「リブラコーポレート」について
「リブラコーポレート」は魔法学園ファーメントから南東約20kmほど離れた眩き廃墟内に設立された企業です。普段、職員や関係者は眩き廃墟自体の迷宮性を利用して企業自体を秘匿状態としており、隠蔽魔法により工作されたいくつかの転移ゲートを介して訪れることが出来ます。訪問時は職員から特殊な魔具を拝借することで通行が可能です。
元々は、ファーメントでのアビズマルゲート監視・対処を担っていた卒業生と関係者の有志により設立されたボランティア活動が始まりです。設立当初はアビズマルゲートの対処を主に行なっていましたが、次第にクリーチャー討伐や環境調査など何でも屋的側面も担うようになり、様々な分野に長けた人材が揃ってくる中で更なる研究として目を向けたのが「奈落の行進」の前後や現実世界での魔法的干渉でした。
リブラコーポレートの現在
現在のリブラコーポレートは魔法省や各学園との協力関係を結び、魔導次元での様々な依頼に対応すると同時に、現実世界での魔法的反応の検査を行なっています。さらに、後述する「ガイスト」や「天使族(アンヘル)」に関する研究や討伐、「アスター」の監視や対処などに力を入れています。
現実世界では日本を起点に幾つかの国に支社を置いて、表向きは様々な分野の企業グループや活動家として活動してイます。一方で政府や魔法省などを中心に情報交換を行いながら依頼を遂行しています。この活動にはファーメント所属の矢牧ミコも積極的に資金提供や現地の活動支援を行なっています。
また、魔導次元での優秀な人材のスカウトや各学園の支援学習も行い、時には校外学習の一環として生徒を受け入れることもあります。
極一部のメンバーには元アマリリスなどの人員も所属していますが、彼らは現状実害がないという「イン・オンソウ」自らの判断により仕事をしています。少数精鋭かつ場合によってはハードな任務も任されることもあり、基本的には実力成果主義な風潮が強いです。
現実世界での魔法について
これまで現実世界ではマナが希薄なため、極一部の非常に優秀な魔法使いのみが活動可能な現状でした。しかし、「シルヴィア・リーヴィス・ニュートン」による魔導具応用理論の提唱によって、魔導次元の人物でも一定以上のマナ制御ができる者であれば現実世界にて短時間ながら魔法を行使可能となりました。
さらに、現実世界でのマナの流動性に関する研究が進むと、土地や人々の信仰などの影響である程度地域によって発生マナの変化があるという研究結果が報告されています。
一方、マナが希薄である現実世界では、そこに住む人や生物が魔法やカースなどに対して耐性が低いため、一定以上のマナに触れると精神的に不安定となることも報告されています。特に呪属性や聖属性マナはその性質から人の精神を不安定にさせやすく、疾患者には最大の配慮をしながら対応しなければなりません。
また、現実世界では疾患者がある一定の感染深度になると、その人物の別人格に似たような存在が発生することが報告されています。現実世界ではこれらの存在が悪魔や幽霊、怪奇現象などに似た行動を示し、疾患者本人や他の人々へ害を成すようです。この存在を「ガイスト」と呼称し、魔法省やリブラコーポレートは研究や対処を行なっています。
現実世界での魔法行使
現実世界で魔法を扱うには、そもそもマナが希薄な環境で低燃費に行使できる魔法、または効率的に少ないマナで効果を増大させる爆発力など方法は幾つかありますが、可能な限り魔法を使う本人や発動体の制御能力精度が求められてきます。
そこで、リブラコーポレートでは魔導具応用理論を活用して個人の持つ発動体に専用魔導具を装着することで、発動体優先効果に影響を与えないまま少ないマナを効率的に収集・増幅させることを可能にしました。また、この専用魔導具はマナプロテクト同様の効果や言語濾過機能が発揮されます。ただし、魔法以外での防衛機能も一応発揮されていますがまだ改良途中のため、私生活に関わるダメージも一定以上受けると壊れてしまう恐れがあります(例として、ビル100階以上からの自由落下・刃物や鈍器等で通常では考えられない回数の暴行など)。
現実世界でも魔法による戦闘は可能です。ただし、現実世界で許可なく魔法を使うと魔法省管轄の魔法警察による任意聴取、場合によっては逮捕される可能性があります。
