がする。知っている声。
だが、聞こえるはずのない声が確かに聞こえた。
「何そんな辛気臭い顔してんだよ」
後ろを振り向くと、確かにスバルがいた。
あの時と変わらないそのままの姿で。
だが、君は知っている。あのアスタリスクの後、君はもう一度彼のもとへ行った。そしてそのとき、確かに亡骸を見つけて・・・。
「おいってば!聞いてるのか?」
「それより、早く飯食いに行こうぜ。」
「死んだ?何言ってるんだ。俺はここにいるだろ?」
「お前、頭おかしくなったんじゃないか?」
「はぁ、腹へった・・・」
彼はすたすたと食堂の方へ向かって歩いていく。
それは確かに、昔見た彼の姿に酷似していた。

シーン11 マスターシーン
シャルロッテは、食堂に居た。
彼女は楽しそうに笑い、誰かと話しながら食事を食べている様子だった。
そこに、二人の女子学生が通りかかる。
「シャルロッテ様!私たちも、お食事ご一緒してよろしいですか?」
「もちろん大丈夫ですわ。パパ、ママ。こちらは私の後輩の子たち。」
そういって、シャルロッテが話しかける先には、誰もいない。
「シャ、シャルロッテ様・・・?」
「あら、どうしたの、二人とも。」
「一体、誰と話しているんですか・・・?」
「何言ってるの。こっちが私のパパで、こっちが私のママ。二人とも大丈夫?」
「え・・・誰もいない・・・というか、シャルロッテ様のご両親って、確か・・・」
「何を言っているんですの?パパとママは確かにここにいる。それとも・・・貴方たちも、パパとママを否定する気・・・?」
シャルロッテから魔力が溢れ出す。彼女はそっとカードを取り出す。
「パパとママを否定するなんて、許さない!消えなさい・・・!」
彼女の宝石のような輝きを持っていた目が、黒く濁る。

シーン12 中間戦闘
PC1とPC2は、共に食堂に向かう途中だった。
食堂のすぐそばまで来たとき、突然、大きな衝撃音と共に、1人の女の子の笑い声が聞こえる。
「あはは・・・あははっ・・・楽しいですわ。パパ。ママ。もっと褒めて。」
食堂に入ってみると、1人の少女、シャルロッテ・ファン・ペルスが1人、狂ったように笑っていた。
そしてその傍らには、十人以上もいる生徒が、皆床に突っ伏している。
そこに、スバルを追いかけてやってきたPC3も合流する。食堂に着いたと思ったらスバルは消えてしまった。
「・・・あら、PC2。貴方も今からごはん?」
「パパ、ママ。私、この前あの人に魔法決闘で負けてしまったの。だから、もし勝てたら、いっぱい褒めて・・・。ご褒美が欲しいですわ。」
「では、戦いましょう?」

【シャルロッテとの中間戦闘】

戦闘終了後、シャルロッテのカードは粉々になり、彼女は泣き崩れる。
「そんな・・・また・・・勝てないなんて・・・ママぁ・・・パパ・・・」
彼女は何もない空間に縋りついている。

シーン13 情報収集
情報項目
1「シャルロッテ・ファン・ペルスのカース事件」
シャルロッテ・ファン・ペルスは、「死者に会いたい」というカースに感染した一次感染者である。このカースに感染した者は、死者をその場にいるように強く妄想する。そして、その存在を否定するものに対し、攻撃を加える。感染元のクリーチャーについては、特定ができないが、3年前にも同じカースによる事件がハーベストで起きている。

2「PC3とスバルについて」
PC3は、カースに感染している。
ただし、まだその感染レベルは低く、理性が保てている状態である。
この状況が続けば、PC3は理性を失ってしまう。
PC3が目視しているスバルは、他の人間には目視できない。
PC3は一次感染者である。

3「3年前の事件について」
この事件は、ハーベスト理事会によって隠ぺいされているため、簡単には詳しい情報を得ることができない。
3年前の事件を詳しく知ることができない場合、感染元のクリーチャーを特定することはできない。
また、この事件について調べている中で、関係者に「ガンディー・アイアンガー」の名前が見つかった。
ガンディー先生の研究室に向かうことができるようになる。

