拠点戦闘について
拠点戦闘は、戦闘の代わりに運用することのできるルールです。主にファーメントにおける特異ゲートの破壊を目標とするシナリオや、トレジャーハントのために眩き廃墟を探索するシナリオなどで使用されることを想定しています。
拠点戦闘のルールは、通常の戦闘ルールと同じように進行されます。
拠点戦闘では、戦闘シーンに「拠点」が存在します。各拠点は、いずれかの陣営に属するものとして設定されることがあります。拠点は戦闘シーンには存在しますが、戦闘空間上には存在せず、位置の概念などもありません。
拠点戦闘には複数の種類があり、種類によって戦闘の終了条件が変化することがあります。
なお、拠点戦闘における拠点は、必ずしも一般的に言う拠点のように広大であったり大きさを持っている必要はありません。拠点は戦闘に影響を及ぼす要素を表す概念であり、魔法陣やNPCなどの小さなものでも構いませんし、「戦闘準備の進行具合」や「競技での得点」等を表す実体のないものでも、拠点戦闘における拠点として機能します。
拠点戦闘の種類と開始・終了条件
拠点戦闘は通常の戦闘と同様に開始されます。ただし、戦闘開始時に、GMからその戦闘に登場する全ての拠点が公開されます。
この際、特別に公開しないとされた拠点や効果を除き、拠点と拠点の構成要素はすべて公開されます。
拠点戦闘には複数の種類があります。種類に応じて、1つ以上の拠点に「コア拠点」等の特殊な属性が付与されます。
また、種類に応じて戦闘の終了条件が変更される場合があります。それらの戦闘をシナリオ内で行う場合には、その旨を「シナリオセッティング」としてシナリオの募集段階で指定することを強く推奨します。
なお、GMは新たな拠点戦闘の分類を作り出しても構いませんが、それによって戦闘終了条件の変更などが発生する場合には、その内容を公開することを推奨します。
〇一般拠点戦闘
通常の拠点戦闘です。一般拠点戦闘では拠点が設定されますが、戦闘終了条件を変更しないため、シナリオのシナリオセッティングに記載しなくても構いません(記載しても構いません)。
〇重要拠点戦闘
双方の拠点に、1つ以上の「コア拠点」が設定されます。
戦闘の終了条件が以下に変更されます。
・いずれかの陣営のコア拠点がすべて停止状態になること。
戦闘中、いずれかの陣営のキャラクターが全員戦闘不能状態になった場合でも、戦闘は終了しません。
〇重要拠点攻勢戦闘
エネミー側の拠点のみに、1つ以上の「コア拠点」が設定されます。
戦闘の終了条件が以下に変更されます。
・エネミー側のコア拠点がすべて停止状態になること。
・PC陣営のキャラクター全員が戦闘不能になること。
戦闘中、エネミー陣営のキャラクターが全員戦闘不能状態になった場合でも、戦闘は終了しません。
〇重要拠点防衛戦闘
PC側の拠点のみに、1つ以上の「コア拠点」が設定されます。
戦闘の終了条件が以下に変更されます。
・PC側のコア拠点がすべて停止状態になること。
・エネミー陣営のキャラクター全員が戦闘不能になること。
戦闘中、PC陣営のキャラクターが全員戦闘不能状態になった場合でも、戦闘は終了しません。
拠点の構成要素
各拠点は、「GP」と呼ばれる値と、いくつかの効果を発動する要素を所持しています。
各拠点に、「GP」という値が1つ設定されます。GPは0未満にならず、0未満の値に減少する場合、代わりに0になります。GPが0になった拠点は撃破されます。
撃破された拠点は「撃破状態」という状態に変化します。その処理については、後述する「拠点の状態」を参照してください。
拠点のGPの初期値は拠点ごとに指定される「基本GP」の値と同じですが、上限はありません。
また、拠点はGPに加えて、以下の3種類の、拠点の効果を表す要素を持つことがあります。
GP変化条件
示された条件を満たすたびに、それ自体のGPを変化させます。なお、一度しか発動しないように条件を記載することも可能です(例:はじめて○○したとき)。また、GP変化条件以外の効果でGPを変化させることもできます。
GP変化条件も、他の要素と同じく1つも設定されていない場合があります。その場合でも、その拠点が持つ他の効果や、他の拠点などの効果によってGPが変化することがあります。
常時効果
この拠点が存在し、指定されている条件を満たしている間、適用される効果です。条件は「条件:常時」と指定されていることもあり、その場合、その常時効果は常に適用されます。
