サンプルシナリオ1

魔法学園RPGハーベスト 
シナリオ「夜空に輝く中秋の名月 ~harvest moon~」
推奨人数 3~4人
推定時間 4~5時間
推奨リベラルアーツ ルクス、ステルス、ララバイ、エクスプロード、他オペレイト系魔法
※大魔法の使用想定があるので、PC1は杖魔導学科及び札魔導学科、紋章魔導学科であることを推奨します。

今回予告

ちょうど、シンデレラが王子様に見初められたお城のような場所。
ちょうど、シンデレラがガラスの靴を落とした時間。
夜空に浮かぶは、闇夜を照らす中秋の名月。
闇が包み込むどんなに暗い夜でも、昇る月の光が道を照らしてくれる。

少女は今、満月を見て、何を思うのか。

魔法学園RPG ハーベスト「夜空に輝く中秋の名月~harvest moon~」

魔法の時間は、まだ終わらない。

シナリオハンドアウト

PC1 コネクション:ドロシー・フロム・オズ 推奨関係:想い人/憧れ
君はいつもと変わらない日常に退屈を感じていた。
しかし、ある日偶然魔導次元へと迷い込んでしまったのだ。
そこで、君はドロシーという少女と再会する。
そして、彼女に連れられて、君は魔法学園ハーベストに足を踏み入れる。

PC2 コネクション:オリバー・カロル 推奨関係:親友/相棒
君は魔法学園ハーベストに入学して3年目の生徒だ。
つい最近、君は親友であるオリバーと共にクリーチャー討伐に出かけたが、そのときからオリバーの様子が少しおかしい。
それまで勉強熱心だった彼が、まったく勉強しなくなったのだ。
君は親友として、彼に起こった異変の解決に臨むこととなる。

PC3 コネクション:牧場駿介 推奨関係:後輩/弟分
君は魔法学園ハーベストのカース特別対策委員会に所属している。
最高責任者であるイマヌエル・カント先生に呼ばれ、学内でカース感染者が確認されたことを知らされた。
しかしどうやら、そのカース感染者はキミの後輩である「牧場駿介」だった。
君は対策員として、そして、彼の兄貴分として、カース事件の解決に向かうこととなる。

PC4 コネクション:フリード・フィリップス 推奨関係:友人/情報提供者
君は魔法学園ハーベストにて、カース事件の解決、及びクリーチャー討伐による賞金稼ぎを行っている。
つい先ほど、クリーチャー討伐から帰ってきたばかりだが、生徒会長であるフリード・フィリップスから、また新しい賞金稼ぎの依頼を受けることができた。
君は自らの学費を稼ぐためにも、カース事件の解決に挑む。

NPC

「オリバー・カロル」
金髪の少しおちゃらけた明るい男子生徒。勉強には一生懸命。

「牧場駿介」
黒髪短髪の優等生気質の男子生徒。誰にでも優しく、誠実に接する。

オープニングフェイズ

シーン1:出会い(PC1)
描写
PC1の回想シーンである。
幼い頃、キミは、いつも遊んでいた大好きな公園にいた。
月が綺麗だったある日、キミは親(もしくはそれに近い保護者)と喧嘩をして、家出をして、衝動的にその公園に行ったのだ。
そうしてキミが一人で公園にいた時、気がつくと、キミの近くに、14歳くらいの女の子がいることに気づく。
その女の子は、とんがり帽子に、黒いローブ、そして手には大きな箒と、傍から見たらおかしな格好をしている。

「ねぇ、キミ、どうしてこんな時間にここにいるの?」
「そうなんだ。喧嘩しちゃったんだ…。どうして喧嘩になったの?」
「そっかー。でもそれ、キミは悪くないと思うよ。」
「じゃあさ、せっかくだし、気分転換に、私と一緒に遊んでくれないかな?私、あのぐるぐる回るやつやりたい!」

そういって、その子は優しく慰めてくれて、キミの遊び相手になってくれた。
公園の遊具をすごい勢いで回転させたり、彼女に振り回されることもあったものの、キミは楽しい時間を過ごすことができた。
そして時間が経った時、遠くからキミを呼ぶ親の声が聞こえてくる。
それを聞いて、彼女はこういった。