シーン14 PC全員
ガンディー先生の研究室へ向かうと、彼は部屋で1人、写真を見ていた。
「一体どうしたのかな。この前の授業のことで何か質問が?」
彼は君たちを見てそういうと、そっと写真をしまった。
「・・・そうか。3年前の・・・。アルフレッドとアンネの・・・これが私の運命か。」
「いや、なんでもない。君たちの望み。私が果たそう。準備はいいか?」
「・・・アカシック・レコード」
彼が魔導書を開くと、そこから、フィルムのようなものが次々と溢れ出してくる。
そして、気が付けばそれらは、君たちの周りを取り囲んでいる。
「これから見せるものは、この地球が『視た』記録だ。見逃しは一つもあるまい。さぁ、学生たちよ。全ての始まりを、目撃せよ。」

シーン15 マスターシーン
今から17年前。
シャルロッテの両親が、大きな屋敷の中に居た。
そこで、泣き崩れる母親。それを支える父親。そこにシャルロッテはまだいない。
「・・・ごめんなさい。私の身体が、こんなに弱くなければ、あの子はちゃんと生まれてくることができたのに・・・」
「いいんだ。これは、どうしようもなかったことなんだ・・・。君は悪くない。」
「私、怖くなってしまったわ。もし次も、同じようなことになってしまったらどうしようって・・・」
「大丈夫だ。君は必ず、元気な子を産むことができるさ・・・」

シーン16 マスターシーン
今から7年前。
9歳のシャルロッテが、大きな屋敷の中で、トランプで遊んでいる。
同じようにトランプを囲み、母親と父親も遊びに興じている。
どうやらポーカーをしているようだ。
「ママ、パパ、見て!ロイヤルストレートフラッシュ!」
「あら!すごいわね。シャルロッテ。貴方にはきっと、神のご加護が付いているんだわ」
「さすが、私の娘だな。おっと、そろそろ研究に行く時間だ。ごめんなシャルロッテ、続きはまた今度だ。」
「パパ、行っちゃうの?」
「ああ、今日から新しい研究が始まるんだ。これから、忙しくなってしまうかもしれない。だけど、私がいなくても、いい子でいてくれるよな。シャルロッテ。」
「うん。私、パパもママも大好きだから!いい子でいるよ。」
「ああ、私たちも愛してるよ。シャルロッテ。」

シーン17 マスターシーン
今から6年前。
アルフレッド・ファン・ペルスの研究室。
彼は、1人の学生の隣で、電話をしていた。
「はい、はい。大丈夫です。必ず研究を進めてみせます。成果が明らかになり次第、すぐに報告させていただきます。ええ、わかってますよ。学園には内密に、でしょう?はい。それでは、失礼します。」
アルフレッドが電話を切ると、学生は彼に声をかけた。
「理事会の方ですか?」
「ああ、また念を押されたよ、学園に秘密に進めろ、とね」
「どうしてなんでしょう。」
「さぁ、上の方の考えることなんて、私には分からないよ。
それより、スバル。ちゃんと連れ戻してきたのか?」
「もちろんですよ。ほら。」
スバルの服の中から、子猫が姿を見せる。
「おいおい、もっと気を付けろよ。そいつ、もしかしたら相当危ないかもしれないんだぞ」
「こんな可愛い子猫が、危ないクリーチャーなわけないですって。」
「どうだろうな。クリーチャーは見かけによらないぞ。まぁ、危ないにせよ、危なくないにせよ、今後はもっと厳重な管理をしないとな。」
そういって、アルフレッドは大きな籠を取り出した。
「魔法でカギを何重にもかけられる籠だ。これなら、脱走することももうないだろう」
「そうですね。まぁ、少しかわいそうですが」
「何、この子にとっても、研究が終わるまでの辛抱だ。」
彼は子猫をその籠に入れた後、机の引き出しから袋を取り出した。
その袋から、粉薬のようなものを1つ出すと、子猫に与える餌箱の中にそれを振り入れた。
「その薬、なんですか?」
スバルがそう聞くと、アルフレッドは答える。
「カースを抑制する薬だ。そうしておかないと、私や君が感染してしまうだろう?」
「ふーん。カースを生成する器官自体を、止めたりってできないんですか?」
「まぁ、今の技術じゃ難しいだろうね。だけど、こうして僕たちの研究が進んでいけば、いつかは可能になるんじゃないか。」
「そうしたら、クリーチャーと人間が、共生する・・・なんて日も来るんですかね」
「それは面白いな。まぁでも、アスタロト大侯爵のように、クリーチャー側から歩み寄ってくる、というのは稀だろうから、私たち人間が努力するしかないだろう。とはいっても、今の時代、クリーチャー学は人気も無くて廃れてしまっているけれどね。」
「現に、ゼミ生俺1人ですもんね」
「君1人入ってくれただけでも、とてもありがたいことだよ。ああ、そろそろ講演会が始まるな。君も出席するかい?」
「そうですね、行きましょうか。アルフレッド先生」