また、魔法の素質を持つ現実世界の人物に勘付かれる可能性もあるため、魔法による戦闘を行う場合は非常時を除いて可能な限り、周囲に人がいない場所や空中に移動する、魔法省によって許可されたエリアでの戦闘などの対策を講ずる必要があります。
「アスター」について
「アスター」は現実世界にて表向きは世界的に活動している宗教団体とされています。しかし、実際は現実世界と魔導次元の融合を目論む魔法使いたちによるテロ組織です。
現実世界にて宗教活動を通して魔法使いの才能がある子供の捜索、および彼らの育成、さらにはガイストやクリーチャーなどを利用して現実世界での魔法犯罪活動などを行なっています。
アスターは「奈落の行進」で敗北し逃亡した2名によって作られた組織と言われています。以降、彼らは再起のため活動メンバーの構成も行い、およそ2000年ごろから現実世界で発生している魔法犯罪の約4割は彼らのテロ行為に繋がるのではないか、という推論もあります。
活動拠点は現実世界ですが、魔導次元でも稀に活動員の目撃が報告されており、時には直接的な協力関係はないもののアマリリスの一部メンバーとも繋がっているのではないか、という報告もされており重要監視団体とされています。
敵性勢力について
現実世界では主に「ガイスト」による被害報告が急増しています。そして、アスターも密かに活動しており、彼らの妨害工作も悩みの種となっています。
報告数は少ないですが、クリーチャーが魔導次元から現実世界へ排出されてしまい放浪するという事案もあるため、これらの対処も必要となっています。
また、極稀ではありますが時と場合によっては「天使族(アンヘル)」の対応も必要となっています。
「天使族(アンヘル)」について
過去、現実世界と魔界が隣接しており、魔界からの侵攻を防衛する目的で現実世界との間に魔導次元が誕生した、というのは魔導次元に住む者達の中では常識の一部となっています。
しかし、近年学会で噂されているのは、現実世界と隣接しているのは魔界だけでなく「天界」もあるのではないかという話です。
ある研究者がまとめた論文によると、「天界は存在し、現実世界と隣接している。また、天界にも特殊な住人が存在する。彼らは人間に対して間接的または直接的に関わり、時には手助けを、時には害を成し、人間の管理をしている」という仮説が提唱されています。
現在、天使族の目撃情報は少なく、また捕獲された個体による研究も機密事項として極一部の人物しか情報共有されていません。
現在公開されている情報では、天使族は魔界や魔導次元の住人と同じくマナを用いた魔法を扱い、今なお現実世界での活動を行なっているということは事実とされています。更に、天使族には上級個体と下級個体の区別があり、下級個体は上級個体「セフィラ」によって管轄されているのではないかと言われています。
また極少数例ではありますが、天使族に類似した「中性天子(アンヘルジナス)」も存在すると報告されています。
彼らがなぜ現実世界と関わるのかは未だ謎に包まれています。
「中性天子(アンヘルジナス)」について
「中性天子(アンヘルジナス)」は、天使族に類似した人を総称します。
現在、この個体が確認されている数は現実世界、魔導次元含め100人前後ではないかと推測されています。彼らは基本的な容姿や言動は人間と類似していますが、いくつかの特徴を持ちます。
まず、彼らの瞳は総じてオッドアイであり、普段は不可視化されていますが感情の昂りによって頭上に天使の輪に似たもの(通常「ヘイロー」と呼称)が現れる、背中に天使の羽のような痣が確認されるようです。これらの色や形は千差万別となっています。
また、彼らは総じて体質が特殊であり、聖属性マナを人工的に生成してヘヴンリィマジックを行使することができます。一方、呪属性マナへの耐性が非常に低いため、カースマジックの行使が不可能であり、カースを含む魔法攻撃に対してとても脆いと報告されています。
中性天子になる条件は、天使族との関係を強く持つ、天使族を直接摂取したなど理由は様々です。
しかし、彼らは30歳以上で存命している報告例が無いようです。噂によると「30歳以上で天子族を直接摂取したものが消滅した」「監視対象がある日突然居なくなり、荒れた部屋だけが残っていた」なんていう不気味な話も上がっています。