「あ、お迎えが来たみたいだね。」
「実は私、遠いところから来てて、帰らなくてはいけないの。」
「けど、今日みたいに、月が一番綺麗な夜に、またきっと会えると思う。」
「私の名前はドロシー。ドロシー・フロム・オズ」
「キミの名前、聞いてもいいかな?」

名前を聞くと、彼女は手を伸ばし、キミに握手を求める。
キミがそれに応じると、彼女は笑顔でキミに微笑んで、手に持った箒で、ふわりと宙に浮いた。
そして彼女は空を飛び、輝く月へと向かって飛んでいった。

「またね。」

彼女は手を振っていってしまった。

シーン2:再会(PC1)
PC1は、電車の中に居た。毎日毎日の繰り返しに憂鬱を感じながらも、またいつもと同じ一日を過ごしていく。
キミはこの世界での生活にどこか飽き飽きしていた。
あのときの思い出は色あせて、キミはドロシーに会ったことも幼い自分が見た夢のように感じていた。
ずっと、頭の中でそんなことを考えていたら、気がつくと眠りに落ちてしまっていた。
次に目を覚ましたとき、電車の中には誰もいない。運転手すらいない。
行き先は「魔法学園ハーベスト前駅」。
外を見回すと、そこは真っ暗で、見たこともない場所を走っている。
気がつくと、電車は停車していて、駅に着いていた。
夜中の人のいない無人駅のようだ。
キミが外に出ると、電車はきらきらと光になって消えてしまう。
そしてホームには、月を眺める少女が居た。
頭には特徴的なとんがり帽子、そして黒いローブに、手には大きな箒を持っている。
その横顔は、月光に照らされて輝いていた。あのときと、まったく同じ姿の少女。
月を眺める少女は、キミの方を見ずにこういった。

「ねぇ、そこの旅人さん。どうして月はあんなに綺麗なのかしら」
「・・・そこはもう少し、ロマンティックな台詞を言って欲しかったなぁ。」

そういってキミの方を見る。

「ね。ほら、今日も同じくらい綺麗な月。やっぱりまた会えた。」
「久しぶり、PC1くん。」

彼女はそういって微笑む。

「向こうの世界はどう?楽しく暮らせてる?」
「そっか。でもね、もうここは違う世界なんだよ。キミが心のどこかで望んだから、きっとこっちの世界に来れたの。」
「ようこそ、魔法の世界へ。」

彼女は、あの時のように、箒に跨る。
けれど、彼女はキミを誘うように手を伸ばす。
「ここは魔法学園ハーベスト。魔法を学ぶ学校なの。もしよかったら私の学校に入学しない?」
「今ならまだもとの世界に戻れるけど、どうしたい?」
「それとも、私と一緒じゃ嫌かな?」
箒に跨ると、キミは彼女とともに夜の空を翔ける。

シーン3:魔法決闘[PC1/2VSPC3/4](PC全員)
PC1が魔法学園に入学してから一年が経った。そろそろまた中秋の名月が見られる頃だ。
キミは魔法の成績がとても優秀で、その年の全学年共通テストでは、たった10人しか枠がない「SSランク」の評価を得ることができた。
ドロシーは、実は魔法学園の学長で、キミは驚いたが、相変わらず彼女とも会って話したりしている。
そんな魔法学園でのとある1日。
キミはイマヌエル=カント先生の「全学共通科目:魔法決闘実践」の授業を受けていた。
カント先生は、生徒を運動場に集め、こほんと咳き込み、話を始めた。

「えー、本日は魔法決闘の実践を行うわけだが、魔法決闘とはスポーツのようなものです。そのため、まずルールについて説明しましょう。」
「魔法決闘のルールは簡単、先に魔法で相手の発動体を破壊したほうが勝ち。ただし、ズルをしてはいけません。まず対戦相手に魔法戦を申し込むことを宣言、そして互いに会釈をし、片方が『Ready?』と聞き、参加する全員が『Ready!』そして『Now!』で開始するのが礼儀でありルールです」
「それでは、実践の見本となってくれる人・・・」

そういいながら、カント先生は名簿を確認します。

「そうですね、PC1と・・・PC2、それからPC3、PC4、前に出なさい」
「PC1はPC2と、それからPC3はPC4とタッグを組んで戦ってください。」
※PC3人の場合、オリバー・カロルを登場させ、PC2とタッグを組ませてください。