シーン18 マスターシーン
今から3年前。
真夜中、アルフレッドの研究室。
誰もいないその部屋の扉を、強引に吹き飛ばし、部屋に入ってくる少女が1人。
とんがり帽子に紫髪、そして箒を持った少女は、子猫が入った籠の前に立つ。
そして、指を鳴らし、箱の鍵を開け、子猫を抱きかかえる。
「可哀そうに・・・こんな酷いことをされて。」
彼女は、部屋の監視カメラがある方向を向く。
「キミたちは・・・どうしてわからないんだ・・・。
日々拘束されて、わけのわからない薬を飲まされ、毎日恐怖と絶望に押しつぶされそうになっているこの子の気持ちが、なぜわからないんだ・・・!
ボクはキミたちを絶対に許さない・・・!」
彼女がそう言い終わったとき、衝撃音が鳴り、監視カメラの映像が途絶えた。

シーン19 マスターシーン
シャルロッテは、屋敷で遊んでいた。
母親のアンネは、父親のアルフレッドを迎えに学園に行っており、家には誰もいない。
1人でトランプを触り、ポーカーをして遊んでいると、両親が家に帰ってくる。
「あ、パパ、ママ!」
両親は、誰かと話しているようだ。
「さすが、私の娘だな。マリー。」
「ええ、マリーはいい娘ね。大好きよ。」
シャルロッテは、両親が何もない空間を撫でていることに気付いた。
「パパ・・・ママ・・・?」
シャルロッテは玄関に降りてくる。両親は彼女に気付く。
「ああ、シャルロッテ。ただいま。」
「シャルロッテ。お姉ちゃんが帰って来たわよ。」
「お姉ちゃん・・・?」
もちろん彼女に覚えはなかった。何より、両親が指す場所には何もいない。
「どういうこと?」
「何を言っているんだシャルロッテ。ほら、マリーお姉ちゃんに『おかえりなさい』って、挨拶するんだ」
「・・・え・・・?」
「どうしたのシャルロッテ?あなた、おかしいわよ」
「パパとママ・・・どうしたの・・・?誰もいないよ・・・?」
「・・・マリーはここにいるじゃないか」
「ええ、確かに、ここにいるわ」
「い、いないわ。そこには何もいないし・・・私にお姉ちゃんも・・・」
「あら、マリー。泣かないで。こら、シャルロッテ・・・」
「シャルロッテ。お姉ちゃんを傷つける悪い子には、お説教の時間が必要だな」
「そんな・・・やめてパパ。助けてママ。嫌だよ・・・!やめてえええええ!!」

