世界観設定

魔導次元について

「魔法学園ハーベスト」は我々が住んでいる世界である、現実世界に密接に関わっている「魔導次元」と呼ばれる特殊な次元空間に存在しています。
そして魔導次元は、現実世界と次元距離的に近く、さまざまなゲートとよばれる門を通して行き来できるようになっています。
PCたちは、次元空間を越えて、偶然、あるいは作為的に魔導次元へと迷いこむこととなるでしょう。
現実世界から魔導次元への行き方には何通りも方法がありますが、その代表例は「英国、ロンドン駅のプラットホーム、9.8番線の列車に乗ること」や「日本、山手線の最終電車が終点に到着したあと、回送となって車庫に向かう電車に乗ること」、「日本、都内某所の廃学校の3階西側トイレの鏡に飛び込むこと」などです。
魔導次元は約5000平方キロメートルの「小さな空に浮いた大陸」のみが存在し、この世界で生きる魔法使いたちの拠り所となっています。

魔界について

現実世界と繋がっている世界には、魔導次元だけではなく、「魔界」と呼ばれる世界があります。
魔界にはクリーチャーと呼ばれる怪物たちが跋扈しており、彼らは今まで幾度と無く人間界への侵入、及び侵略を試みようとしていました。
クリーチャーには知力の高い人型のものもいれば、動物レベルの知力を持つ獣のようなものもいます。
人間界への侵入を試みようとしたクリーチャーたちですが、魔界と人間界を繋ぐゲートは稀にしか現れませんでした。
しかし、西暦に入って以降、そのゲートの数は徐々に増加していきました。

魔導次元の出現

少しずつゲートが増えていき、現実世界の侵略が開始されようとしたそのとき、「偉大なる魔法使い」が現れます。
偉大なる魔法使いは、現実世界で初めて、そして唯一、魔法についての実践理論を確立した存在です。
彼はその強大な魔力を持って、現実世界と魔界の狭間に新たな世界を作ることに成功します。それが魔導次元です。
魔導次元は、現実世界と魔界を繋ぐ中継地点となり、魔界は現実世界に侵略を行うためには魔導次元を通らなければならないようになりました。
そして、「偉大なる魔法使い」は自分の弟子となる多くの人物に自分が確立した魔法理論を教え込むことを始め、人間世界を侵略しようとする魔界の住人たちへの反撃手段となる人材を育て始めました。

魔界大戦と伝説の八大魔法使いについて

「偉大なる魔法使い」が現れ、去ってから数百年経ったとき、「七つの大罪」と呼ばれる強力なクリーチャーの一人「サタン」が、他の「七つの大罪」を引き連れて、魔導次元ごと人間界を侵略しようとした事件がありました。
魔導次元では、これによって引き起こされた戦争を「魔界大戦」と呼んでいます。
魔界大戦は、戦争といっても、サタン率いる大量のクリーチャーに対抗したのは、たった8人の魔法使いだったといいます。
その8人の魔法使いたちの魔力は強大で、サタンを魔界へと押し戻し、さらには七つの大罪をそれぞれバラバラな欠片として封印することにも成功しました。
このときの8人の魔法使いたちのことを、「伝説の八大魔法使い」と呼んでいます。

魔法について

魔法とは、「マナ」と呼ばれる自然率を無視した特殊なエネルギーを発生(可視化)・調律(整理)、調合(合成)のプロセスをもって発動させることができる超能力のような現象です。
魔法は、現実世界にて、偉大なる魔法使いにより初めて発見されます。
しかし彼は、それを世界に公開しようとはせず、自分の信頼のおける人物たちに魔法理論を教え始めました。
何故なら、その力は強大で、彼の居た戦乱の多かった時代では、悪用されるかもしれないと考えたからです。
彼の信頼のおける人物たちは、またそれぞれ信頼のおける人物たちに世界から隠しながら魔法を伝えていきました。
そして、魔法理論を学んだ人間たちは、時折、魔界から魔導次元に現れるクリーチャーたちの討伐を行っていました。