ここで、PC同士が会話して、繋がりを作っておけるよう、GMはPLに会話を促してください。

「くれぐれも、無茶をしないように。それでは全員、準備がよければ先ほどの流れで始めてください。」

戦闘に入ります。(この戦闘はチュートリアルとして、戦闘の説明のために使ってください。もちろん、カットしてもらっても構いません。長引きそうであれば、GMが途中で止めてしまった方が良いでしょう)
戦闘が終わると、カント先生はこういいます。

「いやぁ、実にいい勝負だった、皆の模範となってくれた生徒たちに盛大に拍手を。」
というと、カント先生の合図で皆が拍手をします。

シーン4:蜘蛛の糸(PC2)
PC2は、親友であるオリバー・カロルと共に、放課後の夜、授業の課題である「アラクネの糸の採集」に出かけていた。
アラクネは少し凶暴なクリーチャーだが、これまでカース事件に関わったクリーチャーではなく、かつ、3年生であるキミたちには倒すのに造作もないため、そのアラクネの巣から糸を採集することが課題として出されているのだ。
PC2とオリバーは、目的地である黒き森のアラクネが多く出没するエリアに着くと、それぞれ採集を開始するところだった。

「なぁ、PC2。せっかくだし、どっちが先に課題量を集め終わるか、勝負しないか?」
「負けた方が、ジュース奢るってことで!」

そう言って、彼はさっと森林の深いエリアへと進んでいった。
キミも採集を開始することとなる。
何度かアラクネの襲撃にあったが、キミは造作もなく蹴散らすことができた。
PC2が課題量を集め終わった頃、オリバーがキミの近くに戻ってきてこう話す。

「俺はもう集め終わったぜ。PC2はどうだ?」
「…やっぱ、お前ももう集めてたか。こりゃ、ほぼ同時で引き分けかな。」
「いやぁ、それにしてもいくら弱っちぃクリーチャーだからって、ここまで集めろって言われると骨が折れるなぁ」
とたんまり袋に溜まった糸を見ながら彼はそういいます。
あなたはその袋の中に、少しだけ目だって見える「太い糸」が入っていることに気づきます。

「ん・・・なんだろう。ちょっとデカいアラクネの巣にも入ってったから、そのときの奴かな・・・」
「それにしてもこれかなりデカいよな。けどこれでもしかするともっと良い成績貰えるかもしれないぜ!」

そんな会話をしながら、キミたちは学園へと戻っていきます。

シーン5:カース特別対策委員会(PC3)
PC3は、カース特別対策委員会の最高責任者である、イマヌエル=カント先生から呼び出しを受けていた。
カント先生の研究室へ向かうと、カント先生はキミを招きいれ、椅子に座らせた。

「PC3くんか。急に呼び出して悪かったね。」
「早速だが、この映像を見て欲しい。」
とそういって、カント先生が手にもった杖を振ると、魔法によって、空中に映像が映し出される。
それは、どうやら学内で撮られた映像のようで、映っているのはキミの後輩である「牧場駿介」で、場所はどうやら体育館裏のようだった。

「少し見ていてくれ」と、そういうと、映像に映った牧場駿介の元に、一人の男子生徒がやってきた。
彼らは何かを話し始めた後、突然、牧場駿介が杖を振り、魔法で男子生徒を吹き飛ばしたのだ。
その男子生徒は逃げるようにどこかへと去っていこうとするが、牧場は彼を追撃するように男子生徒に追い討ちをかける。

「・・・これを見てどう思う?ただの喧嘩に見えるかい?」
「襲撃を受けた男子生徒はかなりの重症らしい。命に別状はないが・・・」
「あのおとなしく優等生の牧場くんが、こうも乱暴な真似をするなんて、私には考えられないのだよ」
「確かキミは彼と親しかったね。どう思う?」
「牧場くんは今捜索中だが、まだ見つかっていない。管理ゲートがある以上、この世界にいるのは間違いないが。」
「とにかく、キミに私から依頼を頼みたい。牧場駿介の捜索、及びカース感染の疑いがあればその解放だ。頼めるかな?」
「ではよろしく頼む。くれぐれも、急いだほうがいいと私は思うよ」