シーン20 マスターシーン
ハーベスト理事会。何人もの魔法使いが集まり、議会が開かれる。
議題は、「アルフレッド・アンネ夫妻のカース事件について」
理事会長のドロシーが、司会として話し始める。
「今回のカース事件だけど、極めて深刻な状況にあるの。二次感染者は未だ出ていないけど、一次感染者は、学園の講師と、その配偶者で、その娘が彼らによる虐待の被害に遭ってる。その子・・・シャルロッテは、私に直接、助けを求めてきた。だから、この事件の解決は、私に一任して!」
理事会の中の、1人の魔法使いが手をあげ発言する。
「ダメだ。容認できない。」
「どうして!?」
「この事件を引き起こしたクリーチャーは、『ベレト』と呼ばれる魔界の王の一人だそうじゃないか。」
「だから、学生をクリーチャーハントに出すのは危険すぎるの!」
「ベレトは、『七つの大罪』にもっとも近い悪魔と呼ばれているそうだ。七つの大罪に対し恐怖心を抱いている君が出る方が、危険じゃないのか?」
「でも、ベレトは七つの大罪じゃない!」
「もし、裏で七つの大罪とのつながりがあったら、どうする?君を失うことは、私たちにも責任が取れかねない。」
「じゃあ・・・どうするっていうの」
「通常のカース事件の通り、学生に依頼をする。」
「学生・・・。もし、何かあったら、どうするつもり。」
「何を言っている。私は代替案として案を出したまでだ。クリーチャーハントの成功・失敗は、彼ら自身の責任だよ」
「ふざけないで!そんなの、容認できるわけないでしょ!!」
「残念だがドロシー。これは私個人の意見ではない。理事会全体の意見なのだよ。」
他の魔法使いも、各々の反応はあれど、納得しているようだった。
「君はそう易々と現場に出るべきじゃない。少しは自分の学生を信じろ。」
「・・・」

シーン21 マスターシーン
山の中、スバルは、PC3を庇い、大剣に貫かれる。
「PC3・・・お前だけは・・・」
「こんな俺を、相棒って呼んでくれて・・・ありがとな」
「さよならだ。」
「アスタリスク」
スバルは大魔法「アスタリスク」を発動し、PC3に背を向ける。
「さて・・・後どこまでやれるかは分からねぇが、このままただで死ぬってのも嫌だな。
トランペットの奴に、絶対一撃食らわせてやる・・・来やがれ!!」
彼は、最後の力を振り絞り、ハーベストムーンを発動させた。
空に月が現れ、輝きを放つ。
月の光で、クリーチャーたちは苦しみ、退いていく。
刹那、大きな鳴き声が聞こえる。心を鳴動させるような、邪悪で耳障りな鳴き声。
「そこか・・・っ!逃がさねぇぞ!!」
スバルは、月の光を一点に集中し、鳴き声のする方向へ向ける。
光が照射された後、彼は力尽きるように崩れ落ちる。
「はは・・・これで、終わりか。でも、あいつを守れた。それだけで、満足だ・・・」
彼は、目を閉じた。

シーン22 PC全員
ガンディーは本を閉じた。
その瞬間、魔法が解かれ、ここが研究室であることに気づく。
「・・・これが3年前の事件だ」
「あの後、このクリーチャーは魔導次元のどこを探しても見つからず、このカース事件は解決しなかった。」
「感染者は、少なかったが、後に全員自殺で死亡した。」
「アルフレッドとアンネは、私の元教え子でね。」
「・・・ずっと、私もあの時何かできなかったのか。なぜこの事件に介入しなかったのか。なぜドロシー学長と共に、学生をクリーチャーハントに行かせることに反対しなかったのか。ずっと、ずっと後悔していた。」
「三年の月日が経っても、彼らに懺悔するのが、日課になっていたよ」
そういって、彼は、さっきしまった写真を君たちに見せる。
若い頃の、アルフレッドとアンネの写真。どこか、シャルロッテに似ている。
「・・・君たちがきたとき、運命を感じた。自己満足かもしれないが、きっと、これが私にできること、私の使命だと悟った。」
「この事件はまだ解決していない。アルフレッドとアンネは、カースに蝕まれたまま死んだ。だから、私はこの事件を終わらせて、彼らを救ってやりたい」
「君たちは、これからどうするつもりだ?」
「私としては、学生をまた危険に晒すことには反対したい」
「だが・・・」
「いや、今日はもう遅い、また明日、私の研究室に来るといい。今日は、ゆっくり休みなさい。」