イベント
この拠点が存在し、指定された条件およびタイミングを満たした場合、そのたびに記された効果が強制的に発動します。ただし、1回の戦闘では、各イベントに指定されている「発動回数」と同じ回数までしか発生しません。発動回数がイベントに指定されていない場合、または「∞」と指定されている場合、そのイベントは何度でも発生します。
それぞれの要素は、以下に記された項目を持ちます。
GP変化条件:条件、変化値
常時効果:名称、条件、効果
イベント:名称、発動回数、条件、効果
拠点の常時効果やイベントによって何かを選択する必要があり、誰が選択するか指定されていない場合、その拠点が味方陣営であるならばPLが相談して選択し、それ以外ならばGMが選択します。
拠点の状態
拠点は4種類の状態を持ちます。拠点は、特殊な効果を受けていない限り、常に以下の4状態のうちいずれかの状態を取ります。
〇活動状態
特に状態に関する効果を受けていない拠点は「活動状態」と呼ばれる状態です。
〇停止状態
「拠点を停止させる」効果を受けた拠点は「停止状態」になります。停止状態を解除することを「再起動」と呼び、再起動された拠点は活動状態になります。
また、停止状態の拠点は、「停止状態でも発動する」と記載されていない全てのイベントやGP変化条件を発動しなくなり、「停止状態でも有効」と記載されていない全ての常時効果は無効になります。
〇励起状態
「拠点を励起させる」効果を受けた拠点は「励起状態」になります。励起状態はそれ自体特殊な効果はありませんが、何らかのイベントや常時効果の条件になることがあります。励起状態を解除することを「鎮静」と呼び、鎮静された拠点は活動状態になります。
〇撃破状態
GPが0になり撃破された拠点は、以上のいずれかの状態から即座に「撃破状態」になります。撃破状態の拠点は、拠点の条件適用などでは「停止状態」でもあるものとして扱われ、停止状態の拠点と同じように「停止状態でも発動する」と記載されていないイベントやGP変化条件、「停止状態でも有効」と記載されていないすべての常時効果を発揮しません。
撃破状態の拠点は、「再生する」効果以外でGPの増加や状態の変更ができなくなります。
拠点状態の遷移に関する処理
撃破状態から再生した拠点はGPがその効果で指定された値まで回復します。再生する効果は「再生し、活動状態にする」など、再生後の状態の記述を行うのが好ましいですが、再生後の状態が記載されていない場合、活動状態になります。
停止状態の拠点を励起させた場合、代わりに再起動します。また、励起状態の拠点が停止した場合、代わりに鎮静します。つまり、停止状態と励起状態は互いに打ち消し合います。
ただし、撃破状態の拠点は、再生する効果でしか状態を変更できないため、励起する効果の影響を受けません。
拠点の特殊な属性
拠点には、特殊な属性を付与することができます。重複して設定することも可能ですが、一部の重複した設定はルール的に問題を起こす可能性があります(たとえば、コア拠点と永久拠点を兼ねると基本的に戦闘が終わらなくなります)。
現在のところ、本サプリメントで定められる特殊な拠点は以下の通りです。なお、GMがこれらのように特殊な拠点の分類を作成し、一部の拠点に設定することも、データ的もしくはフレーバー的に必要があれば推奨されます。
また、以下に定める「永久拠点」のように、拠点の分類自体が何らかの効果を持っていても構いません。
拠点の分類は、「コア拠点以外の」のように、それ自体を参照することで記述を平易にすることができます。
〇コア拠点
コア拠点は、その拠点の存在自体がその陣営の戦闘継続に強い影響を持っていることを表す特殊な拠点の分類です。
味方陣営のコア拠点がすべて停止状態になった場合、戦闘はその陣営が敗北したものとして終了します。
コア拠点の例は、虚像クリーチャーを生み出し続ける特異ゲートなどです。コア拠点であるかどうかは、戦闘において重要であるか(強力な効果を持っているか)どうかとは無関係です。
また、一定数のキャラクターが倒されることを勝利条件とする集団での模擬戦を、コア拠点を用いた拠点戦闘で再現することもできます。
〇永久拠点
永久拠点は、その拠点が決して動作を停止しないことを表す特殊な拠点の分類です。
永久拠点は停止状態および撃破状態になりません。そのため、永久拠点の効果は効果自体の条件を満たしている限り、発動し続けます。