シーン6:賞金稼ぎ(PC4)
PC4は、クリーチャー「ウェアウルフ」の討伐を終え、帰還したばかりのとき、フリード・フィリップスからの電話が鳴り響きます。

「もしもし、フリードだけど。PC4?今どこにいる?」
「その様子だと、この前頼んだ人狼討伐は遂行できたみたいだね。あとはきちんと学務科に報告書を出してくれれば、報酬はキミの口座に振り込まれると思うから。」
「それじゃあ、早速新しい依頼、頼んでもいいかな?」
「受けたくないのなら、別の人に頼んでもいいのだけど。・・・結構報酬高いみたいだよ、これ」
「依頼内容は、カース感染の疑いがある牧場駿介の捜索と、その解放。お願いできるかい?」
「あとで参考映像と彼の写真を添付したメールを送っておくよ。」
「じゃあよろしく。」

そういって電話が切られると、すぐにメールが届きます。
そこには彼の暴行映像と顔写真のデータが添付されていました。

シーン7:友の異変(PC2)
PC2はいつものように授業に出ようと、学科棟に向かっていたとき、オリバーが学科棟とは真逆の方向にふらふらと歩いていることに気づきます。
その目には生気が無く、明らかに異常でした。
オリバーに話しかけると、彼はこう言います。

「ああ、なんだ、PC2か。」
「いやぁ、俺さ、今年こそは評価あげなくちゃいけなくてさ、SSランクに入りたいんだよね。どうしても・・・」
「だからさぁ、あんなとこで勉強するよりも、もっと早い方法を思いついたんだよ」
「だからPC2、邪魔すんなよ」

明らかに、彼のいつもの態度とは違っています。
彼はそういった後、ふらふらとまた歩き出します。
PC2は人ごみで彼を見失ってしまいます。

シーン8:約束(PC1)
PC1は、夜中、ドロシーに呼び出されます。
彼女は、いつも通り、ハーベストで一番綺麗な夜景が見られる場所、学長室に居た。

「こんばんは。ごめんね、呼び出しちゃって」
「なんか、話し相手が欲しかったの」
「それより、今日の月、すごく綺麗だと思わない?」

そういって彼女が指差す月は、満月だと見紛うほど美しい円形をして、綺麗に輝いていた。

「けれど、明日には、もっともっと綺麗なお月様、私たちが出会った日と同じ月、中秋の名月が浮かぶんだって。」
「同じ月って言い方もおかしいかな。いつもどんなときでも、私達が見ている月は、同じ物なんだし。」
「ねぇ、PC1くん。キミとはじめてあったあの日、私はなんで現実世界に居たと思う?」
「こうやって月を見てたら、この魔導次元の月と、現実世界の月は、同じ形をして、同じ輝きをしてるのかなーって、ちょっと気になったの」
「そうしたら、本当に同じ月だった。同じ形で、同じ輝きをしていたの。」
「それで感傷的になってたら、キミがやってきて。幼い頃のPC1、可愛かったなー」
「今はもう・・・私にはかっこよく見えちゃうな。なんて。」

そういって、窓から箒に跨って一人、空を飛んでいく。

「また明日ね。明日、一緒に見よう?中秋の名月・・・ハーベストムーン。・・・約束だよ。」

シーン9:襲撃(PC全員)
PC1がドロシーとの会話を終え、寮に帰ろうとしたとき、突然ふらりと男子生徒がキミの前に立ちはだかります。
その目は生気を失っており、顔は半笑い状態です。

「・・・ねぇ、PC1くんだよね。僕の名前は牧場駿介。はじめましてー。」
「あはは。確かキミでしょ?去年SSランクを取った新入生って。」
「あれはもともと僕の枠だったのに。ようやく取れたSSランクだったのに。」
「キミみたいな奴がいるから僕はこんな惨めな想いをしなきゃいけないんだ。」
「おとなしく新入生はCランでも取ればいいんだよ。あはは。」
「今年は僕はどうしても評価あげなきゃいけないんだよね。ほら僕、優等生だから。わかる?」
「というわけで、キミの存在が目障りだから、消えてくれないかな」

彼はそういうと、懐から魔法の発動体である杖を取り出します。
そして、気がつくとキミの後ろにも、見知らぬ男子生徒の姿があります。
彼も生気が無く、顔が不気味ににやけています。
この辺りで、他のPCたちを登場させてください。
PC2は、PC1の背後にいる男子生徒が「オリバー・カロル」であることに気づきます。
オリバーに話しかけても、彼は「PC2、邪魔をするな」という台詞を壊れた機械のように繰り返します。
牧場は、PC3の姿に気づくと、次のような台詞を話します。