シーン23 PC3
スバルが再び、君の前に現れる。
「・・・なぁ、PC3。俺が死んだとき、どう思った?」
「そうか・・・それは、悪かったな。」
「俺から1つ、お前に言いたいことがあるんだ」
「あいつ・・・ベレトも、きっといっぱい苦しんだ。」
「俺は、あいつに殺されたけど、あいつに死んでほしいとは思わない。」
「だって、きっと分かり合えるときが、来るって信じてるから。アルフレッド先生も言ってたんだ。そのためには、俺たちから歩み寄るしかないって」
「だから、俺はもう死んで、できないけれど、お前は、それを諦めないで欲しい。」
「頼むよ。相棒」
そういってスバルは再び消えた。

シーン24 PC全員
次の日、ガンディーの研究室に行くと、そこにはガンディーだけでなく、ドロシーがいた。
「・・・来たか。」
「さぁ答えを聞こう。君たちは、どうしたい?」
「・・・そう、言うと思っていたよ。」
ガンディーが君たちにそう言う。
ドロシーはその答えを聞いて溜息をつく。
「はぁ・・・もう。仕方ないなー・・・わかったよー。」
「本当は、私もガンディーも、学生を連れていくのは嫌だよ」
「だけど・・・リライブ・セレモニーは、5人じゃないとできない。」
「それに、今回はあのときと違う。私たちが貴方たちを守れる。」
「ガンディーは、こうなること、もうわかってたみたいだけどね」
ガンディーはPCたちの方を見る。
「私自身、3年間ひたすら後悔し続けてきた。あのとき、何かできたんじゃないかって。君たちも、きっと同じ気持ちだろう。私は、例え止めるべきだとわかっていても、止められないよ」
ドロシーがこう言う。
「でもさ、君たち、ベレトの居場所はどうやって見つけるつもりだったの?」
「そんな困った君たちにプレゼントだよ」
そういって、ドロシーはPC3に何か石のようなものを手渡した。
「PC3。これ・・・スバルくんがあの時持っていた探知機。アスタリスクで君が飛んで来た時、一緒に飛ばされたみたい。魔力で動く探知機なんだけど、あれからずっと、魔力をいくら入れても反応しなかった。ベレトが、この世界にいなかったから。でも、今なら。ここに魔力を入れてみて。」
PC3が石に魔力を込めると、探知機が光り出し、ベレトがいる方向を映し出す。
「北西の方角。あの時と同じ、山があった方だね。」
PCたちが、ベレトのいる山に向かうことを宣言したらシーン終了。

シーン25 クルドサック
1度だけ、ドロシーとガンディーの力を借りることで、クルドサックを成功させることができる。
1「落石・土砂崩れ」
フォース、ブリンガー、テレポート  4点のダメージ
2「毒霧」 バッドステータス:毒レベル2
フロート
3「中級クリーチャーの群れ」 5点のダメージとバッドステータス:衰弱レベル2
ステルス、ミュート

シーン26 クライマックス戦闘
探知機の反応に従って、山を進むと、
PC1は、小さな、トランペットの音が聞こえてくることに気づく。
その方向に向かうと、オッドアイの猫が、トランペットを吹いていた。
トランペットの音に連れられて、君たちの背後から、たくさんのクリーチャーが集まってくる。
「・・・ガンディー。お願いしていいかな?」
「もちろん。この程度の数ならば、私1人で十分だ」
猫は君たちの方を向くと、暗く、重たいマナを溢れさせる。
そして猫、ベレトは巨大な蒼白い馬に乗る魔人へと姿を変え、君たちに牙を剥く。
「PC1、PC2、PC3。私と協力して、あの子を止めよう。私は全力で詠唱するから、君たちは全力でこの子を弱らせて!」
【クライマックス戦闘】