マナについて

魔導次元には、マナというエネルギーが存在し、魔法使いは「発動体」という媒体を使ってそれをコントロールすることができます。
マナは魔界および魔導次元においては大量に存在しており、現実世界でも少量ではありますが、確かに存在しています。
マナは現在、「地属性」「水属性」「火属性」「風属性」「光属性」「闇属性」と特殊なマナである「呪属性」の7種類が確認されています。
また、魔導次元では、「マナの加護(マナプロテクト)」と呼ばれるマナの装甲が全ての生物に付与されているため、魔法以外の武器による攻撃は通用しません。
逆に言えば、魔法による攻撃ならば、相手を傷つけたり、殺害したりすることが可能となります。
ただ、マナプロテクトには「発動体優先効果」があるため、相手が魔法の発動体を持っていれば、魔法攻撃のダメージは相手の身体には与えられません。
その代わり、攻撃によるダメージは魔法の発動体に蓄積されるので、その蓄積量が発動体の許容量を超過したとき、発動体は破壊されてしまいます。
ただし、発動体を2つ以上所持していた場合、発動体優先効果は起動しないことがわかっているため、基本的には魔導次元に住む人間は一人一つの発動体を持ちます。
そして、マナプロテクトにはもう一つ、「言語ろ過効果」があり、言語の会話・読文は全て自動で翻訳されるため、違う言語の人間とも対話することができます。

「魔法学園ハーベスト」について

「魔法学園ハーベスト」は、面積約700平方キロメートルの土地を有する7年制の私立魔法学園です。
全寮制であり、新入生は全員必ず学科別に設けられた寮に振り分けられます。
生徒数は約10000人ですが、学科ごとに人数の差はかなり激しく、現在、最も人数の多い学科は杖魔導学科となっています。

ハーベストの歴史について

魔法学園ハーベストは、伝説の八大魔法使いの1人「ドロシー・フロム・オズ」により、魔法についての理論・実技を学ばせるための教育機関として、14世紀頃に設立されました。
設立当初は「名も無い学園時代」と呼ばれ、経営問題や新入生不足、内部分裂などにより何度も挫折、崩壊と再生を繰り返してきましたが、18世紀半ばに安定、1756年に正式に「魔法学園ハーベスト」と命名され完成しました。
現在は、魔法使いの素質があると見なされ特別入学招待状を渡された人間や、ドロシーによりスカウトされた人間、また、偶然この魔法学園に入り込んでしまった人間の中で希望のある者を現実世界からの新入生として迎え入れています。
しかし、そういった現実世界からの新入生は全体の1割ほどであり、新入生は魔導次元生まれの人間がほとんどです。

ハーベストの運営について

運営は10人の魔法使いからなる理事会により行われています。
そして、理事会には学長の任命と停職権限が存在し、それらは多数決によって決められます。
また、学長兼理事会長という特殊な立場であるドロシーにより教師の任命が行われます。教師の停職権限も彼女が持っています。
敷地には、中央に管理棟、そこから東西南北にそれぞれ2つずつ学科別の棟が存在し、その周辺に図書館、運動場、体育館と、学生会館、学生寮、購買所、講堂、食堂、プール、温室などの設備が点在しています。
敷地外の西側は全て「黒き森」と呼ばれる森林地帯になっており、黒き森には凶悪なクリーチャーが存在するため、必ず魔法使いの守衛が森番の任を命じられます。
敷地外の東側は全て「白き海」と呼ばれる大海原になっており、白き海はその名の通り真っ白な海水が一面に広がっており、こちらも凶悪なクリーチャーが出現するため、必ず魔法使いの守衛が海番の任を命じられています。
こうした黒き森や白き海には、学生たちも授業の一環や課題によって足を踏み入れることがあります。
また、学園内は現実世界の私立大学に近いですが、至る所に魔法による利便化が行われています。

