魔導次元には様々な人が住んでいますが、魔法使いであることを覗けば、ほとんどが現実世界に住む人々と同じ人種です。
エルフや獣人などのようなファンタジックな種族は存在を確認されておらず、機械生命体に関しても、基本的に、現実世界での科学技術にて製造されるロボットのレベルを超えません。
魔導次元には国などの統治機関は存在せず、実質的に行政を担っているのは「魔法省」という機関になります。
魔法省は、魔法学園ハーベストと密接な関係があり、魔法省の上層部と魔法学園ハーベスト理事会の役員には、それらを兼任したり、出向や斡旋による再就職も多いです。
錬金魔導は、故人である結城刹那によって大成された、物質に完全性を付与する魔法技術です。
結城刹那以前の魔術学会においても、「死者に新たな命を吹き込む魔法」や「永遠の命を手に入れる魔法」など、錬金魔導の前身となる研究は存在していましたが、それは全て机上の空論となっていました。
しかし、魔界大戦の数年前、「錬金魔導は学問として成立しない」とまで言われるようになった頃、突如学会に現れた結城刹那という女性研究者が、「錬金魔導の証明」に成功しました。
結城刹那による研究成果は、霊属性のマナという人工魔素を作成し、それによって、物体の魔導回路を書き換え、それを生物学でいう神経系のようなものとして起動させることで、疑似的に物体に命を吹き込むというものでした。
これにより、錬金魔導の研究が結城刹那を中心に一斉に始まりますが、ほとんどの研究者は結城刹那の理論を理解するのに精一杯で、結城刹那以外の人間が新たな理論を提唱することはありませんでした。
その後、結城刹那は、錬金魔導の大成を宣言した後、学会を離れ、とある事件でカース感染し、死亡しました。
結城刹那の死後、錬金魔導の研究はそれ以上進むことはなく、今も停滞している状態です。
現在は、錬金魔導研究科は、魔法学園ハーベストにて、有志による「結城ゼミ」として開かれ、勉強会が行われています。
「結城ゼミ」は講師を持たないサロンのような形であり、運営費はハーベストにより補助されています。
正式な入学窓口は設けられていないため、数は他に比べて圧倒的に少ないものの、錬金魔導に興味を持った学生や新たな錬金魔導理論の提唱に挑戦しようとする学生などがいます。
「結城ゼミ」のコアメンバーには、「再現坂響也(劇場版3参照)」や「天王寺帝(劇場版5参照)」などが在籍していました。
結城刹那が提唱した錬金魔導では、主に3つの分野に分かれます。
1.精霊錬成
結城刹那が提唱した最初の錬金魔導で、魔法によって生み出された「炎柱」や「竜巻」などの「魔法生成体」に、霊属性のマナによる魔導回路を通すことで、「魔法生成体」が1つの意思を持って動く現象を「精霊現象」と呼びます。
「精霊現象」によって生まれた意思を「精霊」と呼ばれ、錬金魔導の使い手はこうした精霊を使役することができます。
2.模造品錬成
結城刹那が精霊錬成の次に提唱した錬金魔導で、霊属性のマナによる魔導回路に合わせて意思を持って可動する「模造品(ホムンクルス)」を組み上げるという魔導技術です。
模造品は、人間を模した物が最初に作られたことからその名を冠していますが、人間を模した物だけでなく、「ゴーレム」や「オートマタ」と呼ばれる人形型の模造品も存在します。
模造品は、基本的に体内を通う魔導回路によって可動しますが、通常の人間と同じように食事や寝食をするものもいます。
模造品錬成の技術は大変難易度が高く、現在の魔導次元において、その技術を扱えるものは数人しかいません。
3.死霊魔導
結城刹那が没前に提唱した最後の錬金魔導で、死体に霊属性のマナを吹き込むことで、死者の意思や記憶を残したまま、死体をコントロールする技術です。
ただし、この技術に関しては、結城刹那は魔法倫理に反するものとして、禁忌の魔法として、完成した理論を世に出すことなく封印しました。
しかし、結城刹那の没後、封印を解き、死霊魔導を持ち出した者がいました。