◆エンディングフェイズ
シーン27 合同エンディング
戦闘終了後、ドロシーの詠唱が完成する。
ベレトの胸のあたりから、夜空のような画像が表出する。
その夜空は、真っ暗で、月はなく、星灯り1つ存在しない。
周りの全てのクリーチャーを仕留めたガンディーが、君たちの元へやってくる。
ドロシーは皆を見て頷き、こう言う。
「じゃあまず、私から、行くね」
「ずっと、君のこと、気づいてあげられなくてごめんね。苦しい思いをさせてしまって。
本当は、君たちクリーチャーと私たちは、争いあうべきじゃないと思う。だけど、やっぱり私の一番は、学園を守ることだから、これからも、クリーチャーと戦うことは、あると思う。だけど、こうやって、皆が認めてくれて、君たちを救える日が、いつか来て欲しいとは思うよ。無責任なことしか言えないけど、今は少なくとも君は、救いたいって思う。」
「星のない空に輝く光を」
ドロシーがそう呟き、手を伸ばして指を鳴らすと、そこに眩い光が生まれ、夜空に星を浮かばせる。
ガンディーが一歩前に出る。
「次は私だ。」
「私は、ずっとお前を恨んでいた。私の立派な教え子たちを殺した、憎き悪魔だと。だが、この学生たちが来て、学んだよ。どれだけ悲しいことがあっても、悪い者など、いないのだと。悪いのは問題そのものであって、その中で足掻く私たちは皆平等に被害者だ。お前も十分苦しんだだろう。もう、人から憎まれるのは終わりだ。」
「星のない空に、輝く光を」
ガンディーがそう呟き、魔導書のページをめくると、そこから光が溢れ出し、夜空に星が生まれる。
「PC3」
スバルの声が聞こえる。
「・・・これで本当にお別れだ。」
「でも、こうやって死んだ後も、お前の前に現れることができて、よかったよ」
「・・・最後はお前の手で、終わらせてくれ。」
PC3が星を灯すと、スバルは消えていく。
「ああ、そうだ。あの桜の木の近くに、俺の墓作ってくれて、ありがとな。」
「お前毎日毎日来てるよな。俺の墓の前。たまにでいいんだぜ?」
「・・・あの桜の木の、裏。見てみてくれ。ちょうど、お前が卒業するときに言おうと思ってたんだ。」
「・・・じゃあな。ありがとう、PC3。楽しかったぜ。」
最期に、そう、彼の言葉が聞こえた。
最後にPC2、PC1が星を灯すと、5つの星が繋がり合い、また星を形作る。
それが魔法陣となり、リライブ・セレモニーが完成した。
ベレトの心の夜空は、輝きに満ちた。

シーン28 PC3エンディング
桜の木の裏を見ると、6年前、スバルと出会ったときに撮った写真が、張ってあった。
写真の裏には、こう書かれている。
「卒業おめでとう。あの時渡しそびれた俺たちの思い出だ。 スバル」

シーン29 PC2エンディング
医務室でシャルロッテと語るorシャルロッテと魔法決闘

シーン30 PC1エンディング
ベレトと共に暮らすシーンorドロシーと話すシーン

◆エネミーデータ
「シャルロッテ・ファン・ペルス」
主体属性:火・光 クラス:札魔導学科
能力値「アクション:5」「リアクション:5」「リベラル:5」
特技
「ビートダウン」消費TP3 種別A
次の自分のアクションフェイズまでの間、味方が魔法攻撃の対象に選ばれたとき、その味方のリアクションフェイズを代わりに自分が行う。
また、味方1人の次のアクションフェイズでの発動ダイス数に+1する。
「クロスカウンター」消費TP2 種別R
このリアクションフェイズで自分が受けるダメージをそのまま魔法攻撃の発動者に与える。
「デスティニー・ドロー」消費TP2 種別R
このリアクションフェイズでの発動ダイス数に+1する。

特殊特技
「ロイヤル・ストレート・フラッシュ」消費TP5 種別R
このリアクションフェイズで、火属性魔法レベル4「ビヨンドザリベンジ」を発動する。
カットインセリフ「この炎から逃れられると思って?ビヨンドザリベンジ!!」

アイテム「トランプカード(シャルロッテ専用)」
攻3(髪飾り含む) 防1 HP50 TP20 SS5 移動1
特殊特技「ロイヤルストレートフラッシュ」を取得
「青空の髪飾り」 所持している魔法の発動体の攻撃力が1上昇する。