「あれれ、先輩じゃないですかー。やだなー。先輩強いもん。」
「だけど今の僕は、もっともっと強い力がみなぎってる。こんな心地よい力なら飲まれてもいい。今ならあなたにだって・・・」

戦闘に入ります。戦闘に勝利すると、2人は倒れます。
オリバーは倒れた後も「PC2、邪魔をするな・・・」と呟き続けています。
戦闘後の描写をした後、このシーンは終了です。

シーン10:情報収集(PC全員)
次の日、PCたちは情報収集することになります。
情報収集では好きなリベラルアーツを発動することで、情報を1つ得ることができます。
初期に調べることのできる情報は情報1~3の3つです。

情報1「アラクネ」
アラクネは小型の蜘蛛で、体内で生成するカース量は異様に少ないため、人体への影響はないと考えられる。
また、体内で細い糸を生成し吐き出すが、オリバー・カロルが集めた糸の中にはアラクネからは生まれない糸が含まれていた。
この情報を調べることで情報4を調べることができるようになります。

情報2「オリバー・カロル」
オリバー・カロルは、カース感染において、一次感染者(クリーチャーからカースが感染した)ことが判明した。
また、彼は魔導次元で生まれており、そのため、魔法学園を知る両親から、もっと成績をあげろとプレッシャーをかけられていたらしい。

情報3「牧場駿介」
牧場駿介は、カース感染においては、二次感染者(クリーチャーからカースが感染したのではなく、人から人への感染によって感染した人間)であると判明した。
彼による襲撃は、すべて彼より成績が高い相手に対し行われていた。

情報4「太い糸」
この太い糸は、アラクネによるものではなく、凶悪なクリーチャーである「アトラク=ナクア」により生み出されたもの。
アトラク=ナクアは人にカースを感染させるだけの十分なカース量を生成するため、一次感染はアトラク=ナクアが原因だと思われる。
この情報を調べることで、アトラク=ナクアの生息区域が判明する。また、アトラク=ナクアは夜行性のため、夜しか姿を見せないようだ。

シーン11:ドロシーと共に(PC全員)
PCたちが、アトラク=ナクアの生息地に向かうと宣言したシーンの次に挿入されます。
時刻は夜。空は雲がかかっていて、綺麗な月はどこにも見当たりません。
PCたちが出発しようとしたとき、学園の出口には、ドロシーが居ます。

「皆、こんな夜にどこに行こうとしているの?」
「勘違いしないでね。止めるつもりはないから。」
「けど、私の学園で問題が起きていて、生徒が苦しんでいるのを知って、それで、黙ってキミたちだけ行かせるわけにはいかないの。」
「私もついていく。ダメとは言わせないから。」
「それじゃあ、急ぎましょう。」

PC1だけに対し、次の台詞を話します。

「今日、曇っちゃったね。けど、きっと帰ってくる頃には晴れるよ。だから、帰ってきたら、今夜は私と一緒にお月見しようね。」

シーン12:クルドサック(PC全員)
このシーンは、クルドサックの突破を行うシーンです。出現するクルドサックは以下の通りです。

1、闇の植物 
解除方法:ルクス 
ペナルティ:3点のダメージ

2、アラクネの群れ 
解除方法:ステルス、ララバイ 
ペナルティ:3点のダメージと、1点のTP消費

3、アトラク=ナクアの巣 
解除方法:エクスプロード、オペレイト系魔法 
ペナルティ:バッドステータス:毒レベル2、バッドステータス:怯みレベル1

※PC人数が3人の場合は、バッドステータス:怯みレベル1を除く。

シーン13:アトラク=ナクア討伐(PC全員)
巣の中心部まで行くと、アトラク=ナクアが姿を現します。
禍々しいほどの邪悪なマナを身に纏った、上半身が人型の巨大な女郎蜘蛛です。
アトラク=ナクアは咆哮を上げます。
その咆哮に耳を塞ぎながら、ドロシーはこういいます。

「あれが、アトラク=ナクア。私も長い間生きてるけど、実は直接見るのは初めてなんだよね。」
「凶悪なクリーチャーだけど、キミたち全員が協力すれば、きっと倒せる。だから・・・」