ハーベストの学生たちについて

ハーベストの学生は、「現実世界から魔導次元に迷いこんだ者」と「魔導次元で生まれ育った者」の2種類の学生に分かれます。
どちらかというと前者の方が少ないですが、この2種類の学生たちの間に差別や区別などはほとんどありません。
学生たちはさまざまな理由でハーベストに入学しますが、その多くは、「もともと魔法に興味があった」や「現実世界に帰れない理由がある」などです。
全寮制となっていますが、授業の受講は自由なので、望む学生は、「管理ゲート」と呼ばれるハーベストの学務科が管理しているゲートを通って好きなときに現実世界に帰ったり、ハーベストに戻ってきたりすることができます。
その際に、ハーベストでは「魔導次元での経験は現実世界で口外しない」という規則があります。
これは、「偉大なる魔法使い」の考えの名残でもあります。
規則違反には罰則がつくものの、現実世界での魔法の情報流布は、魔法省と呼ばれる現実世界に置かれている公的機関の情報統制によって対処されます。
また、ハーベストの学務科では、学生たちの現実世界での親族などに対しての事情説明や、ケアなどを行っています。

ハーベストの進路について

ハーベストで学生たちが魔法を学ぶ理由の1つとして、この学校を卒業してからの進路の豊富さがあります。
魔導次元では、クリーチャーの討伐職や魔法学者、魔法警察などの職業につくことができます。
そして何より、マナの総量が少なく、マナコントロールの熟練した者でないと魔法発動が難しいとされる現実世界でも、魔法を扱う職業があります。
例えば、魔導次元と現実世界の仲介や管理を行う魔法省と呼ばれる公的機関への就職や、魔法の存在を認識している大企業への就職などの進路があり、そのどれもが収入がかなり高いことが魅力となっています。
そのため、学生たちは卒業に必要な単位魔法を習得することに日々励んでいます。

魔法決闘(デュエル)について

ハーベストでは授業の多くが、古代より縁のある魔法決闘(デュエル)をベースにしています。
魔法決闘とは、学生同士で魔法による戦闘を行うことです。
1対1だけでなく、多人数対多人数も可能です。勝利条件は、先に相手の魔法の発動体を破壊するか、相手に敗北を認めさせることとなっています。
現実世界におけるじゃんけんに近い頻度で、さまざまな場面で使用されます。
例えば、生徒会長に就任するためには、ドロシーの推薦を受けている学生たちによる、トーナメント式の魔法決闘に勝ち抜くことが必要であったりします。

第7のマナ「カース」について

地水火風光闇に続く、七番目のマナとして発見されたものです。
邪悪なマナという意味合いと、後述の特性から「呪属性」のマナと命名されました。
カースは人に宿る性質があり、宿主となった人間に対し強い「狂気」の感情を与えることで、宿主を暴走させてしまいます。
さらに、邪悪なマナはその宿主と同じ志を持った人間の間で伝染するため、簡単には対処できないのがネックです。
ハーベストではカース対策委員会が常設されたり、カース事件の解決をした学生に感謝状や賞金を与えるなど取り組みを行っています。
また、カースに感染した宿主を元に戻すためには、まず、安全のために、「相手が持っている魔法の発動体を破壊すること」が必要です。
そうすることで、宿主の暴走を一時的に止めることができます。

カースとクリーチャーの関係

カース感染者の発動体を破壊した上で、もう一つ解決しなければならない問題があります。
感染者の発動体を破壊するだけでは、感染者の身体からカースが消え行くわけではないからです。
カースは、そもそも、クリーチャーの心臓で生成されることが判明しています。クリーチャーはカースの源泉となっているのです。
それゆえ、カースとクリーチャーには密接な関係があり、カース感染者の真の解放を行うためには、カースを生成した「クリーチャー」の存在を断ち切らなければならないのです。
つまり、感染したカースを生み出したクリーチャーを倒すことで、初めてカース事件の解決となります。
そのため、多くの心強き学生たちが、ときには友を、ときには恋人を助けるために、クリーチャー討伐へと向かうこととなります。

カースを悪用する魔法使いたち

カースは、心に異常をきたす病のようなものでありますが、そこには、驚異的な力が込められています。
そのため、力を求めてカースに身を任す魔法使いも少なくありません。
また、クリーチャーを討伐するのではなく、保護することを目的とした魔法使いも現れています。
彼らは魔界大戦後から徐々に数を増やし、「アマリリス」という名の魔導テロ組織を作りました。
まだ活動規模はそう大きくありませんが、いつか必ず、ハーベストにとっての巨大な脅威となり得るでしょう。

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