魔法
「アイリス」「カース」「ハーベストムーンR」
A「アンビヴァレンス」光1闇1
攻撃力+1、さらに光または闇属性のマナを1つ発生させる。
A「ファイアボール」火1闇1
攻撃力+2、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル1を与える。
C「アンビシャス」呪2
攻撃力+3、さらに対象は次のアクションフェイズで、移動タイミングを行えない。
C「イクリプス」呪1火1
攻撃力+5、さらに攻撃範囲に自分の前方3マスを追加する。
C「ディザイア」呪2火1
攻撃力+9、さらにこの攻撃に対する対象のリアクションフェイズの発動ダイス数に-1する。
C「トラジディ」呪2光1
攻撃力+6、さらに攻撃範囲に好きな横列1つを追加し、対象の現在のHPが最大値と同じ場合、その対象に対してのみ、この魔法の攻撃力上昇効果を2倍にしてダメージ計算を行う。
C「ダムド」呪1光1闇1
攻撃力+4、さらに好きな属性のマナを合計2つまで発生させる。
R「アクセルムーブメント」火1風1
防御力+1、さらにこのリアクションフェイズの終了後、前後左右の好きな方向に1マス移動することができる。
R「ビートディフェンス」光1闇1
防御力+2、さらに自分にグッドステータス:鼓舞レベル1を与える。
R「ファイアウォール」火1闇1
防御力+1、さらに自分の前方1マスにいるオブジェクトに2点のダメージを与える。
R「ディスチャージ」光2火1
受けた分のダメージを次の自分のアクションフェイズでの攻撃力に加える。
R「アルティメイタム」火1水1闇1
防御力+3、さらに自分にグッドステータス:鼓舞レベル2とグッドステータス:加護レベル2を与える。
R「エンジェルフェザー」光2風1
防御力+4、さらに自分にグッドステータス:飛行レベル1を与える。
R「ビヨンドザリベンジ」火4
魔法攻撃の攻撃力と同じだけのダメージを魔法攻撃の発動者に与える。
R「ガトリングバレッジ」火3闇1
防御力+7、さらに敵全員に5点のダメージを与え、敵全員の次の発動タイミングでの発動ダイス数にー1する。
R「アンジェロオンザピン」光3火1
防御力+8、さらにこのアクションフェイズの終了後、魔法攻撃の発動者に7点のダメージを与え、2マス移動させる。
R「ガーネットコスモス」火5
防御力+12、さらにこのアクションフェイズ後に、魔法攻撃の発動者を対象として、自分のアクションフェイズの発動タイミングを行う。
この魔法によるアクションフェイズの発動タイミングに敵のリアクションフェイズは発生せず、自分はこの魔法の効果では行動済みにはならない。
さらに、このアクションフェイズの発動ダイス数に+5する。

「ベレト」
主体属性:火・風・光 クラス:クリーチャー
大魔法:イマジナリーウイング、アスタリスク、テスタメント
能力値:「アクション:7」「リアクション:5」「リベラル:6」

特技
「蒼白の馬」 消費TP3 A
自分にグッドステータス:神速レベル1を与え、このラウンドの間、自分が衝突したとき、衝突した敵が受けるダメージに+2する。
「封印されし魔人の片腕(ダークネスブリンガー)」消費TP5 種別A
自分にグッドステータス:暴走レベル1とグッドステータス:憎悪レベル1を与える。1シナリオに1回まで。
「地獄のトランペット」消費TP3 R
このリアクションフェイズ終了後、敵1人が受けているグッドステータス1つのレベルを1下げる。また、そのグッドステータスのレベルが0になったとき、そのグッドステータスを消去する。