と、ドロシーがそう言ったその瞬間、アトラク=ナクアの背後から、ぞろぞろと多数の小型蜘蛛が現れます。
小型の蜘蛛は、あっという間にPCたちを囲みこみ、威嚇します。

「・・・皆、ちょっと見ててね。」

そういってドロシーが箒を空に掲げます。

「いい?皆。どんなに暗い雲がこの世界を覆い隠したとしても、いつだってその上で月は輝いているんだよ。」
「闇が包み込むどんなに暗い夜でも、月が昇れば、その光が道を照らしてくれるの。」
「だから、どんな絶望的な状況でも、道を探せるように。私が名づけた、皆への希望の魔法。それが、『具現せよ中秋の名月(ハーベストムーン)!』」

そう彼女が叫ぶと、空を包み込んでいた雲が、月の光を通すように、外へと引いていきます。
空に浮かぶ綺麗な満月が、アトラク=ナクアの巣を照らし出し、そして、小型の蜘蛛を全て退けさせます。

「さて。ここからは、キミたち生徒ががんばってるところ、私に見せてほしいな。」
「PC1、PC2、PC3、PC4。魔法学園ハーベストで、キミたちが学んだ成果を、この私に見せて!」

アトラクナクアとの最終戦闘に入ります。
アトラク=ナクアを倒すと、アトラク=ナクアは悲鳴を上げながら泡となって消えていきます。
PCたちが勝利したのを見届けたのか、夜空に浮かぶ月は、また雲の中へと隠れて行きました。

シーン14:エンディング(PC4)
学園に帰ると、フリード・フィリップスが門の前で待っています。

「おかえり。PC4。学長もお疲れ様です。」
「お疲れ、フリード。PC4と知り合いだったんだ?」
「ええ。PC4、その様子だと、今回も討伐に成功したようだね。」
「牧場駿介の捜索、解放、そしてカース事件の解決。全て問題なしだよ。あとは報告書だけ、よろしくね。」
「あ、そうだ。また依頼が来てるんだよ。今度はバジリスクの討伐。少し難易度上がるけど、どうする?受けるかい?」
「それと、今度は僕もついていくよ。キミにばかり活躍させるわけにもいかないしね。」

シーン15:エンディング(PC3)
牧場駿介と会話するシーンです。
彼は、PCたちが学園に帰ってきたとき、バツが悪そうに門の前で待っていました。

「PC3先輩、すみませんでしたっっ!カースに感染したとはいえ、暴言を吐くだけでなく、あんな無礼な行いをしてしまいました・・・」
「また、こつこつと勉強をがんばることにします。がんばらなきゃ何も始まりませんから。」
「それと、PC3先輩。一つお願いしたいことがありまして・・・」
「僕も、カース特別対策委員会に入りたいんです!」

シーン16:エンディング(PC2)
学園の前で、牧場と共に待っていたのは、オリバー・カロルです。
彼も頭をかきながら、キミの前に現れます。

「その・・・PC2、悪かった。俺のせいで迷惑かけて・・・」
「いや、お前だけじゃない。俺はたくさんの人に迷惑かけちゃったんだな・・・」
「けど、PC2、お前が居てくれたから、俺は助かったし、皆も助かった。本当にありがとう。」
「俺の邪魔をしてくれて、ありがとう。」

シーン17:エンディング(PC1)
その日の夜。
ちょうど、シンデレラが王子様に見初められたお城のような場所。
ちょうど、シンデレラがガラスの靴を落とした時間。夜12時。
ドロシーは、昨日と同じように学長室で空を眺めていた。
キミはその隣に来ている。

「あー。やっぱ雲がかかってて見えないね。」
「けど、今もこの上で綺麗な月が輝いているんだなぁって思ったら、それだけで満足かも。」
「PC1、今夜、私を一緒に連れて行ってくれてありがとう。それから、1年前、私について来てくれてありがとう。」
「月が彩る夜も素敵だけど、私はキミが居てくれるだけですごく素敵な夜だって思えるから。」

このタイミングは、大魔法の使用想定です。
ここで大魔法を発動する場合、雲がかかっていた月が現れる、雲の上に行く、などの演出ができます。

「・・・すごいね。PC1くん。」
「ありがとう」

ドロシーはPC1にぎゅっと抱きついて、頬にキスをする。

「また来年も、私と一緒に、お月見しようね!」

※シナリオを遊んだ後は、ぜひ、シナリオの感想を、「#魔法学園RPGハーベスト」をつけて、Twitterで呟いてみてください!デザイナーの涼宮隼十が「いいね」押しに行きます!