データ的に、必ず戦闘中永続する効果を記載したい場合など、永久拠点とすることで分かりやすく記載することができます。
永久拠点はその性質上、必ずしもGPを1以上に設定する必要はありません。しかし、効果でGPを参照することができるので、特殊なカウンターとしても機能できます。
特殊な条件
イベントや常時効果には【】で示される特殊な条件があります。それを以下で示します。
【励起】:「効果を持つ拠点が励起状態であること」を示します。
【停止】:「効果を持つ拠点が停止状態であること」を示します。また、この条件が示されているイベントは停止状態でも発動し、この条件が示されている常時効果は停止状態でも有効です。
【撃破】:「効果を持つ拠点が撃破されていること」を示します。また、この条件が示されているイベントは停止状態でも発動し、この条件が示されている常時効果は停止状態でも有効です。
【Nラウンド〜】:「現在、この戦闘がNラウンド目以降である」ことを表します。
【ラウンドX回】:「このイベントがこのラウンド中にまだX回以上発動していない」を示します(つまり、1ラウンドにX回だけ発動します)。イベントにのみ存在する条件です。
【○○化】:○○には「励起・停止・撃破」が入ります。「効果を持つ拠点が○○になったとき」に一度だけ発動します。イベントにのみ存在する条件です。
【能動誘発】:イベントにのみ存在する条件です。効果および処理については、次項「イベント用の特殊な条件:能動誘発」を参照してください。
イベントの特殊な条件は、他の条件と組み合わせた際に平易に表現できるように存在するものです。たとえば、「【励起】味方がダメージを受けたとき」の用に記載できます。これは、励起状態であり、かつ、味方がダメージを受けたときに適用されます。「【励起】【ラウンド1回】味方がダメージを受けたとき」のように組み合わせて使っても構いません。
条件に【励起】のみが示されているイベントは、その拠点が励起状態になるとすぐに、発動条件と同じ回数だけ繰り返して発動することになります。励起状態になった際に一度だけ発動するイベントの条件は、【励起化】と記載されます。
イベントに限り、その条件に「能動誘発」を指定することができます。能動誘発条件は、キャラクターと行動の2つを指定し、「【能動誘発】(キャラクター/行動)」と表されます。
能動誘発条件に指定されたキャラクターが指定された行動を行うことで、能動誘発条件は満たされます。その際、誘発条件を満たすための行動を行ったキャラクターを「誘発者」と呼び、効果で参照することがあります。
たとえば、条件「【能動誘発】(味方キャラクター/発動タイミングを放棄する)」であれば、その拠点から見て味方であるキャラクターが発動タイミングを放棄することで、条件を満たします。
この条件が他の条件と異なる点は、行動がその条件を満たすために行われなければならないことです。つまり、条件「【能動誘発】(味方キャラクター/発動タイミングを放棄する)」は、他の能動誘発条件のために発動タイミングを放棄したり、特技の効果で発動タイミングを放棄した場合には満たされません。
一方で、条件「味方キャラクターが発動タイミングを放棄した場合」は、他の能動誘発条件や特技のために発動タイミングを放棄した場合にも満たされ、複数個その条件を持つイベントがあった場合全て同時に発動します。
常時効果に能動誘発条件はありません。しかし、能動誘発条件のイベントを設定し、そのイベントが何度か発動したことを常時効果の条件にすることで、能動的に効果を有効にできる常時効果を作成することが可能です。
能動誘発条件の「行動」には、主にタイミングの放棄やマナの消費等がありますが、特別なものとして【能動誘発】(キャラクター/宣言(タイミング))があります。「宣言」を要求される能動誘発は、指定されるタイミングでそのキャラクターを操作しているPLまたはGMが宣言することで誘発します。この能動誘発は宣言のみで発動し、特に対価を必要としません。また、同じタイミングで同じ効果のために何度でも宣言できますし、同じタイミングで宣言を必要とする他の能動誘発も宣言できます(もちろん、イベントの回数に余裕があり、他に指定されている条件があれば、それを満たしている場合に限られます)。