攻5 防2 HP120 TP45 SS9 移動1
このクリーチャーは1(横)×2(縦)のオブジェクトである。

魔法
「オリジン」「アイリス」「カース」
A「フォボス&ダイモス」地1水1火1風1光1闇1
攻撃力+20、さらにこのシナリオの間、「特殊特技:七つの大罪」の中から1つを選択し取得する。
※「特殊特技:七つの大罪」は1つのキャラクターにつき、1つしか取得できない(特技を変更することは可能である)
A「ジャイロストライク」火1風1
攻撃力+2、さらにこの攻撃の後、1マス追加で移動する。
A「ファイアボール」火1闇1
攻撃力+2、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル1を与える。
A「ダストストーム」風1地1
攻撃力+1、さらにダメージ計算後、対象を1マス好きな方向へ移動させる。移動させたマスにオブジェクトが既にあった場合、衝突が発生する。
A「エアロスプラッシュ」風1水1
攻撃力+1、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更する。
A「アンビヴァレンス」光1闇1
攻撃力+1、さらに光または闇属性のマナを1つ発生させる。
A「アクセルブースト」火2風1
攻撃力+4、さらに別のオブジェクトに衝突するまで前方向に移動する。また、この魔法の発動中、自分は衝突によるダメージを受けない。
A「バーニングバスター」風2火1
攻撃力+4、さらに攻撃範囲を自分の前方3マスに変更し、別のオブジェクトに衝突するまで後方向に移動する。また、この魔法の発動中、自分は衝突によるダメージを受けない。
A「ヘルブラスト」闇2火1
攻撃力+9、さらに攻撃範囲を前方1マスに固定する。
A「ボルテッカー」火1水1光1
攻撃力+4、さらに別のオブジェクトに衝突するまで前方向に移動する。ただし、この魔法の効果で衝突した場合、ダメージ計算後、そのオブジェクトを通過し、前方向に移動する。また、この魔法の発動中、自分は衝突によるダメージを受けない。
A「インフェルノドライブ」火1水1闇1
攻撃力+4、さらに対象にバッドステータス:火傷レベル2を与え、自分にグッドステータス:興奮レベル2を与える。
A「ティルヴィング」風2闇1
攻撃力+3、さらに3マスまで追加で移動できる。
C「バイオレンス」呪2闇1
攻撃力+7、さらに自分にグッドステータス:暴走レベル1を与える。
C「スーサイド」呪1火1風1
攻撃力+5、さらに攻撃範囲を前方2マス、右列前方2マス、左列前方2マスに変更し、このアクションフェイズの後、攻撃範囲内の好きなマスに移動する。移動させたマスにオブジェクトが既にあった場合、衝突が2回発生する。
A「スーパーノヴァ」火3闇1
攻撃力+8、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル2を与える。また、この魔法の効果によって受けたグッドステータスは、戦闘終了時まで任意解除以外では消去されない。
A「ストレイシープ」風3光1
攻撃力+7、さらに味方全員が受けているバッドステータスを全て回復する。
A「ホワイトアウト」水3光1
攻撃力+7、さらに対象にバッドステータス:盲目レベル3を与える。また、この魔法の効果によって受けたバッドステータスは、戦闘終了時まで回復されない。
A「アポカリプスデイ」光3地1
攻撃力+7、さらに戦闘空間に存在するキャラクター以外のオブジェクトを全て破壊し、全てのマスの地形変化を無効にし、元に戻す。
C「インヴォーク」呪5
一般クリーチャーの中から好きなクリーチャーを1体戦闘空間のオブジェクトの存在しない好きなマスに召喚し、キャラクターとして使役する。召喚されたクリーチャーは戦闘終了時に消滅する。
※同時に召喚できるクリーチャーは1体まで。
R「アクセルムーブメント」火1風1
防御力+1、さらにこのリアクションフェイズの終了後、前後左右の好きな方向に1マス移動することができる。
R「スターライトシグマ」水1光1
防御力+2、さらに味方1人にバッドステータス:麻痺レベル-1を与える。
R「ビートディフェンス」光1闇1
防御力+2、さらに自分にグッドステータス:鼓舞レベル1を与える。
R「テトラポッド」風1水1
防御力+1、さらに自分の次のリアクションフェイズでの防御力に+2する。
R「デモンズナックル」風1闇1
防御力+1、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル1を与える。

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