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魔法省管轄大図書館について

魔法省管轄大図書館は、延床面積約15万平方メートルである、魔導次元最大規模の図書館です。魔導次元で唯一の納本図書館であり、魔導次元で発行された全ての出版物が納入されています。
また、ここで働くには大図書館司書採用試験に合格する必要がありますが、採用人数は例年少ないものとなっています。現在は約300人の職員が働いています。その中でもとくに実力が秀でている10人の「特選司書」と呼ばれる司書が「禁魔導書エリア」と呼ばれる場所で、人に害を及ぼす可能性がある「禁魔導書」を厳重に管理しています。特選司書は能力の高い順に席次が決められており、筆頭司書とも言われる特選司書第一席は、その存在も一際大きく、大図書館の顔にもなっています。

禁魔導書について

禁魔導書は、一般の魔導書に比べて遥かに多い魔力を持つ魔導書です。後述する特性により、禁魔導書は人に害を与える可能性があります。そのため、これらの大多数は大図書館によって回収され、その一画で保管されています。
莫大な情報や強大な呪文を有している魔導書ほど禁魔導書に変化しやすい傾向があります。
禁魔導書は魔法の暴走を引き起こしたり、その内容を変化させて禁魔導書内部に「追憶回廊」と呼ばれる異世界を発生させたりします。
特に追憶回廊の発生が危険視された結果、禁魔導書の取り扱いは厳しく制限されており、禁魔導書を扱うためには魔法省が認定する「禁魔導書取扱者」という資格を取得しなければなりません。
加えて、大図書館で禁魔導書を管理するには「禁魔導書管理責任者」の資格取得も必要です。現在、これら両方の資格を持つ人間は特選司書と大図書館館長のみです。
禁魔導書取扱者は取得難易度が非常に高い資格であるため、一部の禁魔導書のみを取り扱える「条件付き禁魔導書取扱者」の資格も存在しています。この資格で取り扱い許可を与えられる禁魔導書は、個人によって異なります。
条件付き禁魔導書取扱者は、もともと禁魔導書に関する事件に巻き込まれたなど特別な理由がある人物に対し、特定の禁魔導書の取り扱い許可を与えるために生まれた資格です。しかし、近年では、禁魔導書取扱者を目指す人物がこの資格を取得し、与えられている取り扱い許可の範囲を学習進度の指標とすることも行われています。
禁魔導書を管理可能な人員を増やそうと、禁魔導書取扱者試験の易化がしばしば魔法省内で提案されますが、全て却下されています。

追憶回廊について

追憶回廊は、禁魔導書の内部に発生する異世界のことです。
禁魔導書は一般的な魔導書と同じく文章や絵が記されていますが、禁魔導書自身の魔力によって、その内容を独立した世界へと変質させます。追憶回廊は元の内容の影響を色濃く受けることが判明しています。そのため、出現する追憶回廊は千差万別です。
この変化を放置すると、いずれ個人のアイデンティティや魔導次元の歴史・原理にまで影響を及ぼすことが明らかになっています。この危険性から、追憶回廊は禁魔導書の特性の中でも最も重要視されており、現在、大図書館は「追憶回廊を発生させたことがある魔導書」だけでなく、「追憶回廊を発生させる可能性が高いとみなされる魔導書」も禁魔導書として扱い、追憶回廊による被害を防ぐため管理しています。追憶回廊が発生している禁魔導書を見つけること、追憶回廊の内部に潜り込んで禁魔導書の変化を抑え込むことは、大図書館に勤務する禁魔導書取扱者の最も重要な職務となっています。
発生している追憶回廊の内部に入る確実な方法として、禁魔導書の術式を読み解くことがあり、追憶回廊に侵入したい禁魔導書取扱者は基本的にこの方法を取っています。一方で、この方法を取った者以外が追憶回廊に侵入した事例も報告されており、その中には本人が追憶回廊に入る意思を持っていなかったものも多数含まれています。現在のところ術式を読み解くこと以外の内部に入るための確実な方法は見つかっていませんが、大図書館関係者はむしろ、望まない者が追憶回廊に迷い込まない確実な方法がないことの方を危険視しています。
追憶回廊を安全に消滅させるには、禁魔導書の内容が具現化した特定の存在を撃破する必要があります。禁魔導書の内容を積極的に変化させるこれらを、大図書館では「変異」と呼称しています。
全ての変異を撃破した場合、追憶回廊の消滅と同時に、内部に侵入していた人物は全員無事に帰還することができます。追憶回廊に侵入した人物がこの実体を撃破せずに帰還した事例も数件ありますが、帰還後に禁魔導書の変化が加速したという報告もあり、変異の撃破を行わずに帰還することは好ましくないとされています。
基本的に追憶回廊への侵入は禁魔導書取扱者のみで行いますが、一般人に協力・同行を依頼するときもあります。これは、禁魔導書と関わりがある人物が追憶回廊の変化を緩やかにすると実証されているためです。
なお、追憶回廊という名は、かつてとある筆頭司書が自らの仕事を「誰かの、いつかの思いを巡る旅」と形容したことに由来しています。

断章について

追憶回廊内には「断章」と呼ばれるものが点在しています。
断章は主に書籍のページの形をしており、多くは禁魔導書本体のページと同一ですが、作中で物語の鍵となる武器や、登場人物との会話のように形がないものなど、これまで様々な断章が確認されています。
断章については、その多くが未だ解明されていません。しかし、多くの断章の形状が禁魔導書と類似している点、追憶回廊から持ち出そうとすると消失する点などから、断章と禁魔導書には深い関連があるとされています。また、断章を手に入れると特殊な力を使用できるようになることから、断章は禁魔導書の魔力そのものではないかと提唱する学者もいます。
一般に追憶回廊の発生時間が長く、禁魔導書の変化の度合いが大きいほど断章が発生しやすいため、熟練の禁魔導書取扱者の中には追憶回廊にいながらにして禁魔導書のおおよその状態を把握できる者もいるそうです。

禁魔導書エリアについて

禁魔導書エリアは、大図書館にある禁魔導書を管理する区画であり、第一禁魔導書エリアから第三禁魔導書エリアまで存在します。
第一禁魔導書エリアでは魔導次元の歴史や原理そのものを変える恐れがある禁魔導書を、第二禁魔導書エリアでは個人の本質を揺らがす恐れがある禁魔導書を、第三禁魔導書エリアではどちらにも該当しない禁魔導書をそれぞれ管理しています。
大図書館利用者の中には「第一禁魔導書エリアよりもさらに危険な第零禁魔導書エリアがある」などと噂する者もいますが、大図書館の構造が図面で公開されていることもあり、眉唾物の域を出ません。

この記事を書いた人

魔導書魔導学科が好きです。アンビヴァレンスとシューティングスターも好きです。
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