クオリアの持つ日記

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題名に「日記」と簡潔に書かれている。名前の欄は塗りつぶされていて読めない。

0年1か月2日

俺がハーベストから出奔して1か月になる。奴らの元で学べることは学びつくした。

早速実験に取り掛かろう。死者の完全な蘇生、魂の帰還の可能性を…確かめてやる。

1年0か月5日

難しい。1度では難しいとは分かっていたつもりだったが、長い道のりになりそうだ。

5年6か月12日

死霊魔導。死人を操る悪魔の術であり、禁忌…だが、おそらくは最も、魂の帰還に近い方法。

こんなものに頼る気はない。だが、確かめる必要がある。魂が帰還したのなら、果たしてどのような挙動を取るんだ…?

7年11か月22日

二度とこんなもの使うものか。資料は燃やした。確かに有用だった…憎い、自己嫌悪するほどに。

8年4か月20日

目標は見えた。やはり肉体の完全な再現は、魂の帰還に必須の条件なんだろう。まずは肉体の再現から始める。

肉体の再現の最も大きな障壁は脳だ。一つ一つの神経細胞。そのシナプスの通り方まで完全に模倣する必要がある。

10年1か月1日

失敗した…彼女は精神が不安定だ。このまま魔導次元に放り出すわけにはいかないが、長く付き合うこともできない。コールドスリープさせて、トラウマ緩和装置を取り付けて安置するか…

16年3か月0日

ようやく脳機能の再現に関する新しい魔導機械理論の構築ができた。あとは実践するのみだ。

それにしても、永い研究になっている。日記には特筆すべきことしか書いていないが、もう15年だ…

19年4か月16日

私の研究が間違っているわけがない。人間が、生を嫌悪することなど、ありえない。

27年10か月18日

私の理論が間違っていた。彼女は、失敗作だったというわけだ。

今度こそ、完璧だ。魂を、今度こそ、確実に呼び戻せる。

31年6か月7日

私が間違っていた。人の魂は、私のような存在を憎む。死は尊く、私はそれを冒涜していた。

研究はやめる。この施設も爆破することにした。

約68年

私の最愛の娘へ

これは『お前の父であった』私の最期のメッセージだ。もし蘇生が失敗して、お前が生前の記憶を忘却していたなら、まずは妻の日記を読んで欲しい。私から伝えることは、お前が今いる世界と、お前の体のことについてだ。

お前が今いる世界は、魔導次元と呼ばれる世界だ。お前が生きていた世界とは違う。ここではお前の生きていた世界では、想像もつかないことが当然のように起きる。命の危険も、現実世界よりは身近にある。気を付けてくれ。

お前の体について。下に詳しいことを書いておいたが、覚えておくべきことは2つ。「お前は現実世界では生きられない。」「お前の体は定期的に自己メンテナンスしなければならない。」これだけだ。

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お前はこれから、手紙と地図を持ち、魔法学園ハーベストに向かわなければならない。ハーベストに着いたならば、警備の人間に「この手紙をドロシー・フロム・オズ学長に渡してください」と言って、手紙を渡せ。そのあとは、学園の人間の指示に従え。

最後に、お前を生き返らせてしまって、すまない。

どうか、お前の生に、幸運のあらんことを。

生き返ってくれて、ありがとう。

この記事を書いた人

僕の書くシナリオはギャグです。

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