エネミーデータ

「牧場駿介」
主体属性:火・水 クラス:杖魔導学科 
能力値「アクション:5」「リアクション:4」「リベラル:3」

特技
「万物は流転する」消費TP2 A 
アクションフェイズ発動ダイス+1   
「永遠の相のもとに」消費TP3 A 
アクションフェイズ攻撃力+8 1シーンに1回使用可能。  
「絶対精神」消費TP2 R 
魔法攻撃の発動者に3点のダメージ

アイテム「デュナミス」 攻1 防0 HP40 TP20 SS5 移動1
効果:アクションフェイズでの魔法攻撃の対象が1体の場合、攻撃力+4    
「毒消しの薬草」 準備タイミングで使用することで、自分に与えられているバッドステータス:毒を回復する。1シナリオに1回使用可能。

魔法
A「オリジン」全属性1
発動タイミングの好きなダイス1つの出目を+1及び-1できる。
A「ハーベストムーン」地1水1火1風1光1闇1
攻撃力+20、さらにこの魔法の発動確定後、この発動タイミングにおける全ての発動ダイスをもう一度振る。また、この発動タイミングではもうハーベストムーンは発動できない。
※オリジンと同時に使用することはできない。
C「カース」全属性1
発動タイミングの好きなマナ1つを呪属性に変更する。
A「タイダルウェイブ」水2 
攻撃力+2、さらに対象にバッドステータス:衰弱レベル2を与える。 
A「エアロスプラッシュ」風1水1 
攻撃力+1、さらに攻撃範囲を自分の周囲全方位1マスに変更する。 
R「テトラポッド」風1水1 
防御力+1、さらに自分の次のリアクションフェイズでの防御力に+2する。 
A「インフェルノドライブ」火1水1闇1
攻撃力+4、さらに対象にバッドステータス:火傷レベル2を与え、自分にグッドステータス:興奮レベル2を与える。
C「ナイトメア」呪1水1闇1 
攻撃力+4、さらに自分にグッドステータス:浄化レベル2とグッドステータス:興奮レベル2とグッドステータス:鼓舞レベル2を与える。 
A「ラグナロク」風3水1 
攻撃力+7、さらに敵全員にバッドステータス:氷結レベル3とバッドステータス:重圧レベル3を与える。
A「ブレイジングキャノン」火3風1 攻撃力+8、さらに対象の防御力を無視してダメージ計算を行う。

「オリバー・カロル」
主体属性:光・地 クラス:札魔導学科 
能力値「アクション:4」「リアクション:5」「リベラル:3」

特技
「デスティニー・ドロー」消費TP2 R 
リアクションフェイズ発動ダイス数+1  
「ソリティア」消費TP1 A 
次の自分のアクションフェイズまでの間、味方が魔法攻撃の対象に選ばれたとき、その味方のリアクションフェイズを代わりに自分が行う。  
「ハイランダー」消費TP2 R 
このリアクションフェイズでの防御力に+10する。1シーンに1回使用可能。

アイテム「トランプカード」 攻1 防1 HP45 TP10 SS4+2 移動1
効果: 「ソリティア」の消費TPを0にする。    
「黒猫のチョーカー」SS値+2

魔法
R「アイリス」全属性1
発動タイミングの好きなダイス1つの出目を+1及び-1できる。
C「カース」全属性1
発動タイミングの好きなマナ1つを呪属性に変更する。
R「ハーベストムーン」地1水1火1風1光1闇1
防御力+20、さらにこの魔法の発動確定後、この発動タイミングにおける全ての発動ダイスをもう一度振る。また、この発動タイミングではもうハーベストムーンは発動できない。
※アイリスと同時に使用することはできない。
R「ビートディフェンス」光1闇1
防御力+2、さらに自分にグッドステータス:鼓舞レベル1を与える。 
R「ヒートマイン」火1地1 
防御力+1、さらにこのリアクションフェイズ終了後、魔法攻撃の発動者のいるマスを地形:溶岩レベル1に変更する。 
A「ダストストーム」風1地1 
攻撃力+1、さらにダメージ計算後、対象を1マス好きな方向へ移動させる。移動させたマスにオブジェクトが既にあった場合、衝突が発生する。 
C「グリード」呪1光1 
攻撃力+3、さらに自分のHPを3点回復し、敵1人のHPを3点減らす。
R「カスマティス」風1水1光1 
防御力+4、さらに自分の周囲全方位1マスにいる敵に、バッドステータス:麻痺レベル2を与え、自分にグッドステータス:鼓舞レベル2を与える。
R「ナチュラルフォレスト」地2水1 
防御力+3、さらに戦闘空間上のすべてのマスを地形:森林レベル1に変更する。
R「ロビンズエッグ」水3地1 
防御力+7、さらに戦闘空間のオブジェクトの存在していない好きな1マスにオブジェクト:エッグを召喚する。 
R「ヴォルテックヒート」火3光1 
自分の周囲全方位1マスにいる味方以外のオブジェクト全てに7点のダメージを与え、[与えたダメージの合計÷2(端数切り捨て)]点、自分のHPを回復する。