イベントまたは常時効果は、条件を2つ以上持っている場合があります。その場合、いずれか1つでも条件を満たしていれば、イベントの発動または常時効果の適用が起こります。
なお、条件1つとは、条件としてまとめられた塊のことを指しており、複数の満たすべき項目が記されていても、条件として一つにまとめて記載されていれば、条件は1つです。
例1
あるイベントの条件に以下の文章が記載されているとします。
条件:【励起】【2ラウンド〜】【ラウンド1回】敵が2人以上戦闘空間上に存在し、味方の誰かが戦闘不能になった時、他の味方が2人以上戦闘空間上に存在する。
これは特殊な条件を含めて6つの要件が記載されていますが、これらすべてを満たさなければ発動しない、一つの条件です。
すなわち、「拠点が励起状態で、2ラウンド目以降で、このラウンド中にこのイベントが1回も発動しておらず、味方が誰か戦闘不能になったとき、敵と戦闘不能になった味方以外の味方がそれぞれ2人以上戦闘空間に存在する」ときのみ、このイベントは発動します。
例2:
あるイベントの条件に、例1と似た以下の文章が記載されているとします。
条件A:【2ラウンド〜】他の味方が2人以上戦闘空間上に存在する状態で、味方の誰かが戦闘不能になった時。
条件B:【励起】【ラウンド1回】敵が2人以上戦闘空間上に存在するとき。
このように、条件が分かれているなら、これらのうちどちらか片方を満たしている場合に発動します。
この例の場合なら、「2ラウンド目以降で、他の味方が2人以上存在する状態で味方の誰かが戦闘不能になった時」または、「励起状態で、敵が2人以上戦闘空間に存在し、このラウンド中にこのイベントが1回も発動していないとき」のどちらかを満たしていればこのイベントが発動することになります。
拠点戦闘における選択ルール
拠点戦闘においては、以下の選択ルールが適用されることがあります。
大規模戦闘
戦闘開始前に、戦闘空間を5×6マスに変更します。その他のルールに変更はありません。
不明瞭な拠点・不明瞭な効果
GMは戦闘開始時に拠点の情報を公開する際、いくつかの拠点、およびいくつかの要素について、情報を公開しないことができます。公開されなかった情報は、以下の条件で明かされます。
・GP:GPが0になった時
・GP変化条件:はじめて適用されたとき
・イベント:最初に発動した時
・常時効果:最初に条件を満たしたとき
また、GMは要素について、その一部のみを非公開にすることができます。たとえば、イベントの条件を公開するものの、適用される効果は非公開とするようなことができます。
定義された条件
拠点に、ルールにない特殊な条件が定義されることがあります。特殊な条件を持っている拠点が戦闘空間に存在する場合、定義された条件の一覧が戦闘開始時に公開されます。
このルールは、拠点を作成する際、同じ条件を複数の箇所で記載しなければならない場合や、条件が多くなる場合などに、任意の条件を特殊な条件として定義することで簡略化して表記することを目的としたものです。
GMによる要約・修正
コア拠点を含む複数の拠点が存在したり、イベントをトリガーに別のイベントが発動したりといった場合、戦闘開始時にはじめてデータを見るPLには理解しにくいものになってしまうことがあります。その際、GMがデータの内容・何をするとどんなことが起きるかを簡潔に言葉で説明することができます。その際、ゲーム的な用語を用いなくても構いません。これをGMによる要約といいます。この説明は騙すようなものではいけませんが、必ずしも細部について正確である必要もありません(たとえば、PCが極端な行動を行わなければ取りえない手段によって発生する例外などについて、十分解説する必要はありません)。これによって、PLがスムーズに拠点戦闘に入りやすくなります。
また、GMやシナリオ作成者の意図と拠点の記述が食い違っていた場合、GMはPLに想定する動作を説明したうえで、その記述よりも想定動作を優先する(もともとの想定通りに動くよう記述されていたものとみなす)ことを宣言できます。これをGMによる修正といいます。これは記述のミスなどが原因でシナリオが崩壊することを防ぐことなどが目的です。GMがこのルールがあることを理由に故意に拠点の記述から手を抜いてよいという事ではありません。しかし、拠点戦闘は拠点を100%正確なルールで想定通りに記載することができるGMだけのものであるべきでもありません。