「アトラク=ナクア」
主体属性:風・地・闇 クラス:クリーチャー 
大魔法:テスタメント(神の存在証明)、アスタリスク(小さな星)、イマジナリーウイング(想像力の翼)
能力値「アクション:7」「リアクション:5」「リベラル:4」

特技
「無限の幽閉」 消費TP3 A 
敵全員にバッドステータス:麻痺レベル1とバッドステータス:重圧レベル1を与える。  
「深遠の巣」 消費TP3 R 
自分の受けているバッドステータスを1つ回復する。  
「世界の終末の刻」消費TP5 A 
このアクションフェイズでの攻撃範囲を戦闘空間上の全てのマスに変更する。

攻6 防3 HP100 TP40 SS6 移動1 
このクリーチャーは2×2マスのオブジェクトである。

魔法
A「オリジン」全属性1
発動タイミングの好きなダイス1つの出目を+1及び-1できる。
R「アイリス」全属性1
発動タイミングの好きなダイス1つの出目を+1及び-1できる。
C「カース」全属性1
発動タイミングの好きなマナ1つを呪属性に変更する。
A「グラビティゾーン」地1闇1 
攻撃力+1、さらに攻撃範囲のマスを地形:重力場レベル1に変更する。
A「ダストストーム」風1地1 
攻撃力+1、さらにダメージ計算後、対象を1マス好きな方向へ移動させる。移動させたマスにオブジェクトが既にあった場合、衝突が発生する。 
A「ファイアボール」火1闇1 
攻撃力+2、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル1を与える。 
C「イクリプス」呪1火1 
攻撃力+5、さらに攻撃範囲に自分の前方3マスを追加する。 
A「アイスバーン」水1地1 
攻撃力+1、さらに攻撃範囲のマスを地形:凍土レベル1に変更する。 
R「デモンズナックル」風1闇1 
防御力+1、さらに自分にグッドステータス:興奮レベル1を与える。 
A「アイシクルコフィン」水1地1闇1 
攻撃力+3、さらに対象のいるマスを地形:凍土レベル2に変更し、対象にバッドステータス:重圧レベル1とバッドステータス:衰弱レベル1を与える。 
A「インフェルノドライブ」火1水1闇1 
攻撃力+4、さらに対象にバッドステータス:火傷レベル2を与え、自分にグッドステータス:興奮レベル2を与える。 
A「アシッドレイン」水2闇1 
攻撃力+3、さらに対象にバッドステータス:毒レベル3を与える。また、この魔法の対象が既にバッドステータス:毒を受けている場合、代わりにそのバッドステータスのレベルに+2する。 
C「インサルト」呪1水1光1 
攻撃力+4、さらに対象にバッドステータス:毒レベル2とバッドステータス:麻痺レベル2とバッドステータス:重圧レベル2を与える。 
R「パラサイトデビル」闇2水1 
防御力+3、さらに魔法攻撃の発動者が受けているバッドステータスのレベルを全て1上げる。 
A「エアレイド」風4 
攻撃力+10、さらに戦闘空間の好きなマスに移動後、自分の周囲全方位1マスを攻撃範囲に変更し、対象を1マス好きな方向へ移動させる。 
A「ミスティックキリング」闇3光1 
攻撃力+9、さらに敵全員の受けているグッドステータスを全て消去する。 
A「アブソリュートゼロ」水3地1 
攻撃力+7、さらに攻撃範囲に戦闘空間の好きな1マスを追加し、対象にバッドステータス:氷結レベル3を与え、対象のいるマスを地形:凍土レベル3に変更する。

PHP Code Snippets Powered By : XYZScripts.com